SalesforceとAccount Engagementの"キャンペーン"ってそれぞれなに? 連携・管理方法の基本を解説

2025年10月21日

こんにちは、ASUE株式会社の広報のN村です。

SalesforceとAccount Engagementには、どちらにも「キャンペーン」という同名の機能があります。さらに両者を連携するとキャンペーン同士を接続できるため、「じゃあ結局それぞれのキャンペーンって何が違うの!?なんのために分かれているの!?」と迷いがち。

本記事では、SalesforceキャンペーンとAccount Engagementキャンペーンの違い、それぞれで何ができるか、接続すると何ができるか——運用の基本を初心者向けに解説します。

どう違う? SalesforceとAccount Engagementのキャンペーンの役割

SalesforceAccount Engagement
役割施策の対象者をまとめ、進捗や成果を管理ユーザーの初回接点を記録する
ユーザーに紐付けられる数複数1つ(初回接点のみ)
紐付け対象リード・取引先責任者プロスペクト

簡単に言うと、SFキャンペーンは施策単位でリードや取引先責任者をメンバーとして束ね、ステータスで進捗を管理する"器"です。「誰を、どの施策で、どこまで動かしたか」を見える化できます。親子階層で構造化も可能で、どんな施策がどの程度の成果を出したかを把握できます。1人のリード/取引先責任者を複数のSFキャンペーンに紐づける"マルチタッチ"が前提です。

一方、AEキャンペーンはプロスペクトの“ソース”、つまり最初の接点を記録する"入口"です。フォームやランディングページなど、初回接点を生むアセットの紐付け先になります。プロスペクトに紐づくAEキャンペーンは原則1つ——最初に接触したキャンペーン(=ファーストタッチ)です。

どちらも「施策の成果を見る」ために使いますが、見る角度が違います。SF=進捗と影響を追う器/AE=初回接点を記録する入口。同じ“キャンペーン”という名前でも、役割は別物です。

SalesforceとAccount Engagementキャンペーンの"接続"とは

冒頭でも触れた通り、この"別物"であるSFとAEのキャンペーンは接続することが可能です。

別物なのに同じ名前、同じ名前なのに別物、なのに接続とはこれ如何に……と思われるでしょうが(わたしも最初はよくわかりませんでした)、カスタマージャーニー全体で考えると、接続の必要性がイメージしやすくなるかもしれません。

流入元(例:Web検索→リスティング広告)

インターネット上で商材やサービス名等で検索し、検索結果に表示されたリスティング広告をクリック

資料ダウンロード(ファーストタッチ)

ランディングページを閲覧して、CTAである資料ダウンロードから資料をダウンロード
これがAEキャンペーンで初回接点として記録される

メールマガジンの受信・開封(セカンドタッチ以降)

以後の接点は、施策ごとにSFキャンペーンでメンバー進捗として管理される

プロモーション/オファー:ウェビナー参加

プロモーション/オファー:割引キャンペーン(ラストタッチ)

商談化前の最後に追加されたキャンペーンが「ラストタッチ」として記録される

商談化

企業側からすると、リードのゴールは商談となります。そして、ゴールである商談に至るまでには多くの施策に触れます。

SalesforceとAccount Engagementのキャンペーンを接続すると、起点(AEでのファーストタッチ)から商談までの一連の流れを、CRMで一続きに追うことが可能となります。結果として「どの施策が効いたか」「商談化の後押しは何か」を説明しやすくなり、入口=AE/影響=SFという分担で迷いなく計測できます。

接続しないと、初回接点が正しく計測できない可能性が高くなり、各キャンペーンの評価が正しくできなくなります。そのため、キャンペーンの評価がラストタッチに寄ることになります。

