
Google ショッピング広告をはじめてみよう!スタンダードショッピングキャンペーンとスマートショッピングキャンペーンの違い
2022年01月18日
2024年07月10日
こんにちは!
お久しぶりです、ASUE株式会社Webマーケティング課のダリオです。
Vol.1, Vol.2, Vol.3とGoogle ショッピング広告の基本や商品タイトル・商品情報の最適化についてご紹介してきました。今回は、Google 広告にある2つのショッピングキャンペーンであるスタンダードショッピングキャンペーンとスマートショッピングキャンペーンの違いについてご紹介してきたいと思います!

それぞれ、必要な準備や運用方法や広告の配信面なども違うので、ショッピング広告を始める前にキャンペーンタイプの違いをしっかりと理解して適切なキャンペーンタイプを選べるようにしましょう!

引き続き、わたしが文章の手直しをしております!
目次
どこが違う?2つのショッピングキャンペーンの主な違い
- 通常のショッピングキャンペーン
- 基本的に検索結果 と ショッピングタブで表示
- キャンペーンの細かい設定ができる
- 分析用のデータが幅広く取れる
- スマートショッピングキャンペーン
- 検索結果、ショッピングタブ、リマーケティング、ファインド広告、YouTube広告……など幅広い掲載面に配信可能
- ほぼ完全自動(コントロールがほぼできない、分析用のデータが出ない)
- 結果が良いことが多い
- うまく運用するためにはたくさんのデータが必要で、低い予算にあまり向いてない
Vol.1でも紹介しましたが、通常のショッピングキャンペーン(以下、便宜上スタンダードと表記する場合あり)とスマートショッピングキャンペーン(以下、便宜上スマートと表記する場合あり)では、広告が表示される場所が違います。通常のショッピングキャンペーンの場合は、基本は検索結果とショッピングタブのみで表示されます。

厳密に言うと、設定すればディスプレイネットワークにも表示させること自体は可能ですが、個人的には経験上あまりおすすめしていません……と思っていたのですが、そもそもディスプレイ拡張もなくなるようです!

海外のTwitter情報なので、こちらは詳しく分かり次第ツキイチブログでご紹介します!
対して、スマートショッピングキャンペーンは検索結果・ショッピングタブに加えて、リマーケティング、ファインド広告、YouTube広告……など幅広い掲載面に配信可能でユーザーへの幅広いアプローチが期待できます。
一方、通常のショッピングキャンペーンでは細かくキャンペーンの配信設定ができたり分析用のデータも幅広く取ることができるのに対して、スマートショッピングキャンペーンでは設定があまりできる部分がなくほぼ自動でコントロールができず、分析用のデータも見ることができません。また、データを元に自動で最適化するため、多くのデータが必要となり、低予算の場合には向いていません。

