こんにちは!ASUE通信編集部です。
今回の記事では、みなさんも一度は目にしたことがあるリスティング広告についての基本的な仕組みや基礎知識をご紹介します。リスティング広告とは、簡単に言うとユーザーの検索に連動して表示される広告のことです。そうそう、アレです。見たことありますよね?
リスティング広告を検討している広告主様や自社で広告運用を始めたいと考えているインハウスの運用者の方、「リスティング広告とは?」「リスティング広告はどう始めるの?」などの疑問や不安などありませんか? 今回はこれからリスティング広告を始める方に向けた「初心者のためのリスティング広告」のようなポイントを詰め込んだ情報をお届けするので、長くなりますが、最後までどうぞお付き合いください!
![ASUEくん](https://asue.jp/blog/wp-content/uploads/9a0ddd462c20c07b17df0992066343ab-96x96.jpg)
ちょこっと長くなるので、気になる箇所に飛ぶか美味しいものでも食べながら読んでくださいね!
目次
リスティング広告とは
リスティング広告とは
リスティング広告とは「検索連動型広告」や「PPC(Pay per Click)広告」などとも呼ばれますが、インターネット上に表示できる広告(Web広告)の一種です。
具体的には、GoogleやYahoo!、Bingといった検索エンジンを使用してユーザーが検索を行ったときに、検索語句(検索したワード)に連動して表示される広告をリスティング広告と言います。日本国内だと、検索エンジンのシェア率はGoogleが80%程度、Yahoo!が12%程度、bingが8%程度と大半をGoogle, Yahoo!が占めているため、国内でリスティング広告を出稿されている広告主様の多くはGoogleとYahoo!に広告を出していることになります。
※Yahoo!の検索広告パートナーにはbingも入っています。
実際に、Googleにリスティング広告をだすとこんなふうに表示されます!
赤い枠部分が広告です。
「ASUE」と検索したユーザーに対して、ASUE株式会社のサイトの広告が表示されていますね。このように、検索内容に連動して広告が表示されるから、リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれています!
リスティング広告はどこに掲載される?
リスティング広告は検索結果の画面の上下に自然検索の結果を挟むようなかたちで、最大4つずつ、各ページに表示されます。検索語句によって、表示される広告の数が少なかったり表示自体がないこともあります。
リスティング広告が上部に表示されると、真っ先にユーザーの目に飛び込んでくるので、比較検討の一つとして視野に入れてもらえたり、クリックしてもらえる可能性が非常に高くなるのが嬉しい点ですね!
リスティング広告と自然検索(SEO)ってどう違うの?
リスティング広告と自然検索の違い
- 表示の違い
- 掲載にかかる費用の違い
- 掲載の仕組みの違い
リスティング広告と自然検索には、大きく3つの違いがあります。
表示の違い
広告なのか自然検索結果なのかは、「広告」や「Ad」などの表記があるかないか、で見分けることができます。
細かい見た目はリスティング広告のアップデートなどによって変わったりしますが、広告として掲載されているものは必ず「広告」「PR」「Ad」「スポンサー」といった広告だとわかる表記がされているので、リスティング広告に限らず、SNSの広告などでも同じなので観察してみるといろんな広告を見つけられると思います。
リスティング広告と自然検索の掲載費用の違い
掲載費用に関して自然検索は無料です。
対してリスティング広告を掲載する際は、広告がクリックされるごとに「1クリック=○○円」という単位で広告媒体に広告費を支払う必要があります。
それなら無料の自然検索で集客する方が良いのでは?と思う方も多いかもしれませんが、リスティング広告を使ってわざわざお金をかけて集客する理由の一つとしては、先にお話した掲載位置の特性があげられます。
検索結果画面の特徴として、多くの人が上から順番に内容を確認していく傾向があります。つまり表示位置が下に行けば行くほど、ユーザーがリンクをクリックしてくれる可能性は低くなってしまいます。掲載順位が2ページめ3ページと後ろに行くにつれても同じことが言えます。
リスティング広告を出すことで自社のサイトがユーザーの目につきやすくなれば、集客できる可能性は高くなるので、お金を払ってでもリスティング広告を行う方が多いんです。また、1ページ目に自社のサイトが掲載されていることは自然検索だと場合によってはリスティング広告よりも大変なんです。
次は掲載の仕組みの違いでご説明しますね!
