リスティング広告を外注するときの費用と相場|料金体系と依頼方法を解説

2025年07月24日

リスティング広告は、検索ユーザーのニーズに沿った広告を直接的に表示できるため、高い費用対効果が期待できる広告手法です。

しかし、自社で運用するには専門知識が必要となるため、思うような成果が出ずに悩んでいる企業が散見されます。また、外部の専門家への代行依頼を検討している企業も多いでしょう。

この記事では、リスティング広告の外注費用の相場や、失敗しない代理店の選び方を解説します。

これから外注を検討している企業の担当者や、すでに依頼しているものの成果に満足していない方はぜひ参考にしてください。

リスティング広告外注時に支払う5つの費用

リスティング広告を外注する際は、広告媒体に支払う費用(広告費)とは別に代理店へ支払う費用があります。

まず、代理店への費用としてどのようなものが発生するのか、一般的な相場と併せて見てみましょう。

1. 初期費用:0〜10万円

多くの代理店では、リスティング広告のアカウント設定や初期設定作業に対して初期費用が発生します。
この費用には以下のような作業が含まれます。

  • 商材・市場・顧客リサーチ
  • 配信戦略プランニング
  • アカウント設計・構築(キーワード、広告文等)
  • 計測環境の整備

初期費用がかかる代理店の場合、相場は3〜10万円程度ですが、代理店によっては運用代行手数料内で初期設定を実施し、初期費用は0円という場合もあります。

契約前に必ず確認しましょう。

2. 運用代行手数料:広告費の20%

リスティング広告の中心となる費用が運用代行手数料で、代理店の料金形態によって料率や金額が設定されています。
最も一般的な、広告費に連動する料金形態の場合、広告費の20%に設定している代理店が多数です。

例えば、月間の広告費が100万円の場合、運用代行手数料は20万円になります。
初期費用の代わりに最低手数料を設定している代理店もあり、少額の広告費でも一定の手数料が発生します。

運用代行手数料に含まれる主な作業内容は以下の通りです。

  • 入札単価の調整
  • キーワード別の単価調整
  • 広告文のA/Bテスト
  • キーワードの追加・最適化
  • 除外キーワードの設定
  • ディスプレイ広告やリマーケティング広告の提案

3. ランディングページ制作費用:10〜100万円

リスティング広告の効果を最大化するためには、広告からの遷移先となるランディングページ(LP)の質が重要です。
既存のページを使用する場合は不要ですが、新規制作や改善を依頼する場合は別途費用が発生します。

LPの制作費用は、作り込みの精度やボリューム、原稿の有無、機能などの条件によって大きく変動することが一般的です。
シンプルなものであれば10万円程度から、複雑な機能を加えると100万円以上かかることもあります。
既存のページを活用すれば、この費用を抑えることも可能です。

ただし、コンバージョン率(CVR)を高めるためには広告内容とLPの一貫性が重要なため、必要に応じて改善を検討しましょう。

4. 広告運用レポート制作費用:0〜5万円

広告の効果測定や分析結果をまとめたレポートの作成費用です。月次や週次など、報告頻度によって費用は変わります。
レポート制作費用がかかる場合の相場は毎月0〜5万円程度ですが、運用代行手数料に含まれる場合も多いため確認が必要です。

定期的なレポートは、広告効果の可視化や改善点の把握に欠かせません。
単なる数値の羅列ではなく、代理店目線での分析と改善提案が含まれているかどうかも重要です

【ASUEにおける新規ご依頼のお客様の事例】

  • 月間ご予算:100万円
  • リスティング広告媒体費(広告費):83.3万/月
  • 運用代行手数料:16.7万/月
    • 初期設定、レポート、コンサルティング、改善提案等を含む
  • LP制作:60万円(運用開始時のみ)

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リスティング広告代理店の料金形態を比較

リスティング広告代理店の料金形態には、大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、自社に合った料金形態を選びましょう。

1. 料率型:広告費に連動する手数料

最も一般的な料金形態です。

広告費に対する割合(通常15〜30%)で手数料が決まります。広告費が増えると手数料も比例して増加するため、大規模な広告運用になるほど代理店への支払い分も大きくなります。

メリットは、広告費と手数料の関係が明確で、決めた予算を超過したり大きく下回ったりすることがない点です。

一方、成果に関わらず広告費に対して必ず手数料がかかるため、運用スキルの低い代理店や改善が苦手な代理店に依頼してしまうと、効果が出ないのに手数料だけかかるという事態に陥ります。