大まかな違いはこの辺りですが、今回はもっと細かく2つの違いや使い分け方法などをご紹介してきます!
- 必要な準備
- 運用管理方法の違い
- 分析・レポート
- ショッピング広告キャンペーンタイプの選び方
- ショッピング広告のタイプ別な必要な準備
必要な準備
商品情報
通常のショッピングキャンペーンでは。検索結果とショッピングタブにしか配信されないため、必要な準備はスマートショッピングキャンペーンと比べると少なくなります。スマートショッピングキャンペーンでは、配信される媒体の種類が多くリマーケティング広告も配信されるため、設定しておくべき項目が多くなります。
例えば、スマートショッピングキャンペーンはディスプレイ広告として配信されるため、商品を正しく表示するためには会社のロゴや商品フィードの商品説明を正しく登録する必要があります。また、配信を機械学習に任せるため、機械学習がうまく動くためにも、できるだけたくさんの商品情報を登録した方が良いです。
スタンダード | スマート | |
---|---|---|
商品フィードの登録 | 必要 | 必要 |
商品フィードの必須項目の入力 | 必要 | 必要 |
商品フィードの追加項目の入力 | 任意 | 強くおすすめ |
Merchant Centerでのロゴの登録 | 不要 | 強くおすすめ |
サイトのタグ設定
通常のショッピングキャンペーンについては、CVタグさえ設定しておけば問題なく配信可能です。可能であれば、コンバージョン値も計測できるように設定しておきましょう。
スマートショッピングキャンペーンでは、動的ディスプレイ広告としても配信されるため、動的広告用のタグをサイトに設置する必要があります。動的広告用のタグを設置すると、ユーザーの見た商品やカートに追加した商品などの情報を獲得できるようになります。
スタンダード | スマート | |
---|---|---|
サイトでのコンバージョンタグの設定 | 必要 | 必要 |
サイトでのコンバージョン値の設定 | 強くおすすめ | 強くおすすめ |
リマーケティングタグの設定 | (ショッピング広告には)不要 | 強くおすすめ |
動的リマーケティングタグの設定 | 不要 |
強くおすすめ [特に大事なタグ] ・商品ページ閲覧 ・商品をカートに追加 |
運用管理方法の違い
運用では、通常のショッピングキャンペーンの方が設定できる項目が多く、除外キーワードの設定や入札単価など細かな調整が可能です。逆に、スマートショッピングキャンペーンでは、配信がほぼ全て自動になってしまうため、設定できる項目がとても少なくなります。
スタンダード | スマート | |
---|---|---|
キャンペーン内の広告グループの数 | 複数 | 1 |
除外キーワードの設定 |
可能 ・広告グループ |
不可能 |
キャンペーンの優先順位設定 | 可能 | 不可能 |
入札戦略の種類 |
|
|
広告グループ別の入札単価設定 | キャンペーン、広告グループ、商品グループ、商品 | 不可能 |
キャンペーン予算設定 | キャンペーン、全体の予算 | キャンペーン |
時間帯設定 | 可能 | 可能 |
クリエイティブの登録
スマートショッピングキャンペーンで使われるクリエイティブは商品情報だけではありません。新規ユーザーの獲得や商品ページにまだ到達していないユーザーへのリマーケティングにも、ディスプレイ広告のようなバナー・動画・広告文などのクリエイティブが使用されることがあります。
普通のショッピングキャンペーンでは、バナーや動画を使うことはできません。
スタンダード | スマート | |
---|---|---|
広告用の静止画バナーの登録 | なし | 必要(キャンペーンに1つ) |
広告用広告文の登録 | なし | 必要 |
広告用動画の登録 | なし | おすすめ |
分析・レポートの比較
続いて、分析・レポーティングにおける通常のショッピングキャンペーンとスマートショッピングキャンペーンの違いについてもご紹介します。
最初にお伝えした通り、通常のショッピングキャンペーンは配信状況のほとんど全ての詳細なデータを確認することが可能です。検索キャンペーンと同様の検索データやオーディエンスデータなど細かく配信の結果の確認や分析をすることが可能です。
逆に、スマートショッピングキャンペーンの配信内容はほとんどがブラックボックスになっており、ほぼ状況が確認できません。確認できるのは商品別の実績くらいで、検索データやオーディエンスデーがなどは見ることができません。いろいろな掲載面に配信されていますが、そのデータも見られません。
スタンダード | スマート | |
---|---|---|
検索クエリ | 確認可能 | 不可 |
オーディエンス | 確認可能 | 不可 |
ネットワーク・媒体 | 確認可能 | 不可 |
新規ユーザー・既存ユーザー(既存=購入済みユーザー) | 確認可能(オーディエンス) | 一部可能(CVデータのみ) |
商品別の配信実績 | 確認可能 | 可能 |
ショッピング広告のキャンペーンタイプの選び方
それでは、実際にはどのショッピングキャンペーンタイプを選べば良いでしょうか?
通常のショッピングキャンペーンを選ぶべきケース
予算が少ない or コンバージョン数が少ない(1ヶ月30件以下)
スマートショッピングキャンペーンでは、機械学習を使用して最適化されるため、結果をしっかり出すにはたくさんの配信データとコンバージョンデータが必要になります。
そのため、予算が少なかったりコンバージョン数が1ヶ月30件以下と少ない案件の場合はデータが不十分になり、スマートショッピングキャンペーンでは適切な配信ができない可能性が高くなります。
短期間の配信
通常のショッピングキャンペーンであれば、好きな入札単価を設定できます。短期間の配信の場合、予算内で入札単価を引き上げて配信を行える通常のショッピングキャンペーンの方が向いています。
