リスティング広告を始めたい、あるいは今の成果に満足できず乗り換えを検討している際、真っ先に気になるのが「費用(手数料)」と「誰に頼むか」ではないでしょうか。
「手数料20%」という相場は知っていても、見積もりの計算式や、契約終了後のアカウントの扱いまで詳しく理解していないと、後々トラブルになることもあります。
この記事では、Web広告運用のプロであるASUEが、費用の相場や仕組みはもちろん、失敗しない依頼先の選び方まで、包み隠さず解説します。
なお、リスティング広告の広告費や予算の決め方については下記の記事でも詳しく解説しています。外注ではなく社内での運用を検討中の方は、まず下記の記事からチェックしてみてください!

目次
リスティング広告の手数料相場と外注費用の内訳
まずは、外注する際に「何に」「いくら」かかるのか、費用の全体像を把握しましょう。 一般的に、以下の5つの費用が発生します。
外注費用の内訳目安
- 1. 初期費用:0〜10万円
- アカウント開設やキーワード選定、入札戦略の策定など、配信準備にかかる費用です。 ※代理店によっては手数料に含まれる(無料)ケースもあります。
- 2. 運用代行手数料:広告費の20%
- 日々の運用調整やレポート作成に対する対価です。
- 3. ランディングページ制作費用:10〜100万円
- 広告の遷移先となるページ(LP)の制作費です。
流入ユーザーをコンバージョン(CV)に導けるかどうかに直接影響するので、成果を出すためには必須の投資です。
- 広告の遷移先となるページ(LP)の制作費です。
- 4. 広告運用レポート制作費用:0〜5万円
- 成果報告のレポート費です。手数料に含まれる場合と、オプションの場合があります。
- 5. 訪問コンサルティング費用:別途見積もり
- 定例会などの打ち合わせにあたって、担当者が訪問する場合の費用です。こちらも、遠方でなければ代理店からの手数料に含まれるケースもあります。
ここで特に重要なのが、毎月発生する「運用代行手数料」の計算方法です。
実は、同じ「20%」でも計算式によって支払額が変わることをご存知でしょうか?
【重要】見積もりを見る時の注意点(ネットとグロス)
広告業界には「ネット(媒体に支払う原価)」と「グロス(手数料込みの総額)」という2つの考え方があります。
例えば、貴社の予算上限が「月額60万円」だとします。
この時、手数料の計算方法が「外掛け(主流)」か「内掛け」かによって、実際に広告配信に使われる金額(=成果の元手)が変わってしまうため注意が必要です。
予算総額60万円の場合のシミュレーション
パターンA:外掛け(ネット × 20%)
Web広告代理店で主流の計算方法です。
「広告費」に対して手数料が乗ります。予算60万円いっぱいに広告を出したい場合、逆算して広告費を設定します。
- 広告費(ネット):50万円
- 手数料:10万円(50万円×20%)
- ご請求総額:60万円 → 広告費に50万円使えます
パターンB:内掛け(グロス × 20%)
一部の総合代理店などで見られる計算方法です。「支払総額」の中に手数料が含まれます。
- ご請求総額:60万円
- 手数料:12万円(総額60万円×20%)
- 広告費(ネット):48万円 → 手数料が高くなり、広告費が目減りします
このように、同じ「総額60万円・手数料20%」でも、計算式によって広告費に2万円もの差が出ます。
一般的に、Web専業の広告代理店では「外掛け(パターンA)」が主流ですが、中には内掛けで計算する業者も存在します。
「予算◯万円」と伝える際は、それが「手数料込み(グロス)」なのか「手数料別(ネット)」なのか、契約前に必ず確認しましょう。
なお、ASUEでは外掛けで計算させていただいています。
3つの料金形態とメリット・デメリット
代理店によって料金体系は異なります。自社の予算感やフェーズに合わせて最適なものを選びましょう。
1. 料率型(広告費連動)
最も一般的な形式です。「広告費の20%」など、使った金額に応じて手数料が決まります。
- メリット: 予算を柔軟に変更しやすい。広告費を抑制した月は手数料も安くなる。
- デメリット: 広告費が増えると手数料も青天井で増える(※金額に応じて料率が下がるスライド制の代理店もあります)。
2. 定額型(固定報酬)
「月額5万円」など、広告費に関わらず固定の手数料を支払う形式です。
- メリット: 予算管理がしやすい。広告費を大幅に増やしても手数料が変わらないため、大規模運用ではコストメリットが出る。
- デメリット: 広告費が少ない月は割高になる可能性がある。
