「リスティング広告の運用を外注したいけど、広告代理店と業務委託、どちらを選べば良いのかわからない」
そういった悩みを抱えている企業担当者は少なくありません。
リスティング広告は、検索ユーザーのニーズに直接応える即効性の高い広告手法です。
その一方で、設定の複雑さや運用の手間、分析・改善の必要性から、専門的な知識が求められる領域でもあります。
成果を出すためには「誰に」「どのように」依頼するかが非常に重要です。

この記事では、外注方法の選択肢である代理店と業務委託の違いや、それぞれの費用相場、依頼先の選び方などについて、実践的な観点から解説します。
目次
広告代理店と業務委託の違いとは?
リスティング広告などのWeb広告の運用代行を依頼する先の選択肢として、まずは「広告代理店」が挙げられます。
代理店はサービス内容が比較的手厚い傾向にあり、広告の出稿から日々の運用、レポート作成、改善提案までトータルな支援の依頼が可能です。
一方の「業務委託」は、主にフリーランスや副業人材など、個人に広告運用業務を委託する形態を指します。
必要な作業だけを柔軟に依頼でき、コストを抑えやすい一方、担当者のスキルや体制に左右されやすいという点には注意が必要です。
以下は、広告代理店と業務委託の主な違いをまとめた比較表です。
項目 | 広告代理店 | 業務委託(フリーランス) |
---|---|---|
契約相手 | 法人 | 個人 |
サービス範囲 | 広範囲 (運用・レポートに加えて+制作・解析・改善提案まで) | 限定的 (運用中心の場合が多く、依頼先によってバラつき大) |
最低予算目安 | 高め(月額50円程度~) | 比較的安価(月額3万円程度~) |
手数料形式 | 広告費の20%前後/成果報酬/固定 | 固定・時間単価契約など |
担当者交代 | 担当交代の可能性がある | 担当固定、変更リスク低 |
専門性・スキル | チーム対応が可能で、いち担当者のスキルに依存しにくい | 個人のスキルに依存し、強み・弱みが顕著な場合がある |
最低契約条件 | 3か月〜/出稿金額10万円~など | 案件によって相談して決めるなど、柔軟に対応してもらえる場合が多い |
両者の違いを並べると、それぞれに明確な強みと弱みがあることがわかります。
次項以降で、代理店と業務委託それぞれのメリット・デメリット、契約形態、費用相場について、もう少し具体的に掘り下げてみましょう。
代理店のメリット・デメリット
メリット
- リスティング広告を熟知したプロ集団による一貫対応が可能
- ランディングページ(LP)制作やクリエイティブ改善もあわせて任せられる
- プラットフォームの変化に迅速に対応できる体制がある
- レポートや重要業績評価指標(KPI)に基づいた改善提案が受けられる
- 担当者一人に依存しないため、運用のクオリティや対応スピードが安定する
デメリット
- 運用手数料が高めで、費用対効果の検証が必要
- 業務の詳細な把握や細かな調整には時間がかかることも
- 代理店のチーム体制によっては担当者が変わるリスクがある
業務委託のメリット・デメリット
メリット
- 比較的安価に依頼でき、広告予算を施策に集中させられる
- 1人の担当者と直接やり取りでき、対応におけるフットワークが軽い傾向がある
- 特定領域(例:BtoB専門、EC向けなど)のスペシャリストを選定可能
- 自社の事情や商材に応じた柔軟な対応が期待できる
デメリット
- スキルや知識のレベルのバラつきが大きいため、依頼先の選定が難しい
- サポート範囲が限られるケースが多い(解析やLP制作など)
- 稼働状況や病欠などの影響を直接受けやすい
リスティング広告外注の費用相場と契約タイプの違い
リスティング広告の運用を外部に依頼する際、費用は重要なポイントです。
代理店の費用相場は、依頼先や広告予算によって大きく異なります。
広告運用にかかる費用内訳は、広告費(媒体に支払う料金)と手数料(運用代行の料金)となりますが、広告代理店に依頼する場合、一般的に以下のような手数料体系が採用されています。
- 広告費に対する一定割合(20%が一般的)
- 最低運用費の設定(月額10万円〜30万円程度)
- 成果報酬型(到達した成果に応じた費用)
- 固定費型(サービス内容に合わせた固定料金)
個人店舗などの小規模事業での広告運用であれば月額予算5万円程度から依頼可能な代理店もありますが、中〜大規模の運用では、月額予算50万円程度から、うち手数料は10万円程度からが相場です。
フリーランスや副業人材に業務委託する場合は、手数料が安価な傾向があるため、月額3万円程度からでも依頼しやすくなります。
ただし、その分提供されるサービスの範囲や品質を十分確認することが重要です。
広告代理店の費用体系
広告代理店の費用体系をもう少し詳しく見てみましょう。
最も一般的なのは、広告費に対する一定割合を運用手数料として支払う方式です。例えば、月間広告費が50万円の場合、20%の手数料率であれば10万円の運用手数料が発生します。
ただし、多くの代理店では最低運用費を設定しています。
例えば「月額10万円または広告費の20%のいずれか高い方」といった形式です。
そのため、小規模な広告運用では割高に感じる場合もあるでしょう。
成果報酬型は、コンバージョン(CV)数や売上に応じて手数料が変動する仕組みです。
成果に応じた支払いになるため、リスクを抑えられるメリットがありますが、成果が出れば出るほど費用も高くなる点に注意しましょう。
固定費型は、サービス内容に応じて月額料金が決まる方式です。
予算を管理しやすいメリットがありますが、提供されるサービスの範囲を入念に確認することが重要です。

