
あなたはリスティング広告の運用代行を依頼するとき、
リスティング広告を配信したら、このくらいの予算で何件くらいCVとれるかな?
リスティング広告でCV1件とるには、広告費いくらくらいかかるんだろう?
といった疑問を持ったことはありませんか?

色々話を聞いてみて、一番CV取れるって言ってる代理店を選ぼうかなーと思っているんですが、机上の数字が良いという理由で代理店を選んで実際配信したら全然結果が出ない…!ってことも聞くので、本当にその選び方でいいのか少し不安なんです……。

なるほど。
では、「リスティング広告をやったらCV数はどれくらい取れるのか?」を代理店の回答ではなく、自分で解消できたらもう少し有意義な目利きができそうじゃないですか?
今回は、自分で数字のあたりをつける方法についてお話します!より自社の希望に沿った代理店を選択する手助けになれば幸いです。

また何か始まる?
(数学の教科書にしては、なにかおかしいような……?)
第一話 解けない方程式
たかしくんは、よしこさんとの結婚式を控えていました。
懸念していた両親への挨拶も無事終わり、婚約して同棲も始めました。3ヶ月後の記念日に籍を入れ、あとは来年予定している結婚式の準備をするだけ。順風満帆ーーなはずでした。
(中略)
「あなたも考えてよ……っ!」よしこさんの声が、二人きりの部屋に響きました。
「でも、よしこが満足すればおれは……」
「二人の結婚式なのよ、それじゃあ意味ないじゃない!!!」
よしこさんから式の下見や準備に誘われていたたかしくんは、仕事が忙しくほとんど行けていません。
よしこさんは手に持っていたパンフレットを床に投げ捨て、寝室へと行ってしまいました。元々、結婚式にあまり興味がないたかしくんは、「あげたいっていうからあげるのに……」と内心思っていました。
たかしくんには二人の心の解が見えていなかったのです。

しかも数学ではない……
目次
リスティング広告費用のシミュレーションは、自分でもできる?
過去にリスティング広告を依頼したとき、またはこれから依頼する際に、「どれくらいCV取れそうか教えて」「シミュレーションを出してほしい」と問合せをしたorしようと思ったことはありませんか?
ASUEでも、そのようなご要望をいただくことがあります。
確かに、数値は出してもらえますが、代理店から出されたその数値を見て、良し悪しは判断出来るでしょうか?思ったより高い、思ったより低い、という印象はあるかもしれませんが、なんとなくの感覚にとどまってしまいます。
また、比較検討しようと複数社に聞いてみると代理店によって回答する数値が異なるため、「その数値の違いは何?」「数値が一番良い代理店を選べば正解?」といった疑問も浮かんできます。
せっかくシミュレーションをしてもらったのに結局どこの代理店を選べばいいかわからなくなったとき、リスティング広告でとれる概算のCV数を自分でシミュレーションできたらどうでしょう。
自分でおおよその数値が掴めていれば、想定外の数値を出している会社がわかってきます。そして、違和感や気になる数値に対して、ここの数値はなんで?を自分でつっこめるようになります。

自分で概算の数値が出せて課題や違和感を掴めれば、代理店に出してもらったシミュレーション数値だけを見て依頼するよりも、よりよい代理店を選択できる可能性が高くなります!
リスティング広告を配信することでどれくらいのCV数が取れそうなのか、自分で概算の数値を出す方法を一緒にみてみましょう。

なんだかちゃんと自社に合った代理店を選択できる気がする!よろしくお願いします!!
第二話 点Pと点Qが交わる場所
点Pと点Qのように二人の心が目まぐるしく揺れ動いた翌日、たかしくんは仕事の合間に学生時代からの友人だったトムとメアリーに会いました。
「おれはさ、よしこがいいなら好きにしていいって言ったんだよ?」
「やだ、それ本当によしこが喜ぶと思ってるの。よしこ、言ってたわよ。せっかくご両親と和解したんだから、親孝行もかねていい式にしたいって。」たかしくんは、頭をひっぱたかれたような気分になりました。
たかしくんは「式くらいはよしこの思う通りに…」と考えていましたが、それではよしこさんの気持ちを汲めていなかったのです。
「おれ、よしことちゃんと話してくる……!」
(中略)
「よしこ、ごめん。おれ、よしこが何を考えてるのか忙しさにかまけてちゃんと知ろうともしなかった。本当にごめん。二人のことはちゃんと二人で決めていこう。」
よしこさんはちょっと赤くて腫れた目元で微笑んで、うなずきました。「二人で考えよう。」
ばらばらに動いていた点Pと点Qが今、並んで歩み始めたのです。

