こんにちは! ASUE株式会社のN村です。
ChatGPTの登場で生成AIが大きく注目を浴び、一般人にも気軽に利用できるようになって早幾月。今やGoogle検索などさまざまな場面で生成AIが登場しています。
生成AIにはテキストを出力するものだけでなく、プロンプトを入力すると、それに合わせた画像を生成していくれる画像生成AIというものがあります。こちらはAIが学習する絵や写真の著作権などが問題となり、なかなか扱いが難しいツールですが、理想の画像が素材サイトから見つけられないときなどに上手く使うことができれば便利だなと思いませんか?
そこで朗報です!
実は、AdobeからAdobe FireflyというAdobe IllustratorやAdobe Photoshopでも利用できる商用利用も可能な画像生成AI機能が登場しました。
- ぴったりな構図の写真はモデルの年齢が若すぎる……
- 同じテイストの別のイラストやアイコンが欲しいけどないみたい……
- ぴったりなパターン(柄)がない
- 色をいい感じに変えたい
など、もう少しこうだったらいいのに!を叶えることができるのではないか? ということで、今回はどんな感じか実際に試してみます!
目次
Photoshopの生成AI機能
- 概要
- 生成AIを使って背景を変更したり、要らないものを消したりすることが可能
- 編集は新規レイヤー上なので元データを壊さず編集可能
- やり方
- 編集したい画像をPhotoshopで開く
- 変更したい部分を選択
- 生成塗りつぶしをクリック
- プロンプトを入力
- 生成されたものから選択 or プロンプトを修正して再生成
Photoshopで生成AIを利用すると、背景に写り込んでしまったいらないものを簡単に削除したり幅や高さが足りない背景を追加することなどがこれまで以上に簡単に可能になります。
どのように変更したいかをプロンプトに入力すれば、その指示に沿った画像生成を行い、3つの候補を出力します。それらは新規レイヤーとして出力されるので、元の画像データに直接編集が加えられることはありません。
何かしら画像生成AIを試したことがあると、そうは言ってもできが微妙なのでは……?と思われるかもしれません。
ということで、実際にわたしが試してみました!
Photoshopの画像生成AIの実践
こちらは素材販売サイトにて、素材として購入した写真です。余談ですが、こちらのバナー制作千本ノック第二回で使用した画像になります。
着物で京都観光か紅葉狩りか、そんな感じの写真ですが、今回はこちらの女性の服を洋服にしたい!と考えることにします。
生成AIを使用して、ワンピースに変更した写真がこちら。(最初は着物の色変更をやろうと思ったのですが、生成AIは着物への理解度が浅そうでした。)
大まかな手順としては、まず着物部分を選択してワンピースを出力。その後、細々とした違和感のある部分を選択→修正と髪飾り部分を選択→削除を行いました。
生成AIで作られた画像は大体手のあたりが雑になる印象で(この前Twitterでフォローしてきたスパムアカウントが載せていた写真も手が寄生獣みたいになっていた)、実際に最初に出力した手はこんな感じ(画像左)。
怖すぎて泣くかと思った。不気味の谷現象感があります。手にミギーとか飼ってる? 怖すぎたので、この手の部分を選択してプロンプトに「手」と入れたら、右の画像の仕上がりになりました。最初からこうしてほしい。
こんな感じで、目立って気になる箇所を細々と修正していけば、ぱっと見は問題ない画像に仕上がります。
服装と髪飾りが合わない気がしたので、これも選択→削除でとりました。
ちなみに、新規ファイルでゼロから生成AIを使って王冠を被った可愛い小鳥を出力しようとした結果がこちら。
ネズミやん。(ちなみに、他の候補は気持ち悪いカワウソのようなものと、正体不明の謎のクリーチャーが生成されていました。どちらも夢に出そう気持ち悪い感じだったのでこれしか表に出せなかった……)もうちょっとロイヤル感溢れるキュートで誇り高い小鳥さんが出力される予定だったので普通にネズミっぽいのが普通にガラクタっぽい王冠を被っていて残念です。かわいくなくはない。
こんな感じで、ゼロイチで画像を作成しようと思うとプロンプトをある程度練る必要もあると思うので、それよりも既存の画像の編集等に使うのが良さそうですね。コツは一気にまるっと変えるんじゃなくて、細々と調整することな気がします。
最初人をまるっと変えようとしたら泣くほど怖い人間のようなものが出力されたのでナイナイしました。夢に出る。
Illustratorの画像生成AI
- 概要
- テキストからベクター作成(ベータ版)
- プロンプトに合わせてベクターを作成可能
- アクティブなアートボードにスタイルを合わせたり、オブジェクトを選択してスタイルの見本にできる
- 被写体、シーン、アイコン、パターンという用途に合わせた出力が可能
- 生成再配色
- プロンプトに合わせてベクターの色を再配色できる
- テキストからベクター作成(ベータ版)
- やり方
- 作成したい画像の作風の参考にしたい画像をアートボードに配置
- プロパティパネル内のテキストからベクター生成で種類を選択
- プロンプト入力欄の左下にあるスタイルピッカーをクリック
- マウスカーソルがスポイトになったら、参考画像をクリック
- 生成するオブジェクトを配置したい位置に長方形を描画
- 長方形を選択した状態で、プロンプトに入力
- 生成をクリック
Illustratorでは、ただの画像生成ではなくベクター画像を生成することができます。これまでの画像生成AIでは、普通のjpgやpngなどの画像形式で出力されていたため、商用利用が可能だった場合も加工の際に不便だったり使えなかったりすることがあったと思います。ですが、Illustratorでの画像生成はベクター形式のため、自在にサイズなども変更可能になっています。
さらに、単純な猫や犬、鳥、城などのイラスト(これも被写体・シーン・アイコンから種類を選択可能)だけでなく、パターンの生成も可能になります。
これは画期的……
Illustratorの画像生成AIの実践
素材サイトにて購入した可愛らしい犬の画像をもとに、猫の画像を作ってみました。可愛いですがちょっと目が怖いのと、同じテイストとは現状言い難いかも……?
