こんにちは、ASUE株式会社広報のN村です。
さて、このブログを書き始めたのが2023年6月30日。勘の良い皆様ならお気づきでしょうか。そう、Google Analytics(以下GA)のユニバーサルアナリティクス(以下UA)のデータ測定が終了し、GA4に完全に移行する日です。(移行するのは正確には7月1日かな、とりあえず予告されていた最後の日です。)
Webマーケティングに従事する会社に勤務し、ウェブ解析士の資格も持っている人間としてあるまじき発言をしますが、なんとわたし、未だにGA4ミリしらです。
※ミリしら = 1mmも知らない、の意
メイン業務が本ブログ・ASUE通信の記事の企画〜作成〜更新なので、UA自体はちょこちょことは見ていたのですが、とりあえずUAで見られてるしな……まだ慌てるような時間じゃない……とついにこの日まで来ました。ダメ人間の典型です。
一度は開きました、でもそれだけでした。(よくわからなくて30秒で閉じた)
弊社の名誉のために言っておくと、現場のメンバーなどはしっかりと移行も勉強も進めていました!!!
Twitterを見ていると、Webサイトの分析やWeb広告等の有識者の皆様が日々頭を悩ませていらっしゃる様子も見受けられ、そろそろわたしもちゃんとGA4のことを知らないと(今後のブログ執筆業的にも)困りそうだな……と重い腰を上げたのです。
それが最後の日なの、どうかと思うよ。
さらに、今回はスペシャルゲストとして運営堂の森野誠之さんにも登場していただきます!
よろしくお願いします。
これは本当に初心者がGA4を触って使用しながら適度にツッコミを入れたい記事です。途中あれこれ間違えつつ進んでいきますが、温かい目でご覧ください。
目次
GA4とUA、何が違う?
さて、ひとまずGA4とUAの画面を開いてみました。
ぱっと見似たようなグラフが表示されていますが、まず左メニューを確認してみましょう。
GA4は随分項目が少なくすっきりしましたね……。
本当に何も知らないのでなんと言えばいいかわかりませんが、とりあえず各メニューから何がみられるかがいまいちわからないのは気に入らないです。
メニューを見てわかったことは、「とりあえずUAとGA4の違いを知らないと話にならない」ことです。
ということで、違いを調べてみました。
- 計測方法が変更
- GA4ではデータをイベントとして計測している
- そのため、各種計測の数値がUAと異なっている
- たとえばGA4とUAの「セッション」の定義が変わり、数も違う
- 指標が変更された
- UAで使用されていたが廃止される指標
- 離脱率
- 新規セッション率 他
- GA4では定義や名前・表記等が変わった指標
- 直帰率
- セッション
- 平均ページ滞在時間→平均エンゲージメント時間
- PV→表示回数
- 新規ユーザー→新規ユーザー数
- ユーザー数→総ユーザー数 他
- GA4で新たに追加された指標
- エンゲージメント率
- アクティブユーザー数(ユーザー数とも言うらしい) 他
- UAで使用されていたが廃止される指標
- CVの計測方法も変更
- CVの計測方法が1セッションにつき1回ではなくイベント回数
- その他
- GA4では機械学習の導入やBigQueryとの無料での連携
- レポートでセグメントが使えなくなる→代わりに探索レポート
- エンゲージメント、イベントの作成
主な違いはこんな感じなようです。
レポート画面上におけるセグメントの利用はできなくなりましたが、簡易な代替として「比較」という機能を使えば特定のユーザーに絞り込む事はできます。
が、こちらは詳しくセグメント分析を行うには向いていないのでその場合は探索レポートを使えば可能です。
ほうほう……
あと、確かに離脱率はなくなったんですが離脱数という紛らわしい指標があります(笑)
それは紛らわしいですね!
さて、なんとなくこういうところが違うんだな〜というのがわかったところで、普段チェックしていた指標を確認しながらUAとGA4の差を比べてみたいと思います。ブログを書きながら各指標の確認方法も覚えられる一石二鳥技でいきたいと思います。
- わたしが普段日常的に見ている指標
- asue.jp全体のオーガニック検索から流入したセッション数
- ASUE通信の記事公開1週間のページビュー数、直帰率、平均ページ滞在時間、新規セッション率 など
- メルマガの登録
セッションの計測方法の差
さて、弊社Webサイトのある期間にオーガニック検索から流入したセッション数はこちら。
ある期間のオーガニック検索からのセッション数 | 確認方法 | |
---|---|---|
UA | 8,281 | [集客] > [すべてのトラフィック] > [チャネル] > [表内:Organic Search] |
GA4 | 9,515 | [レポート] > [集客] > [トラフィック獲得] > [表内:Organic Search] |
レポートページにさえ行けば、なんとなく想像がついたのでわかりやすかったです!(ググらずに自力で見つけた!)