キャンペーンを正しく評価できないと、それぞれの施策で実際に何が効いたのかが正しく分からず、マーケティング全体の評価が正しく行えません。

そのため、SalesforceとAccount Engagementを両方とも活用中の場合はキャンペーンを接続することをおすすめします。

SalesforceとAccount Engagementのキャンペーンを正しく活用するためのおすすめの設計

以下のような形でキャンペーンを運用することで、計測や管理がしやすくなります。

  • 1. 接続済みキャンペーンを有効化
  • 2. 既存のAEキャンペーンとSFキャンペーンを1:1で接続
  • 3. キャンペーン管理をSalesforceに一本化
  • 4. キャンペーン作成をSalesforceから実施
  • 5. 初回接点を生むAEアセット(フォーム、ランディングページなど)に該当キャンペーンを紐付け
  • 6. 各施策のキャンペーンメンバーに追加
  • 7. キャンペーンのメンバーステータスを活用して進捗などを管理

SalesforceとAccount Engagementを両方活用している場合は、煩雑化を防ぐためにSalesforceとAccount Engagementを接続し、キャンペーン管理をSalesforceに一元化することをおすすめします。

先に片方を導入した場合は、もう片方を導入するタイミングで接続済みキャンペーンの有効化とキャンペーンの1:1での接続をした上で[Salesforceを使用してすべてのキャンペーンを管理]を有効化をすればOKです。

接続済みキャンペーンの有効化

  • [Account Engagement設定] > [コネクタ] > Salesforceの右端の歯車から[設定を編集]
  • [キャンペーン]タブへ移動
  • [接続済みキャンペーンおよび Engagement History を有効化]にチェック

上記の手順で、接続済みキャンペーンを有効化でき、SalesforceとAccount Engagementのキャンペーンの接続が可能になります。新規環境では既に有効な場合があるので、画面上で確認してください。

参考:「Account Engagement キャンペーンと Salesforce キャンペーンを接続」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.campaigns_pardot_alignment_parent.htm&type=5

参考:「接続されているキャンペーンの有効化」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.campaigns_pardot_alignment_enable.htm&type=5

既存のAEキャンペーンとSFキャンペーンを1:1で接続

  • Salesforce側に対になるキャンペーン(名前・階層・タイプ・有効化)を作成
  • キャンペーンの接続
    • 個別:AE側で対象のAEキャンペーン詳細を開き、「Salesforce キャンペーンに接続」を実行
    • 一括:対応付けワークブックをダウンロードして対応付けの整理→ファイルアップロード
  • 未接続が多い場合は、[接続されていないキャンペーン] ビューで確認して漏れがないように注意

SalesforceとAccount Engagementのキャンペーンを1:1で接続します。対になるキャンペーンを作成した上で、個別または一括(*対応数に応じて)でキャンペーン接続操作を行います。

参考:「キャンペーンを接続する場合の考慮事項」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.campaigns_pardot_alignment_considerations.htm&type=5

参考:「[接続されているキャンペーン] への移行」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.campaigns_pardot_alignment_migrate.htm&type=5

参考:「Account Engagement と Salesforce 間の個々のキャンペーンの接続」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.campaigns_map_pardot_to_sfdc.htm&type=5

キャンペーン管理をSalesforceに一本化

  • [Account Engagement設定] > [コネクタ] > Salesforceの右端の歯車から[設定を編集]
  • [キャンペーン]タブへ移動
  • [Salesforce を使用してすべてのキャンペーンを管理]を有効化(チェック)

接続済みキャンペーンの有効化と同じ画面から、[Salesforce を使用してすべてのキャンペーンを管理]を有効化ができます。ここにチェックを入れるとキャンペーンの新規作成がSalesforce側に一本化され、Account Engagement側では読み取り専用になります。管理の煩雑化を防ぐためにも、一本化することをおすすめします。

ただし、接続前にここにチェックをしてしまうとキャンペーンの接続ができなくなってしまうので、その場合は一旦チェックを外して接続をしてから再度有効化します。

キャンペーン作成はSalesforceから行う

  • 階層や命名規則は事前に定義しておく
  • Salesforceで作成→接続されていればAccount Engagementにも反映される

「3. キャンペーン管理をSalesforceに一本化」までが完了したら、キャンペーンの管理はすべてSalesforce側から行うことになります。スタンドアロンのAccount Engagementアプリケーション側では作成できなくなり、Account Engagement Lightningアプリケーションでのみ作成が可能になります。

