もうリマケには頼らない! 年齢ターゲティング×購買意向の強いセグメントで配信拡大したディスプレイ広告事例

2024年02月27日

2024年07月10日

こんにちは、ASUE株式会社Webマーケティング課のヨシムラです。

さて、ITPアップデートの影響でAppleのブラウザであるSafariでサードパーティークッキーが廃止・IDFA利用にユーザーの同意が必要となり早3年と少し。ついに今年、Google Chromeでもサードパーティークッキー廃止が予定されており、ますますユーザーの行動履歴に依存したWeb広告のターゲティングは難しくなっていきます。

特にWebサイトへ一度訪問があったユーザーへ広告を出せる「リマーケティング」。これはサードパーティークッキーやIDFAなどを利用してきたため、以前から今後配信が難しくなると言われてきました。そして、今回のChromeでのサードパーティークッキー廃止でいよいよ本当に難しくなるかと思います。そのため、Web広告を運用する人にとってはこれまで成果が出ていたとしてもリマーケティングを本格的に諦める必要がある時期。

ということで今回はリマーケティングに依存しない広告運用をテーマに、リマーケティングの成果が悪化傾向にあった僕が運用している案件で、リマーケティング以外の方法でディスプレイ広告の拡大をした事例をご紹介したいと思います。

サードパーティークッキーの廃止で起きること・すべきこと

冒頭でも述べた通り、Google Chromeのサードパーティークッキー完全廃止の日が近づいています。今年の頭頃から、ドメインを横断するユーザー行動の情報を収集するクロスサイトトラッキングを制限する「Tracking Protection」機能のテストが始まりました。現在は一部のユーザーのみが対象ですが、段階的に拡大され、2024年の後半にはGoogle Chromeのサードパーティークッキーが完全廃止となる予定です。

そしてサードパーティークッキーが廃止になると、広告主側でユーザーのドメインをまたいだユーザー情報の取得ができなくなります。

例えば、リマーケティング広告では、広告主のWebサイトにWeb広告媒体が発行しているコードなどを埋め込むことで、Web広告媒体側からWebサイトに訪問したユーザーに対してクッキー(この訪れたWebサイトとは違うドメインから発行されるクッキーを"サードパーティークッキー"といいます)を発行し、その発行されたクッキーをもとにユーザーを識別して広告を配信しています。

ヨシムラ

ECサイトを見た後に、別のWebサイトを見たときにその前に見ていたECサイトの商品が表示されることがあるのはこういう仕組みですね。

広告主側としては、一度Webサイトに来たユーザーに広告を配信するのは効率がいい配信方法ではありますが、ユーザーのインターネット上での行動履歴(閲覧履歴)を利用していることになります。

そのため、サードパーティークッキーのようなユーザーの個人情報を利用するようなツール・技術を廃止することでユーザーのプライバシー保護しよう……というのがここ最近のWeb広告業界の流れであり、サードパーティークッキーが廃止されるとそのような技術を利用するターゲティングができなくなってしまいます。

似たようなことはすでにiOSデバイスで何年か前に起きていて、その時の弊社の記事もあるのでこちらも参考にどうぞ。

関連記事:広告主も知っておくべきiOS14アップデートの影響。どんな広告が今後も活用できそう?
https://asue.jp/blog/?p=15189

Webマーケティングの担当者やWeb広告運用者は、リマーケティング広告に頼らず、サードパーティークッキーに依存しない手段でコンバージョンを獲得する必要が出てきます。

その際に活用できる機能はこちら。

  • 顧客リストの活用
    • オンラインやオフラインで集めた顧客情報を利用して広告配信を行う
    • 個人情報を扱うことになるため、扱いには要注意
  • 類似ターゲティング
    • 特定のリストに類似しているユーザーに広告を配信する
    • 元となるリストがサードパーティークッキー廃止に伴い縮小し、精度が落ちる可能性あり
    • 顧客リストを用いた類似リストは影響を受けない
    • Google 広告では廃止され、代わりに"最適化されたターゲティング"がある
  • カスタムセグメントターゲティング
    • 関連性の高いキーワード・URL・アプリを指定して最適なオーディエンスにアプローチすることができる
  • 購買意向の強いセグメント
    • 最近の購買意向に基づいてユーザーにリーチすることができる

事例:高齢者向けの分譲マンション

現在運用中のクライアントの商材「高齢者向け分譲マンション」の事例をご紹介します。

この事例では、リマケの成果が悪化した際にリマケに頼らずディスプレイ広告配信を拡大するために、いくつかの配信を試した結果、「購買意向の強いセグメント」と「年齢ターゲティング」である程度獲得できるようになったのでそちらの結果をご紹介します。

  • Google 広告
    • 年齢ターゲティング
      • 55〜64歳
      • 65歳以上
      • 不明
    • オーディエンスセグメント:購買意向の強いセグメント
      • 不動産 > 居住用不動産 > 居住用不動産(販売)
      • 不動産 > 居住用不動産
  • Microsoft広告
    • 年齢ターゲティング
      • 50〜64歳
      • 65歳〜
      • 不明
    • オーディエンスセグメント:購買意向の強いセグメント
      • /不動産/住居用不動産物件/住居用不動産物件 (販売中)

配信結果

Google 広告

インプレッション数クリック数クリック単価コンバージョン数コンバージョン単価コンバージョン率
年齢×購買意向の強いセグメント821,7003,80036円623,200円0.16%
リマーケティング882,4003,30069円732,300円0.21%

Google 広告では、インプレッション数・クリック数・コンバージョン数などほぼ同じくらいですが、年齢×購買意向の強いセグメントの方がリマーケティングと比べてクリック単価が安く、結果コンバージョン単価も1万円弱低い結果となりました。

Microsoft広告

インプレッション数クリック数クリック単価コンバージョン数コンバージョン単価コンバージョン率
年齢×購買意向の強いセグメント37,680,00037,70019円1644,000円0.04%
リマーケティング12,500,00022,50039円3525,000円0.16%

Microsoft広告では、年齢×購買意向の強いセグメントの方がリマーケティングと比較してインプレッション数が3倍、クリック単価も半分程度となっています。ただ、現状コンバージョン率がリマーケティングと比較すると低いため、ある程度獲得はできていますが、この事例ではリマケには劣る結果となりました。

まとめ

Google Chromeのサードパーティークッキーの廃止が近付き、いよいよ使えなくなる日が近そうなリマーケティング。

運用者としてやるべきことは、各種媒体で用意されているサードパーティークッキーに依存しない各種配信メニューや機能で取り扱っている商材・サービスに合いそうなものを検討し、検証を重ねてコンバージョンを獲得していくことです。これは、サードパーティークッキーがあってもなくても運用者が日々繰り返していくことだと思います。

今回事例として紹介したものも、最終的に年齢ターゲティング×購買意向の強いセグメントを利用した配信に落ち着きましたが、他の配信メニューの検討・検証を重ねています。

もしまだリマケに頼って配信している商材・サービスがあれば、ぜひ他の施策を検討しましょう!

 

 

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