こんな広告は嫌だ! Google広告リンク先ポリシーでもNGな「ユーザーに嫌われる広告」とは?
2023年03月14日
2024年07月10日
ゆったりとした気持ちでスクロールしていただければ幸いです。
こんにちは、ASUE株式会社広報のN村です。
さて、皆さんはWeb広告が好きですか? この記事を読んでいるのはおそらく少なからず仕事等でWeb広告に関わることがある方だろうと思うので、「嫌い!」なんて言いにくいかもしれません。
が、日々生きていて、あ〜この広告の出方イラっとする!間違えて押した!ハッ!というような苛立ちを感じたことは誰でも少なからずあるかと思います。見る側だったら気にするけど、意外と出す側としては「しょうがないよな……」と思ってしまっているところもあるのではないでしょうか。
GoogleやFacebookなども加入するアメリカの団体「Coalition for Better Ads」では、「Better Ads Standards」というユーザーに嫌われるような広告体験の基準を定めています。
また、Google 広告ではこの基準に準拠していない広告をChrome上でブロックされたり、最近リンク先のページに関するポリシーが変更されて広告のリンク先がこれに準拠していない場合広告が不承認となる場合もある基準になっています。
これ自体は2018年発表・2019年に世界で適用されたもので少し古いのですが、Google 広告のリンク先ポリシー変更もあり、改めてWeb広告に関わる身としては知っておいた方がいいと思ったことと、Google ディスプレイ広告がページ遷移時に全画面表示されるのをちょっと鬱陶しいな……と見ていたので、「どの口が!?」と思ったことから、ちゃんと内容を咀嚼して紹介しておこうと思った次第です。
では、若干怒られそうな導入となりましたが、具体的にどんな広告がユーザーに嫌われてしまうのか!? Better Ads Standardsを元に詳しくご紹介していこうと思います。
目次
Better Ads Standardsとは?
前述の通り、Coalition for Better Adsという団体が定めているよくない広告体験の基準です。これに当てはまるような広告体験は、ユーザーが広告ブロッカーのインストールしてしまう可能性が最も高いそうです。
- デスクトップ上で表示されるWeb広告体験
- ページのメインコンテンツを覆い隠してしまうようなポップアップ広告
- ユーザーの操作なしでいきなり流れる音声付きの自動再生動画広告
- コンテンツ読み込み前に表示されるカウントダウン付きのプレスティシャル広告
- 固定で表示され、画面の30%以上を占有する大型スティッキー広告
- モバイル上で表示されるWeb広告体験
- ページのメインコンテンツを覆い隠してしまうようなポップアップ広告
- コンテンツ読み込み前に表示されるプレスティシャル広告
- 画面の縦方向の高さうち30%以上を占める広告
- 色や背景、テキストが急速に変化したり点滅するようなアニメーション広告
- ユーザーの操作なしでいきなり流れる音声付きの自動再生動画広告
- カウントダウン付きのポスティシャル広告(リンクをクリックorタップ後ページ遷移する際に表示される広告)
- 全画面のスクロールオーバー広告
- 固定で表示され、画面の30%以上を占有する大型スティッキー広告
- 動画に関する広告体験
- スキップできない31秒以上のプレロール広告
- 動画コンテンツの途中で中断して再生されるミッドロール広告
- 動画プレイヤーの20%以上に重ねて表示されたり中央3分の1に表示される広告
- モバイルアプリの広告体験
- ゲームプレイ中等、利用を中断するようなタイミングで表示される割り込みインタースティシャル広告
- ゲームプレイ中等、利用を中断するようなタイミングで表示される割り込み動画インタースティシャル広告
- ゲームプレイ中等、利用を中断するようなスキップ不可の動画インタースティシャル広告
- アプリを開いたタイミングで流れる動画インタースティシャル広告
ざっと読んでみると、それぞれ一度くらいは遭遇したことがあるのではないでしょうか? こんなよくある広告の表示仕様でも、Google 広告だとリンク先のポリシー違反になってしまうようです。
今回はこの中から、デスクトップブラウザ上とモバイル上での嫌な広告体験をそれっぽい見本で詳しくご紹介します。
参考:「Coalition for Better Ads — The Better Ads Standards」
https://www.betterads.org/standards/
参考:「Google 広告 ポリシー ヘルプ — リンク先の要件」
https://support.google.com/adspolicy/answer/6368661?hl=ja
実際に体験してみよう
