こんにちは! ASUE株式会社広報のN村です。
さて、弊社ではクライアントのビジネスを主にWebマーケティングの面から支援しており、特にリスティング広告などのWeb広告の運用が得意で、社内外で経験を積んだ運用者がWebマーケターとして在籍しています。
しかし……誰にでも「初心者」だった頃がありました。ということで、新卒の頃やWeb広告の運用を始めた頃など初心者だった頃の失敗談を弊社運用者に聞いてみました。
春から新しい生活・新しい仕事を始めたみなさんが「うっかり」し始めてしまいそうな今、これで、新人Webマーケターの成長の肥やしとなっていただこう……!と思います。読みながら、「あー、ここはこれまで気にしていなかった!」など、日々の業務のための気付きなどにお役に立てば幸いです!
それでは、どうぞ。
目次
Web広告運用で多い失敗は?
今回、社内のWeb広告運用経験者から失敗談を募集(複数回答)したところ、有効回答が19個ありました。その失敗談の内訳は次の通りです。
Nmura_asueさんによるASUE通信:Web広告運用失敗談01今回は、アンケートで最も多い失敗談だった入稿・設定のミスについてご紹介していきたいと思います。
大体どれも平たく言えば「設定ミス」ですね。
それはそう……
失敗(1) GTMの公開漏れ
まず最初にご紹介するのは、GTMの公開漏れについて。こちら、2人から申告がありました。
GTMを下書き保存し、すべて非公開のまま広告を配信した。
(Aさん/会社員)
- 失敗内容
- GTMを下書き保存し、すべて非公開のままにした
- 起きたこと
- すべてを非公開のままにしていたため、コンバージョンだけでなくアクセスなども全くデータを計測できなかった
- 防止策
- 公開することの習慣づけ
- 普段から、Google 広告やGoogle Analyticsなどの画面で数値をチェックすること
GTMの変更後、公開を忘れていた
(Bさん/会社員)
- 失敗内容
- GTMを編集したあとに公開をしないまま広告を配信した
- 起きたこと
- 1日間CV計測ができていなかった
- 防止策
- クライアントチャット上で、管理画面の変更点を細かくメモ
- GTMについては、公開までも毎回記載している
GTMの設定をしただけで満足して非公開のまま!というのは、経験ある方も多いかもしれません。今回のアンケートでも2人が回答しました。
GTMを使って、Google 広告やその他媒体の広告用タグ、Google Analyticsなどの分析ツール用のタグなどを管理している方も多いと思いますが、設定したタグの公開を忘れるとその間正しい計測ができなくなってしまい、正しい分析や評価、改善施策なども打てなくなってしまうので気をつけましょう!
万が一公開を忘れた場合でも、広告の管理画面やGoogle Analyticsなどをこまめにチェックしておくことで早期発見ができるかと思います!
これ以外の入稿ミス設定ミスも、管理画面をこまめに見ることで異常を発見しやすいので、チェックのくせをつけておきましょう!
広告の配信開始時にチェックすべきことは案件や配信媒体によって多少変わってくるけど、GTMのような絶対に利用するものは、配信開始前のチェック事項として社内でルール化などをしておくといいですね。
失敗(2) ターゲティング外のエリアにも広告を配信
ローカルなビジネスなのに
「この対象エリアに興味を持っているユーザー」へ配信した
(Cさん/会社員)
- 失敗内容
- 地域ターゲティングの指定方法には複数あり、「対象エリアに住んでいるユーザー」「対象エリアに興味を持っているユーザー」などの指定方法がある
- ローカルなビジネスで、その地域に日常的に所在しているユーザーだけに配信したかったが、「興味を持っているユーザー」も選択されていた
- 起きたこと
- ターゲット地域とは関係ないユーザーにも配信されてしまった
- 防止策
- 設定箇所がわかりにくいため、毎回入稿時にチェックする癖をつけておく
- 管理画面の数値を見ていると気が付くこともあるので、データはこまめにチェック
続いての失敗談は、ターゲティング設定のミスです。
地域ターゲティングでは、「地域の設定」+「その地域とどのように関わるユーザーかの設定」が可能な媒体が多いです。例えば、Google 広告では「ユーザーがいる可能性が高い、またはユーザーが定期的に訪れている地域」と「ユーザーが関心を示している地域」を選択することができます。
今回の失敗談では、指定した地域に所在しているor定期的に訪れているユーザーをターゲティングしたかったのに、関心があるユーザー(ex. 名古屋へ旅行することを検討して下調べをしている東京のユーザー など)の配信もONになっており、そのビジネスの顧客にならないと考えられる層へ配信をしてしまったそうです。
例えば、Google 広告で地域ターゲティングの設定画面はこんな風になっています。ここで、指定したい地域だけを設定してしまうと、今回のようなミスに繋がります。
下部の、「地域の設定」をクリックして詳細設定を開くと次のようになります。
初期設定では、Google 広告推奨の地域に興味があるユーザーがターゲティング対象になっているため、詳細を開かないと今回のような状況が起こることがわかります。
店舗など、ローカルなビジネスだと完全なターゲット外の層に配信してしまうことになります。ミスをしないのが一番ですが、GAや広告管理画面をこまめにチェックする体制を作っておくことで、ミスをしたとしても早く気付けるようにできます!