ちょっと待って英語の教科書の人いない?

……気のせいじゃないですか?
どれくらいのCV数が取れそうかを知るための簡易シミュレーション方法
自分でCV数をシミュレーションする際の流れ
- 想定のCPC(広告1クリックあたりの単価)を出す
- 想定のCVR(コンバージョン率)を出す
- CPC ÷ CVRで、CPA(CV1件にかかる広告費)を計算
- 予算額 ÷ CPAで、獲得できるCV数を計算

CV数のざっくりとしたシミュレーションは、上記の手順で簡単に行えます!
CPAがわかれば自分の想定の予算額からCV数が計算できるので、まずは、CPAを出すために必要なCPCとCVRを出しましょう。
※そもそもどれぐらい予算をかければいいのか悩んでいる方は、「リスティング広告の広告費の決め方」を参考にしてみてください。
それでは各手順の詳細をわかりやすくご説明します!
1. 想定のCPCを出す
CPCを出す方法
- 過去にリスティング広告の配信実績がある場合:その際の平均CPCを利用
- 配信実績がない場合:キーワードプランナーを利用して市場の平均的なCPCを調べる
※CPCとは、「Click per Cost」の略で、リスティング広告を1回クリックされるごとにかかる費用のことです。

過去に配信実績がある場合は、そのときの平均CPCをレポートなどから確認して利用することで、より実情に近いシミュレーションができます。
ここでは初めてリスティング広告の配信を行う場合に使えるキーワードプランナーを利用したCPCの出し方を簡単にご紹介します。
配信実績がある方でも、配信したのが何年も前だったり、配信時から市場が大きく変わっている場合は、キーワードプランナーを利用してみてましょう。
キーワードプランナーを使う
Google広告のアカウントがあれば利用でき、アカウントは無料で発行できる。
無料で使える!キーワードツール
- Google キーワードプランナー(https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/)
- その他のツール
- Keyword Tool(https://keywordtool.io/jp)
- Neil Patel(英語サイト)(https://neilpatel.com/)
使い方:CPCを出したいワードや商材名を入力して検索すると市場における概算のCPCを出してくれます。
例えば、ASUEであれば「リスティング広告」、家具販売店であれば「ソファ」「テーブル」など、自社のメイン商材名で検索をすると近しいキーワードや市場の平均的なCPCを出してくれます。

キーワードから概算のCPCが出せるツールはGoogle広告キーワードプランナーが定番で使いやすいですが、Google広告アカウントを作成する必要があります。
シミュレーションするためだけのアカウント発行が面倒な方は、Google広告キーワードプランナー以外にも無料で使えるツールはいくつかあるので探してみてもいいかもしれません。
2.CVRを出す
CVRを出す方法
- 現状のサイトのCVRを利用する
- どうしてもわからない場合は平均的なCVRの1%で仮置きする
※CVRとは、「Conversion Rate」の略で、セッション数に対するコンバージョン数の割合のことです。

次にCVR(コンバージョン率)を出してみましょう。
サイトやランディングページがすでに存在している場合は、現状のサイトのCVRを使います。
Google Analyticsなどの分析ツールを入れている場合は、管理画面から確認でき、Google Analyticsの場合は、コンバージョン->目標->概要から選択した期間のコンバージョン率が確認できます。
現状のCVRがわからない・サイトやランディングページがまだない……という場合は、業界やCVポイントによって平均CVRは微妙に異なってきますが、今回のように広告主様が自分で大まかに出す概算であれば一般的な平均CVRの1%として仮置きして計算していただいて大丈夫です。
3. CPAを算出する
CPAの計算方法
- CPA(CV1件あたりの広告費) = CPC(広告クリック1回あたりの広告費) ÷ CVR(コンバージョン率)
※CPAとは、「Cost Per Action」の略で、1件のコンバージョンを獲得するためにかかったコストのことです。