キャンペーンの階層や命名規則については、企業ごとに取り組んでいる施策などに応じて決めていきます。

例(1) サービス・商材別で分ける

親(製品・サービス)子(チャネル)孫(個別の施策)
サービスAメール・YYYYMMDD_〇〇キャンペーンメール  など
イベント・無料相談会
・展示会  など
サービスBメール・YYYYMMDD_〇〇キャンペーンメール  など
イベント・無料相談会
・展示会  など

例(2) 施策別で分ける

広告Google広告・検索_一般KW
・検索_指名KW
・ディスプレイ  ほか
Yahoo!広告
Meta広告
SEOGoogle
Yahoo!
Bing

初回接点を生むAEアセットを該当キャンペーンへ紐付け

  • 初回接点を生むAEアセットをそれぞれ施策に該当するキャンペーンへ紐付ける
    • フォーム
    • ランディングページ
    • リストメール  など
  • キャンペーンは選択必須なので、作成前にキャンペーンを作っておくこと

Account Engagement上で、フォームやランディングページ、リストメール、ファイルなどのコンテンツをそれぞれ該当するキャンペーンに紐付けます。

Salesforceキャンペーンへメンバーとして追加

  • フォーム送信や特定条件で「Salesforce キャンペーンに追加」を設定
  • Engagement Studioやオートメーションルールも見直してセカンドタッチ以降の露出を漏れなくSFキャンペーンに追加させる

各キャンペーンには、キャンペーンメンバーを追加していきます。Account Engagementではフォーム送信の完了アクションやページアクション、ファイルダウンロードの完了アクション、Engagement Studioやオートメーションルール、Salesforce上ではフローなどを使って、それぞれキャンペーンの条件に合致するユーザーを追加できるように設定していきます。

追加方法の例

キャンペーン種別設定方法
フォーム(フォームハンドラー)送信フォームの完了アクション
ランディングページからのフォーム送信オートメーションルール
ページ閲覧ページアクション
ファイルダウンロードファイルの完了アクション
その他(複雑な条件等)・Engagement Studio
・フロー  など

広報のN村

キャンペーンメンバーの追加には様々な方法があるので、状況によって最適なものを選びましょう!

キャンペーンメンバーのステータスで進捗を管理

  • キャンペーンメンバーはそれぞれステータスを設定できる
    • 各キャンペーンページ > [関連]タブ > [キャンペーンメンバーの状況]からステータスの種類を追加・編集可能
  • キャンペーンごとにステータスを設定して、更新ルールなどを営業と協議しておく

キャンペーンメンバーがキャンペーン内でどのような状況なのかというステータスを管理する機能がキャンペーンメンバーの状況です。

予め、各キャンペーンにどのようなステータスがあるかを定義し、どんなときにそのステータスに変更すべきかをマーケチームと営業チームで協議しておくと良いでしょう。手動での変更も可能ですし、完了アクション等の機能でも変更可能です。

キャンペーンキャンペーンメンバーの状況
セミナー系・申し込み
・来場
・キャンセル  など
リストメール系・未読
・開封
・クリック  など

 

 

以上のような形で、キャンペーンやキャンペーンメンバーを管理できます。詳細の設定は企業や商材・サービス等によって最適なものが違ってくるかと思うので、何が最適なのかを社内の関連部署や導入支援企業などとしっかり議論して実装しましょう!

まとめ:奥が深いキャンペーン機能

簡単なようで意外と難しいSalesforceとAccount Engagementのキャンペーン機能。しっかり考えて社内に最適な形で実装できれば、マーケティング・営業の強化も期待できる強力なツールです。

本記事がキャンペーンの力を最大限発揮する一助となれば幸いです。

ASUEではSalesforce/Account Engagementを社内でも活用しており、導入・運用支援も行っております。導入したもののうまく活用できていない方はぜひお気軽にご相談いただけますと幸いです!

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