【徹底解説】リスティング広告の品質スコアとは?広告ランクを左右する仕組みと改善の考え方

2025年10月31日

リスティング広告を運用する上で、重要度の高い指標の一つが「品質スコア」です。
広告の順位やクリック単価(CPC)に直結するため、成果を高めるうえで欠かせない存在といえます。

「スコアを上げれば費用対効果が向上する」「点数の高さが掲載順位の向上につながる」と耳にする機会も多いでしょう。
しかし、その仕組みや改善方法を体系的に整理して理解している方は多くありません。

この記事では、品質スコアの基本から広告ランクとの関係、具体的な改善策、そして実務での活用方法までをわかりやすく解説します。

品質スコアとは?仕組みと基本的な考え方

まずは品質スコアの定義と基本を押さえましょう。

品質スコアとは、広告、キーワード、ランディングページ(LP)の品質を総合的に評価した指標です。
数ある広告指標の中でも、品質スコアは「検索ユーザーにとって広告がどれだけ有益か」を測る重要な役割を持っています。

Google広告やYahoo!広告では、品質スコアはキーワードごとに1〜10で評価されます。
これは「ユーザーの検索意図と広告の内容がどれだけ合っているか」「クリックされやすいか」「リンク先ページが役立つか」といった要素を数値化したものです。

また、同じ広告グループに含まれるキーワードでも、それぞれスコアは異なります。
そのため、例えば「リスティング広告 費用」というキーワードなら、費用を強調した広告文と遷移先のランディングページ(LP)には料金表のあるページをリンク先にするなど、キーワードに合った体験を用意することで評価が高まるのです。

品質スコアが高ければより少ない費用で多くのクリックを獲得でき、逆にスコアが低ければ表示機会を逃すことになります。
広告効率を大きく左右する重要度の高い指標です。

品質スコアと広告ランクの関係

品質スコアは広告の掲載順位を直接決めるものではありません。
しかし「広告ランク」の仕組みの一部であることから、結果的に順位やCPCに影響します。

広告ランクは基本的に次の式で表されます。

広告ランク = 入札単価(上限CPC) × 品質スコア

つまり、入札単価が低くても品質スコアが高ければ、上位表示できる可能性があることがわかります。

数値シミュレーション

  • A社:入札単価300円 × 品質スコア5 = 広告ランク1,500
  • B社:入札単価200円 × 品質スコア8 = 広告ランク1,600

この場合、B社は入札額が低くても品質スコアの高さで上位表示されます。
つまり「高額入札=勝ち」ではなく、ユーザーに有益な広告を作ることが効率的な運用につながります。

また、広告ランクを上げるためには「広告表示オプション」も重要です。
サイトリンクや電話番号、住所、価格表示を活用することで、ユーザーは必要な情報にすぐアクセスできるようになります。

その結果、利便性や信頼感が増し、クリック率(CTR)向上につながります。
これにより広告ランクが押し上げられ、品質スコアとの相乗効果で順位やCPC改善が期待できるのです。

ただし、品質スコアは広告品質そのものではなく、実際のオークションでは検索背景や競合状況など多くの要素が加味されます。
数値にとらわれず、広告体験全体を高めることが大切です。

品質スコアを決める3つの要因

品質スコアを構成するのは、「推定CTR」「広告の関連性」「LPの利便性」の3つです。
これらを改善することでスコア全体が向上します。

推定クリック率(eCTR)

過去の実績データをもとに、広告がクリックされる可能性を予測したものです。
ユーザーの検索意図に合致した魅力的な広告文や訴求軸、表示オプション、配信時間により向上を図りましょう。

広告の関連性

キーワードと広告文の一致度を表す指標です。
広告文にキーワードを盛り込んだり、ユーザーの検索意図に沿った広告文を作成したりしましょう。

LPの利便性

広告をクリックした先のページが、ユーザーにとってどれだけ有益かを表す指標です。
情報の網羅性や信頼性、独自性のあるコンテンツといった内容面はもちろんのこと、ページ速度、モバイル対応などの使いやすさの側面も重視されます。

品質スコア3要素評価のイメージ

品質スコアの確認方法

品質スコアを改善するには、まず現状を正しく把握する必要があります。
Google広告とYahoo!広告では確認手順に違いがあるため、両方を押さえておきましょう。

  • Google広告:「キャンペーン → キーワード → 表示項目の変更」から品質スコアを表示
  • Yahoo!広告(品質インデックス):「キャンペーン管理タブ → キーワード」で確認

一般的に、品質スコアが6〜7点であれば良好とされます。
ただし、競合が激しいキーワードでは8〜9点を目指す必要があり、逆にニッチな領域では5点前後でも成果を出せることがあります。