これに限らず、Google 広告などの管理画面には初見殺しの隠れ設定項目がいくつかあります。
どんな隠れ項目があるのかを把握したり、設定時にそれぞれの項目を確認したりしておくといいと思いました!
Google 広告などの管理画面は新機能や設定項目が追加されたり……などで仕様が少しずつ変わっていったりもします。
なので、管理画面の仕様をきちんと理解した上で日頃からチーム内で情報収集を行って設定方法や項目の変化などがあれば社内できちんと共有できる体制作りが必要ですね。
失敗(3) 「期間限定」の文言に注意
広告文の「2021年」「3月」等のその時期しか使えない文言を
そのまま配信
(Dさん/会社員)
- 失敗内容
- 「2021年」「3月」等、一定時期しか使用できない文言を広告文に使用し、放置
- 起きたこと
- 「2021年」が「2022年」に配信されたり、「3月」が「4月以降」に配信されるなど、時期が不適な文言の広告文を配信してしまった
- 防止策
- 使えなくなる時期をスケジュール登録してリマインドする
- 広告管理ツール内で使えなくなった文言を全検索して停止や修正をする
広告文に、特定の年月を使用した文言などを含んでいる場合は注意が必要です。例えば、2023年なのに「2022年」が広告文に文言が含まれているとおかしいですよね。
このような文言を配信開始後放置してしまうと、使えなくなってからもそのまま配信されてしまいます。
特定の時期のみのキャンペーンの場合は配信が自動で停止するようにすることも可能ですが、それ以外のキャンペーンで見出しや広告文の1つとして入稿する場合は変な時期におかしな文言が配信されないようにカレンダーやタスク管理機能などでリマインドがくるように設定しておくと◎です。
広告はユーザーに真っ先に目に入る場所なので、気をつけたい……
「間違った時期の文言を配信」はやりがちなミスだと思うので、そのような文言を入稿する際はどうするかをチーム内でルール化しておくといいですね。
失敗(4) 新機能に挑戦!と思いきや……
画像表示オプションが登場!