CPCとCVRがわかれば、CPC÷CVRで CPAが計算できます!たとえばCPCが300円、CVRが1%だとすると、CPAは300円÷1%=30,000円ということになりますね!
1件のCVに対してどれだけの広告費が必要かの概算が出せるようになります。
4.おおよそのCV数を計算する
CPAからCV数を概算する
- CV数=広告費÷CPA

最後に、自分の想定の予算(広告費)からCPAを割れば、CV数が計算できます!予算を増やしたとき、減らしたときなどの応用の想定も自分で柔軟にできるようになります。
あくまで過去のデータなどを利用した理論値ですが、自分でおおよその目安がわかるようになりましたね!

なるほど!
たしかに、大体の数値であれば、僕でも簡単にだせそうです!
一度、自社の商材で試算してみます!!!
-----数分後。

ご、後藤さんーーーーー!
自社の数値でCPAを出してみたら、想定よりもかなり高くなってしまいました……。
これでは採算が合わないので、リスティング広告は配信しないほうがいいでしょうか…?

思いのほかCPAが高くて愕然とすることもありますよね。
予算内でもっとCVをたくさんとって概算値よりもCPAを下げられないのか?と思ったら、ここから先を代理店に相談していきましょう!
第三話 n回目の正直
「二人で選択して、いい式にしよう」と決めたたかしくんとよしこさん。
式場や日程などは大体決まり、式の内容を二人で考えて相談しましたが、なかなか固まりません。「できれば、実家のりんごを使ったデザートを出したいけどできるのかなぁ」
「花嫁の手紙が定番だけど、あなたも手紙を書いたほうがいい」ああでもない、こうでもない、と1回, 2回, 3回……, n-1回と相談を重ねた二人。n回目は二人だけでなく担当のウェディングプランナー・ゴトウにも一緒に相談をすることになったのです。
どうすればもっとCPA抑えてたくさん獲得できる?
自社の課題を的確に捉えてくれる代理店を選ぶ
- 課題になっている数値を特定してくれる
- 課題の数値に対する具体的な打ち手を想定してくれる
先ほど、CPAの計算のために出したCPC(広告1クリックあたりの費用)とCVR(コンバージョン率)のどちらか・または両方を改善できれば、CPAは安くなってCV数は増加します。
そのため、シミュレーションしたあとは、改善余地のある数値の特定と、その数値を具体的にどう改善するのかが最も大切です。
自分で数値を出してみるとお気づきだと思いますが、数値はあくまで過去の実績や市場の平均値から出している想定です。実際にはその通りにならないことが多いです。
紙に書かれている数値が良いか悪いかだけでは、CPAやCVを改善できるかの判断をつけることはできないため、数値の裏側にある課題の特定や施策の想定が的確に出来ている代理店を選ぶことが大切です。

代理店に提案をもらったときに、自分が概算で想定した成果と大きく異なった場合、数値がかけ離れている理由を確認すれば、「どこまで具体的に施策を考えてくれているか」「クライアントの課題への理解度」が見えてきます。

なるほど……。
「過去の実績からこの数値になります。」という回答で納得していたんですが、もっと具体的な話までちゃんと聞けるとよさそうですね!