ただ、Illustratorのチュートリアルでは風景のイラストに合わせた色合いの動物のイラストを生成できたので、背景など込みの画像内だともうちょっといい感じになるかもしれません。(とはいえ同じシリーズの別の犬も合わせて選択して出力した際は仕上がりに大差はありませんでした。)
今度はベクター画像に対して柄を追加してみました。これは特にすでにある画像に合わせて出力してくれるわけではなさそうですが、花柄や水玉模様が簡単に出力できました。(使用するカラーの指定ができそうだったので試してみたけどそちらは上手くいかず……!)
また、アイコン作成を使って作るとこんな感じ。こちらは特に元のデザインを作らずに最初にパソコンのアイコンを作成し、それを元に(スタイルピッカーで選択して)他のアイコンを作成してみました。プロンプトはすべて「モノの名前 フラット」で入力しています。りんごは某パソコンやスマートフォンなどを販売している世界的ブランドを彷彿とさせる結果になってしまいました。
PCと同じように背景と影付きで出力してくれたり、してくれなかったり……という結果でした。
あと、ヘアアイロンのコードが変で気になっている。でもフラットなアイコンで求めているものがない……という場合にはかなり使えそうな予感がします!
- 再配色のやり方
- 色を変更したいものを選択
- 再配色をクリック
- 再配色のウィンドウの左下から[生成再配色]を選択
- プロンプトを入力 or サンプルプロンプトからイメージに合うものを選択
最後に再配色です。これはいい感じにいきました! ……と、いいたいところなんですが、選んだサンプルプロンプトによってはゾンビのような顔色になってしまいました。これはいい感じの仕上がりのやつを選んでいます。
個人的に、便利な自動配色機能に求めるのは人間の肌部分をいい感じにそのままにして服だけ変えてほしい……!というところなので今後期待したいです。
複雑なデータで一気に色を変えたいときに人の肌の色が変わるのだけ上手く避ける方法ってないんですか?
肌部分の選択を外すしかない?
実践!生成AIで代表・安江の顔を修正しよう
さて、このAdobeによる画像生成AIツールが登場したあたりで弊社代表の安江よりこのような言葉が。「おれの顔を○谷翔平にできないかな。」と。
画像生成AIは固有名詞には基本弱いですし、上手く生成できたとてその画像をブログに載せてもいいのか……?と悩むことになりそうだったので、とりあえず"より"イケメンっぽくできるのか?という検討を行いました。
この写真をもとに、"より"イケメンの雰囲気を出せないか探ってみましょう。
最初のPhotoshopで試した感じから、顔を一気に選択してしまうと失敗することが目に見えていたので、今回は「眉」「目」「鼻」「口」をそれぞれ選択→生成を行いました。「綺麗な鼻」や「綺麗な口 男性(※口の場合は男性と入れないと赤リップが搭載されるので)」などから生成されたのがこちらです。
結局は、ありのままの自分が一番いいってこと。
お後がよろしいようで。
鼻と口、眉はある程度いい感じにマッチしたものが生成されたのですが、目だけは生成しようとすると彫りの深い海外風の雰囲気になってしまい、かと言って日本等のキーワードを入れるとそちらもイマイチな結果になってしまいました。人の顔をAIで修正するにはまだまだ課題は多そうですね。
まとめ
Adobeに登場した生成AI機能。ちょっとした画像の編集であればかなり簡単にできそうです。
例えば、社内で実際に使っていた例としては40代くらいの写真がいいのに20代くらいの写真しかちょうどいい構図のものがない!ということで生成AIで編集して自然な写真にしていました。
これまでもその気になれば多少の編集・合成等は簡単に行えましたが、手早くできれば効率化にもつながりそうですね。
Adobeソフトをご利用中の方はぜひ使ってみてください!
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この記事を書いた人
2016年入社。ASUE株式会社広報を担当。メールマガジン「ほぼ週刊ASUE通信」もお送りしています。ほぼ週刊なので週刊ではない。月初に公開するWebマーケティング情報をまとめたツキイチシリーズはちゃんと月刊です。
趣味はミュージカル観劇。おすすめ作品を知りたい方はN村のTwitterまでお問い合わせください。
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