リスティング広告と自然検索の掲載の仕組みの違い
自然検索結果 | リスティング広告 | |
違い |
|
|
自然検索とリスティング広告は、掲載される仕組みに大きな違いがあります。
自然検索は、検索エンジン(Google、Yahoo!など)が、ユーザーによりよいコンテンツを提供出来るかを判断して掲載するページや順番を定めています。どんな検索語句(検索しているワード)に対してどんな検索結果を返すのかは検索エンジンが判断しているため、ユーザーにより良いと思ってもらえるページ作りが出来なければ、表示順位を上げることも、そもそも意図した検索語句に対してページを表示させることも簡単ではない仕組みになっています。この、自然検索の順位を上げるためにいろいろな対策を行うことを「SEO対策」と呼んだりもしますが、簡単・確実に効果を出すのが大変な上に時間もかかってしまいます。
対してリスティング広告は、自然検索のように「ページ内容をユーザーにより良いと思ってもらうこと」以外に、入札金額や広告の内容、ターゲティングといったものや、LPの利便性(関連性)も判断の基準に含まれます。それらの組み合わせ方や広告の運用方法によっては、「自然検索」に比べればまだ比較的上位掲載をしやすいことが大きな違いです。
また、リスティング広告は、ターゲティングを自分で設定することができるので、どんなユーザーに広告を表示するかをある程度出稿側でコントロールすることも可能です。自然検索ではリーチできなかったユーザーにも広告配信することができるので、かゆいところに手が届くような役割も担うことができたりします。
リスティング広告は比較的上位に掲載しやすい広告
- リスティング広告はGoogleやYahoo!の検索結果に表示される広告
- 自然検索とは費用や表示のコントロールなどの違いがある
- 入札金額やターゲティングによっては比較的上位に掲載しやすい
リスティング広告の仕組み
リスティング広告が表示される仕組み
リスティング広告が表示される流れ
- 1. 広告を出したい広告主が、キーワード(ターゲット)を決めて広告文を設定する
- 2. 設定した広告文、キーワードに関連したワードで検索が行われると、
- 3. 検索したユーザーの状況にあわせて検索結果に広告が表示される
リスティング広告は、先にお話した通り、ユーザーが検索したワードに連動して関連した広告が検索結果に掲載されます。
例えば、「リスティング広告」と検索すると、検索エンジンが「この人はリスティング広告について知りたいんだろう」と判断して、「リスティング広告」に関連した広告が出るという仕組みです。
どんな検索ワード(ターゲット)に対して広告を出すかを、広告主が自分で設定できるのがリスティング広告の特徴です。
ただし、表示する広告はオークション制で決定されます。オークションで広告の掲載可否と掲載順位は決まるので、設定さえすれば簡単に広告が表示されるわけではないので注意しましょう!
広告の掲載順位が決まるオークションの仕組み
オークションで競う広告ランクを決める要素
- 入札単価
- オークション時の広告品質(推定クリック率、広告の関連性、ランディング ページの利便性など)
- 広告ランクの下限値(質の高い広告を掲載するために定められた広告が満たすべき最低基準)
- ユーザーの検索状況(例: ユーザーの所在地、端末、検索時間、検索語句の性質、ページに表示されるその他の広告と検索結果、その他のユーザー シグナルと属性)
- 広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果
- LPの利便性(関連性)
リスティング広告の掲載可否と掲載順位は、広告オークションによって決定します。
また、そのオークションでは、「広告ランク」が競われ、広告ランクが高い順に上位の広告枠が割り当てられていきます。
様々な要素を加味して広告を掲載するかどうかを広告媒体が判断しており、広告ランクは、広告が掲載候補としてオークションにかけられるたびに計算されます。
リスティング広告が配信されないケース
リスティング広告が配信されないケース
- 1. 入札する金額が低い
- 2. 広告の品質が低い
- 3. キーワードの検索数が少ない
- 4. 広告が掲載の規約に違反している
- 5. 入金額が足りない・入金されていない
1. 入札する金額が低い
リスティング広告は、クリック課金制の広告で、入札単価(1クリックにいくらまで支払えるか)を、自分で設定します。
広告の掲載枠には限りがあるため、入札単価が他社と比べて安すぎると、掲載枠を獲得できず広告が配信されない!ということが起こり得ます。