ここからは簡単に紹介したBetter Ads Standardsの基準に含まれているような嫌な広告体験を実際に体験してみよう!という体験コーナーです。
何も考えずにスクロールしていくと不快感を感じられる仕様になっているので、要注意です。読み返すときに何度も出るとさらにイライラすると思うので、ポップアップ系は1回の読み込みで1回しか表示されないようになっています。
ということで、スクロールしたらヤツが出ます。
ポップアップ広告
\今からポップアップが表示されます! ×で閉じてね!/
- メインコンテンツをポップアップしてブロックするインタースティシャル広告の一種
- ページコンテンツの読み込み開始後に表示され、画面の一部または全体を占有する
- PCのWeb上でもモバイルのWeb上でもユーザーに嫌がられやすい
- テスト済みの広告体験
- カウントダウン付きのポップアップ広告
- カウントダウンなしのポップアップ広告
ポップアップ広告は、デスクトップ上・スマートフォン上ともに嫌がられる広告です。
インタースティシャル広告の一種で、急に画面上を占有しコンテンツの閲覧の邪魔にもなってしまう広告のため、ユーザーが思っていたようなコントロール(スクロールなど)が効かなくなることも。
インターネットを利用する人なら誰もが出会したことがあると思いますが、煩わしいことこの上ないですよね……。
テストが実施され、基準に含まれている広告体験は、デスクトップデバイス上でもモバイルデバイス上でもカウントダウン付きのポップアップ広告・カウントダウンなしのポップアップ広告となっています。
よく記事などを読み進めていくと画面上に大きく資料請求等のポップアップが表示されるサイトなどがありますが、Google 広告のWeb広告のリンク先のページでそのような仕様を採用するとポリシー違反となってしまう可能性があるため要注意です。
ありがちな仕様なのでついやってしまいがちかもしれませんが、実装前には広告運用担当者と状況を確認すると良いかもしれません。
さて、続いての嫌な広告体験にいってみましょう!
音声付きの自動再生動画広告
\今から音声が流れます! ×で閉じてね!/
- ユーザーの操作なしで音声が再生される動画広告
- いきなり再生された音声を止めるためにユーザーが操作をしなければならないため、混乱を招くためユーザーに嫌がられる
- 該当するもの
- デスクトップ環境下
- モバイル環境下
- サウンド再生のためにクリックが必要な場合は、Better Ads Standardsの基準には該当しない
- ページ内の動画コンテンツの前や途中に再生するプレロール広告やミッドロール広告についてはテストしていない
流れた動画は弊社の採用向け動画です。これをポップアップさせて音声流したことでイメージが悪くなるって誰かから怒られるかもしれない。
こんなふうに、ユーザーが意図しない状態で音声が勝手に再生される広告はユーザーに嫌われます。デスクトップブラウザ上でもモバイルデバイス上でも。電車でイヤホン繋がずにスマホ見てたら突然動画が大音量で再生されちゃったら地獄ですよね。やったことある。会社で仕事しながらPCで音楽再生したらミュージカルの台詞大音量でオフィスに流したこともある。意図しない音声を公共の場に放出してしまった時の罪悪感。
デスクトップ上・モバイル上でテストされたのは音声付きのインラインビデオの自動再生で、ページの内容に関する動画コンテンツの前や途中に再生されるプレロール・ミッドロールの動画広告については今回は含まれていないようです。今回はポップアップにしていますが、コンテンツ途中などに登場して音声ありで自動再生される動画広告もよくないので要注意です。
うっかり電車の中やオフィスで音を出した人がいたらすみませんでした。
それでは、続いての嫌な広告を体験してみましょう。
カウントダウン付きの広告
\今からカウントダウン付きポップアップが表示されます/
このポップアップはあと秒で閉じることができます
- カウントダウンが終了して広告が閉じられるようになるまで待つか、ページ自体を閉じなくてはいけない広告
- デスクトップ環境下
- プレスティシャル広告(コンテンツ表示前に表示される広告)が該当
- カウントダウンが付いていても、すぐ閉じることができるものは該当しない
- モバイル環境下
- リンククリック後に表示されるポスティシャル広告が該当
- カウントダウンが付いていても、すぐ閉じることができるものは該当しない
ポップアップでカウントダウンが終わらないと閉じることができない広告もユーザーに嫌がられます。大体この手の広告は15秒程度だと思いますが、カップラーメンの出来上がりを待つ3分より長く感じる。
含まれるのは、デスクトップデバイス・モバイルデバイスともにカウントダウンが終了するまでコンテンツの閲覧を中断するようなもので、すぐ閉じることができるものは該当しません。
広告のあと○秒です!ほど長く感じる時間はない。
それでは、続いての嫌な広告体験です!