スマートショッピングキャンペーンでは、最適な配信ができるようになるには機械学習のために少なくとも2週間程度かかってしまうので、短期間のキャンペーンには向いていません。
配信時の検索クエリデータが確認したい場合
ショッピングキャンペーンの検索データは、そのキャンペーンの最適化だけではなく全体の検索広告の改善などにも使用できる重要なデータです。スマートショッピングキャンペーンでは、検索データは一切確認できないため、データを分析・改善に利用したい!という場合は通常のショッピングキャンペーンがおすすめです。
除外キーワードなど、手動で配信設定をしたい場合
例えば「指名キーワードのときに広告を出したくない」などの特定のキーワードを除外したい場合、スマートショッピングキャンペーンでは基本的にキーワードの除外ができないため使えません。それ以外でも、通常のショッピングキャンペーンでしか細かな配信設定ができないため、手動で細かく配信設定をしたい場合は通常のショッピングキャンペーンを利用しましょう。
動的リマーケティング用のサイトタグを設置できない場合
スマートショッピングキャンペーンがベストなパフォーマンスを発揮するためには、動的リマーケティングが配信できる状態になっていることが好ましいです。そのため、動的リマーケティング用のタグが設置できない場合などは通常のショッピングキャンペーンを使って配信するのがおすすめです。
スマートショッピングキャンペーンを使うべきケース
ここまで、通常のショッピングキャンペーンを使うべきケースをご紹介してきましたが、スマートショッピングキャンペーンは最適化されて良い成果を生み出すことも多いですし、配信前の設定さえしてしまえばほぼ自動で運用され最適化されるので手間もかからず知識が少なくても配信しやすいキャンペーンです。
成果を出すためにはたくさんのデータが必要なので、以下の条件が満たされる場合はスマートショッピングキャンペーンの利用を検討しましょう!
- 十分な予算がある(コンバージョンが月に30件以上とれる)
- 動的リマーケティングタグが設置されている/設置できる
- 商品フィード情報が最適化されている
└商品タイトル:https://asue.jp/blog/?p=17341
└商品情報:https://asue.jp/blog/?p=17473
スタンダードとスマートショッピングキャンペーンの併用もおすすめ!
実際には、スタンダードとスマートショッピングキャンペーンを順番に配信したり、同時に配信するなど、両方のキャンペーンタイプをうまく併用することでショッピング広告の効果を高めることが可能です。
ショッピング広告開始時にスタンダード→データが溜まったらスマートに切り替え!
今までショッピング広告を配信していなかった商品カテゴリーの広告を開始する際、最初の1-3ヶ月程度をスタンダードのショッピングキャンペーンから始めてみましょう。
検索クエリーのデータを獲得し、商品情報の最適化や他のキャンペーンの改善に活かしつつ、1ヶ月間の購入数(コンバージョン数)が十分かどうかを確認してからスタンダードのキャンペーンを停止→スマートショッピングキャンペーンに切り替えて配信すれば、スマートショッピングキャンペーンで適切な配信が可能です。
売れ行きの良い主力商品だけスマートショッピングキャンペーン・他はスタンダード
商品のラインナップによっては、一部の数点の商品の購入数が多く成果が良いという場合も多いです。ただ、コンバージョン数が十分だからと言ってスマートショッピングキャンペーンで全てを配信してしまうと広告で表示されるのが主力商品のみとなり、それ以外の商品はほとんど広告に出てこないケースがあります。
ですのでその場合は、購入数の多い主力商品のみはスマートショッピングで配信しつつ、それ以外の商品はスタンダートのショッピングキャンペーンを使って配信すれば、主力以外の商品も広告をしっかり配信することが可能です。
両方のキャンペーンタイプで同時に同じ商品ラインナップで配信を行なっても問題はありませんが、同じ商品・同じ条件であればスマートショッピングキャンペーンの広告が優先となるため、その場合はスタンダードの広告配信が少なくなってしまいます。両方のキャンペーンタイプを同時に配信したい場合は、キャンペーンタイプと対象商品の組み合わせを考えて配信するのがベストだと思います!
まとめ
ショッピング広告を開始するとき、どのキャンペーンタイプで配信するべきか迷うことは多いと思います。スタンダードのショッピングキャンペーンとスマートショッピングキャンペーンは似ているようで実際は準備や配信・運用方法など違いが多いです。予算が十分あって、コンバージョン数も十分取れて、タグの設定や商品フィードの最適化ができていればスマートショッピングキャンペーンがおすすめですが、逆にキーワードや広告の配信設定を細かく行いたい場合はスタンダードのショッピングキャンペーンを選ぶべきです。
スマートショッピングキャンペーンについては全広告主向けにリリースされたP-Maxキャンペーンにアップグレードされる予定もあるようで、機械学習を使ったショッピングキャンペーンの最適化はどんどん進化する見込みです。どちらか片方だけに頼ることなく、それぞれの特徴やメリット・デメリットをしっかりと理解してどちらのキャンペーンでもいつでも配信できるようにしておけるといいですね!

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この記事を書いた人

ダリオ
旧Twitter2021年入社。イタリア出身で15年前から名古屋在住。母国語と日本語を含む4ヶ国語ができる。おすすめの旅行先は南イタリアだが出身は北イタリア。入社前の面談では「イタリア人っぽいイタリア人ではないので、みなさんの期待に答えられないかも……」と気にしていた。