UAでは、流入元が変わると新しいセッションとなり、自然検索→有料広告などのような行動をユーザーがとれば都度新しいセッションの扱いとなります。外部からWebサイトに流入し、ページビューがあったタイミングから1つのセッションとして計測されます。
一方、GA4では流入元が変わったタイミングでは新しいセッションとなりません。イベントを起点に計測が行われ、ユーザーがWebサイトを利用開始したタイミングでイベント「session_start」が発火し、そこから1つのセッションとして計測されます。
ということで一般的にはGA4の方がセッション数が少なくなるらしいんですが、ASUEのサイトはなぜか多くなりました。なんで???
これは計測をチェックした方がいいですね。タグの設置漏れやクロスドメイン計測などが原因かもしれません。
おぉん……(タグの設置漏れがあったとしたら恐らくわたしが原因である……)
他にも、セッションの終了位置も計測方法の差があるため、その関係で数がズレる場合があるようです。
具体的には、UAでは以下の3つのパターンでセッションが切れます。
- 30分以上操作がないとき
- 参照元情報が変化したとき
- 日付をまたいだとき
が、GA4ではこのうち一番上の30分以上操作がないときしかセッションが切れません。
参考:「あれれ、UAよりGA4の方がユーザー数が多いよ?」
https://note.com/rk_note/n/ne1dfdb87c193
上述の通り、計測方法がGA4ではすべてイベント単位で計測されるとご紹介しました。UAではセッション等の計測がページビュー単位で計測されていたため、ページビューが発生するタイミング = ページが読み込まれたときに1セッションとなるそうです。UAでのページビューが発生しなかったもののセッションが計測されたなど、GA4でないと計測できないようなユーザー行動があった場合はGA4のセッション数等が増える模様でした。
あとデフォルトのセッション時間(30分)を変更してUAの方が長くなっている場合はGA4が増える場合もあるとのことです。
なるほど……。
ページビューはどうやって見るの? 名前は表示回数に変更
わたしのようにブログの運用をしている方はおそらくみたいのがこちらの指標ではないでしょうか。このUAでページビューと呼ばれていた指標は、GA4では表示回数として名前が変更されています。また、計測方法はpage_viewというイベントの発火によって計測されます。
GA4でのセッション数の見方は、レポートページまで行けばメニュー名がUAと似ていたためわかりやすかったです。が、ページビューに似たメニュー名がないためわかりにくいですね。
サイト全体のページビュー数は、
- [レポート] > [エンゲージメント] > [イベント] > [表内:page_view]
- [レポート] > [エンゲージメント] > [ページとスクリーン]
のどちらかから確認可能です。
また、ページごとのページビュー数は、2つ目の[レポート] > [エンゲージメント] > [ページとスクリーン]から確認できます。
知らないと見つけられないじゃん……。
ここからは、パラメーター付きURLは表示されないようで、本ASUE通信のような記事ごとのURLがパラメーター付きのようなサイト(URLが/blog/?p=XXXXXになっていますよね。この?p=XXXXXの部分をパラメーターといいます)では初期状態だと、ここから記事ごとのページビュー数が見られませんね……。
ASUE通信の記事ごとのページビュー数はどこで見られるのか!?
わたしが雑に調べてみたところ、どうやらここまで使ってきた[レポート]では見られないらしく(もし見られたとしても実際に管理画面を見ていてそれに気付けないのはわたしが悪いんじゃないと思うの……)、どうやら左メニューにある[探索]からは確認できる模様。
Google系のツールの管理画面は地味に重いので、いったりきたりする必要があるなら面倒だな……。
で、開いたらこれ。
自分で作るってコト……!?
探索とは、オリジナルでレポートを作成できる機能でした。
探索からパラメーター付URLのデータが確認できる方法
- [探索] > [自由形式]から新規作成
- [ディメンション]に[ページパス+クエリ文字列]を追加
- 上記を[行]に追加(他のディメンションが設定されていれば削除)
- [指標]に[表示回数]を追加
- 上記を[値]に追加
- [ページパス+クエリ文字列]ごとのURLが表示される
こんな感じでパラメーター付きURLごとの表示回数が確認できるようになりました!