実績があっても、自社とは全然見当違いの課題に対する提案やロジックのない一辺倒の施策の提案では、効果は薄そうですよね。
例えば、「業界的にCPCが高いので貴社の強みを活かして〇〇の広告施策でCPCを下げればこれくらいのクリック数・CV数になる」や、「過去実績と比較して貴社のCVRが低く〇〇のコンテンツが弱いのでこんな見せ方で改善すればCV数を増やせる」のように、自社の課題に有効な打ち手を具体的に考えてくれる代理店を選ぶようにするといいですね。

自分で数値のあたりが付けられると、数字で判断せず、施策や提案を見極める目も養うことができるんですね。

そうですね!
広告主さんの抱える課題や商品特性は本当に様々で、クライアントの課題にあわせて改善施策の提案・実行までを紹介しているASUEの事例ブログもあるので、よければお悩みごとの改善の参考に見てみてください。
クライアントの課題別 広告事例
- ページが課題のクライアント:LP改善でCPAを下げた事例
- 成約率が課題のクライアント:CVの質を改善した事例
- リーチ数が課題のクライアント:広告改善でCV数を増やした事例
最終話 k+1回目の、
ウェディングプランナーのゴトウは、たかしくんとよしこさんの希望を上手く取り入れつつ、費用感もあったプランを提案してくれました。
「素敵!」とよしこさんの口からこぼれた言葉は嬉しそうに弾んでいました。
「これで、お願いします!」こうして、たかしくんとよしこさんは自分たちの希望にあう素敵な式のプランを考えることができたのです。
(中略)
いくつかの季節がめぐりーーいよいよ、結婚式当日です。
「ねぇ、たかし。こんな日の朝に言うのもなんだけど、たまに無性に不安になる瞬間ってない?」
「結婚のこと?」
「うん。すごく幸せな話なのに、おかしな話だよね。」結婚式まで、いろんなことがありました。
式のことを考えずに、よしこさんと喧嘩をしてしまったこと。二人で頭を悩ませたこと。楽しいこと、幸せなこともたくさんありました。たかしくんはたくさんの思い出を頭に浮かべながら、よしこさんに言いました。
「今までk+1回喧嘩したって、k回目もk+1回目も仲直りしてきただろ。
先のことなんて全然わからないけど、きっと大丈夫な気がしてこない?」今日から、たかしくんとよしこさんの帰納法の証明が始まるのです。
〜Fin〜
作:後藤良介

えっ後藤さんが書いたんですか!?

えへへ……/////
自分でシミュレーションして、代理店とより良い関係を築こう!
数値シミュレーションは、代理店でも自分で出した数値でも、あくまで想定なので実際の広告運用ではそのとおりにならないケースがほとんどです。
しかし、目安としてCV数がいくらくらい取れそうなのか、自社の課題がどこにありそうなのかを掴む意味で、自身で数値を想定してみることはとても大切だと思います。
今回のやり方で成果を出してくれる代理店を100%確実に選べるわけではないですが、代理店から出してもらったシミュレーションの数値だけを鵜呑みに選定せずに、自分で情報の取捨選択ができるようになります。
広告の運用では「自社の課題にあった施策を実行できるか」「継続的な施策の改善を行っていけるか」は大きなポイントなので、単に数字の良し悪しだけではなく、その想定値がどんな課題や施策を根拠に出されているのかロジックで見れるようになる参考になれば幸いです。
- シミュレーションを出してもらって一番数値のいいところに依頼して失敗した
- できるだけ成果を出せる確度の高い代理店を選びたい……
という方は、もしよければ一度自分で簡易的なシミュレーションを行ってからご相談してみてください。

自分で良し悪しを判断して、より良い関係を築ける代理店を選べるようになりたいですね!

そうですよね!
ASUEでは今回のような流れでお客さんと一緒にCPAを出して課題の特定まで行うといった相談もお受けしております!
もし数値出しや課題特定に困ったら気軽にご相談くださいね。
売り上げを増やすためのWeb広告成功事例集
- CVは付くものの成約に繋がらない
- 今の代理店に不満がある
- 専任担当者がおらず知見・時間が無い
- そもそも広告で成果が出ない
上記のようなお悩みを持った方へ
すぐに役立つASUEの広告改善事例を紹介します!
この記事を書いた人

後藤
ASUEの営業責任者。実数という根拠に基づいた提案をポリシーにしています。検索エンジンで「チャラ常務」と検索すると自分のことを紹介するページが出てきます。