また、競合性が低い市場の場合も広告ランクの下限値による最低基準の掲載費用が定められているため、それを下回る場合も広告が配信されません。
市場の平均に比べて単価を低く設定しすぎている場合や、競合性が高いキーワードへの入札は、配信状況を確認しながら注意しましょう。
2. 広告の品質が低い
Yahoo!やGoogleといった広告媒体は、広告を掲載する際に、入札単価だけでなく広告の品質についても評価のポイントとしており、品質が高い広告が表示されやすくなる仕組みを有しています。
広告の品質を評価しているものには以下の3つの要素があります。
広告の品質を評価する3つの要素
- 1. 広告の関連性
- ユーザーの検索している内容と広告の関連性の高さ
- 2. 推定のクリック率
- 表示された広告がクリックされる可能性の高さ
- 3. ランディングページの利便性
- 広告をクリックした先のランディングページがユーザーにとって分かりやすく情報の透明性があるか。また、検索内容との関連性がある有益な内容かどうか。
これら3つの評価ポイントがあまり良くないと判断されると、広告の品質が低くなり、広告が表示されにくくなってしまいます。
つまり、たくさんお金をかけて入札単価を高く設定しても、情報内容がユーザーにとって有益でなければ広告を上位表示させることはできません。
3. キーワードの検索数が少ない
そもそも設定しているキーワードに対して、検索するユーザーのボリュームが少ない場合は、表示させるユーザーがいないため、広告が表示されにくくなります。
キーワードの検索ボリュームは「キーワードプランナー」などを利用して確認することが可能です。
Google広告のメニューから「ツールと設定」>「プランニング」の項目の中に「キーワードプランナー」を見つけることができますので、ぜひ利用してみてください。
4. 広告が掲載の規約に違反している
広告は、掲載前に媒体側で内容を審査されるため、どんな広告でも掲載できるわけではありません。
Google 広告、Yahoo!広告の掲載基準についてはそれぞれ以下から詳細を確認できます。
5. 入金額が足りない・入金されていない
広告の配信はタダではありません。
「PPC(Pay Per Click)広告」というクリック課金制の広告で、広告をクリックされるたびに広告媒体への支払金額が発生します。入金方法が手動での支払いになっている場合、入金を忘れると広告の掲載がストップしてしまうので注意しましょう!
広告ランクを意識したサイト、広告づくりを
オークションの仕組みとしては、入札金額だけでなく、よりユーザーの検索意図を理解したオリジナリティある有益な情報を提供できるかがカギになっています。
オークションで勝ち抜けるようにランディングページを含めて効果的な広告運用を行っていきたいですね!
リスティング広告の費用
リスティング広告にかかる費用
リスティング広告にかかる費用
- 広告費(広告媒体へ支払う)
広告費は、GoogleやYahoo!などの広告媒体に、広告を掲載してもらうために支払う費用のこと。広告を出すために必要な料金。
代理店に広告配信を依頼する場合は、代理店がお客様から広告費を預かって、代わりに広告媒体に支払うことが多い。 - 初期費用(代理店に依頼する場合)
初期費用は、広告の配信前に分析や調査、配信設定を行ってもらうために代理店に支払う費用。 - 手数料(代理店に依頼する場合)
手数料は、広告の運用を行ってもらうために代理店に支払う費用。
リスティング広告の費用の決め方
リスティング広告の広告費を決める上で重要なのは、具体的な数値目標を設定することです。以下のように、目標と使用してもいい広告費を具体的な数値で設定してみるとどうでしょうか。
リスティング広告の具体的な数値目標例
- 1回の購入にかかる広告費を3,000円以下
- 1回の資料請求にかかる広告費を5,000円以下
- 1回の問い合わせにかかる広告費を8,000円以下
- Webサイトへの流入を月間10,000以上にしたい
- ROASを500%以上にしたい
目標から獲得したい単価を決める
CPAという言葉がよく使われますが、1件の獲得単価を意味します。
1件のコンバージョンを獲得するためにかかったコストのことで、顧客獲得単価、成果単価とも呼ばれます。このCPAは「CPA=総コスト÷コンバージョン数」といった計算式から算出します。
成果目標と合わせて無理のない費用を
競合他社の入札状況やユーザーニーズの変化によってクリック単価が高騰することもありますので、あらかじめ許容範囲を定めて柔軟に対応しましょう。
数値目標を設定するメリット