代理店に依頼する場合の費用相場に関しては、下記の記事でより詳しく解説しています。

フリーランス・副業人材の費用相場
フリーランスや副業人材に業務委託する場合の費用相場は、経験や専門性によって大きく異なります。
未経験者や経験の浅い人材であれば月額3〜5万円程度から、中級者であれば5〜10万円程度、上級者や特定分野のスペシャリストであれば10万円以上が一般的な相場です。
なお、代理店と同様に手数料が必要であり、個人の場合は10〜15%に設定している場合が多く見られます。
また、時間単価で契約するケースもあり、この場合、1時間あたり3,000円〜5,000円程度が相場といえます。
フリーランスや副業人材に依頼する際は、単に費用の安さだけでなく、実績や専門性、コミュニケーション能力なども総合的に判断することが大切です。
パートナー選定のチェックポイント
リスティング広告の外注で成果を出すためには「誰に任せるか」が何より重要です。
依頼先の選定を誤ると、費用だけかかって成果が出ないリスクも懸念されるでしょう。
ここでは、代理店・フリーランスを問わず共通して確認しておきたい評価ポイントを紹介します。
1. 契約条件と予算の整合性
多くの代理店では最低契約期間(例:3か月〜)や最低出稿金額(例:月10万円〜)が設けられています。
フリーランスの場合も含め、予算と契約条件が合うことを事前に確認しましょう。
2. 対応範囲と費用のバランス
単純な運用だけでなく、クリエイティブ制作やアクセス解析、レポーティングなどが含まれているかどうかを確認しましょう。
同時に、手数料の割合や追加費用の有無も明らかにしておくと安心です。
3. 担当者のコミュニケーションスキルと専門性、実績
説明のわかりやすさ、レスポンスの早さ、同業界での実績などから、信頼できる担当者かどうかを判断しましょう。
可能であれば成果事例の提示も求めてみてください。
4. 長期的な関係を築けるか
やりとりの相性や継続性も、スムーズな運用には欠かせません。
担当が途中で交代する可能性も含めて確認しておくと安心です。
リスティング広告運用を依頼する代理店を選ぶ際のポイントは、以下の記事でより詳しく解説します。
あわせて参考にしてください。

