リスティング広告は、顕在層である検索ユーザーに自社の商品やサービスの魅力を直接届けられる強力な手段です。
しかし、パフォーマンスは広告の出し方やターゲティングの精度、タイミングなどの要素によって大きく左右されます。
社内にノウハウやリソースがない場合でも、リスティング広告の運用を専門のパートナーに依頼することで効果的に広告配信をすることが可能です。
ただし、代理店に運用を依頼する場合、大きな成果を得るためには慎重な選定が欠かせません。
この記事では、リスティング広告と代理店の関係性、代理店選びの5つのポイント、少額の広告費用でも大きな成果を出すためのコツなどを紹介します。

リスティング広告の代理店選びの際の参考にしてみてください。
目次
リスティング広告と代理店の関係
まずはリスティング広告の概要、代理店に依頼できること、依頼するメリット・注意点などを解説します。
リスティング広告とは

リスティング広告(検索連動型広告)とは、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告のことです。
ユーザーが入力した検索語句に応じて表示されるため、検索意図に合った訴求ができ、購買意欲の高いユーザーに対して効率的なアプローチが可能です。
例えば「税理士 東京」「脱毛 安い」など、具体的なニーズを持って検索するユーザーに対し、瞬時に自社の広告を表示できます。また、クリックされるまで費用が発生しないクリック課金制も特徴です。

