【完全版】BtoBのリスティング広告 | 運用のポイントや成約に繋げる方法をご紹介

2024年11月12日

2024年12月06日

BtoBのリスティング広告について、特徴や運用のポイント・成約に繋げる方法を解説します!


BtoBのマーケティングに注力していくにあたり、リスティング広告の出稿を検討する方は多いと思います。

「リスティング広告をやりたい」と考えているものの、BtoBのリスティング広告のことが分からない、イメージが湧きづらい、とお悩みではないでしょうか?

リスティング広告は、ニーズが顕在化した見込み顧客にアプローチできるため、効果的なWeb集客の手法と言えます。

本記事では、以下のようなお悩みを持った方に向けて、「BtoBのリスティング広告」を解説していきます。

  • BtoBリスティング広告の全体像や特徴が知りたい
  • 広告媒体の選定や自社にとって適切な費用設定・相場が知りたい
  • BtoB広告の運用で押さえるべきポイントを理解したい

BtoBのリスティング広告について理解し、成果に繋がる広告を目指していきましょう。

BtoBリスティング広告とは?

リスティング広告とは、ユーザーが検索するキーワードに基づいて、GoogleやBingのような検索エンジンの検索結果に掲載されるテキスト広告です。

検索結果の上から3つほど、左上に「スポンサー」「広告」と記載されたものがリスティング広告です。
※厳密には検索結果下部にも表示されています。

BtoBリスティング広告は、配信ターゲットが個人ではなく法人となるリスティング広告のことを指します。

個人向けリスティング広告の成果が「会員登録」や「商品購入」になるのに対して、BtoBリスティング広告は「資料請求」「お問い合わせ」が成果となることが多いです。

BtoBリスティング広告は、BtoCと比較して、いくつか特徴がありますので、見ていきましょう。

BtoBリスティング広告の特徴

BtoBリスティング広告を配信する上で、理解するべき特徴BtoC広告との違いを解説します。

ご紹介するBtoBリスティング広告の特徴は大きく分けて以下の5つです。

①検索ボリュームが少ない
②クリック単価が高い
③意思決定に時間がかかる
④コンバージョン数が少ない
⑤お問い合わせの質が重要

どの特徴もリスティング広告の準備や運用にとって重要であるため、以下で順に解説していきます。

検索ボリュームが少ない

BtoBのリスティング広告は、BtoCと比較して検索ボリュームが少ない傾向があります。

BtoB広告の場合、ターゲットは企業の担当者、もしくは意思決定者となるため、ターゲットが限定的と言えます。
また、特定の業界や職種に対する商品やサービスである場合、さらにターゲットの層は絞られます。

そのため、個人を対象としたBtoCリスティング広告よりも、検索ボリュームが少なくなりやすいです。

BtoB/BtoCのキーワード1ヵ月の検索ボリューム
BtoC:「洗濯機 おすすめ」90,000回
BtoB:「洗濯機 業務用」2,400回
BtoC:「英会話 アプリ」22,000回
BtoB:「英語 eラーニング」500回

