本記事では「リスティング広告の種類」と選び方のポイントを紹介します。
Web広告を出したいと考えたときに、まずはリスティング広告だ!と考える方は多いと思います。
リスティング広告は、明確なニーズを持っているユーザーにアプローチできる手法であるため、広告成果において、高い費用対効果を期待できるWeb広告の手法です。
とはいえ、リスティング広告を始めたいけど、どんな種類があるか分からない。というWeb担当者さんは多いのではないでしょうか?
本記事では、そんなWeb担当者さんに向けて、リスティング広告の種類と選び方を丁寧に解説していきます。
この記事を読めば、自社にとって最適なリスティング広告を理解し、選べるようになります。
目次
リスティング広告に種類はあるの?
リスティング広告は、検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが実際に検索した言葉に関連したテキスト広告が表示される広告のことです。
バナーを使ったディスプレイ広告はリスティング広告ではないのですか?
リスティングを検索とディスプレイの2つに分類するケースも見られますが、厳密には「リスティング = 検索連動型広告」だね。
実際、弊社でも「リスティング広告」ではなく「検索広告」と呼ぶ場面の方が多いです。
リスティング広告を始めよう!と考える方は、まずは「リスティング広告 = 検索広告」を始めよう!という認識で問題ないですね。
とはいえ、リスティング広告には媒体が3つあることは押さえておきたいですね。
リスティング広告の代表的な3媒体
リスティング広告の代表的な媒体は下記の3つです。
- Google広告
- Yahoo!広告
- Microsoft広告
これらの代表的な3媒体のリスティング広告の、大きな違いは配信面の違いです。
Google広告はGoogleやパートナーサイトの検索結果、Yahoo!広告はYahoo!JAPANやLINEヤフー株式会社が所有するパートナーサイト、Microsoft広告はBingの掲載面に主に配信されます。
配信面の他にもそれぞれ特徴があるので、順番に見ていきましょう。
Google広告
Google広告は、リスティング広告をやるうえでまず最初に考えるべきとも言える媒体です。
Googleは日本・世界ともに圧倒的なシェアを誇る検索エンジンです。その分、非常に多くのユーザーにアプローチできるという特徴があります。
パソコン (2021年9月時点) | スマートフォン (2022年3月時点) | |
---|---|---|
75.7% | 75.2% | |
Yahoo! | 14.2% | 24.2% |
Bing | 9.6% | 0.3% |
その他 | 0.5% | 0.3% |
出展:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf306000.html
また、Google広告は最もAIによる機械学習が優れていると考えられています。広告上の学習精度が高く、上手く運用すれば成果が出しやすい媒体です。
一方で、Google広告はまず始めるべき広告ということもあり、多くの企業が同じキーワードで出稿しています。
そのため、クリック単価が高くなりやすいといった特徴があります。
BtoB向けのリスティング広告や、平均クリック単価が高い業界での出稿を検討している場合は、Yahoo!広告の出稿も合わせて考えてもよいですね。
Yahoo!広告
Yahoo!広告は検索エンジン「Yahoo!JAPAN」でリスティング広告が配信できる媒体です。
Yahoo!はGoogleに次いでユーザー数が多く、リスティング広告を出稿する際は、Googleと並んで検討される媒体とも言えるでしょう。
Googleとの大きな違いとして、利用ユーザーの年齢層が異なる特徴があります。Yahoo!は比較的年齢が高い方が多く、Googleは年齢が若い方が多いという特徴が見られます。
商材やサービスによって年齢層が高い方がターゲットとなる場合は、積極的にYahoo!広告の出稿も検討したいですね。
また、Yahoo!広告の特徴としてGoogle広告よりもクリック単価が低くなることが多いです。
競合企業の出稿状況にもよりますが、Yahoo!はGoogleと比較すると必要なクリック単価が全体的に小さいイメージですね。
一方で、Google広告とは異なり、Yahoo!検索広告では年齢や性別が指定できなかったり、機械学習の精度がGoogleほど高くないという特徴があります。
Microsoft広告
Microsoft広告は、マイクロソフト社が提供する検索エンジンであるBingに広告配信できる媒体です。
日本では2022年5月31日にリリースされた、比較的新しい広告プラットフォームであり、Google広告、Yahoo!広告と比較して出稿企業数が少なく、クリック単価が低くなる傾向があります。
Microsoft広告の主要な配信面であるBingは、Microsoft EdgeというWindows10以降に組み込まれているブラウザのデフォルト検索エンジンです。
Bingってあまり馴染みないですね。みなさんGoogleかYahoo!じゃないんですか?
我々はデフォルトをGoogleにしているから気づかないけど、実はシェア率はかなり高いんだよ。
企業のデフォルトがBingであることも多く、実は近年、BingのPCでのシェア率がYahoo!を上回っている状況です。
日本における検索エンジンのパソコンでの市場シェア率(2022年12月時点)
企業のデフォルトであるケースが多いことや、Microsoft製品がビジネスでの利用が多いことから、Microsoft広告はBtoBとの相性がよいと言えます。
また、2022年リリースということもあり、2024年6月現在でも先行者優位の状況があることも特徴です。
検索広告の種類は?
