効果的なリスティング広告文の書き方とは?クリックされるコピーのポイント

2025年11月20日

リスティング広告は、ユーザーが検索した悩みや希望に直接アプローチできる、即効性の高い広告手法です。

しかし「広告は表示されるのにクリックされない」「どのようなコピーが響くのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか?

実は、広告文のわずかな言葉の違いでクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が数倍変わることもあります。
この記事では、クリックされる広告文を作るための実践ポイントを、具体例とともに解説します。

アスエくん

運用の改善や効果検証にもつながるヒントをぜひ参考にしてください。

リスティング広告における「広告文」とは

本記事で扱う「広告文」は、リスティング広告におけるテキスト広告の主要構成要素(見出し・説明文・表示URL/パス)を指します。

検索結果ページに表示される広告は、これらの要素が組み合わさってユーザーの目に触れる仕組みです。

広告文という言葉はコピー(文面)だけを指すように使われることが多くありますが、リスティング広告では検索意図に沿ってクリックを促すための全体設計を意味します。

つまり、見出しで興味を引き、説明文で補足し、表示URLやパスで信頼性と関連性を示すまでを一貫して設計することが、成果につながる広告文といえるでしょう。

なお、「広告表示オプション」はこれらの主要構成要素とは別に設定できる拡張情報のパーツであり、広告の訴求力をさらに高める補助的な役割を担います。

次節では、広告文の主要な構成要素(見出し・説明文・表示URL/パス)に広告表示オプションを加えた4つについて、それぞれの詳細を解説します。

リスティング広告の構成要素

CTRを高めるためには、まずリスティング広告を構成する各要素の役割を理解しておくことが重要です。
どの部分がユーザーの目に触れ、どのようにクリックへ繋がるのかを把握することで、改善の方向性が明確になります。

見出し

広告見出しは、Google広告、Yahoo!広告ともに最大半角30文字(全角15文字)×3枠まで設定できます。

主なポイントは以下のとおりです。

  • キーワードを入れる
  • インパクトワード加える(例:「限定」「最新」「無料」)
  • ベネフィットを明示する

▼例

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視線を留める第一印象として、見出しは最優先で成果が最大化されるパターンを追及しましょう。

説明文

説明文は、見出しで伝えきれない補足情報や具体的な価値を簡潔に伝えるパートです。

最大で2つ(各半角90文字)まで設定でき、ユーザーに「もう少し詳しく知りたい」と思わせる要素を補います。
訴求の目的に応じて、次のような切り口を意識すると効果的です。

  • 補足:見出しに入りきらない詳細・条件・対応範囲を具体化する
  • 信頼:実績や満足度、受賞歴など根拠を示して安心感を与える
  • 行動喚起(CTA):次の行動を明確に促す(例:「相談は無料でお気軽に」「まずは資料をダウンロード!」など)

▼例

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説明文は見出しより注目度は下がるものの、クリック後の期待値を整える役割があり、CVRにも影響します。

表示URLとパス(ディレクトリ)

表示URLは、広告に表示されるURLのうちユーザーに見える部分を指します。

通常は「ドメイン名」と、その後ろに任意で設定できるパス(ディレクトリ)で構成されています。

  • 実際のリンク先URL: https://example.com/products/item123
  • 表示URL: example.com/product

「パス」とは、ドメインの後ろに追加する短い文字列のことです。
例えば「/service」や「/price」など、リンク先ページの内容を簡潔に示す補足情報として利用されます。

これを適切に設定することで広告の信頼性や関連性を高め、 CTRの向上にもつながります。

アセット(旧:広告表示オプション

Google広告やYahoo!広告には、CTRを上げるためのアセット(旧:広告表示オプション)という機能があります。
これは、広告の下にリンクや説明を追加して、見た目を目立たせる仕組みです。

代表的なものには、以下があります。

  • サイトリンク:広告文とは別に、「料金体系」「導入事例」「会社概要」などサイト内の特定のページへのリンクを追加で表示する機能
  • コールアウト:「初期費無料」「24時間サポート」など、サービス特徴や強みを補足する機能(リンクにはならない)
  • 構造化スニペット:「サービス」「対応業種」など、「ヘッダー」と呼ばれるカテゴリ分けに従って、具体的な項目(ラインナップ)をリスト形式で表示する機能

これらを組み合わせると広告の面積と情報量が増え、CTRが上がりやすくなります。
まずはサイトリンクを4件以上登録し、内容に合った短い説明文を添えるのがおすすめです。

効果を確認するときは、「アセットレポート(表示オプションの成果レポート)」でチェックしましょう。

アセットは必須の設定ではありませんが、広告成果を上げるために積極的に設定しましょう。

なぜクリックされないのか:CTRが伸び悩む2つの理由

リスティング広告が一定数表示はされているのになかなかクリックされない場合、そこには必ず原因があります。
どれだけ多く表示されても、クリックされなければコンバージョン(CV)には繋がらないため、見直してみましょう。

