本記事は「Google広告の除外キーワードのマッチタイプや選定の考え方と設定方法」を解説します。
除外キーワードにもマッチタイプが存在していて、配信キーワードとは仕様が異なることは理解しているけど、詳細については自信ないな・・・。
除外キーワードの選定はしているけど、判断軸を持ってやっているかと言ったら、そうでもないな・・・。
こうした方に向けて、本記事では「Google広告の除外キーワードのマッチタイプや選定の考え方と設定方法」を解説します。
最近はGoogle検索広告は「部分一致 × 自動入札」が主流になりつつある状況です。より一層除外キーワードは大切になるため、知識を深めてくださると嬉しいです!
※以下、配信するものとして設定しているキーワードを配信キーワードと記載します。
目次
Google広告の除外キーワードとは?
除外キーワードとは、特定の検索語句を広告の表示対象から除外する機能です。
除外キーワードの目的は、広告を配信する商品やサービスに関連しない語句や費用対効果の悪い語句への広告表示を防ぐことです。
商品やサービスに関連する検索のみ広告を出すことで、費用対効果の向上が見込めます。
Google広告では、広告を表示させたいキーワードを設定しますが、関連する検索にも配信が広がります。
成果に繋がらない検索語句へ意図せず広告が表示され、費用ばかりを消費することを防ぎたい時に活用するのが、除外キーワードです。
Google広告の除外キーワードのマッチタイプ
配信キーワード同様に、除外キーワードにもマッチタイプが存在します。
除外キーワードと配信キーワードでは、マッチタイプの仕様が異なるため広告配信をする際は違いを正しく理解する必要があります。
配信キーワード同様に、除外キーワードのマッチタイプは以下の3種類です。
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
それぞれのマッチタイプがカバーする除外の範囲を見ていきます。
完全一致
完全一致は名前の通り、除外キーワードと検索語句が「完全に一致」した場合に広告が表示されなくなります。
「ランニング シューズ」と完全一致で除外キーワードを設定した場合を見ていきます。
広告が表示される/されないは下記の表のようになります。
検索語句 | 広告の表示 |
---|---|
青 テニス シューズ | ◯される |
ランニングの靴 | ◯される |
青 ランニング シューズ | ◯される |
シューズ ランニング | ◯される |
ランニング シューズ | ✕されない |
配信キーワードとの違いは、配信キーワードは「まったく同じ意味または意図の検索」が表示対象になるため、上の表では「ランニング用 シューズ」は表示対象になります。一方で、除外キーワードの場合「完全に一致する」語句が対象であるため、「ランニング用 シューズ」は除外されません。
フレーズ一致
フレーズ一致では、除外キーワードと完全に一致するキーワードが同じ語順で使用された場合に広告が表示されなくなります。
「ランニング シューズ」とフレーズ一致で除外キーワード設定した場合を見ていきます。
広告が表示される/されないは下記の表のようになります。
検索語句 | 広告の表示 |
---|---|
青 テニス シューズ | ◯される |
ランニングの靴 | ◯される |
青 ランニング シューズ | ✕されない |
シューズ ランニング | ◯される |
ランニング シューズ | ✕されない |
「青 ランニング シューズ」のように、別の語句が含まれている場合でも、除外キーワードが同じ語順で含まれている場合、広告は表示されません。
また、配信キーワードでは「シューズ ランニング」は表示されますが、除外キーワードの場合は語順が異なれば除外の対象にはなりません。
部分一致
部分一致では、除外キーワードに含まれるすべての語句が検索に使用された場合に広告が表示されなくなります。
含まれる語句の語順は問いませんが、一部の語句のみが検索語句に含まれる場合は除外の対象になりません。
部分一致で「ランニング シューズ」と除外キーワードを設定した場合、広告が表示される/されないは下記の表のようになります。
検索語句 | 広告の表示 |
---|---|
青 テニス シューズ | ◯される |
ランニングの靴 | ◯される |
青 ランニング シューズ | ✕されない |
シューズ ランニング | ✕されない |
ランニング シューズ | ✕されない |
「シューズ ランニング」はフレーズ一致までのマッチタイプでは除外設定できません。しかし、部分一致で「ランニング シューズ」を除外キーワードに設定することで、「含まれるすべての語句が検索に使用された場合」に該当するため、広告が表示されなくなります。一方で配信キーワードのような広がりは持たないため「ランニングの靴」や「テニス シューズ」といった検索語句には除外は適用されません。
除外キーワード選定の考え方
マッチタイプを理解した後は、どのように除外キーワードを選定すればよいでしょうか?