「リスティング = 検索連動型広告」の代表的な3媒体について紹介してきましたが、広告の種類としてどのようなものがあるのかを紹介します。
検索広告の種類は「レスポンシブ検索広告」と「動的検索広告(DSA)」に分けられます。
①レスポンシブ検索広告
②動的検索広告(DSA)
それぞれどのような特徴の広告か解説していきます。
レスポンシブ検索広告
レスポンシブ検索広告とは、入稿した複数の「広告見出し」「説明文」をユーザーの検索語句に合わせて自動で組み合わせて配信できるタイプの広告です。
媒体の機械学習により、さまざまな組み合わせが自動でテストされ、効果的と判断された広告文と説明文が配信されるため、成果が出やすいというメリットがあります。
Google広告ヘルプ:レスポンシブ検索広告について
動的検索広告(DSA)
動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)とは、検索広告の1種で、広告グループにキーワードを設定する代わりに、ランディングページを登録することで、関連するキーワードに対して自動で広告を生成して配信できるタイプの広告です。
Google広告ヘルプ:動的検索広告について
レスポンシブ検索広告と比較した、動的検索広告のメリットは大きく下記の3つです。
- 関連性の高い広告見出しで配信ができる
- キーワード設定でカバーできない検索語句に配信ができる
- 広告文作成や設定面での時間を節約できる
動的検索広告で生成される広告見出しはユーザーの検索語句とランディングページの関連に基づいているため、関連が高くなります。
キーワード設定では網羅できていない検索に対して広告が配信できる点や、キーワード選定、広告文作成の工数がかからない点も動的検索広告のメリットと言えるでしょう。
ディスプレイ広告の種類は?
Web広告の種類には、検索に対して広告を表示する「リスティング = 検索連動型広告」とバナーとテキストを用いて配信をする「ディスプレイ広告」があります。
ディスプレイ広告は各ユーザーが興味を示しているWebサイトの内容に沿った広告が表示されるため、「コンテンツ連動型広告」と呼ばれることもあります。
ディスプレイ広告の種類は下記の3つです。
- Googleディスプレイ広告(GDN)
- Yahoo!ディスプレイ広告(GDN)
- Microsoftディスプレイ広告
Googleディスプレイ広告(GDN)
Google広告が提供しているキャンペーンタイプの1つで、Googleが所有しているYoutubeやGmailなどのサービスに加えて、3,500万ものWebサイトやアプリに配信が可能な広告です。
自社のWebサイトに訪れたことのあるユーザーをターゲットとしたリマーケティング広告や特定の検索を行ったことのあるユーザーをターゲットとしたカスタムセグメントなど、配信手法は豊富です。
レスポンシブディスプレイ広告というフォーマットが主流であり、3種類のバナーサイズ(正方形・横長・縦長)とテキストを入稿することで、配信面に合わせて最適な組み合わせとサイズの広告が表示されます。
Googleヘルプ:ディスプレイ広告とGoogleディスプレイネットワークについて
Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)
LINEヤフーが提供するディスプレイタイプの広告で、Yahoo!JAPANのトップページや広告の掲載枠があるWebサイトにバナーや動画を表示できる広告です。
こちらもGoogle同様に自社サイトに訪れたことのあるユーザーをターゲットとした配信や特定のキーワードを検索したことがあるユーザーをターゲットとした配信手法があります。
バナーサイズなども基本的には同じで、Yahoo!の所有している配信枠にディスプレイ広告が表示できるというイメージです。
LINEヤフー for Business:Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)
Microsoftディスプレイ広告
Microsoftディスプレイ広告はMicrosoft Edgeなど、Microsoft社が持つ広告枠に配信ができる広告です。
Microsoft独自のデータやシグナルを活用できる所が強みであり、こちらもGoogle・Yahoo!同様にWebサイト訪問ユーザーや特定の検索を行っているユーザーをターゲットとして広告配信が可能です。
Googleディスプレイ広告・Yahoo!ディスプレイ広告と大きく違う点は、LinkedInのデータに基づいた業界/職種/会社のターゲティングができる点があります。
現在は日本国内を対象とした配信では使用できませんが、今後日本国内でも導入される可能性が高いため、期待できるターゲティングとなりそうです。
Microsoft Advertising:Microsoftディスプレイ&ネイティブ広告
リスティング広告媒体の選び方
ここまでリスティング広告の代表的な3媒体について、解説してきました。
Google広告・Yahoo!広告・Microsoft広告の特徴が分かったところで、自社に合うリスティング広告はどれなの?という方に向けて、選ぶ際のポイントを紹介します。
どのリスティング広告を選ぶかは、広告を配信するサービスや商材によって変わるため、ぜひ自社の状況と合わせて検討してみてくださいね。
まずはGoogle広告から始めてみる
リスティング広告を始めるなら、まずGoogle広告から配信するのがおすすめです。
Googleは圧倒的なシェア率を誇る検索エンジンであり、ユーザー数を考えるとまず初めに配信するべき媒体といえるでしょう。
