
こんにちは!ASUE通信、WM出張所の「うぇぶま!」編集部のよしはるです。
何かと難しそうな略語が多いWeb業界、そこでうぇぶま!では「ちょっとだけ詳しい用語解説」のコーナーで用語の説明や事例をご紹介。
今回の記事では広告運用をしていたら必ず出てくる「CPA」について解説していきます。
「CPAとは?」「どのように目標設定するの?」「CPAの改善方法は?」
広告運用を始めたばかりの方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか?
広告運用をする上で、重要な指標の1つであるのがCPAであり、広告運用では日々CPAを改善するために、配信の検証や施策の実施を行っています。
この記事では、CPAについて以下のポイントを解説していきます。
- CPAとは?
- CPAが必要な理由
- CPAの設定方法
- CPAを改善するための方法
目次
CPAとは?
CPA(シーピーエー)とは、Cost Per Acquisition(Action)の略で「顧客獲得単価」のことです。
広告成果の獲得1件につき、かかったコスト(広告費)という意味ですね。
計算方法
CPAは「コスト÷コンバージョン数」で求められます。
コストとは、広告にかかった費用のことで、コンバージョン数とは、配信した広告で獲得した成果の数です。
成果とは、配信する広告の目的にもよりますが「お問い合わせ」「資料請求」「購入」「会員登録」などが一般的です。
具体例
上記の「CPA=コスト÷コンバージョン」の計算式を用いて、実際にCPAを求めてみましょう。
広告で「お問い合わせ」を集めるキャンペーンを行ったとします。
広告費50万円で配信を行い、1ヶ月のお問い合わせが25件あったとします。
この場合のCPAは「広告コスト50万円÷お問い合わせ獲得数25件」で求められます。
計算すると、1件あたりにかかった広告費は20,000円になるため、CPAは20,000円です。
同じキャンペーンを広告費100万円で配信をし、お問い合わせが40件あったとします。
この場合のCPAは「100万円÷40件」で25,000円になります。
問い合わせを多く集められているのは後者ですが、CPAで考えると費用対効果の良い配信ができているのは前者になります。
CPOとの違い
CPAと似ている指標に、CPOがあります。
CPO(シーピーオー)とは、Cost Per Orderの略でOrder = 注文1件あたりにかかった費用のことです。
注文とは、広告成果の先にあるもので、受注や成約のことを指します。
例えば、広告のコンバージョンが「お問い合わせ」の場合を考えてみましょう。
広告経由でお問い合わせがあった時、その後にヒアリング、商談があり、商談が成功すれば、受注となります。
この受注1件につきかかった広告費用のことをCPOといいます。
CPOは「コスト÷受注数」で求めることができます。
広告費50万円で配信を行い、1ヶ月のお問い合わせが25件、そのうち実際の受注に繋がったお問い合わせが5件だったとします。
この場合のCPAは20,000円ですが、CPOは「広告費50万円÷受注数5件」で10万円になります。
CPAが必要な理由
CPAは広告の費用対効果を定量的に図るための指標であり、適切に扱うことで合理的に広告投資の意思決定を行うことができます。
CPAが高くなれば売上に対する広告費率が上がるため、利益が少なくなってしまいます。一方でCPAが低い場合は利益は確保できているものの、低すぎると逆に広告投資の機会損失とも捉えられます。
「CPAが高い or 低い」を判断するためには、目標CPAを設定する必要があります。
ではどのように目標CPAを設定すると効果的なのか、見ていきましょう。
CPAの設定方法
CPAの目標設定は、利益が出る値に設定する必要があります。
目標CPAの設定では、広告費用や商品の原価だけでなく、人件費なども考える必要があり、その上で利益の出る値を考えていくことが重要です。
目標CPAを設定するためには「目標CPA」と「限界CPA」の2つを理解する必要があります。
目標CPAとは、広告によって得られる利益を含めて、成果1件あたりにかけられる費用のことです。
限界CPAとは、利益が出る最低限のCPAのことです。限界CPAを超えてしまうと、広告は赤字になります。
広告で利益を出すためには、まずは利益の出る最低ラインである「限界CPA」を定める必要があります。限界CPAを算出した後に、広告で得たい利益を差し引いた値が目標CPAになります。
限界CPAの設定方法
限界CPAは、1件の成果を獲得するためにかけられる広告費の上限金額です。
この金額を実際のCPAが上回ってしまうと、広告は赤字になってしまいます。
限界CPAは「売り上げ単価 - 原価 - 経費」で求められます。