3. 成果報酬型
「コンバージョン1件につき◯◯円」といった、成果に応じて費用が発生する形式です。
- メリット: 成果が出なければ費用が発生しないため、リスクが低い。
- デメリット: 成果の定義(地点)でもめる場合がある。また、代理店側がリスクを負う分、成果単価が高めに設定されやすい傾向があります。
中には「成果になりやすいキーワード(指名検索など)」ばかり狙って配信され、本来獲得したい新規層へのアプローチがおろそかになるリスクも潜んでいます。
リスティング広告の外注先はどこがいい? 代理店とフリーランスの比較
「とにかく安く済ませたい」という理由だけで依頼先を選ぶと、かえって成果が出ず、トータルコストが高くつくことがあります。
依頼先は大きく分けて「広告代理店」「フリーランス」「インハウス(自社運用)」の3つがあります。それぞれの特徴を理解しましょう。
依頼先ごとの特徴比較
1. 広告代理店
- 費用: 高め(最低手数料などの規定がある場合も)
- 強み: 組織的なノウハウ蓄積、急なトラブルへの対応力、最新情報のキャッチアップ、媒体社との連携。
- 向いている企業: 安定した成果を継続したい、社内リソースをコア業務に集中させたい企業。
2. フリーランス
- 費用: 安め(手数料10%〜など)
- 強み: 担当者が固定で、密なコミュニケーションがとりやすい。
- 弱み: 品質のばらつきが大きい。担当者が体調不良などで稼働できないとストップするリスクがある。
- 向いている企業: 予算がごく少額(月10万円以下など)、特定の信頼できる個人のツテがある企業。
3. インハウス(自社運用)
- 費用: 手数料0円(人件費は発生)
- 強み: 社内にノウハウが蓄積される、スピード感のある対応。
- 弱み: 専門人材の採用・育成コストがかかる。担当者が退職するとノウハウが失われる。
- 向いている企業: 専任のマーケティング担当者を置ける体力がある企業。
「フリーランスは安い」と言われますが、ビジネス理解の深さや、万が一の際のリスクヘッジを考えると、組織力のある代理店に依頼する安心感は大きなメリットと言えます。
【重要】実力あるパートナーを見抜く「依頼前のチェックリスト」
手数料の安さや会社の規模だけで選ぶと、「契約したら放置された」「担当者が新人だった」という失敗に陥りがちです。
本質的なパートナーを見つけるために、問い合わせ段階で以下のポイントを確認してみてください。
1. アカウントの「開示」と「譲渡」は可能か?
意外と見落としがちなのが、運用中の情報の透明性と解約時のアカウントの扱いです。
まず、運用中の管理画面を見せてくれるか(閲覧権限の付与)を確認しましょう。
代理店の中には、運用状況をブラックボックス化し、都合の良いレポートしか見せないケースがあります。
逆に言えば、包み隠さず常時アカウントを開示できるのは、運用スキルに自信があり、やましい運用をしていない証拠でもあります。
また、解約時にアカウントを譲渡してくれるかも重要です。
「運用ノウハウは自社の資産」として、アカウント譲渡を拒否されると、解約時にデータがゼロになり、次の運用に引き継げません。
契約前に「運用中の閲覧権限はもらえますか?」「将来的にアカウントは譲渡してもらえますか?」と聞いてみましょう。ここで言葉を濁す会社は要注意です。
なお、ASUEでは運用中のアカウント開示はもちろん、お客様のご希望があれば所定の費用をいただきアカウントを譲渡しています。
2. ビジネスモデルを理解してくれるか?
単に「CPA(獲得単価)を下げました」という報告だけでは不十分です。
「リードの質はどうだったか?」「その後の商談につながっているか?」まで踏み込んでくれる担当者でなければ、事業の成長にはつながりません。
最初のヒアリング時に、貴社のビジネスや利益構造について深く質問してくれるかどうかが、良い担当者を見抜く試金石になります。
3. 「安さ」だけでなく「削減」を提案できるか
手数料を払ってプロに頼む最大のメリットは、「無駄な広告費の削減」です。 プロの運用者は、以下のような地味な作業を徹底することで、見えない損失を防いでいます。
- 品質スコアの改善: 広告の品質を上げることで、低い入札単価でも上位に表示させる技術。
- 除外キーワードの設定: 「関係のない検索語句」でのクリックを徹底的に排除し、無駄金をカットする。
こうした技術的な裏付けがあるからこそ、手数料を支払ってもトータルの費用対効果(ROAS)が良くなるのです。
Web広告代理店の選び方は、下記でも詳しく説明しています。
代理店への相談を検討されている方はぜひご覧ください!

