
マーケティング界隈で、「リードナーチャリング」という用語を聞いたことありますか?このブログでは、リードナーチャリングの定義やその重要性、さらにリードナーチャリングにおけるKPIの設定方法まで解説します。リードナーチャリングをうまく行うことで、見込み顧客との関係を深め、製品やサービスへの関心を高めることが可能です。この記事を通して詳しく見ていきましょう。
目次
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、見込み顧客を購買段階まで育て上げるプロセスのことを指します(リードとは、見込み顧客のこと)。顧客の購買サイクルは一定ではありません。情報収集から検討、購入に至るまでの各段階で異なる対応が求められます。リードナーチャリングを成功させるためには、顧客のニーズに合わせて適切な情報を提供し、最終的に製品やサービスの購入を促進するための施策を組み立てる一連のプロセスをしっかりと行う必要があります。本記事では、リードナーチャリング成功のための流れやKPI設定法を解説します!
リードナーチャリングの重要性
今日の社会は情報に溢れており、多くの選択肢から最適なものを選ぶ必要があります。このため、単に製品やサービスを紹介するだけでは、消費者の関心を引きつけることは難しいです。リードナーチャリングを行うことで、消費者の関心やニーズに応じてパーソナライズされた情報を提供し、リードと信頼関係を築き上げられます。これにより、自社サービスや商品の認知度や信頼性が向上し、最終的には購買につながる可能性が高まります。
例えば、eラーニングのプラットフォームを運営する企業がリードナーチャリングを行う場合、興味を示したリードに対して、彼らの学習目標や好みに合わせたコースの推薦や、学習に役立つリソースを提供することで、段階的に関心を深めさせることができます。このようなアプローチは、消費者が自分のニーズに合った情報を得られると感じるため、製品やサービスへの信頼と興味を強化し、最終的な購入に結びつく可能性を高めます。
さらに、リードナーチャリングを通じて得られたリードのフィードバックは、製品の改善やマーケティング戦略の改善にも役立ちます。顧客の反応や意見を理解し、それに基づいて製品やサービスを改善することで、より顧客中心のアプローチを取ることができ、長期的な顧客ロイヤルティの構築に寄与します。
このように、リードナーチャリングは、消費者との関係を深化させ、製品やサービスの認知度を向上させるための重要な戦略です。適切に実施されれば、企業はより高い顧客満足度と長期的な顧客関係を構築することができるでしょう。
リードナーチャリングの流れ

リードナーチャリングはリードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションの3つのステップにより行われます。
リードジェネレーション (リード獲得:見込み顧客の獲得)
リードジェネレーションとは、見込み顧客の情報を収集するプロセスを指します。例えば、ウェブサイトの訪問者がフォームを通じて情報を提供することで、リードを獲得する方法があります。
他にも、コンテンツの提供(例: 無料のホワイトペーパーやウェビナー)、LP(ランディングページ)、CTA(コール・トゥ・アクション:行動喚起)ボタンなどを使用して、訪問者からのリードを獲得することができます。
リードナーチャリング (見込み顧客の育成)
リードナーチャリングとは、リードが購入の決定を下すまでの間、関連する情報やコンテンツを提供し、リードとの関係を深めるプロセスのことです。メールマーケティング、パーソナライズされたコンテンツの提供、ターゲットに合わせた情報の送信などを通じて、見込み顧客の関心やニーズに応じて関係を築き上げる施策が挙げられます。
リードクオリフィケーション (見込み顧客の抽出)
リードクオリフィケーションとは、生成されたリードの中から、実際に製品やサービスを購入する可能性が高い質の高いリードを特定するプロセスを指します。リードの行動、提供された情報、購入履歴などのデータを分析することで、セールスチームに引き渡す価値があるリードを特定することができます。
リードナーチャリングの流れのまとめ
以上の3つのステップは独立しているように見えますが、実際には連携して行うことが大切です。リードジェネレーションで得られたリードを効果的に育成するためのリードナーチャリング、そしてその中から最も価値のあるリードを特定するリードクオリフィケーション。これらのプロセスを合わせて理解し実施することで、効果的な購買顧客の獲得が可能となります。
メールマーケティングを活用したリードナーチャリング
メールマーケティングを活用したリードナーチャリングは、潜在顧客との関係を築き、コンバージョンへと導くための効果的な手段です。このアプローチでは、リードの興味やニーズに合わせたパーソナライズされたメールコンテンツを定期的に送信し、エンゲージメントを段階的に高めていきます。ここでは、その具体的な手法について詳しく解説します。
まず、リードのセグメント化が基本となります。リードを興味、行動履歴、デモグラフィックなどに基づいて細かく分類することで、各グループに最も適したコンテンツを提供することが可能になります。例えば、ある製品に関心を示したリードには、その製品の詳細情報や使用事例を紹介するメールを送り、初めてウェブサイトを訪れたリードには、企業の概要や製品の基本情報を提供するメールを送るなど、内容をカスタマイズします。