「洗濯機」「英語学習」のように、ニーズが同じものであっても、BtoCとBtoBでは検索ボリュームが大きく異なります。

クリック単価が高い

BtoBのリスティング広告は、BtoCと比較してクリック単価が高い傾向があります。

リスティング広告のクリック単価は、キーワードに対する競合性や各広告主が1クリックにどれくらいの単価をかけているかによって変動します。

BtoB市場の場合、ターゲット層が狭くなる傾向があるため、キーワードに対する入札競争が激しくなりやすいです。

またBtoBサービスの場合、成約1件で得られる利益が大きいため、1クリックにかける単価を高くしてでも、上位の掲載を狙う企業が多いです。

検索語句によっては、1クリックに10,000円以上の広告費がかかるケースもあります。

意思決定に時間がかかる

BtoB商材・サービスの場合、購買を決定するまでの時間が長くなる傾向があります。

リサーチをする担当者と、決裁者が異なるケースも多く、高額な商材・サービスであればあるほど、会社への導入に上司や役員への社内稟議が必要なことが一般的です。

そのため、BtoBリスティング広告では「お問い合わせ」や「資料請求」から成約までの意思決定に時間がかかります。

意思決定に関わる人数が多く、商材・サービスが高額であるため、購買決定までの時間が長いことも、BtoBリスティング広告の特徴の1つと言えるでしょう。

コンバージョン数が少ない

BtoBリスティング広告は、BtoCリスティング広告と比較して、コンバージョン数が少ない傾向があります。

コンバージョンとは、広告によってユーザーに取ってほしいアクションのことで「お問い合わせ」や「資料請求」などを指します。

BtoBの場合「検索ボリュームが少ない」「意思決定に時間がかかる」といった特徴があるため、コンバージョンの数が少なくなる傾向があります。

リスティング広告では、コンバージョンデータを蓄積して広告が最適化されていくため、「コンバージョン数が少ない」という特徴は、BtoBリスティング広告を運用する上で、理解しておくべきポイントです。

BtoBリスティング広告はお問い合わせの質が重要

BtoBリスティング広告では、お問い合わせの先に「商談」「成約」がある図

BtoBリスティング広告では、広告経由のお問い合わせの先には「商談」「成約」があるため、お問い合わせの質が重要となります。

広告管理画面上のお問い合わせ数は目標値を達成していても、その先の商談化や成約にまで繋がっていなければ、リスティング広告の運用方法を見直す必要があります。

BtoCの場合、商品やサービスの単価が比較的安く、購買までのプロセスが短いことが多いです。そのため、お問い合わせの質よりも「数」が重要視されることが多いです。

一方でBtoBの場合は、お問い合わせの内容がその後の「商談」や「成約」に関わるため、数は重要ではあるものの、同じかそれ以上に「質」が重要とされます。

BtoBリスティング広告の種類は何がある?

BtoBリスティング広告の特徴を理解したうえで、リスティング広告の媒体選定は重要になります。

リスティング広告を始める前に、リスティング広告にはどのような種類があり、自社に適している配信媒体は何かを整理してみましょう。

「リスティング広告の種類」については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

【2024年最新版】リスティング広告の種類を解説|各媒体の特徴や違い、選び方のポイントは?
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リスティング広告の相場は?費用はどう決める?

リスティング広告を配信する上で、BtoB・BtoCどちらも共通で、費用設計が重要となります。

「費用はどれくらい用意したらよいの?」という方に向けて、リスティング広告の費用の考え方について紹介します。

BtoBリスティング広告の場合は、クリック単価が高くなることもあり、一定額の予算確保が望ましいです。「リスティング広告の種類」で紹介しているような、複数媒体に出稿する場合は、配信規模に応じて必要予算は大きくなります。

「リスティング広告の予算の決め方や相場」について詳しく知りたい方は、こちらをぜひ参考にしてください。

【2024年完全版】リスティング広告の費用|費用相場や予算の決め方を分かりやすく解説!
リスティング広告の費用はどう考える?相場や予算の決め方を丁寧に解説します。

 2024年8月26日【2024年完全版】リスティング広告の費用|費用相場や予算の決め方を分かりやすく解説!

BtoBリスティング広告運用の7つのポイント

ここまで、BtoBリスティング広告の特徴や媒体選定費用の決め方を解説してきました。

ここからは実際にリスティング広告を運用する上で、押さえるべき7つのポイントを紹介します。

①ターゲットを明確にして絞り込む
コンバージョンハードルを下げる
③配信の地域・時間帯・曜日・デバイスを絞る
④キーワードのマッチタイプを理解する・広げすぎない
⑤除外キーワードをこまめに登録する
⑥アセット(旧:広告表示オプション)を設定する
⑦マイクロコンバージョンを設定しない

どれも広告の成果を出すうえで大切なポイントなので、順に解説していきます。

ターゲットを明確にして絞り込む

リスティング広告で成果を上げるためにはターゲットを明確にする必要があります。

特に1クリックの単価が高いBtoBリスティング広告では、予算を適切に使用するためにも、どのようなターゲットに対して、どのように広告でアプローチしていくかは明確にしましょう。