成功事例に学ぶ広告依頼のコツ
実際に代理店や業務委託を通じて成果を上げた事例は、依頼方法を判断するうえで参考になります。以下に3つの事例を紹介します。
事例1:中小企業 × 運用代行代理店
地方でネット販売を行っていたある中小企業は、自社内でリスティング広告を配信していましたが、運用の専門知識を持つ担当者が不在で、費用対効果の低さに悩んでいました。
特に、キーワード選定や入札戦略の精度が低く、限られた予算を十分に活かせていないことが大きな課題でした。
そこで、業界知識と実績を豊富に持つWeb広告代理店へ委託を決断。
代理店は蓄積されたナレッジをもとに、成果につながりやすいキーワード設計と細やかな入札調整を実行しました。
また、複数の担当者でPDCAを高速に回し、最新の広告トレンドにも即応できる体制を整備。自社では対応しきれなかった「専門性」と「継続的な改善力」を補いました。
その結果、広告費を40%削減しながら、CV数は130%増加。代理店ならではの専門知識と運用体制が、成果の飛躍的な改善を支えた好事例です。
事例2:ECサイト × フリーランス業務委託
あるアパレルEC事業者は、新商品の展開スピードに広告運用が追いつかず、売上が頭打ちになっていました。
課題の背景には、施策改善に時間がかかることや、商品特性に合わせたクリエイティブ制作力の不足がありました。
そこで、EC業界の経験が豊富なフリーランスに業務を委託。
フリーランスならではの柔軟性を活かし、商品ごとの訴求をスピーディーに広告へ反映しました。
さらに、Googleショッピング広告と商品フィードを改善し、DSAを活用した自動連動型広告を展開。短期間での施策実行が可能となりました。
その結果、わずか3か月で売上は2倍に。フリーランスの「スピード感」と「EC領域への深い理解」が成果を大きく押し上げた事例です。
事例3:BtoBサービス × 専門特化型代理店
法人向けSaaSを提供する企業は、検索ボリュームが限られる市場でWeb経由のリード獲得に苦戦していました。
要因は、業界理解が浅く、適切でないキーワード選定や的外れな訴求をしていたため、CVにつながらないクリックが多発していたことにありました。
そこで、BtoB・SaaS領域に特化した専門代理店と連携。
代理店ならではの業界知識を活かし、ターゲットが検索する確度の高いキーワードを見直し、最適化を図ります。
さらに、導線設計やLPの改善を行い、質の低いトラフィックを排除。
業界特化型代理店だからこそ、キーワード戦略からLP改善まで一気通貫で任せることができました。
結果として、無駄なクリックが減少しリード獲得単価の30%削減を達成。その改善効果により、CPA目標の達成にも成功しました。専門性を備えた代理店の支援が、成果改善を力強く後押ししました。
これらの事例に共通していえるのは、目的に合った依頼先を選び、戦略的な運用を行っていることです。
成功している企業ほど、パートナーと密に連携しながら改善を繰り返しています。
依頼で失敗しないための注意点
代理店やフリーランスによる運用代行には多くのメリットがある一方で、依頼の仕方を間違えると成果が出ないばかりか、コストの無駄になる恐れもあります。
依頼の際は以下のポイントに注意しましょう。
1. 期待する成果が即座に出ると思わない
リスティング広告は即効性のある施策ですが、それでも期待しているだけの成果がすぐに出るとは限りません。
特に競合の多い業界では、効果検証や改善をしながら、数週間単位で広告を育てていくという認識をもつようにしましょう。
2. 丸投げしない
パートナーが広告のプロだからといって「ただ任せておけば大丈夫」という姿勢でいると、思うような成果はなかなか出ません。
自社の製品やサービス、顧客について最も知っているのはあなたをはじめとする自社のメンバーです。
運用担当者とのすり合わせや、ターゲット・競合・KPIに関する情報共有を欠かさず、一緒に成果を追及することが、成果を上げるための近道になります。
3. 成果基準の不一致に注意する
運用者と成果目標についてすり合わせる際、単に「CVを増やしたい」だけだと、「1件でも増えれば良い」のか「倍を目指したい」のかがわからず、認識の齟齬が生まれたり、戦略の立て方に影響が出たりします。
成果についての話をするときは「問い合わせを月30件以上」「CPAは1万円以内」といった定量目標を提示しましょう。
4. 契約条件の確認を怠らない
契約をするにあたっては、最低契約期間、中途解約時の条件、レポート納品の有無、追加作業の料金など、契約前に確認すべき項目が多数あります。
どの代理店も同じだと高を括らず、不利な要件がないか、求めている条件にマッチしているか、必ず確認するようにしましょう。
5. 安さだけで選ばない
月額固定3万円など安価な業務委託も存在しますが、実績が少なかったり対応範囲の質と見合っていなかったりするケースもあります。
どれだけ安くても、広告の効果が出なければそれは無駄な投資に終わってしまいます。コストだけでなく、着実な成果を出せそうかどうか、そのバランスを見る目が必要です。
リスティング広告の外注で失敗しないためのチェックリスト
リスティング広告を外注して成果を上げるには、やみくもに依頼するのではなく、事前の準備が不可欠です。自社の体制や目的、パートナー選定における重要な確認項目を、リストにまとめて紹介します。
1. 自社の状況の棚卸し
- 広告運用の知見や人材の有無
- 運用にかけられるリソースと予算
- インハウス化の意向やスキル育成の方針
2. 目的の明確化とKPI設計
- 認知拡大/CV数最大化/CPA改善など
- 月間リード数、CV率、CPCなどの数値目標
3. 依頼先の比較と選定
- 実績と得意分野のマッチング
- サービス範囲とサポート内容
- 価格体系と契約条件
- コミュニケーションの質と信頼性
代理店よりもフリーランスのほうが、小規模予算での運用を受けてもらいやすい傾向にはありますが、その選択基準を優先して結果が出なければ本末転倒です。
代理店に少額から依頼できるケースもあるので、成果が期待できる代理店があれば相談してみると良いでしょう。
少額の予算で運用を成功させるポイントなどは以下の記事にまとめているので、ぜひ参考にしてください。
最適な依頼先を見極め、継続的な改善を
リスティング広告の外注は、代理店かフリーランスかという単純な二択ではありません。
大切なのは、自社の目的や状況に応じた最適なパートナー選びです。
契約形態や費用だけでなく、提案力・対応力・相性といった「見えにくい部分」こそ慎重に比較する必要があります。
どのような選択をするにしても、最終的に重要なのは継続的なコミュニケーションとPDCAサイクルの徹底です。
定期的に進捗を確認し、必要に応じて戦略を見直すことで、リスティング広告の効果を最大化できるでしょう。
最適なパートナーとともに、成果につながる広告運用を始めましょう。

リスティング広告の外注を進めようとしている方には、以下の記事もおすすめです。
外注による広告運用で効果にしないために、あわせてご確認ください。


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この記事を書いた人

田中祐晴
旧Twitterリスティング広告・SNS広告の運用歴3年以上
BtoBのリード獲得をメインとした領域の運用型広告コンサルを担当。
成約までを考えた広告設計・改善で伴走支援いたします。