- 社内や代理店との間で共通の認識を持ち、団結できる
- 状況の良し悪しや広告継続の判断基準を明確にできる
- 増額の際も簡単に金額を計算できる
また、予算は日、月間の上限設定が可能です。上限を超えた場合は広告が表示されませんので、予算オーバーを防ぐことができます。
予算の決め方は以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
予算・費用いくらが適正ですか?リスティング広告の広告費の決め方
asue.jp/blog/?p=12588
リスティング広告の費用は無理をせず柔軟に考えましょう
予算や費用ありきではなく、成果目標を意識した計画を立てましょう
あまりにクリック単価が高騰する場合には、キーワードを改めたり、ランディングページの改善を行ってコンバージョン率を改善したりと、費用と成果のバランスを考えて運用しましょう。
リスティング広告のメリット・デメリット
メリット
リスティング広告のメリットは大きく4つあります。
- 短期間で施策の結果を出せる
- 予算を自分で決められる
- 獲得見込みが高いユーザーを集客する
- 特別な素材が必要ない(ディスプレイ広告の場合は画像が必要です)
短期間で施策の結果を出せる
リスティング広告は、その他のWeb集客施策に比べてPDCAを素早く回すことができ、結果的にはやく効果を出せる可能性が高いです。
スピードや手軽さを比較すると、以下のような違いがあります。
- リスティング広告
- キーワード :流入してほしいワード(検索語句)を自分で選定できる
- 修正、改善に必要なもの :特別な知識がなくても広告に関する設定は管理画面からいつでも簡単に修正できる
- 修正結果の反応の確認 :広告文を追加、修正すると翌日にでも反応を確認することができる
- SEO
- キーワード :どんなワードから流入するかは自分でコントロールできない
- 修正、改善に必要なもの :サーバーやソースコード、修正用の素材など、サイトの仕様に関する知識がある程度必要
- 修正結果の反応の確認 :ページ内容を修正したことによる検索結果(検索順位)への影響が反映されるまでに数日かかることがある
リスティング広告は、技術的な作業や時間、大掛かりな改善が比較的少ないです。
また、結果があまりよくないなあと感じたら、広告配信後も結果を確認してすぐに軌道修正が可能です。フットワークが軽く手軽な点から、短期間で施策の結果を確認でき、PDCAを素早く回すことができるというのがリスティング広告の魅力です。スピードと手軽さからみれば、たしかにリスティング広告は最初のWeb施策としておすすめです。しかし、しっかり運用していなかったり、改善方針が誤っていれば当然結果は出せません。
サイト内容によっても成果が左右されるので、配信すれば一概に成果を出せるわけではありません。
予算を自分で決められる
Web広告の中でも、リスティング広告をはじめとした「運用型広告」と呼ばれる広告は、基本的に広告をクリックされるごとに金額が発生する「クリック課金制」という料金形態なんです。
そのため、割と細かくいくらまで、と予算を設定することができ、定めた予算の範囲でクリック数を集めることができます。スケジュール設定もできるので、配信時間や曜日、終了日を設定すれば、自分の好きなときに広告配信することもできます。「最初はこれくらいからスタートしよう」や「調子がいいからもう少し予算を増やそう」、といった柔軟な判断も可能なので、導入ハードルが低く、初めてWebの集客施策を行う方にも優しいです。
獲得見込みが高いユーザーを集客する
Web広告の中でもリスティング広告は、「いま現在、検索を行っているユーザー」に対して広告を出すことができます。検索を行っている=興味関心レベルが高まっている状態 のユーザーに、ピンポイントでアプローチすることができるので獲得に繋がる可能性も高くなります。これはリスティング広告ならではの特徴ですね。見込みの高いユーザーに絞って広告費を掛けることができるため、不特定多数の人に対して広告をばら撒くよりもコストパフォーマンスが良くなるケースも多いですよね。
他にも、リスティング広告は、掲載位置が検索結果の上部または下部のため、もし上部ならユーザーの目に真っ先に入る位置に広告を掲載できるのも大きなメリットと言えます。「Web広告を出すならまずリスティング広告」と言われる理由は、この特徴的な広告の掲載場所も要因しています。
特別な素材が必要ない