自社のサービス・商品の購入を具体的に検討している層、実際に行動を起こす「顕在層」に向けた広告設計をしていくことがおすすめです。

BtoBリスティング広告で積極的に狙うべき、顕在層の図。マーケティングファネルの概念図。

まずは自社のリスティング広告を配信するターゲット象を明確にしてみましょう。

コンバージョンハードルを下げる

続いて、BtoBマーケティングの定石ともいえる「コンバージョンハードルを下げる」ことを検討しましょう。

こちらはリスティング広告に限らず、Web集客全般における、サイト設計、LP設計に当てはまります。

具体的には、コンバージョンポイントを「お問い合わせ」のみにせず「資料請求」「メルマガ登録」など、見込み顧客との接点として、比較的ハードルの低いものを設けることがおすすめです。

ハードルの高い「お問い合わせ」しかない場合、それが理由で見込み顧客が離脱してしまっては、機会損失となります。

営業リソースを考えると、熱量の高い「お問い合わせ」のみを獲得した方が良い場合もありますが、コンバージョン率を高めるためにも、コンバージョンハードルを下げましょう。

配信の地域・時間帯・曜日・デバイスを絞る

ここからは具体的な広告キャンペーンの設定面のポイントを紹介します。

BtoBリスティング広告の場合、配信の地域・時間・曜日・デバイスはBtoB仕様にしましょう。

以下のポイントを意識して設定をしてみましょう。

  • 地域:サービスが対応可能なエリアのみを設定する
  • 時間帯:ターゲット企業が稼働していると想定される時間のみを設定する
  • 曜日:土日・祝日などターゲット企業が休みの日は配信しない設定をする
  • デバイス:PCのみへ配信する、もしくはスマホ、タブレットの入札比率を下げる

細かい設定にはなりますが、コンバージョン率が高い地域・時間帯・曜日・デバイスを配信対象とすることで、成果に繋がるため、忘れずに設定をしましょう。

キーワードのマッチタイプを理解する・広げすぎない

キーワードのマッチタイプは正しく理解して、広げすぎに注意しましょう。

マッチタイプとは、登録するキーワードに対して、ユーザーの検索語句が「どの程度一致したときに広告を表示するか」を指定するものです。

Google広告のマッチタイプの詳細についてはこちらを確認ください。

具体的にはBtoBリスティング広告の配信初期で「インテントマッチ」を多用するのは控えた方がよいです。

ターゲットキーワードは「顕在層」を選定しているのに、インテントマッチによって潜在層まで配信が広がりすぎてしまい、獲得単価が高騰する、ということはよくあります。

もちろん、インテントマッチにはメリットもありますが、BtoBリスティング広告の場合、配信初期からむやみにマッチタイプを広げるのは控えましょう。

「フレーズ一致」「完全一致」で成果良くコンバージョンに繋がる配信をした上で、徐々にマッチタイプを広げていくのが良いでしょう。

除外キーワードをこまめに登録する

獲得に繋がらない検索での無駄クリックを防ぐために、除外キーワードをこまめに登録しましょう。

リスティング広告は、クリック課金であるため、クリックが発生するごとに費用が発生します。

ユーザーの検索語句はこまめにチェックし、コンバージョンに繋がらない語句については、除外登録をしましょう。

除外キーワードについても、マッチタイプがありますが、通常の配信キーワードと仕様が異なるため、除外キーワードのマッチタイプについても、頭に入れておくとよいでしょう。

【完全解説】Google広告の除外キーワードのマッチタイプや登録方法!
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アセット(旧:広告表示オプション)を設定する

アセット(旧:広告表示オプション)を設定しましょう。

アセットとは、広告文・説明文に追加で情報を表示できる機能です。

短く訴求する「コールアウト」、リンク付きで訴求する「サイトリンク」、リスティング広告にロゴを設定する「ビジネスのロゴ」など種類があります。

アセットを設定することで得られるメリットは下記のようなものがあります。

  • 広告の占有面積が上がり、ユーザーの目にとまりやすくなる
  • 広告ランクを高めることができクリック単価を抑えられる
  • 広告でユーザーに訴求できる情報量が増える

アセットは必ず表示されるわけではありませんが、表示される際は広告の占有面積を上げることができるため、クリック率の向上が期待できます。

また質の良いアセットを設定することで、広告の評価が上がり、クリック単価を下げることができます。

ユーザーに伝えられる情報量も増えるなど、メリットが多いです。必須ではないですが、必須と捉えて設定しましょう。

マイクロコンバージョンを学習させない

BtoBリスティング広告において、マイクロコンバージョンの先にコンバージョンがある図

マイクロコンバージョンとは、コンバージョンの手前にあるアクションのことを言います。

「お問い合わせ」をコンバージョンとした場合、「お問い合わせフォームへの到達」などがあたります。

BtoBリスティング広告では、一般的に「お問い合わせ」「資料請求」などのコンバージョンの獲得数が少ない傾向にあるため、広告媒体の機械学習による最適化が進みづらいです。