実績や対応力を見て、慎重に代理店を選ぶようにしましょう。

2. 定額型:広告費の範囲ごとに固定料金

広告費の範囲ごとに手数料が固定されている料金形態です。

例えば「広告費20万円までは手数料3万円、21〜40万円は5万円」といった形式です。
広告費が増えても一定の範囲内であれば手数料は変わらないため、予算管理がしやすいメリットがあります。

広告費に応じて手数料が上がるという点では「1. 料率型」と似ていますが、広告費の範囲の境界付近では、少しの広告費増加で手数料が大幅に上がる場合があるので注意が必要です。

3. 成果報酬型:成果に応じた手数料

成約数や問い合わせなどのコンバージョン(CV)など、成果に応じて手数料が決まる料金形態です。

成果が出なければ手数料も安く抑えられるため、リスクを軽減できます。
ただし、成果の定義や計測方法について明確な合意が必要です。

また、高い成果が出た場合は他の料金形態よりも高額になることもあるため、事前に費用対効果が見合うかどうかのシミュレーションをしておくと良いでしょう。

各料率体系の特徴とメリット・デメリット

料金形態特徴メリットデメリット
料率型広告費に応じた手数料(15〜30%)予算を管理しやすい成果に関わらず手数料がかかる
定額型一定広告費ごとの固定手数料予算を管理しやすい境界超過で割高になる
成果報酬型CV等に応じた手数料成果連動・リスク低成果が良いと他の形態よりも手数料が高くなりやすい

リスティング広告の予算はいくら必要?

リスティング広告の予算は業種や目的、事業規模によって大きく異なるため、一概にはいえません。

当社の場合、中小企業様からは月50万円~100万円程度の予算からご相談いただくケースが多数です。
大手企業や顧客単価の大きな企業の場合、月数千万〜数億円の予算を投じているケースもあります。

一方、個人事業主や小規模企業では、月1万円程度から始めることも可能なのが、リスティング広告を含めたWeb広告の利点です。

自社の状況に合わせて予算を設定し、同程度の予算帯で運用実績がある代理店を選ぶことが大切です。
予算を決める際は、以下の2点を指標にすると良いでしょう。

1. 目標CV数から計算する

獲得したいCV数から逆算して予算を決める方法です。

例えば、月に300件のCVを目標にし、1件あたりの獲得コスト(CPA)を2,000円と設定する場合、以下の計算式で予算を算出できます。

CV数:300件 × CPA:2,000円 = 600,000円(予算額)

この方法は明確な目標がある場合に適しています。ただし、正確なCPAは運用しないとわからないため、初期は余裕を持った予算設定が安心です。

2. 目標CPAから算出する

商品やサービスの利益から許容できるCPAを設定し、予想されるCV数と掛け合わせて予算を決める方法です。

例えば、商品の利益が10,000円でその20%をCPAに充てる場合、目標CPAは2,000円となります。月間の見込みCV数が200件であれば、予算は400,000円と計算できます。

この方法は、収益性を重視した予算を設定できる点がメリットです。

代理店とフリーランスの費用感とサービスの違い

リスティング広告の運用を外注する場合、依頼先には代理店とフリーランスの2つの選択肢があります。

一般的に、代理店に依頼する場合はフリーランスより費用が高くなる傾向にあります。
ただし、費用だけでなくサービスの質や特徴も異なるため、ニーズに合わせてどちらを選ぶか検討することが大切です。


以下で、代理店とフリーランスのメリット・デメリットをそれぞれ比較しましょう。

代理店に依頼するメリット

  • 組織的なサポート体制
    • 担当者が不在でも、複数の専門家がチームで対応。
  • 豊富な実績とノウハウ
    • 多業種の知見を活かした提案が可能。
  • 総合的な支援
    • リスティング以外の広告やWebマーケティング全般にも対応。
  • 媒体とのリレーションが強い
    • GoogleやMetaなどの媒体から直接アップデートや事例の共有を受けられる。

幅広い視点から包括的な支援を受けられるのが、代理店に依頼する大きなメリットです。

代理店に依頼するデメリット

  • コストが高め
    • フリーランスに比べ、手数料が高い傾向。
  • 対応にムラが出る懸念
    • 担当者が複数の案件を抱える場合、小規模案件は後回しになることも。また、運用期間中に担当者が変更になることで弊害が起こるケースも。
  • 契約の縛り
    • 契約期間の縛りが厳しく、最低3ヶ月~1年の契約が必要な場合がある。

