こんにちは、ASUE株式会社の広報のN村です。
2024年9月7日(土)、休日を楽しみつつ底をつきかけた白米(我が家は雪若丸派です、多分田中圭より食べています。)を手に入れるべくスーパーを二軒はしごしていたわたしは、移動中なんとなく仕事用のチャットを開きました。そこで驚きのお知らせを目にしたのです……。
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> 拡張クリック単価 <
> 終了のお知らせ <
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びっくりしすぎて懐かしいやつを使ってしまいました。ということで、Google 広告の検索広告・ディスプレイ広告で拡張クリック単価が2025年3月に完全終了になるとのこと(詳しいスケジュールは後述します。)。こちらは、実際に影響を受けるアカウントがある場合にGoogle 広告からお知らせメールが送られてきたようで、社内チャットで共有されているのを見てわたしはこのことを知りました。
思えば、ショッピングキャンペーンでの拡張クリック単価が昨年廃止となっていて、なくなる予兆があったなぁ……とは思いますし、より自動化の方向にしていきたいんだろうな〜というのは多くの運用者が感じていたとも思うのできっといずれはなくなるだろうと思われていたことでしょう。ですが、運用型広告の現場では今でもかなり使用されている入札戦略だと思うので、それなりにインパクトの大きな変更ではないかと思います。
ということで本日は、拡張クリック単価終了の詳細と、それに伴って今後影響を受けそうなあれこれ、Webマーケティング課・アイバに聞いた所感などをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
目次
拡張クリック単価とは?
拡張クリック単価(eCPC)とは、コンバージョン数またはコンバージョン値を最大化するようにクリック単価(CPC)を調整する、個別クリック単価設定とスマート自動入札戦略(目標コンバージョン単価や目標広告費用対効果など)をいいとこ取りしたような入札戦略の一種です。
簡単に言うと、程よく手動でクリック単価を調整しながら細かい調整はGoogle 広告に任せよう!という入札戦略であり、他のスマート自動入札戦略と違ってクリック単価をある程度コントロールすることが可能になっています。
この程よくCPCを調整可能、というのが使い勝手の良さが、近年コンバージョン数の最大化などの自動入札戦略の利用が主流になってきている中でも使われ続けてきた理由だったかと思います。
なるほど……。
参考:「Google 広告 ヘルプ — 拡張クリック単価(ECPC)」
https://support.google.com/google-ads/answer/2390590?hl=ja
参考:「Google 広告 ヘルプ —拡張クリック単価(eCPC)について」
https://support.google.com/google-ads/answer/2464964?hl=ja
検索・ディスプレイで拡張クリック単価が廃止へ
ここまででもお伝えしてきた通り、検索広告・ディスプレイ広告の拡張クリック単価が今年10月から来年3月にかけて段階的に廃止されることになりました。
廃止のスケジュールは以下の通り。
- 2024年10月
- 検索・ディスプレイの新規キャンペーンで拡張クリック単価の選択不可に
- 既存のキャンペーンについてはそのまま使用可能
- 2025年3月
- 拡張クリック単価を使用中の検索・ディスプレイの既存キャンペーンが個別クリック単価へ移行
Google 広告の最初のスマート自動入札戦略として、今から10年ほど前に「拡張クリック単価」は登場しました。ですが、近年では「コンバージョン数の最大化」や「コンバージョン値の最大化」など、機械学習を用いたより高度な入札戦略が導入され、そちらが主流となってきています。
Google 広告公式としては、これらの拡張クリック単価より後に登場したスマート自動入札戦略が、拡張クリック単価と同程度またはそれよりも大きな成果を発揮できるということで、拡張クリック単価サービス終了となったとのことです。
今後の影響と対応方法
Google 広告からのお知らせメールで、現在拡張クリック単価を利用している場合の対応方法として大別すると2パターンが紹介されています。
- コンバージョン数の最大化 または コンバージョン値の最大化への切り替え
- (完全廃止時までキャンペーンの設定の変更がない場合)個別クリック単価入札戦略への変更
これらの対応と、それに伴う今後の影響について考えられることをご紹介します。
Google 広告推奨:CV数の最大化 または CV値の最大化へ切り替え
今回の拡張クリック単価廃止に対して、Google 広告の推奨対応は入札戦略を「コンバージョン数の最大化」または「コンバージョン値の最大化」へ切り替えて運用することです。