こうした場合にマイクロコンバージョンを学習対象に設定することで、媒体の機械学習を促進する手法があります。
マイクロコンバージョンをする人は、コンバージョンに繋がりやすいユーザーとして学習させるといった具合です。

果たして、本当に「お問い合わせフォーム到達」するユーザーは「お問い合わせ完了」しやすいのでしょうか?

学習データが蓄積されて、成果が上がりそうですが、違うんですか?

フォーム到達者ばかりが増えるパターンもあったね。コンバージョンである「お問い合わせ」のみを学習対象とした方が、最後までお問い合わせに繋がった数が増える配信が多いかな。

マイクロコンバージョンを活用した運用成果については、商材・サービス、サイト設計によっても変わるため、一概にしない方が良いとは言えません。

どの程度コンバージョンを獲得できるかにも影響されるため、学習対象を変数としたABテスト、もしくは前後比較を実施した上で、成果のよい運用方法を採用するとよいでしょう。

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BtoBリスティング広告で成約に繋げる方法

ここまで、BtoBリスティング広告の特徴や、運用のポイントを解説してきました。

ここからは、BtoBリスティング広告で成約に繋げる方法を紹介します!


リスティング広告で「お問い合わせ」の数を取れていても、その先の「成約」に繋がらないと売り上げや利益は上がらず、Web集客をする意味がないですよね・・・。

弊社ではリスティング広告の「お問い合わせ」の先の「成約」を最大化することを心がけて広告運用をしています。

ここでは弊社が実際に行っている「成約」に繋がりやすいリスティング広告の運用方法を紹介します。

広告媒体の数字ではなく、成約ベースで評価をする

成約に繋がりやすい広告配信をするために、広告媒体の数字だけでなく、成約・売上をもとに評価をするべきです。

BtoBリスティング広告の場合、広告コンバージョンの先には「商談」「成約」があるため、「コンバージョン数 = 成約」ではありません。

例えば、リスティング広告の成果が下記状況の場合「広告媒体の数字で評価する」場合と、「成約・売上を加味して評価する」場合では、運用の方法が変わってきてしまいます。

リスティング広告結果の広告媒体ごとの「広告媒体上の成果」「商談化・成約率」「売上規模」と「広告媒体で評価する場合」「成約・売上で評価する場合」の表

成約・売上がこのような状況のときに、広告媒体の数字のみを最適化する場合「広告の獲得単価」は良くなっていきますが、その先の「商談・成約に伴う利益」は伸びていきません。

このように広告の目的である「成約・売上」を最大化するためにも、広告媒体の数字だけでなく、その先まで評価をするようにしましょう。

Google Analyticsを活用した実数値照合シート

成約・売上をもとにリスティング広告を評価すると言っても、広告管理画面上だけでは難しいです。

ここでは、Google Analyticsを用いた広告上のコンバージョンと実際のお問い合わせを照合する方法を紹介します。

Google Analyticsのキーイベントをスプレッドシートに自動で注ぎ、実際に届いている「お問い合わせ」と、その先の「商談」「成約」を照合して、広告媒体やキャンペーンの予算配分、改善調整に活かすといった方法です。

この方法ができれば、商談や成約ベースで、成果の良い広告媒体やキャンペーンを拡大していく考え方ができるので、ぜひ参考にしてみてください。

BtoBリスティング広告で用いる、実数値照合シートのサンプルイメージ
※数値はダミーであり、ぼかしをいれています

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さいごに

BtoBリスティング広告の特徴から運用のポイント、成約に繋げる方法を解説してきました。

リスティング広告は顕在層に効果的にアプローチできる手法ではありますが、BtoBのリスティング広告運用は押さえるべきポイントをしっかりと意識しないと成果が出しづらくもあります。

本記事で紹介したことを意識して、ぜひBtoBリスティング広告の成果を最大化していきましょう!

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