売り上げ単価・・・商品やサービス1件あたりの売り上げ
原価・・・商品やサービス1件作成するのに必要なコスト
経費・・・商品やサービスを売るのにかかる人件費や設備維持コスト
例えば、売り上げ単価が10,000円、原価が3,000円、経費が2,000円の商品があったとします。
この場合の限界CPAは「売り上げ単価10,000円 - 原価3,000円 - 経費2,000円」で5,000円になります。
1件あたりの広告成果に5,000円以上かけてしまうと、赤字になってしまうという計算です。
この商品で広告を出す場合は、限界CPAの5,000円をもとに、広告成果1件あたりに得たい利益を考えて目標CPAを設定していきます。
目標CPAの設定方法
目標CPAは、1件あたりの広告成果をいくらで獲得したいかという指標であり、1件あたりの広告成果にどれくらいの利益を残したいかを考えて設定します。
目標CPAは「限界CPA - 残したい利益」で求めます。
例えば、限界CPAが5,000円の商品があり、1件の広告成果あたりに2,000円の利益を残して広告を出したいとしましょう。
この場合の目標CPAは「限界CPA5,000円 - 残したい利益2,000円」で3,000円になります。
CPAを改善するための方法
広告運用をする上で、CPAの改善は欠かせません。CPAを抑えることができれば、それだけ広告から得られる利益が大きくなり、費用対効果が高くなります。
CPAの改善には以下2つの考え方があります。
①CPC(Cost Per Click:クリック単価)を下げる
②CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)を上げる
CPCを抑えて広告配信ができれば、クリック数が増え、CVRが変わらなければコンバージョンを増やすことができます。CVRを改善できれば、同じクリック数でもコンバージョンを増やすことができます。
CPCは主に広告での改善、CVRは主にWebサイトでの改善になります。
広告、WebサイトそれぞれでCPAを改善する方法は細かく分けると様々ありますが、代表例として、まず取り組むべき改善を見ていきましょう。
▼広告での改善方法
- 入札単価を下げる
- 品質スコアを上げる
- 広告文の見直し
- キーワードの見直し
▼Webサイトでの改善方法
- ファーストビューの見直し
- フォームの最適化
「広告での改善」と「Webサイトでの改善」をそれぞれ解説していきます。
入札単価を下げる
入札単価は、広告の1クリックにかけられる費用のことです。入札単価を下げれば、CPCが安価になるので、同じ広告予算でも多くのクリックを獲得することができます。広告のCVRが変わらない場合、入札単価を抑えてクリック数を増やした方がコンバージョンの数を増やすことができます。
入札単価は、広告の掲載順位に関わるため、入札単価を下げすぎると広告が表示されなくなる可能性があります。
そのため広告の表示回数やクリック数が減りすぎない範囲で入札単価をコントロールしましょう。
品質スコアを上げる
品質スコアとはリスティング広告における広告の品質を定量化した指標のことです。
品質スコアが高いと入札単価を下げても広告が上位に表示されやすくなるため、CPCを下げながらコンバージョンが獲得でき、CPAの改善に繋がります。
品質スコアを決定する要因としては、以下の3つがあります。
それぞれの観点に応じてキーワード・広告文・LPを最適化することで品質スコアの改善が見込めます。
- 推定クリック率:広告が表示された場合にクリックされる推定の割合を示す。
- 広告の関連性:広告がユーザーの検索意図と一致する度合いを示す。
- ランディングページの利便性:ランディングページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があり、有用であるかを示す。
広告文の見直し
CPAの改善には広告文を見直しも効果的です。広告文の品質が高ければ、CPCを下げることができ、結果的にCPAが改善できます。
広告文の改善としては「ユーザーがクリックしたくなるような広告」を作成する必要があります。商品やサービスの強みを広告文で効果的に訴求しましょう。
またユーザーの検索するキーワードと関連性の無い広告文を表示していても、クリックはされないため、キーワードを広告文に含ませるなど、キーワードと広告文はセットで考えるようにしましょう。
キーワードの見直し
広告文やLPの内容と関連性の薄いキーワードの配信を続けていても、CPAが改善される可能性は少ないです。
また、コンバージョンが付いていないのに、広告費用だけ大きくかかっているキーワードも見直しが必要です。