これらの戦略は、拡張クリック単価や個別クリック単価のように入札価格を自分でコントロールできません。その代わり、コンバージョン数の最大化では「目標コンバージョン単価」、コンバージョン値の最大化では「目標広告費用対効果」を設定し、それぞれコンバージョン数・コンバージョン値が最大化されるようにクリック単価が自動で調整されて配信されます。
そのため、クリック単価がコントロールできずに意図せずクリック単価が上昇してしまう可能性があり、さらには広告費が増大してしまう可能性もあります。
参考:「Google 広告 ヘルプ — 「コンバージョン数の最大化」による入札について」
https://support.google.com/google-ads/answer/7381968?hl=ja
参考:「Google 広告 ヘルプ — 「コンバージョン値の最大化」入札戦略について」
https://support.google.com/google-ads/answer/7684216
自動移行:個別クリック単価への変更 ←入札価格をコントロールしたい場合はこれ
また、拡張クリック単価が完全に廃止される2025年3月までそのまま使用していた場合、拡張クリック単価を使用しているキャンペーンは自動で「個別クリック単価」へ変更されます。
現在拡張クリック単価を使用しており、拡張クリック単価廃止後も入札価格をコントロールしたい場合はこの「個別クリック単価」の選択肢はこちらだけになります。
ただ、個別クリック単価は拡張クリック単価と比較すると自分で細かな調整を行う必要が出てくるため、アカウントの管理コストが今よりも上がる可能性があります。
ですが、「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」など拡張クリック単価以外のスマート自動入札を利用した場合にいまいち成果が上がらないなど、どうしても手動で入札価格を調整しながら運用する必要がある状況もあるため、その場合は多少運用コストが上がってもこちらを選択することになるかと思います。
低予算での運用に影響が出る……かも?
上述の通り、個別クリック単価を使用すれば、運用者にかかる運用コストが増える可能性があります。一方、Google 広告公式が推奨している「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」を利用した場合は意図せずCPCが上昇し、広告費が増大してしまう可能性があります。
また、推奨されている「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」では、過去のコンバージョンデータなどのキャンペーン情報をもとにそれぞれの入札戦略に則って入札価格を決定されます。データが多ければ多いほど精度が向上するため、予算が少額などの理由で過去のコンバージョンデータが少ない場合、機械学習に十分なデータが集まるまでは成果が出にくいなど、配信にあたって初期投資も必要になります。
そのため、少額の予算で運用している / したい場合だと、今までほどの費用対効果が得られない・参入ハードルが上がるなどの懸念があるかもしれません。
運用者の拡張クリック単価廃止に対する所感
ということで、実際に拡張クリック単価を使用して運用している社員に話を聞いてみました!
現在では自動入札が主流になってきていますが、一部では拡張クリック単価を使っている運用者も多いのではないでしょうか。(※ 厳密には拡張クリック単価も自動入札です。)
私自身も指名検索や、配信開始の初動など入札を意図的にコントロールしたい場面などでは、程よくコントロールできて小回りの利く拡張クリック単価を未だに用いています。
また「目標コンバージョン単価」といった機能が出るもっと以前から広告運用に携わっている身としては、長らく愛用していた拡張クリック単価が無くなってしまう事に幾ばくの侘しさを感じずにはいられませんね。
いずれにせよ、無くなるものは仕方ないのでより一層自動入札と深く向き合う日々となりそうです。
以上、私の所感です。
まとめ:ありがとう、拡張クリック単価
Google 広告は近年、より高度な機械学習を用いた自動化機能に注力しており、今後もより手動で調整する部分が減っていくかもしれません。
長らく使用されてきた拡張クリック単価がなくなってしまうことは、長く運用に携わる方々にとっては寂しさも困惑もあるかとは思いますが、これまでよりも一層自動入札と深く向き合いながら運用していく必要がありそうですね。
なんにせよ、今までもこれからもクライアントの最善を目指して運用していく……というのは変わらないです。
今後ともよろしくお願いいたします!
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この記事を書いた人
2016年入社。ASUE株式会社広報を担当。メールマガジン「ほぼ週刊ASUE通信」もお送りしています。ほぼ週刊なので週刊ではない。月初に公開するWebマーケティング情報をまとめたツキイチシリーズはちゃんと月刊です。
趣味はミュージカル観劇。おすすめ作品を知りたい方はN村のTwitterまでお問い合わせください。
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