代理店が担う業務とは
代理店が代行する主な業務には以下が挙げられます。
- キーワードリサーチと選定
- ターゲティング戦略の立案(エリア・デバイス・時間帯など)
- 広告文(見出し・説明文)の作成
- クリック単価(CPC)の調整や入札戦略の構築
- コンバージョン(CV)タグの設置や検証
- ABテストの実施や、テキスト・バナークリエイティブの改善
- 効果測定と月次レポートの提出
- 定例会議や振り返りによるPDCA運用
このように、ひとくちにリスティング広告の出稿といっても、それぞれのフローでノウハウが必要です。
成果につなげるだけのノウハウとリソースを社内でそろえるのは難しいため、知見のある代理店に依頼することは合理的な選択肢といえるでしょう。
リスティング広告運用で代理店選びが重要な理由
リスティング広告運用を任せるにあたって、選ぶ代理店次第で費用対効果やコミュニケーションコストが変わってきます。
サービスの質が低い代理店や、自社と合わない代理店を選んでしまうと、期待していた結果が得られないことも。
代理店選びにおけるよくある失敗例として、以下のようなケースが挙げられます。
- 想定より成果が出ず、費用に見合わなかった
- 月次レポートが形だけで、その後の改善に活かされない
- 質問しても的確な回答が得られない
これらの多くは代理店の選び方に原因があることが多く、選定段階で注意を払えば防げた可能性が高いでしょう。
リスティング広告では、出稿や入札などの技術的な対応だけでなく、クリエイティブ(広告文や広告バナーなど)やLP(ランディングページ)の分析・改善、戦略設計、レポート分析といった幅広い対応が求められます。
単なる広告運用ではなく、ビジネス課題の解決という本質部分を見据えた提案ができるパートナーかどうかを見極めることが重要です。
さらに、広告運用は継続的な改善が前提となるため、代理店との信頼関係や円滑なコミュニケーションも成果を得るためには重要です。
リスティング広告運用を代理店に依頼するメリットと注意点
代理店にリスティング広告の運用を依頼する主なメリットには以下が挙げられます。
- 自社にノウハウがなくても、プロの知見をもってすぐに始められる
- キーワード選定や競合調査など、専門的な視点で根拠立った戦略を立てられる
- 分析から改善まで任せられ、広告運用に社内スタッフの時間を割かずに済む
- 最新トレンドや媒体の変化にも柔軟に対応してくれる
一方で、代理店に依頼する際は以下の点に注意しましょう。
- コミュニケーションやレポートの質に課題がある代理店も存在する
- 報告が形式的または不十分な代理店の場合、運用内容や成果が不明瞭になりがち
- 契約内容(費用・期間・成果報酬条件など)が不透明な場合、後からトラブルになるケースも
依頼前に、対応範囲やレポートの内容など、事前に詳細な説明を受けることが重要です。
特に、提案時や契約前に丁寧な説明がなかったり、サービスの内容について聞いても濁されたりする場合は、その代理店への発注は慎重になった方が良いでしょう。
失敗しない代理店の選び方5つの基準
代理店選びで最も重要なのは、自社が広告を配信する目的と代理店の特徴が合致していること、そして継続的な信頼関係を築ける相手かどうかです。そのうえで、以下の5つの観点から比較検討しましょう。
1. 実績・得意業界の有無
過去に似た業界・業種で成果を出した実績があることは、大きな安心材料です。
代理店のホームページで事例やクライアントが紹介されていることも多く、実名で紹介されていれば信頼度は高いといえます。
さらに、自社と同規模の会社での実績、リード獲得目的で成功した事例など、目的に近い運用経験の有無を併せて確認しましょう。
2. 最低出稿額と予算対応力
「月5万円以下から運用可能」と謳う代理店でも、実際には最低運用費に加えて初期設定費やレポート作成費などが必要なケースがあります。
初期費用やそのほかの費用の詳細な内訳と、成果による月額料金の変動があるか(PV数やCV数など)などを把握しましょう。
中小企業やスタートアップなどで少額から運用を始めたい場合、柔軟なプラン設計ができる代理店を選ぶことが大切です。
3. 担当者の対応力と提案力
提案の質は、担当者の経験と姿勢に大きく依存します。
最初のヒアリングで細かく質問してくれたか、自社の課題を言語化してくれたかなど、面談時に判断する必要があります。
契約後に担当者が変更される可能性や、運用中にサポート担当が付くかどうかも確認しておくとより安心できるでしょう。
4. レポートのわかりやすさ
レポートの内容や頻度、報告の仕方についても、事前に確認しておくことが大切です。
単純に数字を並べただけのレポートでは、施策の良し悪しの判断や次のアクションにつなげることが難しくなります。
理想は「現状の成果+その要因分析+改善提案」がまとめられたレポートです。
さらに、月1回以上の定例ミーティングで内容をすり合わせながら運用を改善していける体制があるかどうかも確認しましょう。
レポートがクラウド上で共有され、いつでも確認できると社内報告や意思決定にも役立ちます。
5. 契約内容の透明性
初期費用や最低契約期間、広告費以外に発生する手数料など、契約内容が明文化されていることは必須です。
特に成果報酬型の契約では、成果定義と報酬条件が曖昧だとトラブルになりやすいため、例えば「月間CV数◯件以上で成果報酬が発生」「顧客獲得単価(CPA)◯円以下で◯%インセンティブ」のように、定量的かつ明確であることが重要です。
契約前には必ず見積書・契約書・レポートサンプルなどを確認し、不明点があれば質問しましょう。信頼できる代理店であれば丁寧に説明してくれるはずです。
たとえば、下記のようなチェックリストを作成して、代理店を比較検討すると良いでしょう。
代理店選びのチェックリスト図(例)
チェック項目 | 内容・評価軸 | 自社評価(○/×/△) |
---|---|---|
実績・得意業界 | 自社と近い業種での実績があるか | 例:○ |
少額対応の有無 | 10万円未満でも対応してくれるか | 例:△ |
担当者の対応力 | 提案の質、理解力、丁寧さ | 例:○ |
レポート品質 | 改善提案・見やすさ・頻度 | 例:× |
契約の透明性 | 費用・期間・成果の明確さ | 例:○ |
少額のリスティング広告で成果を出すには
「リスティング広告=大企業向け」というわけではなく、月3〜5万円といった少額でも成果を上げることはできます。大切なのは限られた予算のなかで成果を最大化するため、無駄な配信を省き、戦略的に運用することです。
例えば、以下のような工夫が有効です。
- キーワードやマッチタイプを限定する
配信するキーワードをCV確度の高い顕在キーワードに絞る、もしくはマッチタイプ(ユーザーの検索語句と広告のキーワードをどの程度一致させるかを設定するもの)を絞ることで、無駄な費用発生を防ぐ - エリアを限定する
配信地域を絞ることでターゲット外への広告表示を避け、費用対効果が高まる - 時間帯を限定する
ユーザーの反応が高い時間帯にのみ配信することで費用対効果を最大化
また、予算が少額の場合は成果が出るまでに一定の時間がかかることも想定し、早期に改善判断できる体制づくりが必要です。
代理店の選び方でよくある失敗例と対策
リスティング広告を代理店に依頼したことで、後悔するケースは少なくありません。実際にありがちな失敗例とそれを防ぐ方法を紹介します。
1. 価格だけで選んでしまう
安さで代理店を選んだことで失敗するケースは多くあります。
一概に「料金が安い=サービスが劣る」とはいえませんが、少人数で多数の案件を同時進行している代理店では細かなフォローや迅速な改善提案が期待しにくい恐れがあるでしょう。
回避法:金額だけでなく「何に対してどれだけの工数をかけてくれるか」を確認し、提案資料などで担当者の理解度・熱意を見極めましょう。
2. コミュニケーションが取りづらい
定例会がない、または連絡が遅い場合、改善のスピードが落ちたり情報認識の食い違いが発生したりしかねません。
コミュニケーションコストがかさむと、外注しているのに結果的に余計に社内工数を増やしてしまうような事態も考えられます。
回避法: 契約前にレポートが届く頻度、定例会の形式・頻度、緊急時の連絡方法などを確認しましょう。担当者と気持ちよくやりとりできているかを意識することも大切です。
3. 自社の目的とズレた運用をされる
利益に直結する流入を期待しているのに、「とにかくクリック数を増やす」といった方針で運用された結果、問い合わせや成約に結びつかないアクセスだけが増えるといったケースもあります。
回避法: 契約時にKPI(目標達成度を測定するための指標)を明確にして、問い合わせ獲得、資料DLなどの成果指標をすり合わせましょう。
代理店選びの失敗パターン vs 成功パターン
よくある失敗例 | 理想的な対応 |
---|---|
費用だけで選ぶ | サービス内容と比較する |
担当者と合わない | 事前面談で相性を確認する |
レポートが見づらい | 改善提案付きの報告が届く |
定例会がない | 月1回の振り返りでPDCAを回す |
成果指標が不明確 | 目標CVやCPAを明確に共有する |
代理店比較の進め方
代理店選びで迷ったときは、以下のステップで冷静に進めるのが重要です。
1. 目的と予算を明確にする
まずは自社の広告運用の目的(例:問い合わせ数を増やす、資料ダウンロードを増やす)や月額予算を明確にします。
ここが曖昧になると代理店の提案もズレるため、初期段階で整理しましょう。
2. 候補となる代理店を調査
Web検索などで代理店を探し、3社前後に候補を絞りましょう。
口コミや導入事例、オウンドメディアの更新頻度なども参考になります。
3. 資料請求・問い合わせ
候補の代理店に資料請求や簡易相談を行い、各社のスタンスや提案の温度感、担当者の対応を確認しましょう。
無料診断やヒアリングに対応している代理店も多くあります。
4. 提案内容・レポート例を比較
費用だけでなく提案の中身(戦略性・改善余地の提示)、レポートサンプル(内容の丁寧さ、改善提案の有無)なども比較検討しましょう。
5. トライアル運用
初回から長期契約を結ぶのではなく、可能であれば3か月程度のトライアル運用を設定します。
この期間における改善提案や実際の対応力を見ることで、継続の判断がしやすくなります。
代理店選定のステップフロー

