こんにちは!ASUE株式会社 Webコンサルティング課のコバヤシです!
検索広告において、自動入札や検索語句の除外・ランディングページの改善など配信開始後の調整が重要な一方で、初期に設定したキーワードの方針そのものがボトルネックとなっている場合もあります。
今回、一般キーワードの初期方針として商材を示すキーワードに、対象となるユーザーをベースとしたキーワードを掛け合わせて配信を行なっていましたが、ユーザーのやりたい行動をベースにしたキーワードへ抜本的に切り替えたところ、短期間で成果が改善したので、その事例をご紹介します。
目次
案件概要
今回の商材は、法人向けのIoTセンサーです。
- 商材
- 法人向けのIoTセンサー
- 工場や工事現場などでの作業者の安全管理システム
- 介護施設などでの利用者の見守りセンサー など
- 法人向けに商材を展開している
- 法人向けのIoTセンサー
- 目標
- CPA 2〜3万円
- ターゲット
- メインターゲットは複数拠点(工場・工事現場・介護施設など)への導入可能性がある事業者層
工場や工事現場で作業者の安全管理や介護施設での利用者の見守り用などのセンサーを取り扱っており、特に単価の高い複数拠点を持つような事業者をメインターゲットとしています。
本記事は実例をもとに再構成したケーススタディです。数値はすべて概算、商材は類似の別商材に置き換えています。
初期のアプローチ:ターゲットベースの一般キーワード
配信初期は、ターゲットユーザー(利用シーンなど)を明示するようなキーワードで配信を行いました。
- 工場 安全管理システム
- 介護施設 見守りセンサー など
意図としては、メインターゲットの設置場所や利用シーンを限定することで対象ユーザーにアプローチする狙いでした。
そちらで配信した一般キーワードキャンペーンの結果がこちら。
表示回数 | クリック数 | クリック率 | クリック単価 | コンバージョン数 | コンバージョン率 | 獲得単価 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.3万 | 840 | 6.5% | 260円 | 0 | 0% | - |
が、指名キーワードを含めてもCPAがおおよそ7万円台・一般キーワードではコンバージョン数が0件という結果になりました。
考察:フェーズの低いユーザーと個人ユーザーの流入が多い?
- 検索ボリュームは多いが、導入に向けた情報収集段階のユーザーが多かったためCVに繋がらない
- メインターゲットではない個人ユーザーの流入もあり、CVに繋がりにくい
一般キーワードのキャンペーンでは、クリックは得られているものの、実際の問い合わせにはほとんど繋がらない状況でした。
今回配信した「工場 安全管理システム」や「介護施設 見守りセンサー」などは検索ボリュームはそれなりに多いものの、サービス検討段階の一番最初にいるようなユーザーも検索を行うキーワードです。そのため、問い合わせには至らずに離脱したユーザーもいたのではないかと考えました。
また、見出し・説明文で強く法人向けであることを強調していなかったために、「介護施設 見守りセンサー」の関連キーワードから自宅介護用に見守りセンサーの導入を考える個人のユーザーも流入があり、問い合わせに繋がらなかったのでは?ということも考えました。

キーワードの設定方針と見出し・説明文を変更してみよう!
ということで、思い切って配信していた一般キーワードのキャンペーンを全面停止し、方向転換を決断しました。
改善のための施策:KW方針転換と見出し・説明文の変更
施策(1) キーワードをユーザーのやりたいことベースに変更
転換後は、ターゲットユーザーの"やりたいこと"をキーワードとして採用しました。
たとえば「見守りセンサー 導入」「安全管理システム 見積もり」といった、ユーザーがしたい行動の動詞(「導入」や「見積もり」など)を掛け合わせたキーワードです。
施策(2) 広告の見出しと説明文で「法人向け」を強調
施策(1)と同時に、広告文ではターゲットが法人向けであることを示し、toC寄りの流入を広げることなく、確度の高いリードを取る方針を目指しました。

結果:メインターゲットを中心とした一般キーワードキャンペーンからの獲得を達成
設定変更後の一般キーワードキャンペーンの結果がこちら。
表示回数 | クリック数 | クリック率 | クリック単価 | コンバージョン数 | コンバージョン率 | 獲得単価 |
---|---|---|---|---|---|---|
3,400 | 180 | 5% | 1,000円 | 6 | 3.4% | 3.0万円 |
結果、一般キーワードキャンペーンからCPA3万円でコンバージョン数6件を獲得できました。
これによって、全体のCPAも初期の7万円から2万円台後半まで改善しました。また、見出し・説明文変更の狙い通り、toCユーザーの割合は増えず、toBユーザーを中心とした獲得もできました。
まとめ:キーワード設計ってやっぱり大切……
初期に配信を行なったようなキーワードは、調査・比較・情報収集のような導入を目指すユーザーの第一ステップで検索するキーワードです。フェーズが進んだ後にお問い合わせいただける場合もあるかもしれませんが、まだ確度が低い状態のユーザーの流入が多かったために広告の成果には繋がらなかったと考えられます。
「導入」「見積もり」などのキーワードを入れることで、導入に向けてのフェーズが進んだユーザーにアプローチができたため、結果コンバージョン率がアップし、獲得ができたと考えられます。
キーワードの変更前後で一般キーワードの表示回数は大きく減り、クリック単価も4倍近くまで上がりましたが、確度の高いユーザーにアプローチができたため一般キーワードからの獲得を伸ばすことができました。
最初のキーワードの方が検索ボリュームなどは大きく、インプレッションやクリックには繋がりましたが、まだ確度低めのユーザーの流入がメインのため獲得には繋がらない結果でした。より確度の高いユーザーにアプローチできるようなキーワード設計が必要だと改めて感じました。
配信開始直後に手応えが少ない時は、勇気を持ってキーワードの方針変更を検討してもいいかもしれません。

初期配信したキーワードで獲得できるパターンもあるので、キーワード選定は奥が深いですね。
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この記事を書いた人

コバヤシ
2022年新卒入社で、現在Webコンサルティング課所属。
小学生の頃に親がホットケーキにハマって週5でホットケーキを食べ続けたのが少しトラウマ。