SNS広告やAmazon広告などのWeb広告は、広告を配信するために商品画像やイメージ写真が必要ですが、リスティング広告はテキストのみでの出稿が可能です。数文字のテキストを入稿すれば、広告配信ができるので、おしゃれな素材がない、バナー画像を別途作ってもらわないと配信できない、といった心配もありません。
ただし、ディスプレイ広告を行う場合は、その名の通り表示させる画像が必要となりますので、画像素材が必要となります。
デメリット
リスティング広告にはデメリットもあります。全部で3つ紹介します。
- オフラインでの成果を評価することが難しい
- 運用する必要がある
- 商材によっては入札金額が高額
オフラインでの成果を評価することが難しい
Web上でのユーザーの動きを数値化することに特化する反面、実店舗への宣伝や集客などのオフライン(リアル)でのユーザーの動きを把握するのは難しいです。例えば、実店舗があり、リスティング広告を出したことによってどれだけの人が来店してくれたかを数値で把握するということは難しいです。
そのため、広告効果として計測できるように、クーポンの提示をお願いするなどのひと手間を加えて効果を計測するといった方法を取ることもあります。最近では、少しづつオフラインでのユーザーの行動を数値化する取り組みも行われています。
参考:「来店コンバージョンについて」
support.google.com/google-ads/answer/6100636?hl=ja
運用する必要がある
リスティング広告は、運用型広告と呼ばれる広告の種類の一つで、特徴として、配信開始後に自分で広告の配信内容を改善してより良く運用していく必要があります。
一番大切な点として、リスティング広告は、しっかり設定を行って、実際にちゃんと広告を掲載できたとしても、思ったような結果が出ないことはよくあることです。むしろリスティング広告は広告を掲載させてからが始まりです。
片手間にリスティング広告運用を行うことは容易ではないため、リスティング広告を専門的に扱っている代理店に配信の代行を依頼する企業が多いのはそのためですね。
手軽に始められる一方で、きちんと運用しないと効果的に成果を出せないと言えます。
商材によっては入札金額が高額
メリットでも記載しましたが、リスティング広告は、「クリック課金制」という、広告を1回押される(クリック)ごとに金額が発生する料金形態です。
注意してほしいのが、商材によっては入札金額の相場が高騰して、高額な金額を入札しないとオークションに参入することができない市場もあったりすることです。
求人やエステ、歯科、塾などの、一回の獲得による収益が大きくなるビジネスや、一度獲得したユーザーが継続的安定的に収益を生み出すビジネスの場合はオークションが高額になる可能性が高いですね。
リスティング広告を始める前に、メリット・デメリットを知って上手に活用しましょう
- メリット
- 短期間で施策の結果を出せる
- 予算を自分で決められる
- 獲得見込みが高いユーザーを集客する
- 特別な素材が必要ない
- デメリット
- オフラインでの成果を評価することが難しい
- 運用する必要がある
- 商材によっては入札金額が高額
リスティング広告の出稿の流れ
- リスティング広告の戦略を考える
- アカウント作成
- キーワードの選定
- キーワードの入札金額を決める
- 広告作成と出稿
1. リスティング広告の戦略を考える
ご自身の商品やサービスの魅力や強みを改めて考え、誰にどのようなキーワードで来てほしいかを考えましょう。
「誰」という部分はあなたの商品を求めるユーザーとなり、どのような「キーワード」かはユーザーが抱える悩みや不安の場合もありますので、ユーザーがどんな時にどんな言葉で検索をするのかを深く考えることが重要です。
2. アカウント作成
広告を出稿するにはGoogle 広告やYahoo!広告のアカウントが必要となるので、アカウントの開設をしましょう。
アカウント作成の後に広告を管理する「キャンペーン」や広告文やキーワードを管理する「広告グループ」の設定などを行います。
3. キーワードの選定
検索したキーワードに対して広告が表示されますので、検索キーワードを選定していきます。
先述の通り、ユーザーがどんなキーワードで訪問すると好ましいかを考え、明確なキーワード選定ができると効果的です。
4. キーワードの入札金額を決める
キーワードの入札金額を決めます。
リスティング広告の掲載順位は、入札価格×広告の品質(クリック率など)で導き出される「広告ランク」で決定します。キーワードプランナーやキーワードアドバイスツールでクリック単価を調べながら、キーワードごとの上限クリック単価を設定して入札しましょう。