除外キーワード選定の基本的な流れは下記になります。
①検索語句を確認する
②検索語句を分類する
③必要に応じて除外キーワードを適切な語句・マッチタイプで設定する
①の検索語句の確認方法は後述する「検索語句から直接除外する方法」を参照ください。
ここでは、②の検索語句を分類する際の考え方を紹介します。
大きく4つに検索語句を分類し、除外キーワード選定や他の改善施策を考えていきます。
A:サービス・商品に全く関係がないもの
B:関係はあるが、コンバージョンに繋がっていないもの
C:関係があり、コンバージョンに繋がっているがCPAが高いもの
D:コンバージョンが目標CPA以内で取れているもの
最近のGoogle広告は全く関係ない検索語句には表示が広がりにくくなっています。しかし、Aは検索語句に出ている場合は除外が必要です。
例えば、名前が同じで意味が全く違うものなどはすぐに除外するべきです。また、Dに関しては除外せずに配信を継続して問題ありません。
では、B、Cのパターンについて考えてみましょう。
B:関係はあるが、コンバージョンに繋がっていないもの
配信している商品・サービスに関係があるが、成果に繋がらない検索語句を考えます。
下記のことを考えた上で除外する/除外しないを判断しましょう。
①期間を延ばしてみてもコンバージョンがないか
②使用費用は目標CPAに対してどうか
③自社が広告配信で重視しているのは件数かCPAか
①期間を延ばしてもコンバージョンがないか
直近1カ月では、成果に繋がっていない検索語句でも、期間を伸ばしたらコンバージョンが付いている。などの状況の場合、除外をせずに配信を継続してよいと判断できます。
②使用費用は目標CPAに対してどうか
商品・サービスに関係ある検索語句は、使用広告費と目標CPAを比較しましょう。
目標CPA10,000円、使用額が5,000円の場合、除外の判断はまだ早いです。一方で使用額が20,000円の場合、除外という判断をしてもよいでしょう。
③自社が広告配信で重視しているのは件数かCPAか
除外キーワードを選定する際は、自社が広告を配信する目的の部分を意識しましょう。
闇雲に除外キーワードに設定すると無駄を抑制できる一方で機会損失になりかねません。
件数重視であれば配信継続、CPA重視であれば除外という判断が望ましいでしょう。
C:関係があり、コンバージョンに繋がっているがCPAが高いもの
配信している商品・サービスに関係があり、成果にも繋がっているがCPAが高い場合を考えます。
Bと同様に期間別で見たり、件数重視かCPA重視かによって判断します。
また、コンバージョンに繋がっているため広告文を改善したり、LPを改善するなど、除外キーワード以外の改善施策を試みるのも良いでしょう。
除外キーワードの注意点
意図しない配信を抑制できる除外キーワードですが、闇雲に設定するのは要注意です。
除外キーワード選定における注意点を紹介します。
①除外の前に改善余地が無いか検討する
②定期的な除外キーワードの追加
費用対効果を最大化しつつ、機会損失がないように意識していきましょう。
順に解説していきます。
改善余地の検討
除外キーワードに設定する前に他の施策で改善余地がないか検討しましょう。
特に「関係はあるが、コンバージョンに繋がっていない」検索語句で考えるべきです。
なぜ成果に繋がらないか深堀し、配信継続しながら改善できないか考えましょう。
自社の商品やサービスに関連するため、コンバージョンに繋がる検索かもしれません。除外をしてしまっては、機会損失となってしまいます。
他の施策で改善できないか考えつつ、関連のある検索語句の除外は慎重に行いましょう。
定期的な除外キーワード追加
除外キーワードの選定は定期的に行いましょう。
Googleでの検索語句は常に新しいものが生まれ続けています。
また、Google検索広告の部分一致は随時新しい語句への拡張が行われています。
そのため、過去の除外キーワード選定では無かった検索が生まれる可能性が高いです。
1回の精査で終了するのではなく、定期的な検索語句の見直しを行いましょう。
Google広告の除外キーワードの設定方法
除外キーワードはアカウント/キャンペーン/広告グループの単位で設定できます。設定する方法は「検索語句から直接除外する方法」「除外キーワードリストを作成する方法」「アカウント単位で設定する」の3つです。
おすすめは効率よく設定ができる「除外キーワードリストを作成する方法」です。しかし、リストを使用する場合は、キャンペーン単位でのみの適用となります。
設定方法について、それぞれ順に解説していきます。
検索語句から直接除外する方法
検索語句から直接選択して除外キーワードに登録する方法を解説します。
除外キーワードを選定したいキャンペーンもしくは広告グループに入り「キーワード」>「検索語句」と入り、除外をしたい検索語句のチェックボックスにチェックを入れる>「除外キーワードとして追加」>除外する階層をキャンペーン、広告グループから選択し、マッチタイプを指定して保存する。
▼「キーワード」>「検索語句」と入り、除外をしたい検索語句のチェックボックスにチェックを入れる>「除外キーワードとして追加」
▼除外する階層をキャンペーン、広告グループから選択し、マッチタイプを指定して保存する
▼検索語句から直接除外キーワードに登録すると、下記ように除外マークがつきます。
ここまでが検索語句から直接除外する方法です。複数ある場合は、すべてにチェックを入れて除外キーワードに登録します。
除外キーワードリストを作成する方法
除外キーワードリストを作成して除外キーワードを設定する方法を解説します。