さらに、いろいろ触るとわたしがこれまでUAで見ていたページごとの必要な値がいろいろ確認できるようになりました。[タブの設定]下部にある、[フィルタ]から[ページパス+クエリ文字列]に「/blog/を含む」というフィルタを設定することで、ASUE通信内のみのデータを確認しやすくなりました。
探索を使えばいろんなものが自由にいい感じに見られるみたいですね。多分!
ちなみに、探索は1つのプロパティごとに200件までの作成なので無駄にあれこれ作らないように気をつけましょう。
……こんなことしなくてもレポートをカスタマイズしてプライマリディメンションに追加するとできますよ。
?????
(このときのわたしはよくわかっていないですが、この後気がつきます。)
コンバージョンの測定
コンバージョンの測定についても、UAとは違っています。コンバージョン(以下CV)も、GA4ではセッション・ページビュー他と同様もちろんイベントとして計測されます。
ある期間のメルマガCV数の測定結果がこちら!
ある期間のメルマガCV数 | 確認方法 | |
---|---|---|
UA | 27 | [コンバージョン] > [目標] > [概要] > [メルマガ登録] |
GA4 | 30 | [レポート] > [エンゲージメント] > [コンバージョン] > 表内の[メルマガ登録] |
確認方法については、以前はコンバージョンがメニューのトップにあったので、それと比べるとわかりにくくなったかもしれません。
ちなみに最近登録者数が伸び悩んでいるので、よかったらご登録ください(ド直球)
こちらもGA4の方が数が増えています。この理由は、ここまでのセッション・ページビュー数と違ってCVのカウント方法が変化していることが理由のようです。UAではCVが発生したセッション数をカウントしていた→GA4では発生したCVイベントの回数をカウントに変更されたようです。
コンバージョン確認ページではCVした総ユーザー数も表示されるようになっていました。
直帰率の定義の変化と確認方法
続いて直帰率について。
GA4では直帰率の意味が変更されています。(ちなみに、GA4登場時は直帰率は存在しなかった模様。)
直帰率の定義 | |
---|---|
UA | そのページから流入したセッションのうち、そのページだけの閲覧で離脱したセッションの割合 |
GA4 | エンゲージメントのなかったセッションの割合 |
ちなみにUAの直帰率は厳密に言うと、「そのページから流入したセッションのうち、ヒット数が1のセッションの割合」ですね。
ふむふむ……(調べると大体そのページだけの閲覧で離脱、という記述である)
GA4では、セッション開始後にエンゲージメントがなかったセッションの割合が直帰率の定義となります。
Webサイトやアプリでユーザーの特定の操作があれば、GA4ではエンゲージメントと判定され、それが発生した場合はそのページの閲覧だけで離脱しても直帰ではないという扱いになります。
GA4のエンゲージメント
- 10秒を超えて継続したセッション
- コンバージョンイベントが発生したセッション
- 2回以上のスクリーンビューもしくはページビューが発生したセッション
そのため、10秒以上ページを閲覧していれば単ページのみ閲覧のセッションであっても直帰とはみなされず、一般にUAよりもGA4の方が直帰率が下がります。
6月中で一番アクセスが多かったASUE通信の記事(正規表現について:https://asue.jp/blog/?p=23510)の直帰率がこんな感じ。
当該ページの直帰率 | |
---|---|
UA | 94.4% |
GA4 | 51.3% |
かなり下がりました。これまでUAでデフォルトの設定で直帰率を見ていた場合は比較等は難しくなりますね。
この直帰率の確認方法は(1) 探索、(2) レポートのカスタマイズがあるようです。
探索では、ページビューの項を参考に指標に直帰率を追加→値へドラッグ&ドロップで直帰率が確認可能になります。
(2) レポートのカスタマイズでは、[レポート] > [エンゲージメント] > [ページとスクリーン] > 右上の[レポートをカスタマイズ] > [指標] > [指標を追加] > [直帰率]を追加 > [適用]で標準のレポートに直帰率が追加されます。
また、GA4から登場した「エンゲージメント率」という指標もあり、直帰率の代わりにこちらを使用することを検討するのも良いようです。
データってこれまでの積み重ねもあるから、いろんな仕様を変えられちゃうともうどうしようもないな……の気持ち。
平均ページ滞在時間は平均エンゲージメント時間に変更
続いて、ページをユーザーがどのくらいの長さ閲覧していたかの指標となるUAの「平均ページ滞在時間」はGA4では「平均エンゲージメント時間」として変更されました。
この平均エンゲージメント時間は、総エンゲージメント時間÷アクティブユーザー数で定義されており、似た指標にセッションあたりの平均エンゲージメント時間という指標もあります。こちらは総エンゲージメント時間÷セッション数で定義されています。
サイト全体の平均エンゲージメント時間は[レポート] > [エンゲージメント] > [概要]、セッションあたりの平均エンゲージメント時間は[レポート] > [集客] > [トラフィック獲得]から確認が可能です。
ページごとの確認は、[レポート] > [エンゲージメント] > [ページとスクリーン]から確認可能ですが、ページビューと同様にASUE通信のようなパラメーター付きのURLの場合は探索を使って確認する必要がありそうです。
というところまで書いて思いつきました、標準のレポート画面からレポートのカスタマイズでディメンションに[ページパス + クエリ文字列]を突っ込めば見られるんですね。こうやって人は学んでいく……!