また、広告の費用対効果を考える必要もありますので、全体の費用と成果目標を念頭において入札金額も考えると良いでしょう。
最近ではキャンペーンの自動入札機能を利用して入札金額を設定しないケースも少なくありませんが、配信が軌道に乗るまでは手動設定がおすすめです
5.広告作成と入稿
キーワードと入札金額を設定したら、広告を作成し出稿します。
広告出稿に必要な要素は、以下の3つです。
- 広告タイトル
- 広告説明文
- リンク先URL
広告タイトルや広告文は、目にしたユーザーの期待に応えるよう、検索キーワードにマッチしつつ、より関心を引いて購買や申し込みといったコンバージョンへと導く内容にすることがポイントです。
ユーザー目線でキーワードを考えましょう
リスティング広告の出稿自体は操作さえ覚えてしまえば難しくはありません。大事なのはユーザー目線で考え、検索キーワードにマッチした広告を作成することです。
リスティング広告の手法やターゲティング
ここまでリスティング広告の基本をお伝えしてきましたが、少し具体的な手法も紹介します。
ロングテールキーワードの設定
リスティング広告をはじめる際には、どうしても検索ボリュームがあり一番に思いつくような大きなキーワードを意識してしまいす。しかし、このような「ビッグキーワード」は多くのクリックが見込めますが、検索意図も様々なためコンバージョン率が低くなるものです。
そこで、具体的に絞り込んだ複合キーワード「ロングテールキーワード」を考え、よりターゲットに近いキーワードを設定していきます。ロングテールキーワードは、検索ボリュームが少ない一方で、競合が少なく、ビッグキーワードよりも具体的に目的が絞られているため、コンバージョンに繋がりやすい傾向があります。
ビッグキーワード例
- サービス系「家事代行」
- 教育系「〇〇 学校orスクール」
- 悩み系「ヘルニア」
- 商品に含まれる成分系「ビタミンC」
ロングテールキーワード例
- サービス系「家事代行 料金 安い」
- 教育系「〇〇 学校orスクール 港区」
- 悩み系「ヘルニア 治療 名医」
- 商品に含まれる成分系「ビタミンC サプリ オススメ」
配信の設定(地域、ユーザー属性)
商品やサービス内容によってはターゲットユーザーが大きく変わる場合があります。例えば地域限定の商品であったり、女性向けのサービスであれば、ターゲット以外に広告配信をすると無駄なコストになってしまいます。
そこで以下のような機能を使いユーザーにあった配信を行いましょう。
地域配信設定
ユーザーの所在地毎に異なった広告を配信することができます。特定の地域のユーザーをターゲットにしている場合に設定します。
地域配信設定の例
- 富裕層をターゲットとした商材の場合は「東京都 港区」をターゲットに
- 関東地域一帯をターゲットとしたい場合は「1都3県」をターゲットに
- 店舗系で周辺地域のユーザーを集客したい場合は店舗から半径○kmのユーザーをターゲット
スケジュール設定
検索が行われた曜日、時間毎に広告を配信することができます。事業者向けの場合に、例えば土日は配信せずに平日の9:00〜20:00のみ配信するなどの設定を行います。
スケジュール設定の例
- BtoBサービスの場合:平日9時~20時のみ配信
ユーザー属性ターゲティング
ユーザーの属性(性別や年齢)毎に広告を配信することができます。ある程度属性の絞り込みができる商材であれば、20代の女性のみに配信するなどの設定を行います。
ユーザー属性ターゲティングの例
- 若年層の女性向け化粧品通販の場合:18~34才の女性のみに対して広告配信
デバイス設定
検索が行われているデバイス(PC、スマホ、タブレット)毎に広告を配信することができます。ターゲットユーザーがいわゆる toC 向けの一般ユーザーの場合、ユーザーの環境を想定しスマホ向けのみに配信するなど設定を行います。
デバイス設定の例
- BtoBサービスの場合:オフィスにあるPCでサービスを検討していると考え、PCのみに配信
これらの配信設定を組み合わせ、より適切にユーザーに届けることで、無駄なコストを減らし効果的に広告配信をすることが可能になります。はじめは地域を狭く設定し、配信状況をみながら広げるなど調整を行うこともできるので、予算や成果とあわせて運用することが大事です。
キーワードの選定方法
検索連動型広告は、ターゲットではないユーザーがクリックする可能性があります。当然それは無駄なクリックとなり、その分の費用もかかってしまいます。効率的に成果をあげるためには、「適切な検索キーワード」で、「適切なユーザー」に広告を表示させることが重要になります。
ここでは、キーワード選定で重要な「マッチタイプ」の設定方法を紹介していきます。