1. キーワードと広告文のミスマッチ

ユーザーの検索意図と広告文の内容がかみ合っていないと、「自分が求めているものではない」と判断されクリックされにくくなります。
例えば、「格安スマホ 比較」と検索した人に「高性能スマホの最新情報」を見せても、ユーザーの関心と提供している情報が合致しません。

リスティング広告では、ユーザーの検索意図に沿った内容を意識することが非常に重要です。この考え方は、アカウント構成やターゲティング設計にもつながります。

アカウント構成やターゲティング設計についての詳細は以下の記事で紹介しています。

【徹底解説】リスティング広告のアカウント構成とターゲティング設計|失敗しない初期設計のコツ
検索意図にマッチするユーザーに届けるためのアカウント構成のコツはこちら!
 2025年10月2日 【徹底解説】リスティング広告のアカウント構成とターゲティング設計|失敗しない初期設計のコツ

2. 魅力的でない広告文

「詳しくはこちら」「今すぐチェック」などの汎用的な文言を並べるだけでは、他社サイトとの差別化ができずクリックに繋がりにくいでしょう。
検索結果に並ぶ複数の広告の中でクリックされるには、選ばれる理由を短く、明確に伝える必要があります。

例えば「初回限定50%OFF」「24時間対応」「返金保証付き」など、ユーザーの行動を後押しするポイントを具体的に示す表現を加えることでCTRが向上しやすくなります。

ただし、誇張や曖昧な表現でCTRを上げても、CVにつながらないクリックが増え、CPA(獲得単価)が上がるリスクがあることには注意が必要です。CTRだけを追うのではなく、クリック後もユーザーの期待に沿える誠実な訴求を意識することが重要です。
広告の表現が実際のサービス体験や提供価値とマッチしているほど、成約率は高まります。

CTRを上げるための5つの作成術

CTRを高めるには、ユーザー心理を読み解いた上で広告文を設計することが大切です。
ここでは、クリックされる広告文を作るための5つの実践ポイントを具体例とともに紹介します。

1. ペルソナを明確に設定する

広告文を作る際にまず考えるべきは、誰に届けたいかです。

年齢や職業、ライフステージ、生活環境、抱えている悩みなど、PRしたいプロダクトやサービスにまつわるペルソナ要件を具体的に設定しましょう。

例:30代後半のワーキングマザー。仕事と家事に追われる生活の中でも、家族には健康的な食事を用意したい

このペルソナを設定すると、例として「10分で完成!栄養満点の夕食キット」といった訴求が考えられます。
ペルソナが明確になると、ターゲットの感情に刺さりやすい広告文をつくりやすくなります。

もう1つ例を挙げると、化粧品ECサイトの広告で「20代女性・美容意識が高い」とだけ設定した場合、訴求は抽象的になりがちです。

一方で「20代後半・働きながら肌荒れを気にしている・口コミで商品を選ぶ」まで落とし込むと、「SNSで話題」「医薬部外品」といった言葉が響くと考えられるでしょう。

ペルソナの設定を広くしすぎたり複数想定したりすると、メッセージがぼやけてCTRが下がる傾向があります。そのため汎用的な文言ではなく、自分事化が促せるように具体性を意識して作成するのが良いでしょう。

2. 検索意図を把握する

ユーザーがどのような目的で検索しているか、検索意図を捉えることがCTR向上の基本です。
一般的に、検索意図は大きく3つの段階に分類されます。

  • 情報収集段階:知識を得たい層
    → 響きやすいキーワード・・・「無料で学べる」「初心者向け」など
  • 比較検討段階:具体的な商品・サービスを探している層
    → 響きやすいキーワード・・・「5社比較」「口コミ」「他社との違い」など
  • 購入・申込段階:購入・申し込みなど行動直前の層
    → 響きやすいキーワード・・・「今だけ」「申込3分」「返金保証」など

この3段階を混同すると広告の焦点がぼやけ、CTR・CVRが低下します。
広告グループは目的別に整理し、次の行動を自然に誘発するコピーを設計しましょう。

ASUEくん

リスティング広告の設計方法に悩んでいる方には、設計手順を詳しく解説している下の記事がおすすめです。

【徹底解説】キャプチャ付き|リスティング広告のやり方を丁寧に解説します!
リスティング広告の始め方をキャプチャでわかりやすく解説!
 2024年9月24日 【徹底解説】キャプチャ付き|リスティング広告のやり方を丁寧に解説します!