ただし、品質スコアは短期間で大きく変動することがある点に注意してください。
これはGoogleのアルゴリズムが過去のCTRデータを参照しているため、広告を出稿した直後は学習が安定せず、スコアが定まらないことが原因です。

また、Yahoo!広告の品質インデックスはGoogle広告と比べると反映に時間がかかりやすく、施策の効果が数日〜数週間遅れて表れることがあります。

品質スコア改善がもたらす効果

品質スコアの改善は、単なる「点数アップ」ではなく、広告運用全体の成果に直結します。
改善により得られる主な効果には、以下が挙げられます。

  • クリック単価(CPC)の低下
    高い品質スコアを持つ広告は、より低い入札額で同じ順位の確保が可能。
  • 掲載順位の向上
    広告ランクが上がることで検索結果の上位に表示され、CTR改善につながる。

これらの結果として、広告の表示回数(インプレッションシェア)が拡大し、より多くのユーザーとの接点を確保できるようになります。

上記の通り、品質スコアが高いことでより少ない広告費でも広告のクリック数を確保できる状態になるため、CPA(広告効率)ROAS(広告費用対効果)の改善に直結します。

このように、品質スコアを上げることであらゆる広告指標に伝播し、限られた予算での成果最大化につながるのです。

リスティング広告運用の改善には、品質スコア以外にも注目すべき項目があります。
以下の記事もあわせて参考にしてください。

【徹底解説】リスティング広告運用の成果を改善するには?改善の進め方と指標の見直し方
リスティング広告運用の成果を改善するには?改善の進め方と指標の見直し方
 2025年8月21日 【徹底解説】リスティング広告運用の成果を改善するには?改善の進め方と指標の見直し方

品質スコア改善の具体的な方法

品質スコアを改善するには、前述の3要素(推定CTR・広告の関連性・LPの利便性)それぞれに対応した施策が必要です。以下では具体的な改善アプローチを解説します。

アスエくん

具体的な改善方法には何があるんでしょう?

推定CTRの改善

推定CTRを改善するためには、ユーザーに「クリックしたい」と思わせる広告文を作成することが重要です

  • 広告文にキーワードを盛り込む
    • 検索ニーズに対応することで関連性が高まりやすい。
  • 差別化要素を提示
    • 「無料相談」「最短翌日納品」など競合と比較した具体的なユーザーメリットを伝える。
  • 行動喚起(CTA)を挿入
    • 「今すぐダウンロード」「無料相談はこちら」など行動を促すような文言を入れる。
  • 広告表示オプションを活用
    • サイトリンクや電話番号を追加してユーザーに提供する情報を増やすとともに、広告の表示面積を広げて目につきやすくする。

具体的には以下を意識しましょう。

  • タイトルに必ずキーワードを入れる
  • 数字や実績を加え、信頼性を強調する
  • 競合と比較して優位性を出す
  • CTAワードを盛り込み、行動を明確化する

 例:
  改善前:「新商品スニーカー販売中」
  改善後:「【送料無料】97%が満足!最短翌日お届けスニーカー」

広告の関連性の改善

広告文とキーワード・ユーザーの検索意図の関連性を高めることがポイントです。

キーワードをテーマごとに分類し、広告グループを最適化する

広告グループはキーワードごとに分類することが重要です。

例えば、「スニーカー」という一つの広告グループに「スニーカー レディース」「スニーカー メンズ」というキーワードをすべて入れてしまうのはNGです。
「レディーススニーカー」「メンズスニーカー」という広告グループを作成し、それぞれでキーワードを設定するようにしましょう。

タイトルや説明文に主要キーワードを含める

広告文に検索キーワードを含めることで、ユーザーの検索意図と広告内容の一致度が高まり、CTRの向上につながります。

例えば、「スニーカー レディース 通販」というキーワードで出稿する場合は、タイトルに「レディーススニーカー通販」や「女性向けスニーカー特集」といった語句を入れると効果的です。

説明文でも、「人気ブランドを多数ラインナップ」「送料無料・最短翌日配送」など、ユーザーが求めるベネフィットをキーワードとともに明示しましょう。

検索クエリレポートを分析し、成果の高い語句を反映する

実際にユーザーがどんな検索語句で広告をクリックしているかを把握することで、より成果につながるキーワードを抽出できます

例えば、「スニーカー 通勤」「スニーカー 黒 軽い」といったCVへの期待値が高い検索語句が見つかった場合、それらを新たなキーワードとして広告グループに追加したり、広告文に盛り込むことで精度が上がります。