フリーランスと比べると金銭的な負担が大きくなりやすいこと、担当者によって成果に差が生まれることなどがデメリットとして挙げられます。

フリーランスに依頼するメリット

  • 費用が抑えられる
    • 運用費の10〜20%程度、時給制なら2,000円前後が相場。
  • 柔軟で迅速な対応
    • 直接やり取りでき、対応スピードも早い。また、最低契約期間がない場合が多く、お試し利用もしやすい。
  • 継続的な担当
    • 担当が固定され、案件理解が深まりやすい。

費用が抑えられ、柔軟な対応を期待できる点がフリーランスの特長です。

フリーランスに依頼するデメリット

  • 個人のスキル差が大きい
    • 能力や実績、専門性の見極めが重要。
  • 対応が不安定な場合も
    • 体調不良などで連絡が取れなくなるリスクがある。
  • 対応範囲が限定的
    • リスティング以外の施策は別の専門家が必要になることも。
  • 媒体とのリレーションが弱い
    • 媒体からのサポートがないため情報が古くなりやすい。

依頼先の見極めが必須になる点や、代理店のような幅広い業務を期待しづらい点はデメリットといえます。
どちらを選ぶべきかは、予算規模や求めるサポート内容によって異なります。

小規模な予算で始めたい場合や信頼できる人がいる場合はフリーランス、総合的なマーケティングサポートを求めるなら代理店が適しているでしょう。

代理店とフリーランスの比較表

項目代理店フリーランス
費用感高め(手数料20〜30%など)安め(10〜20%/時給制も)
サポート体制複数人のチーム対応が可能担当者1人による対応
対応の安定性担当不在でも代替要員あり病欠などで不在時に不安定
専門性・実績多業種・大手案件の実績が豊富経歴にばらつきあり
柔軟性・スピード社内フローにより遅くなることも柔軟・即レスが期待できる
契約の自由度最低契約期間・解約条件あり契約自由度が高く短期も可
総合支援力Web広告全般・LP制作など対応可原則リスティングに特化
媒体からのサポートサポートを受けやすく最新情報を得られるサポートを受けづらい

リスティング広告代理店の失敗しない選び方

代理店を選ぶにあたってコストを抑えることは重要ですが、費用だけで選んでしまうとサービスの質が担保されず、結局成果が出ないケースも考えられます。

代理店選びで失敗しないためには、予算面も含めた以下の6つのポイントを事前に確認しましょう。

  • アカウント開示の可否
    • 広告アカウントの所有権は広告主にあります。運用の透明性を確保するためにも、運用期間中にアカウントを開示してくれる代理店を選びましょう。
  • 契約期間と解約条件
    • 契約期間の縛りは代理店によって大きく異なります。リスクを抑えるなら、短期契約が可能な代理店が安心です。
      あわせて、解約時の違約金や手続きの有無も確認しておきましょう。
  • 最低予算額
    • 代理店によっては、広告費の最低予算額が設定されていることがあります。自社の予算感に合っているかどうかを見極めることが大切です。
  • 手数料体系
    • 料率型・定額型・成果報酬型など、代理店によって異なります。
      手数料に含まれる業務範囲(レポートや打ち合わせの有無)も確認が必要です。
  • 実績と専門性
    • 過去に自社と近い規模・業種の企業で成果を上げた実績があるかは重要な判断材料です。
      代理店のサイトや資料で事例を調べ、信頼できるかどうかを見極めましょう。
  • プロジェクトチームの体制
    • 一人の担当者が何社の広告主を担当しているのか、担当者が不在の場合のバックアップ体制などを確認しましょう。
      広告の運用担当者と直接やり取りができる体制だと、プロジェクト中のコミュニケーションはスムーズになります。

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リスティング広告の外注で失敗しないために

リスティング広告の外注費用は、初期費用やLP制作費用など、いくつかの費用が発生します。

発注先のパートナー企業によって、必要な費用や料金体系、サービス内容が変わるので、自社に合う代理店がどこか、丁寧に比較検討するようにしましょう。
リスティング広告の予算は業種や目的によって異なりますが、中小企業の場合は月50万円~100万円程度から検討するケースが大半です。

リスティング広告は、正しく運用すれば高い費用対効果が期待できます。
マーケティング効果を最大化するためには外注先選びに時間をかけ、求める成果や予算に合わせて自社に適したパートナーを見つけましょう。

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