また、Google広告の機械学習は3媒体の中でも優れていると考えられるため、成果面でも期待ができます。
Google検索広告で費用対効果に合った成果が出ているのであれば、Google広告にしかない様々なメニューに拡大していくこともできるため、まずはGoogle広告優先と考えてしまってよいでしょう。
ただ、Google広告が王道とはいえ、上で解説したようにYahoo!広告・Microsoft広告の方が相性がよい商材もあるため、Yahoo!広告・Microsoft広告を選ぶべきパターンについても解説しますね。
ターゲット層によってはYahoo!広告の相性がよい
Yahoo!広告はターゲットの年齢層が高い場合は相性がよいと考えられます。
なぜかというと、Yahoo!JAPANがリリースされた1996年から2000年代前半までは、Yahoo!が主要な検索エンジンであり、その時代にインターネットに触れた方にとって「検索 = Yahoo!」という意識が今でも強いためです。
20代・30代のいわゆる若者にとっては王道のGoogleですが、40代以上の方にとってはYahoo!が王道という方が一定いるという訳ですね。
そのため、広告で配信する商材・サービスのメインターゲットがYahoo!ユーザーと考えられる場合は、Google広告と合わせて、Yahoo!広告を積極的に配信したいですね。
例えば、下記のような商材・サービスの広告を検討する場合はYahoo!広告がおすすめです。
- シニア向けの英会話やパソコン教室
- 老後の移住を意識した不動産商品
- 50代の男性向けアパレル商材
他にも、状況としてGoogle広告では確保している予算が使い切れない、クリック単価が高くて、費用対効果が合わないなどの場合は、Google広告の次に検討しても良い媒体と言えます。
BtoB広告なら積極的にMicrosoft広告を
BtoB向けの商材・サービスで広告を始めるならMicrosoft広告が適しています。
Microsoft広告の特徴でも解説した通り、主要配信面であるBingは企業のデフォルト検索エンジンであるケースが多いです。
平日の日中に会社のPCで検索するシーンを想定した、BtoB向けのリスティング広告を配信する場合は積極的にMicrosoft広告を検討してみてください。
自社のビジネスにおいて、Microsoft広告との相性が良いか悪いか分からない。という場合かつ、Google Analytics等の解析ツールを使用できる場合は、BingやEdge経由のアクセス状況を確認してみてください。
もし、BingやEdge経由のアクセスが多い場合は、利用するユーザーが多いという状況であるため、リスティング広告でも一定のアクセスや成果が見込めるでしょう。
リスティング広告の費用の相場は?
ここまで、リスティング広告の種類と選び方を解説してきました。
どのリスティング広告を始めれば良いかは分かったけど、費用はどれくらい確保したら良いの?
という方に向けて、リスティング広告の費用相場を紹介します。
必要な予算についても、選ぶべき広告媒体と同様に、商材やサービス、事業フェーズ、広告目的など様々な要素によって異なります。
一般的には月20~50万円程と言われていますが、まとまった金額をリスティング広告に投資できて、広告に注力している大手企業の場合は、月数百万円~数千万円にまでなります。
リスティング広告に最低出稿金額はないため、10万円未満の少額でスタートすることも可能です。
しかし、配信量が少なすぎると、成果の検証がしにくかったり、改善策の実施が難しい場合が多いため、少なくとも10万円以上は確保することをおすすめしています。
リスティング広告の予算の決め方や相場について詳しく知りたい方は下記の記事をぜひ参考にしてください。
リスティング広告のやり方は?
ここまでリスティング広告の種類や選び方、費用相場を解説してきました。
リスティング広告を実際に開始する際の手順や準備ステップについて、簡単に説明します。
リスティング広告のやり方は大きく分けて7ステップありますので、確認ください。
①広告アカウントを開設する
②お支払い方法を設定する
③アカウント構成を考える
④キャンペーンを作成する
⑤広告文・キーワードを考える
⑥広告文・キーワードを入稿する
⑦効果計測の設定をする
詳細な手順や方法について、下記記事でキャプチャ付きで解説していますので、確認してみてください。
さいごに
リスティング広告 = 検索連動型広告には、代表的な3媒体のGoogle広告・Yahoo!広告・Microsoft広告があり、それぞれに特徴があります。
また、特徴を抑えて媒体を選定しても、いざ広告の準備や運用・成果改善となると、リスティング広告運用は大変なことが多いです。他の業務と合わせて行っているWeb担当者さんならなおさらですね。
弊社では、Web広告やLP制作についてのオンライン無料相談を実施しております。
Web広告についての知識が全く無くてもご安心ください。リスティング広告を始めるのに困っている、丁寧に考えてくれる広告代理店を探しているといった際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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- CVは付くものの成約に繋がらない
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この記事を書いた人
田中祐晴
旧TwitterWebマーケティング課所属、リスティング広告運用歴3年。
「Google広告の検索広告認定資格」取得。
リスティング広告、SNS広告の運用をメイン領域として担当。