[編集すべきものが]Account Engagementを使った大量生産系フォームをなんとか管理したい[多すぎる]

2025年08月19日

こんにちは、ASUE株式会社広報のN村です。

弊社では、MAツールであるAccount Engagementや、CRM/SFAツールであるSalesforceを活用しています。ありがたいことに多少のコーディングができるということで、社内のAccount Engagementの設定や、ページ・フォームの作成などを、わたしが一手に担っていたりします。

現在、お問い合わせや資料請求用のページをAccount Engagementのフォーム機能を使って作っているのですが……

広報のN村

管理、めちゃくちゃ面倒くさくないですか???

たとえば、1つの資料請求ページを作る場合、綺麗なURLを設定したいなら、ランディングページ機能でページを作成→中に埋め込むフォームを作成→レイアウトテンプレートでHTMLやCSSを調整……と、手順が結構多いです。

1〜2件ならともかく、イベントやホワイトペーパーの数が増えると、10件・50件とどんどん増えていき、毎回作るのはなかなかの労力になります。

さらに、「何か修正が発生したら、これ全ページ対応しなきゃいけない!?」となる未来は、できれば避けたいですよね。わたしは全力で避けたいです。

もちろん、Account EngagementやSalesforceを活用することで、マーケや営業部門の業務効率化は進められると思いますが、フォームのページ作成だけを切り出してみると、正直かなり手間のかかる部分もあるな……というのが本音です。

ということで今回は、Account Engagement上でのフォーム作成を任されるようになった超初期のわたしが、未来の面倒臭さを察知して実装した管理方法をご紹介します!

〜当時のやりとり〜

誰か

このフォームとこのフォーム、作ってください!
デザインは同じでいいので、複製して中身を差し替えればOKです!

予言者のN村

……この仕様だと、レイアウトテンプレートを別々に作る必要がある?

そうしたら将来の修正がめっちゃ大変になるのでは?

ということで、Account Engagementのフォームの基本からご説明します!

Account Engagementのフォームとは?

Salesforce Account Engagement(旧Pardot)では、見込み顧客の情報を収集するためのフォームを作成できます。

フォームを作るためには、以下3つの機能が関わってきます:

  • フォーム機能
  • レイアウトテンプレート
  • ランディングページ機能

フォーム機能とは?

  • 見込み顧客(プロスペクト)の情報を収集するための入力フォームを簡単に作成できる
    • (例:氏名、メールアドレス、会社名など)
  • 入力内容に応じて、次のような処理が自動で実行可能:
    • メールの自動送信
    • スコア加算(見込み度の判定)
    • 特定リストへの振り分けなど
  • Salesforceと自動連携することで、営業チームへの情報共有もスムーズに
  • フォーム単体作成でも URL は設定され個別アクセスが可能
    • URLが「https://設定したドメイン/l/012345/YYYY-MM-DD/xxx」のような形
      • iframeへのフォーム埋め込みにはこのURLを使う
      • (ただしURLから中身がわかりにくく、管理に不便)

入力項目が共通であれば、複数ページでフォームを使い回すことができます。また、フォームはAccount Engagement外のWebサイトにも埋め込み可能です。

レイアウトテンプレートとは?

  • フォームやページの見た目・デザインをカスタマイズするテンプレート
  • HTML・CSSで編集可能。ブランドやサイトデザインに合わせて調整できる
  • 一つのテンプレートを複数フォームに使い回せる
  • ただし、ページごとの細かい見出しや画像の出し分けは標準機能では不可

HTML/CSSが書ければ柔軟なデザインが可能ですが、適用したページごとに書き換えられる要素が少なく、「ページごとにキービジュアルや見出しを変えたい」といった複雑なニーズには、標準機能だけだと不十分です。

例えば、フォームのページが以下のようなデザインの場合。

レイアウトテンプレートを使い回しつつ、資料のタイトル・画像・資料の概要だけを書き換えたいですが、標準機能では難しいです。

ランディングページ機能とは?

  • Account Engagementのドメイン内にページを作成できる機能
  • 自由にURL(バニティURL)を設定できる
  • レイアウトテンプレートの適用も可能
  • Account Engagementで作成したフォームを埋め込んで使用するのが一般的

フォーム付きページを作る場合、このランディングページにフォームを埋め込むのが主流です。

課題:大量ページの作成・修正がつらい! 