大きなスティッキー広告
- ページの下部に固定表示される大型のスティッキー広告
- 30%以上を占有するものはビューを妨害するため、ユーザーに嫌がられる原因に
- 該当条件
- デスクトップ環境下
- モバイル環境下
下部に出ていますね。今回は特に閉じなくてもスクロールできるようにしていますが、邪魔だったら閉じてください。
こんなふうにユーザーがページを閲覧する際に画面の高さの30%以上を占有するような広告はデスクトップ・モバイルともに嫌がられます。コンテンツがまともに見られる範囲がかなり狭まってしまうので邪魔ですよね。
CTAなどをこんな仕様にすることもありますが(それが効果が出ることもありますが)、広告じゃなくても邪魔は邪魔なので要注意です。
それでは、続いての嫌な広告体験をどうぞ!
メインコンテンツの高さ30%以上を占める広告
- モバイルのみ該当する基準で、メインコンテンツの高さの30%以上を広告が占める状態
- 広告の高さの合計/メインコンテンツの高さが30%以上かどうかで計算
- 広告体験の定義
- ビューポートではなくメインコンテンツ部分で測定
- ヘッダー・フッター・関連記事等のサイトナビゲーションは含まない
- メインコンテンツ以外の広告は計算に含まない
- スティッキー広告やインライン広告など全てのフォーマットが含まれる
- ページ内の動画コンテンツに対するプレロール・ミッドロール広告は含まない
- テストに含まれる広告
- 1カラムで50%の広告密度
- 1カラムで35%の広告密度
- 1カラムで30%の広告密度
この広告はモバイル環境下で対象となっている広告です。パソコンで閲覧中の方はスマートフォンでご覧いただけると幸いです。
さて、ページ内のメインコンテンツの高さに対して、メインコンテンツ内に含まれる広告が30%以上の高さを示していた場合、ユーザーが邪魔だと感じるようです。
よくメディア系のサイトをスマートフォンで見ていると、スクロール中にうっかりタップして遷移してしまう……なんてこともあるあるですよね。
今パソコンで見ている方はよかったらスマートフォンでも閲覧してみてくださいね。大事なことなので2回目です。
いかかでしょうか?
……かなり鬱陶しいですね。ちなみに今回はメインコンテンツ(記事本文)だとさすがに大きすぎたため、ダミー広告の高さの合計が「メインコンテンツの高さ30%以上を占める広告」の見出しから次の見出しまでの高さの50%くらいになるよう設定しました。
とりあえず、ASUE通信(本ブログ)へのリンクを載せておきましたが、この鬱陶しさで読むのやめないでください!!!!