ですね。これをさっき設定しておきました。
(※上述のページビューの欄を参照)
こういうツールはやり方を雑にググれば大体なんらか出てきますが、それだけだとよくないってことも改めて学びました。よくないです。
新規セッション率はGA4では廃止 → 確認は手動計算
Webサイトに初めて訪れたユーザーがどのくらいいるのかを見るためにUAで使用されていた指標「新規セッション率」は、GA4では廃止になっています。そのため、確認のためには手動での計算が必要とのこと。
新規セッション率(%) = 新規ユーザー数(=新規のセッション数)/セッション数 *100で計算できます。
ちなみに、少し話がずれますがユーザー周りの指標の定義がわりと変わっているようなのでその辺りも要注意な模様。
GA4での定義 | UAでの指標名 | |
---|---|---|
新規ユーザー数 | 新規でサイト・アプリに訪れたユーザーの数 | 新規ユーザー |
総ユーザー数 | エンゲージメントの発生によらず、サイト・アプリの操作を行った全ユーザー数 | ユーザー |
アクティブユーザー数 | 一秒以上滞在したユーザー | なし |
UAであった指標名が別の新しい指標になり、UA時代とほぼ同じような定義の指標は新しい名前になるの、ややこしや……
まとめ
以上で、わたしがこれまでUAで確認してきたような指標の確認ができるようになりそうです。
GA4を初めて触ってみた所感としては、「UAの記憶があんまり役に立たず、UAとは全然違うツールなんだな……」というところです。
GA4をこれから使っていく人ってまず第一にこれまでUAを使っていた人だと思うんですが、計測方法の違いによる定義の変化等はともかく、同じ名前なのに完全に違うものになったり、同じ定義なのに違う名前になる……みたいなものもあり、GA初心者(?)としてはそれだけでも混乱の素……と思いながら画面を触っていました。
GA4はUAとは完全に別物なんですよね。
参考:「GA4がよくわからん。となってしまう5つの理由。|運営堂ブログ」
https://www.uneidou.com/20795.php
別物っていうのは聞いていましたが、真面目に触るまではUA→GA4の移行を求められるくらいだし……と思っていました。
笑
また、データを見ると一口に言っても、標準のレポート画面を見てみたり、探索を使ってみたり……といろいろありそうです。特に探索はかなり自由度が高い場所になりそうですし、どのデータをどこで見られるんだっけ!?!?はしばらく迷いそうです。
上記の森野さんの記事にもあるようにUAとGA4は設計思想から別物です。なので、細かい違いを気にするよりも、「習うより慣れろ」のスタンスで画面を触ってみるのがよさそうですね。
まだまだGA4での解析は始まったばかり!(?)ということで、今後も日々勉強しつつ上手く扱えるようになりたいものです……。
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この記事を書いた人
2016年入社。ASUE株式会社広報を担当。メールマガジン「ほぼ週刊ASUE通信」もお送りしています。ほぼ週刊なので週刊ではない。月初に公開するWebマーケティング情報をまとめたツキイチシリーズはちゃんと月刊です。
趣味はミュージカル観劇。おすすめ作品を知りたい方はN村のTwitterまでお問い合わせください。
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