代理店選びでよくある質問
Q. 最低広告費はいくらから依頼できますか?
A. 代理店によって異なりますが、目安として月3万円〜運用可能なケースもあります。初期費用やレポート作成費などが別途かかる場合もあるため、総額での見積もりを確認しましょう。
Q. 少額予算でも成果は出せますか?
A. エリア・ターゲットを絞った運用や、目的を明確にしたキーワード選定によって成果を上げている事例も多数あります。代理店と密にコミュニケーションを取りながら、戦略をすり合わせましょう。
Q. どのくらいの期間で効果が出ますか?
A. 通常は1〜3か月で初期の結果が出てきます。ただし、業界や競合状況によって異なるため、最初はトライアル契約で様子を見るのもおすすめです。
Q. 担当者は途中で変わりますか?
A. 代理店によっては担当者の交代が発生することも。契約前に担当者が変わる可能性、その際の引き継ぎ体制などを確認しておくと安心です。
Q. LPやフォームの改善は可能ですか?
A. 代理店によって対応可否は異なります。広告の成果に直結する要素であるため、分析や改善案出しが可能な代理店が望ましいです。
初めてでも安心できる代理店の選び方3つのポイント
リスティング広告の代理店を初めて検討する方にとって、重要な判断軸といえるのが予算の柔軟性・提案力・サポート体制です。以下の3点を満たす代理店であれば、初めての依頼でも安心して任せられるでしょう。
1. 自社の予算規模に応じて柔軟に対応できる
企業規模に合わせて予算を相談できる代理店であれば、試験的な広告運用や小規模ビジネスでもリスクを抑えたスタートが可能。
2. わかりやすいレポートと改善提案がある
単純に結果を伝えるだけでなく「なぜこうなったか」「次にどう動くべきか」まで明確に示してくれる代理店は、継続的な改善が期待できます。
3. 専任体制・担当者の一貫対応がある
窓口が分かれていたり、担当が頻繁に変わったりすると認識のズレが生まれやすくなります。
一貫してサポートしてくれる体制の有無も信頼性の判断材料にしましょう。
リスティング広告運用の代理店選びは比較と信頼がすべて
リスティング広告を成功させるためには、適切な代理店選びが何より重要です。
価格や知名度だけにとらわれず、自社の目的を理解してくれるか、成果に向けた提案があるか、継続的な改善が期待できる体制かといった観点から、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。
初めての依頼で不安な場合も、事前相談やトライアル契約などを活用しながら、自社にとって最適な代理店を見極めましょう。
成果にこだわってリスティング広告を運用します。
売り上げを増やすためのWeb広告成功事例集
- CVは付くものの成約に繋がらない
- 今の代理店に不満がある
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上記のようなお悩みを持った方へ
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この記事を書いた人

田中祐晴
旧Twitterリスティング広告・SNS広告の運用歴3年以上
BtoBのリード獲得をメインとした領域の運用型広告コンサルを担当。
成約までを考えた広告設計・改善で伴走支援いたします。