マッチタイプとは
キーワードのマッチタイプは、Google 検索時にどのような検索語句で広告が表示されるかを左右する設定です。たとえば、「部分一致」を指定して広範に及ぶユーザーに広告を表示したり、「完全一致」を指定して広告の表示対象を絞り込んだりすることができます。
—— Google広告ヘルプ https://support.google.com/google-ads/answer/7478529?hl=ja
上記はGoogle広告のヘルプからの引用ですが、キーワードに対してどの程度の絞り込みを行うのかのルールを決めるようなイメージです。マッチタイプのパターンを「リスティング広告 運用代行」を例にいくつかみていきましょう。
※最近のGoogleのマッチタイプ挙動として完全一致やフレーズ一致であっても設定したキーワード外のワードを拾ってくる事があります。
完全一致
指定したキーワードと完全に一致する検索語句や、その類似パターンに該当する検索語句で、広告が掲載対象となります。
「リスティング広告 運用代行」(完全一致)で一致する検索語句の例
- 昔「リスティング広告 運用代行」
- 最近Googleで拾ってくる様になった「ネット広告 運用代行」
部分一致
部分一致は、すべてのキーワードにデフォルトで割り当てられるマッチタイプです。部分一致のキーワードでは、誤字、送り仮名の違い、多少の言葉のゆれがある場合や、関連性のある語句で検索された場合も広告が表示されます。
「リスティング広告 運用代行」(部分一致)で一致する検索語句の例
- 「Google検索広告 広告配信コンサル」
絞り込み部分一致
※絞り込み部分一致は今後Googleで廃止されます。
部分一致と似ていますが、絞り込み部分一致では、プラス記号を付けたキーワードやその類似パターンが検索語句に含まれる場合にのみ広告が掲載対象となります。
「リスティング広告 +運用代行」(絞り込み部分一致)で一致する検索語句の例
- 「Google検索広告 運用代行」
フレーズ一致
指定したキーワードと同じ語順のフレーズやその類似パターンに当たるフレーズが使用され、その前や後に他の単語が追加されている検索語句で、広告が掲載対象となります。
「”リスティング広告 運用代行”」(フレーズ一致)で一致する検索語句の例
- 昔
- 「リスティング広告 運用代行 オススメ」
- 「リスティング広告 運用代行 業者比較」
- 「愛知県 リスティング広告 運用代行」
- 最近Googleで拾ってくる様になった
- 「リスティング広告 運用してくれる会社 どこが良い」
また、絞り込み部分一致とフレーズ一致の挙動が2021年7月以降に仕様変更が予定されています。
参考:「検索広告を目的のユーザーに表示しやすくするために」
https://support.google.com/google-ads/answer/10346549
除外キーワード
除外キーワードを設定すると、指定した語句で検索が行われた場合に広告が表示されなくなります。
「リスティング広告 運用代行」を除外する例
- 完全一致除外
- 「リスティング広告 運用代行」と検索された時のみ広告配信されない
- 除外ワード例
- 「リスティング広告 運用代行」
- フレーズ一致除外
- 「リスティング広告 運用代行」キーワードで同じ語順の検索語句では広告配信されない
- 語順が変わった場合は配信される
- 除外ワード例
- 「リスティング広告 運用代行」
- 「リスティング広告 運用代行 比較」
- 「愛知県 リスティング広告 運用代行」
- 部分一致除外
- 語順を問わず設定したキーワードに含まれる語句が含まれている場合は広告が配信されない
- キーワードに含まれる一部の語句のみが検索に使用された場合は、広告が表示されることがある
- 除外ワード例
- 「運用代行 リスティング広告」
- 「リスティング広告 運用代行 やり方」
- 表示される可能性がある語句
- 「SNS広告 運用代行」
- 「リスティング広告 やり方」
マッチタイプまとめ
近年は全てのマッチタイプの挙動が部分一致の様に、関連性のある語句で検索された場合に表示される事が増えています。これはGoogleが見たことが無い検索語句が1日に15%も生まれているを発表している事から、多様な検索語句に対応する必要が有るだと考えられます。
リスティング広告の効果を高める5つのポイント
1. 運用の目的を明確にすること
費用のセクションでもお伝えしましたが、どんな目標を達成するためにリスティング広告を行うのかを明確にしておきましょう。目標が定まっていれば、使える予算も決まってきます。費用対効果を考えることは重要です。