次に、情報を提供するコンテンツを充実させることが重要です。リードが製品やサービスについて十分な知識を持っていない場合、理解を深めるための情報を提供することが必要です。これには、ブログ記事へのリンク、ホワイトペーパー、ウェビナーの招待などが含まれます。情報を提供するコンテンツにより、リードの興味を引き続き喚起し、製品やサービスへの信頼を築きます。
さらに、エンゲージメントを促すコンテンツも効果的です。これには、限定オファー、割引クーポン、製品デモの案内などが含まれ、リードにアクションを促します。特に、リードが購入を検討している場合には、購入決断を後押しするようなオファーを提供することが重要です。
KPIの設定方法
リードナーチャリングの効果を評価・改善するためには、適切なKPI(重要業績効果指標)を設定することが必要です。目的に応じて以下のような指標が考えられます。
KPIとなるもの | 定義 |
---|---|
メールの開封率 | 送信したメールが受信者によってどれだけ開封されたかを示す指標です。高い開封率は、メールの件名や配信タイミングが効果的であることを示しています。 |
エンゲージメント率 | 広告にエンゲージ(クリック、いいね、リツイート、閲覧など)した割合。 |
CPA(顧客獲得コスト) | コンバージョン一件あたりにかかった広告費のことで、広告費の総額÷コンバージョン数(円)で計算できる。 |
LTV(顧客生涯価値) | 顧客がサービスを利用している期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標。 |
CVR(コンバージョン率) | Webサイトの訪問者を母数として、そのうち問い合わせや購入といった成果に至った割合のことです。 |
CPL(リード単価) | リード一件獲得するのに必要な金額。 |
ROI(投資対効果) | 投資に対するリターン。ROI=(売上−広告費)÷広告費×100で求められる。 |
MQL(Marketing Qualified Lead) | 購買意欲の高い見込み顧客の数。 |
SQL(Sales Qualified Lead) | MQLの中でも営業が対応するレベルの見込み顧客の数。 |
CTR(クリック率) | 広告が表示されたうち、クリックされた率。Click Through Rateを略して、CTRと表され、クリック数÷インプレッション数×100(%)で計算できる。 |
*混乱しやすいその他の指標などについてはこちらをご覧ください。
効果測定のポイント
リードナーチャリングにおける効果測定は、事業に最も関連するKPI(重要業績効果指標)を計測することで行います。例えば、メルマガを配信してリードの関心を高めるナーチャリングをする場合、メール開封率など関連したKPIを計測することができます。ナーチャリング施策の中で開封率が上がっていけば、リードの質が上がっている一つの目安となります。
KPIは定期的にモニタリングし、必要に応じて施策の見直しや最適化を行うことが重要です。サイト解析ツールやCRMツールを活用して、リードの行動や反応を詳細に計測・分析しましょう。例えば、あるWebマーケティング施策で設定したKPIが「CVRー資料請求の数」であれば、サイト解析ツールを用いて、資料請求に至るまでのユーザーの行動パスを詳細に計測し、どのページやコンテンツがコンバージョンに寄与しているかを分析します。また、CRMツールを活用して、リードがどのメールコンテンツに反応しているかを追跡し、エンゲージメントの高いトピックやコンテンツ形式を特定します。さらに、A/Bテストを実施して、例えば異なるメールの件名やLP(ランディングページ)のデザインを比較し、より高いCVRをもたらす要素を見つけ出すこともできます。これらのデータに基づいて施策を調整し、ターゲット層により響くメッセージングを構築することで、ROI(投資対効果)の効果を高めることができます。
リードナーチャリングを行う上での課題と対策
リードナーチャリングには、多くの企業が直面する課題が存在します。多くの企業が直面する課題としては、ターゲット層の正確な特定、個々のリードに合わせたコンテンツのカスタマイズ、それらのコンテンツをいつ、どのように配信するかのタイミングの最適化、さらには顧客の反応をリアルタイムでモニタリングし、それに応じた迅速な対応をすることが挙げられます。これらの課題に対する対策としては、まずターゲット層のニーズと行動を深く理解するために、市場調査や顧客インタビューを行い、個人の趣味嗜好に合わせたコンテンツを作成することが重要です。また、A/Bテストを定期的に行い、メールの件名やCTA(コールトゥアクション)のボタンの色など、細部にわたる要素の効果を検証することも有効です。さらに、リードスコアリングシステムを導入して、リードの質を定量的に評価し、営業チームへの引き渡しタイミングを最適化することも、効率的なリードナーチャリングには不可欠です。これらの施策を通じて、リードナーチャリングのプロセスを継続的に改善し、最終的にはROI(投資対効果)の向上につなげることができます。
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この記事を書いた人

田中祐晴
旧Twitterリスティング広告・SNS広告の運用歴3年以上
BtoBのリード獲得をメインとした領域の運用型広告コンサルを担当。
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