3. 具体的な数字を入れる

数字は説得力と信頼性を高める効果があります。

「多くのお客様に選ばれています」よりも「10万人が選んだ人気サービス」の方がクリックされやすくなります。

また「最大50%OFF」といった割合を示す表現から「人気商品が今なら3,980円」のような、より具体的な金額の提示に変えたことでCTRが向上するような例も少なくありません。数字は説得力と視認性を同時に高める要素なので、積極的に取り入れましょう。

4. 差別化ポイントを明確に伝える

競合他社と同じ訴求をしても、ユーザーの記憶に残りません。

他社になく、ユーザーに響きやすい自社サービスのメリットを、効果的に活用しましょう。

  • 業界初の全額返金保証
  • 最短当日発送/24時間サポート
  • 仲介手数料0円の不動産売却

差別化を明確にすることで、なぜこの広告をクリックすべきかを伝えられます。

この考え方は、品質スコアにも影響します。リスティング広告の運用において品質スコアの向上は、成果を左右する重要な要素です。詳しくは以下の記事をご覧ください

【徹底解説】リスティング広告の品質スコアとは?広告ランクを左右する仕組みと改善の考え方
【徹底解説】リスティング広告の品質スコアとは?広告ランクを左右する仕組みと改善の考え方
 2025年10月31日 【徹底解説】リスティング広告の品質スコアとは?広告ランクを左右する仕組みと改善の考え方

5. 定期的に広告文を検証・更新する

仮説検証を繰り返しながらクリエイティブを磨いていくことは、リスティング広告においても当然重要です。

ただし、現在のリスティング広告では、「1つの広告文を複数パターンで並走させて比較する」という従来型のABテストではなく、レスポンシブ検索広告(RSA)を活用した要素単位での検証が主流になっています。

RSAでは、最大15個の見出しと4個の説明文を設定し、それらの組み合わせを自動的に最適化します。
つまり、ユーザーや検索クエリごとに最も成果が出やすいパターンがAIによって選ばれる仕組みです。

成果が落ちた際は、新しい訴求(数字・ベネフィット・差別化ワードなど)を追加しながら検証を繰り返しましょう。

▼改善の流れ

  • 成果データをもとに、CTRやCVRの低い見出しを特定
  • その要素を停止し、新しい訴求(数字・ベネフィット・差別化ワードなど)を追加
  • 数週間の配信データを分析し、効果のある組み合わせを残す

また、同じ広告を配信し続けると次第に成果が鈍化していくため、数値を見つつ文面を更新することも大切です。
季節やキャンペーンに合わせた訴求を取り入れると、CTRとCVRの両立が実現しやすくなります。

▼例

  • 夏:「熱中症対策に!今だけ送料無料」
  • 年末:「セール開催中!25日まで20%オフ」

過去の成果を分析し、CTRの高かった表現パターンを再利用・検証するのも有効です。
RSAでは広告全体ではなく要素単位の最適化と定期更新を続けることが、成果を安定して伸ばす鍵となります。

生成AIを活用した広告文の作成について

近年、生成AIの進化が広告文作成を変えています。
AIは大量のデータを分析し、短時間で複数の文案を提案できるため、ABテストの効率化に役立ちます。

ただし、AIが自動生成した文面をそのまま使うのではなく、人の感性で整えることが必須です。
AI×人間のハイブリッドによって、スピードとクリエイティビティを両立できます。

生成AIを導入する際の注意点として、社内レビュー体制の整備が欠かせません。
AIは誤った表現や機微なニュアンスを拾うことがあるため、法務・ブランド・運用の各チームで多面的にレビューする最終確認フローを設けましょう

また、AIに与えるプロンプト(指示文)をテンプレート化し、禁止表現・薬機/景表のチェック観点・ブランドルールを盛り込むと、品質が安定します。

クリック率を底上げするチェックリスト

リスティング広告の成果を高めるには、日々の小さな改善の積み重ねが欠かせません。しかし、忙しい運用の現場では見直すべきポイントが曖昧になりがちです。

そこで、広告文の品質を手早く確認できる実践的なチェックリストを用意しました。
制作前の最終チェックや、配信後の定期的な見直しなどに活用してください。

  • 見出しの冒頭にインパクトワード(例:今だけ/無料/限定)や主要キーワードが入っているか
  • 具体的な数字を入れているか(価格・人数・期間・%)
  • 差別化ポイントを一言で示しているか
  • 検索意図と広告文・LPの内容がかみ合っているか
  • 行動喚起(CTA)が具体的か
  • 広告表示オプションを設定し、成果をモニタリングしているか
  • ABテストを定期的に実施し、同条件比較を徹底しているか
  • 広告文の更新を1〜3か月ごとに計画的に行っているか

上記の項目のうち、1つでも「いいえ」があれば、CTRを改善する余地があると考えましょう。

まとめ:クリック率向上は「設計×検証×更新」の積み重ね

リスティング広告の成果を最大化するには、ペルソナ設定・検索意図の理解・数字や差別化の明確化が欠かせません。
見出し・説明文・LP内容・CTAに一貫性を持たせ、定期的にテストと更新を繰り返すことで、CTR・CVR・CPAすべての改善が期待できます。

CTRの改善はスタート地点であり、検索意図・広告文・LPの三者が自然にかみ合うことがCVR向上の鍵です。
広告とLPを一体で最適化し、クリック後の体験まで設計することで、費用対効果の最大化が実現します。

また、AIによる生成や自動最適化も活用しつつ、人の感性で磨きをかけることで、より効果的で生産性の高い運用が可能となるでしょう。リスティング広告は出稿するだけではなく、継続的な検証と改善で育てるマーケティング手法です。

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