関連性の薄いキーワードや、成果に繋がっていないのに費用がかかっているキーワードは停止して、CPA改善を改善しましょう。また、除外キーワードを設定して、不要なキーワードには広告を表示させないようにすることも効果的です。
ファーストビューの見直し
ファーストビューとは、ユーザーがランディングページを表示した時に、最初に目に入る領域のことです。
ユーザーがそのサイトに滞在するか、離脱するかはファーストビューが大きく影響するため、CPAを改善するために重要な部分です。
LPのファーストビューを見直す際は、以下の3つのポイントを確認してみましょう。
- 何の商品・サービスに関するLPなのかひと目で分かりやすいこと
- その商品・サービスを選ぶべき理由、ユーザーにとってのベネフィットが伝わるか
- CTAボタンなどの、購入やお問い合わせへのアクションを促すものがあるか
広告で効果的にユーザーを集客しても、LPの内容が良くなければユーザーは離脱してしまい、広告のクリック費用だけがかかってしまいます。
ファーストビューはユーザーが最初に目にする部分であり、成果に大きく影響するため、必ずチェックしましょう。
フォームの最適化
フォームの最適化とは、入力フォームをユーザーにとって使いやすく、入力しやすい形に最適化する施策です。
ユーザーがお問い合わせや資料請求といったアクションをスムーズに完了できるようにするためにフォームの最適化は重要です。
フォーム入力項目が多すぎたり、入力操作がしにくく、ユーザーにとってストレスになってしまうと、お問い合わせや資料請求をしたいユーザーも、離脱してしまいます。
フォームの最適化を見直す際は、以下のポイントを確認してみましょう。
- 入力項目が多すぎないか
- 入力例は分かりやすく書いてあるか
- 必須項目が分かりやすく示してあるか
フォームの最適化は、CVRに直結する施策になるため、必ずチェックしましょう。
【重要】広告運用は広告のCPAを下げることがゴールではない
ここまでCPAが必要な理由や、目標設定方法・改善方法について説明してきました。
広告のCPAを下げることはもちろん重要ですが、広告運用をする上で忘れてはいけないことが「広告のCPAを下げることがビジネスの成果に結びつくとは限らない」ということです。
例えば、以下のようなケースです。
ケース①:商品の種類が多いEC案件で、単価が様々ある場合
低単価の商品の方が、購入のハードルは低く、CPAは安くなる傾向にあります。
そのため、様々な商品を扱うECサイトで広告のCPAが下がったとしても、実際は安い商品ばかりが売れているだけで、売り上げ・利益は伸びていないという場合があります。
ケース②:広告媒体やメニューによって成約率が異なる場合
例えば、BtoBの案件で「資料請求」をコンバージョンとしている場合、資料請求したユーザーがその後成約しないと事業の売り上げにはなりません。
この「成約率」は配信している広告媒体やメニューによって変わります。
一般的には、顕在層向けの検索広告などは成約率が高く、潜在層向けのSNS広告などは成約率が低い傾向があります。そのため、広告管理画面だけを見て「Facebook広告がCPAが安いから、広告予算をすべてFacebookに振ろう」といった運用をすると、実際の成約を確認したら、成約に繋がっていないコンバージョンばかりが増えていた、ということが起こってしまいます。
このように、広告のCPAだけを見ているとその先の成約、つまりはビジネスの成果には繋がらない広告配信をしてしまいます。そのため、広告のコンバージョンがその後の成約や売り上げに繋がっているかを含めて広告の評価を行うことが重要です。
さらに広告運用者は広告のCPAを下げることではなく、ビジネスの構造を理解し、広告という手段を用いてビジネスを拡大させることが役割であるというマインドを持つことが大事です。

ASUEでも実際の問い合わせ状況や成約状況をお客さまに共有いただき、成約に繋がる広告運用を意識して行ってます。
まとめ
本記事では、CPAについて、用語の意味や計算方法、目標設定の方法を解説してきました。
- CPAとは?
- CPAが必要な理由
- CPAの設定方法
- CPAを改善するための方法
CPAとは、広告成果の獲得1件につき、かかったコスト(広告費)という意味です。
目標CPAを正しく設定し、CPA改善を行うことで、広告の費用対効果を最大化し、効果的な広告配信をすることができます。
目標CPAの設定や、CPAの改善方法を理解し、効果的な広告配信を行いましょう。
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この記事を書いた人

田中祐晴
旧Twitterリスティング広告・SNS広告の運用歴3年以上
BtoBのリード獲得をメインとした領域の運用型広告コンサルを担当。
成約までを考えた広告設計・改善で伴走支援いたします。