さて、一つのフォームを作るのに、これらの3つの機能を全部設定する必要があります。となると、「コピーで済まそう」では済まない管理の煩雑さが出てきますね。

レイアウトテンプレートを複製して対応もできますが、後から修正が入った場合に全ページ修正が必要になる可能性が高く、非常に非効率です。

広報のN村

絶対にやりたくないヨ……

解決策:管理をラクにするための運用方法

管理方針

  • 使い回せるものは最大限使い回す(フォーム、レイアウトテンプレート)
  • 編集箇所を最小限に絞る
  • ページ追加時の対応をできるだけ簡素化

全体の流れ

  • 1. フォーム作成(初回のみ)
    • 入力項目など通常通り設定
  • 2. レイアウトテンプレート作成(初回のみ)
    • ランディングページごとに切り替えたいHTML部分を空に
    • 書き換え用のJSファイルを用意し、テンプレート内で読み込む
  • 3. ランディングページ作成(ページ追加ごと)
    • URL・フォーム・テンプレートの設定を行う
  • 4. JSファイルにページデータを追加(ページ追加ごと)
    • 出し分けたい見出しや画像などのデータを定義

1.および2. 共通部分の作成(フォームとレイアウトテンプレート)

共通のフォームとレイアウトテンプレートを作成します。フォームは通常通り、必要な項目を設定すればOKです。

レイアウトテンプレートでは、(1)書き換え用のjsファイルを読み込むことと(2)ランディングページごとに切り替えたいhtmlをそれぞれ空にしておくことが必要になります。以下がコード例(<body>タグの中身)。

See the Pen Untitled by 広報のN村 (@fgtngrmu-the-styleful) on CodePen.

書き換え用jsは下記のような内容。このファイルは任意の自社管理ドメインにアップロードすればOKです。

See the Pen Account Engagement大量生産系フォーム用の書き換えjs例 by 広報のN村 (@fgtngrmu-the-styleful) on CodePen.

このjsによって、このレイアウトテンプレートを設定されたランディングページにアクセスした際、動的に見出しや画像などが出力されるようになります。(デザインによって適宜変更します。)

3. ランディングページの作成(ページ追加ごとに対応)

コンテンツの出し分けに使用するバニティURLの設定と、1.で作成したフォームとレイアウトテンプレートを使用する設定をします。

バニティURLの設定
フォームの設定
レイアウトテンプレートの設定

4. ページデータ追加(ページ追加ごとに対応)

書き換え用jsのconst pageData = {...(中略)...}内に、追加するページデータを書き加えてアップロードします。(※必要なテキスト・画像は別途作成)

See the Pen Untitled by 広報のN村 (@fgtngrmu-the-styleful) on CodePen.

この仕様で作っておけば、あとはフォーム追加時に3.ランディングページの作成(管理画面上の設定)と4.ページデータの追加の対応をすれば良くなり、少しだけ管理が楽になります。

また、レイアウト等の修正がある場合も1ページ分対応すればOKです。

広報のN村

ページタイトル+フォームのようなシンプルなページ構成ならこんなことする必要ないですが、画像や箇条書き等を入れたいときはぜひ活用してみてください!

おまけ:動的コンテンツ(機能)ではできないの?

Account Engagementには「動的コンテンツ機能」もありますが、以下の理由で採用を見送りました。

  • 出し分けにはプロスペクト情報が必要(新規ユーザー向けには不向き)
  • 条件に「URL」などを使うのが困難
  • コンテンツバリエーションの作成にリッチテキストが必要
  • 複雑なデザインには向かない

こんな感じで、今回の目的では使えませんでした。

広報のN村

ということで、自前のJSで「擬似的な動的コンテンツ」を実現しています!

まとめ:Account Engagementのフォーム管理は修正箇所を減らす運用を

Account Engagementでの大量のフォーム管理が必要な場合は、

  • フォームとテンプレートはできる限り使い回す
  • 複雑なページデザインは、JSで出し分ける
  • 修正が入っても1ファイル対応で済むように設計する

以上が個人的最適解かな〜と思います。何が最適解かと少し調べてみましたが、同じような悩みをあまり見かけなかった気がするので、ASUEでの方法をご紹介しました。

広報のN村

ChatGPTにも「最適解なんですかね?」と聞いてみたところ……

理解のあるChatGPTくん(概念)

うん、それでいいと思う(大意)

と、返ってきました(笑)

HTML/CSS/JSの知識は必要ですが、構造自体はシンプルなので、同じような課題を感じている方はぜひ試してみてください!

もし「ちょっと難しそう…」「やってみたけどうまくいかない…」という場合は、お気軽にご相談いただければと思います!

ASUEでは、SalesforceやAccount EngagementなどのCRM/SFA/MAツールの導入支援・運用支援も行っています。
フォーム周りの構築や運用についてもサポート可能ですので、ぜひご活用ください!

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