リスティング広告を依頼するまでの具体的な流れとフロー
実際にASUEにご依頼いただいた場合の、標準的な流れをご紹介します。 丸投げではなく、「同僚」のようなパートナーとして伴走させていただきます。
- お問い合わせ・ヒアリング
- 現状の課題、予算感、目標(KPI)などを詳しくうかがいます。
- シミュレーション・ご提案
- 「どの媒体で、どれくらいの成果が見込めるか」をシミュレーションし、最適なプランをご提案します。
- ご契約・アカウント構築
- キーワード選定や広告文作成、入札設定など、専門チームが構築を行います。
- 配信開始・運用
- 配信後は日々数値をチェックし、細かな調整を繰り返します。
- レポート報告・定例会
- 月次レポートで成果を共有し、次の打ち手を議論します。
よくある質問(FAQ)
最後に、リスティング広告の依頼について、一般的によくいただく質問や、ASUEへご相談いただく際のご質問にお答えします。
Q. 依頼する際、何を準備しておけばヒアリングがスムーズですか?
A. 可能な範囲で「過去のデータ」や「目標数値」があるとスムーズです。
もし過去に広告配信のご経験がある場合、その際のアカウント状況やレポートがあると、より精度の高いシミュレーションが可能です。
また、「月間の問い合わせを○件にしたい」「獲得単価は○円以内に抑えたい」といった目標(KPI)のイメージがあると、プランの策定が早くなります。
もちろん、まだ目標が決まっていない場合でも、一緒に数値を設計するところからサポートしますのでご安心ください。
Q. 予算が少額でも対応してもらえますか?
A. (※ASUEの場合)はい、対応可能です。
一般的には広告費50万円以上を推奨する代理店が多いですが、ASUEではお客様の商材やポテンシャルに合わせて柔軟に対応しています。
実態として、広告費30万円〜50万円程度でスタートし、成果が出た段階で徐々に予算を拡大していくケースも多々あります。
「予算が少ないから……」と遠慮せず、まずは「この予算で何ができるか?」をご相談ください。
Q. ASUEでは担当者との相性が合わない場合、変更してもらえますか?
A. はい、可能です。
人間ですので、どうしても相性や考え方の不一致は起こり得ます。
その際は、単に担当者を入れ替えるだけでなく、まずは上長も含めて「何が課題なのか」「どうすれば貴社にとってベストか」をしっかり議論させていただきます。
その上で、体制強化や担当変更など、双方が納得できる解決策をご提案します。
少額予算でもリスティング広告で成果を出すためのポイントは、こちらの記事でも解説しています!

まとめ
リスティング広告の外注は、単なる「作業代行」ではありません。 貴社のビジネスを深く理解し、共に売上を伸ばしていくための「投資」です。
目先の手数料の安さだけで選ぶのではなく、「アカウントの透明性」や「担当者の熱量・スキル」といった観点でパートナーを選ぶことが、最終的な成功への近道です。
「今の代理店の運用、本当にこれでいいの?」 「自社に合う予算やプランがわからない」
そんなモヤモヤをお持ちの方は、ぜひ一度ASUEにご相談ください。 現状のアカウント診断や、セカンドオピニオンだけのご相談も大歓迎です。
当社におけるリスティング広告の成功ポイントはこちらのページでもご紹介しています。
ぜひご覧ください!
売り上げを増やすためのWeb広告成功事例集
- CVは付くものの成約に繋がらない
- 今の代理店に不満がある
- 専任担当者がおらず知見・時間が無い
- そもそも広告で成果が出ない

上記のようなお悩みを持った方へ
すぐに役立つASUEの広告改善事例を紹介します!
この記事を書いた人
田中祐晴
旧Twitterリスティング広告・SNS広告の運用5年目
BtoBのリード獲得をメインとした領域の運用型広告コンサルを担当。
成約までを考えた広告設計・改善で伴走支援いたします。