続いては、かなり不快な感じに仕上がっています。
激しいフラッシュの広告
ダミー広告風にはなっていませんが、とりあえず鬱陶しそうなフラッシュを作りました。
が、普通に目に悪そうなので掲載はやめましょうと上司に怒られました。てへ。
- モバイル環境下で該当(含まれてはいなかったけどデスクトップでもかなり鬱陶しいと思う)
- 背景やテキスト、色が急速に変化したり点滅するようなアニメーション広告は、ユーザーに不快を与える
- コンテンツを読みたいユーザーの注意をコンテンツからそらしてしまう
- フラッシュしないアニメーションは該当しない
動画広告やちょっとした動きのあるアニメーション広告が流行っている昨今ですが、いくら目立たせたいからと言ってユーザーが不快になるような動きはよくないですね。ブログ執筆しながら画面上に出ているので気が狂います。
もちろん、激しい動きや色のコントラストのない普通のアニメーション広告であれば問題ないですが、目立つからといって作成の際に安易に動きや色のコントラストが激しいアニメーションにしないようにしましょう!
プレスティシャル広告
プレスティシャル広告というのは、コンテンツ読み込み前に表示される広告のことです。今回は擬似的にプレスティシャルっぽくなるようにしてありますので、まずはボタンをクリックしてみてください。
- モバイル環境下でのプレスティシャル広告
- プレスティシャル広告とは、コンテンツ読み込み前に表示される広告のこと
- ユーザーのコンテンツ閲覧を妨げてしまうため、嫌われる
- メインコンテンツにアクセスできないような単独ページ風に表示されることも
- 含まれるテスト済みの広告
- カウントダウン付きのプレスティシャル広告
- カウントダウンのないプレスティシャル広告
ページ遷移の際などに、コンテンツ読み込み前に表示されてコンテンツの閲覧を妨げるような経験ありますよね。デスクトップ上でも十分イラッとすると思うんですが、基準上はモバイル環境下のみが記載されていました。
Google 広告のディスプレイ広告の全画面表示もこういう仕様ですね。
スクロールオーバー広告
今から出てきます。
- モバイル環境下で、フルスクリーンのスクロールオーバー広告
- ページのメインコンテンツの上に表示され、コンテンツの閲覧がしにくくなる
スクロールとともに上に被るような形で現れる広告は、モバイル環境下でNGとのこと。デスクトップでも邪魔ですね。
このような広告はコンテンツ閲覧を妨げるだけでなく、スクロール中にユーザーが混乱する原因になるそうです。
スクロールオーバー広告
こんなふうににゅいーーーーんとコンテンツに被る形でスクロール中に出てくるので、ページ上のどこにいるかがよくわからなくなりませんか?
鬱陶しいですよね。Better Ads Standardsではモバイル環境下のみ対象となっていますが、デスクトップで見ていても普通に邪魔ですね。
消えてほしいと思われるかもしれませんが、もうちょっとスクロールしたら消えるので少々お待ちくださいませ。
まとめ
広告やマーケティングは企業にとってはうまく使えば新しい顧客を呼び込んだり既存の顧客のリピートを誘うことができたりと役立つツールです。そして、顧客となる一般ユーザーにとってもいい広告はいい商品と出会うきっかけにもなると思います。ですが、今回ご紹介したBetter Ads Standardsに限らず、ユーザーが不快感を感じて商品やサービスにマイナスな印象を抱くような広告体験は世の中に多くあります。
今回紹介したような仕様以外にも、広告を出す側はユーザーのことを考えて、広告を作っていきたいですね。
ちなみにわたしは動画で流れる美容系の早口不愉快漫画の広告が嫌いです!
すぐ悪口を言う……
ASUE通信では、Web広告・SNSなどWebマーケティングに関する情報発信を行っています。気になる方は下のフォームからメールマガジンのご登録をいただければ幸いです!
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この記事を書いた人
2016年入社。ASUE株式会社広報を担当。メールマガジン「ほぼ週刊ASUE通信」もお送りしています。ほぼ週刊なので週刊ではない。月初に公開するWebマーケティング情報をまとめたツキイチシリーズはちゃんと月刊です。
趣味はミュージカル観劇。おすすめ作品を知りたい方はN村のTwitterまでお問い合わせください。
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