Google広告管理画面から「ツールと設定」>「除外キーワードリスト」>「+」マーク>リスト名を記入してマッチタイプを指定した除外キーワードを入力して保存>作成した除外キーワードリストをキャンペーンに適用させる
▼Google広告管理画面から「ツールと設定」>「除外キーワードリスト」
▼「+」マーク>リスト名を記入して除外キーワードを入力して保存
▼リスト名を記入して、マッチタイプを指定した除外キーワードを入力して保存
各マッチタイプの記載方法はこちらの表の通りです。
マッチタイプ | 登録語句 | 添付する記号 | 記述 |
---|---|---|---|
完全一致 | ランニング シューズ | [] | [ランニング シューズ] |
フレーズ一致 | ランニング シューズ | "" | "ランニング シューズ" |
部分一致 | ランニング シューズ | 記号なし | ランニング シューズ |
▼作成した除外キーワードリストをキャンペーンに適用させる
ここまでが除外キーワードリストを使用した除外キーワードの設定です。
除外キーワードリストは直接検索語句を登録するより管理がしやすく、スプレッドシートを使用することでより効率よく設定できます。
しかし、除外キーワードリストはキャンペーン単位で適用されます。キャンペーン単位で除外する場合はリストを使用し、広告グループ単位で除外が必要な場合は直接検索語句から除外キーワードを登録するとよいでしょう。
アカウント単位で除外する方法
Google広告のアカウント単位で除外キーワードを登録する方法を解説します。
Google広告管理画面から「アカウント設定」>「除外キーワード」>「+」マークをクリック>マッチタイプを指定した除外キーワードを入力して保存
▼Google広告管理画面から「アカウント設定」>「除外キーワード」>「+」マークをクリック
▼マッチタイプを指定した除外キーワードを入力して保存
ここまででアカウント単位の除外キーワードの登録は完了です。
アカウント単位の除外は、すべてのキャンペーン・広告グループに適用されます。そのため、機会損失が発生しないか、慎重に考えた上で設定しましょう。
アカウント単位の除外キーワードが適用されるキャンペーン タイプ
アカウント単位の除外キーワードのリストを作成すると、そのリストは、関連するキャンペーン タイプのすべての検索広告枠とショッピング広告枠に自動的に適用されます。これには、検索キャンペーン、P-MAX キャンペーン、アプリ キャンペーン、ショッピング キャンペーン、スマート ショッピング キャンペーン、スマート アシスト キャンペーン、およびローカル キャンペーンのすべての検索広告枠とショッピング広告枠が含まれます。
Google広告ヘルプ:アカウント単位の除外キーワードについて
ここまでで3つの方法での除外キーワード設定の方法を解説してきました。
まとめると下記になります。除外キーワードを登録したい区分によって、適切な方法で行いましょう。
キャンペーン単位で問題ない → 除外キーワードリストがおすすめ
広告グループごとに除外が必要 → 直接検索語句から除外が必要
アカウント単位で一括除外で問題ない → アカウント単位での除外登録
P-MAXキャンペーンのキーワード確認・除外方法は?
上記では検索広告の除外キーワードについて解説してきました。
Google広告には「P-MAXキャンペーン」があります。P-MAXキャンペーンでも検索に対して広告を表示する仕組みです。ここでも、除外キーワードの設定が可能であるため、確認してみましょう。
P-MAXキャンペーンのキーワード確認・除外方法は下記記事を参照ください。
除外キーワードの効率的な設定方法
スプレッドシートなどにまとめて、関数でマッチタイプの形式に変換しましょう。
管理画面もしくは、ダウンロードした検索語句レポートをもとに除外キーワードを選定し、除外キーワードリストを作成していきますが、その際、完全一致とフレーズ一致はそれぞれ「[]」「""」の記号を付ける必要があります。
手作業でしていては、除外キーワード設定だけでかなりの時間がかかってしまいます。
下記のような関数を組み込んだスプレッドシートを用意することをおすすめします。
- 単語の両端に「[]」/「""」を付ける関数
- もし「完全一致」なら「[]」、「フレーズ一致」なら「""」を付けてくれる関数
スプレッドシートや関数を活用し、除外キーワードリストの作成効率を上げましょう。
まとめ
本記事ではGoogle広告における除外キーワードのマッチタイプや選定の考え方、注意点や実際のGoogle広告管理画面上での設定方法について解説しました。
ポイントをまとめると下記になります。
- マッチタイプは配信キーワード同様に3種類あるが、カバー範囲が異なっている
- 除外キーワードは検索語句を分類した上で件数重視/CPA重視も考慮しながら選定する
- 設定方法は「検索語句から直接除外」「除外キーワードリスト作成」「アカウント単位」
- スプレッドシートや関数を活用して除外キーワード登録を効率化
最近ではGoogle検索広告は部分一致メインの自動入札が主流となりつつあります。
部分一致を使用する際は、特にこの除外キーワードが大切になります。マッチタイプや選定の考え方、効率的な設定方法を理解し、運用に活かしましょう!
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この記事を書いた人
田中祐晴
旧TwitterWebマーケティング課所属、リスティング広告運用歴3年。
「Google広告の検索広告認定資格」取得。
リスティング広告、SNS広告の運用をメイン領域として担当。