逆に、狙いたい意図にマッチしない検索(例:「スニーカー 修理」「スニーカー 中古」など)が多い場合は除外キーワードに設定し、無駄な表示を防ぐことも重要です。

LPの利便性改善

クリック後にユーザーが離脱しないページ作りも必要です。

  • モバイル対応:スマホでの閲覧割合が増えており、Googleも明確に評価要素として挙げているため必ず対応する。
  • 読み込み速度改善:クリックしてから表示まで3秒以内を目安に高速化する。
  • 明確なCTA設置:フォームやボタンを目立たせたり、CV行動によるメリットを訴求したりして行動を促す。
  • 信頼性の強化:会社概要・プライバシーポリシー・レビューなどを掲載し、ユーザーからの信頼を得る。

広告→LP→コンバージョンまでの流れ

リスティング広告の改善には、広告文の見直しやABテストの実施が欠かせません。

アスエくん

それぞれ以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

【徹底解説】リスティング広告のABテストのやり方と結果の見方|効果的な広告改善を支える運用手法
【徹底解説】リスティング広告のABテストのやり方と結果の見方|効果的な広告改善を支える運用手法
 2025年10月23日 【徹底解説】リスティング広告のABテストのやり方と結果の見方|効果的な広告改善を支える運用手法

品質スコアの改善で注意すべきポイント

品質スコアは広告運用における重要な評価指標ですが、その数値だけを追いかけるのは危険です。
算出の仕組みを正しく理解し、あくまで広告改善のための目安として活用することが大切です。
ここでは、品質スコアを運用に生かす際に押さえておきたい注意点を整理します。

  • 完全一致キーワードで算出される
    品質スコアは「完全一致に基づいた推定値」が算出されます。フレーズ一致などでは直接反映されないため、数値が低くても実際の配信成果が良好なケースも。
  • あくまでも広告の質を評価するための一指標である
    品質スコアを10にすること自体が目的ではなく、最終目標はCVの増加やROI改善です。
    数値に振り回されず、あくまで評価指標として活用し、広告の良し悪しは成果をもとに判断しましょう。
  • 入札戦略や配信設定は点数に反映されない
    品質スコアは広告文やLPの内容をもとに算出されるものであるため、スコアが高くても入札単価や配信設定が最適とは限りません。
  • 成果への反映までに時間がかかる
    品質スコアは過去データに基づいてつけられるため、スコアが上がってもCTRなどがすぐ改善されるとは限りません。数週間〜数か月スパンでの指標として見ることが重要です。

品質スコア改善の実務アプローチ

品質スコアを高めることの重要性を理解したら、次に考えるべきは「どう改善するか」です。
理論を知っていても、現場の運用に落とし込めなければ成果には結びつきません。

ここからは、実際の広告運用で取り組むべき具体的な改善アプローチを解説します。

アカウント構造を整える

広告の関連性を高めるためには、まずアカウント構造を最適化することが重要です。
広告グループをカテゴリごとに整理し、キーワードと広告文のつながりを強めることで、品質スコア向上につながります。

データ分析で精度を高める

検索クエリレポートを活用し、実際に入力された検索語句を定期的に確認しましょう。
成果の高いワードを残して不要な語句を除外することで、広告表示の精度が向上し、スコア改善にも直結します。

テストと検証を継続する

広告文やLPは、一度作成して終わりではありません。
ABテストを繰り返し行い、成果の高いパターンを見極めながら改善を重ねることで、品質スコアと成果の双方を安定的に伸ばせます。

品質スコア改善の実務アプローチを押さえたら、次は広告運用をより精緻に管理することが重要です。
レポート作成やCPCの仕組みを理解しておくと、日々の改善活動に直結します。
詳細は以下の記事も参考にしてください。

【徹底解説】クリック単価(CPC)はどう決まる?リスティング広告費用の内訳と抑え方
【徹底解説】クリック単価(CPC)はどう決まる?リスティング広告費用の内訳と抑え方
 2025年9月4日 【徹底解説】クリック単価(CPC)はどう決まる?リスティング広告費用の内訳と抑え方

まとめ:品質スコアは「広告改善のための重要指標」


品質スコアは、広告・キーワード・LPの品質を数値化した評価指標であり、ユーザーにとって広告がどれだけ有益かを示す基準です。

スコアを構成するのは「推定CTR」「広告の関連性」「LPの利便性」の3要素で、これらを改善することでCPCの低下や掲載順位の向上といった成果につながります。

ただし、品質スコアはあくまで広告品質を測る指標であり、成果を生み出すのは改善施策そのものです。
品質スコアの点数を上げることを目的化せず、ユーザー体験を高める広告設計という本質を見失わないように注意しましょう。

広告文の最適化やキーワード整理、LP改善といった施策を継続的に行うことで、費用対効果の高い運用を実現できます。
品質スコアをうまく活用しながら、ユーザーに選ばれる広告体験を追求していくことが、長期的な成果の鍵となるでしょう。

自社だけでの改善が難しい場合は、広告代理店など専門家のサポートを検討するのも有効です。

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