新機能を早速使おうと準備をしたが、そのアカウントでは使えず。
準備の時間が無駄になりました。
(Eさん/会社員)
- 失敗内容
- Google 広告の検索広告に画像表示オプションが登場
- 担当のアカウントでも設定しようと準備を進めた
- 起きたこと
- 入稿準備を終えて、設定しようとしたところ、設定項目に出てこない
- 新しい機能だったので、全アカウントに展開されていなかった
- 準備に使った時間が無駄になってしまった
- 防止策
- 新機能が登場した時は、使用可能なアカウントの要件などを確認して、準備前にそのアカウントで利用可能か確認する
各社広告媒体ではさまざまなアップデートが日々行われており、新しい機能が増えることもしばしば。
新機能は徐々に各アカウントに展開されることがある他、機能によっては一定の広告費用を使ったアカウント(+ポリシー遵守も)でないと利用ができない場合などもあります。
Google 広告の画像表示オプションについては、ポリシーの遵守とアカウント開設から90日以上経っている必要があること、また広告で扱うビジネスがデリケートなカテゴリやサブカテゴリ(例: 性的なコンテンツ、アルコール、ギャンブルなど)に属する場合は未対応となっており利用できません。
展開前で利用できないときは展開を待って準備した画像が使える場合もありますが、要件を満たしていないと入稿準備にかかったコスト(時間や費用)が全て無駄になってしまうため、準備前に一度使用可能かその機能のヘルプページや管理画面の設定箇所を確認しておくと◎です。
失敗(5) 全然配信されない!リマケリストの設定ミス
リマーケティングでの配信。
LPと本サイトどちらかに訪問したユーザーへ配信のつもりが、
LPと本サイト両方に訪問したユーザーを設定していた。
(Fさん/会社員)
- 失敗内容
- リマーケティングリストの設定内容をミス
- 訪問したサイトの設定をLP or 本サイトではなく、LP + 本サイトにしていた
- 起きたこと
- リスト数が絞られてしまい、想定していたような配信ができなかった
- 防止策
- 設定時のチェック
- 日々の管理画面のチェックをしっかりすることで設定ミスに気付けるようにする
本日最後の失敗談はリマーケティング配信のためのリストの設定ミス。
本来LPか本サイトのどちらかに訪問したユーザーへ広告を配信するつもりが、LPと本サイト両方へ訪問したユーザーだけに広告を配信することに。
リスト数が絞られてしまったため、当初の想定よりも配信数がかなり少なく、設定ミスが発覚したとのこと。
配信を始める前に「やりたいこと」と「今の設定」に齟齬がないかをチェックする(必要あれば別の人のWチェックを入れる)ことや、ミスをした場合でも早く気が付けるようにこまめに管理画面をチェックして配信状況等を確認するなど、一つ一つ気をつけて行っていきたいですね。
広告運用に付随する入稿や設定作業は場合によっては無心でやってしまったりすることが起きてくるかと思いますが、だからこそちょっとした(※設定上)ミスが起きがちだと思うので気を付けたいですね。
まとめ
実際に運用者に聞いてみたWeb広告運用でやってしまった失敗談、いかがだったでしょうか?
入稿ミスをなくすためにできること
- 配信前のチェック体制やルールをチーム内で決めて運用する
- チェック項目の策定
- ダブルチェックの体制 など
- 配信開始後に起こりやすいミス・起こったミスなどに対して、それぞれ防止のためのルールを決めておく
- 管理画面の仕様や設定できる項目をきちんと理解し、仕様変更等があった場合はチーム内で共有する
今回ご紹介したミスは、ちょっとした「うっかり」で起きるようなミスばかりだったと思います。初心者の方や、少し広告運用や管理画面を触ることに慣れてきたという方がやってしまいがちなのではないでしょうか。
ハインリッヒの法則では、「業務上の1件の重大な事故の背後には29件の軽微な事故、さらに300件のヒヤリ・ハットがある」と言われており、一度やってしまったミスの結果が大事にならなかったからといって、次やその次は取り返しのつかないミスに繋がる可能性もあるのです。
今回紹介したミス以外でも例えば会社名やブランド名、商品名などを間違えたり……ちょっとした「うっかり」で起きるようなミスが場合によっては会社やブランドの信用を下げることにも繋がります。作業的になってしまうような設定なども、今何のために何の設定をしているか……などしっかり考えながらやると良いかもしれません。
ミスは絶対に無くならない、人間だもの。
ですが、チームや社内で最大限ミスをなくすような体制を整えていきたいですね。
他のミスについても話を聞いているので、第二弾があるかもしれません。
人間がやっている以上、ミスを完全になくすことは難しいですが、損失を出す前にミスに気付けるチェック体制やルールをしっかりと社内やチーム内で作っておきましょう!
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この記事を書いた人
2016年入社。ASUE株式会社広報を担当。メールマガジン「ほぼ週刊ASUE通信」もお送りしています。ほぼ週刊なので週刊ではない。月初に公開するWebマーケティング情報をまとめたツキイチシリーズはちゃんと月刊です。
趣味はミュージカル観劇。おすすめ作品を知りたい方はN村のTwitterまでお問い合わせください。
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