また、目標設定する際には無理な目標になっていないかも考えます。大きな目標がありつつも、目標の一歩手前にも中間目標を置く事も大切です。
例えば、BtoBの場合に「お問い合わせ」や「資料請求」を成果目標としつつ、サービス紹介の「資料ダウンロード」を中間の目標とするなど、目標をいくつか設定しておくと運用がしやすくなります。ただし、このようなケースではお問い合わせの先に「受注・成約」といった本当の目標があると思いますので、そこまで意識した目標設定を考えておく必要があります。
広告の管理画面では測れない数値もあらかじめ想定しておくと良いでしょう。
2. 自社の強み、競合との差別化を明確にすること
差別化ができていないとランディングページや広告文、画像などで訴求する内容が当たり障りのない内容になってしまいます。それではせっかく自社のサービスを広告してもユーザーにとっては比較検討の1つで終わってしまいます。
比較検討ではなく、この会社のサービスだからこそという差別化があればその対象に向けての広告配信が効果的に行えます。
3. ターゲットを理解すること
ターゲットを設定するには、自社の商品やサービスの強み = 価値を理解することが大切です。誰にとって価値のあるサービスなのかを考えていきます。そして、設定したターゲットユーザーが求めているものをキーワードとして深堀りしていきます。
例えば、富裕層向けサービスで競合と比較して単価が高いサービスの場合を考えてみます。サービスの質が自慢でお金は気にしないから質を重視するユーザーに対して、「〇〇 安い」といったワードでキーワード設定してはユーザー心理とはズレています。
安いと検索するユーザーはコストをなるべくかけたくない心理があるので、他社サービスと比較検討した時に外されてしまいます。それでは広告費用の無駄になりかねないので、きちんと自分のお客様の立場に立ってキーワードを考える必要があります。
4.ランディングページの改善
クリック率も高くクリック単価も低いユーザーが検索した語句をみても自社のサービスと合致したユーザーが多く流入している事が確認できている。それでも成果に繋がらない時はランディングページの動向を見る必要があります。
ASUEでは基本的にサイトにGoogleアナリティクスと呼ばれる解析ツールを設置したり、ヒートマップツールを設置して広告流入からページ内の動きまで見て改善を行います。そこでランディングページのスクロール率であったり滞在時間等の数値が悪い場合はページの改善を行います。
特に広告の訴求とランディングページの内容が違う場合は、すぐに離脱してしまうケースも少なくありません。
5.効果測定をしながら「運用」する
リスティング広告は広告毎の成果を見る事ができるので、成果の悪い広告があれば停止し、成果の良い広告と似た広告を設定したり、新たな方向性の広告を設定する必要があります。もちろんページに関しても同様です。
良い部分は伸ばして悪い部分は削っていく運用を繰り返すからこそ、より目標を達成し更に上回る事ができるので、繰り返し効果検証をする必要があります。
ひとつに依存しない集客施策を
「初心者のためのリスティング広告」として長い解説をしてきましたが、ここまで読み進めた方は概要は理解できたのではないでしょうか。メリット・デメリットでも紹介したように、リスティング広告は即効性があり予算を決めて運用が可能ですが、反面、管理・運用をする必要性が高い広告です。メリット・デメリットを考慮した上で、運用リソースも想像しながら始められると継続した運用ができると思います。
広告の改善・メンテナンスなど運用にデメリットを感じるようであれば、私たちのような専門の広告運用代理店に委託するのも選択肢のひとつですが、広告費用の他に運用手数料がかかることが一般的ですので、運用するコストと天秤にかけて判断する必要があります。興味がありましたらぜひお問い合わせください。
また、今回はリスティング広告とは?と題していますが、ひとつの集客施策にこだわる必要はありません。リスティング広告ではアプローチしづらいユーザーであれば、Facebook広告やInstagram広告などのSNS広告を利用する方が効果的な場合もあります。目的に合わせて活用を考えていけるといいですね!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!みなさんの広告運用にお役立ていただけましたら幸いです。
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