こんにちは、ASUE株式会社のアイバです。
Google広告の運用において、「除外キーワード」の設定は成果を左右する非常に重要な要素のひとつです。
意図しない検索語句で広告が表示され、無駄なクリックが発生してしまうと、費用対効果が大きく低下するだけでなく、ブランドイメージにも悪影響を与えかねません。
とはいえ、どういった場面でどの除外方法を使うべきかについては、運用者によって判断が分かれることも多く、チームや案件ごとに方針がバラついてしまうケースもあります。
除外設定をルール化せずに場当たり的に対応していると、以下のような問題が起こりやすくなります。
除外設定をルール化しない場合のリスク
- 案件の引き継ぎ時にトラブルが起きる
- 除外の重複や漏れにより、広告配信に悪影響が出る
- 管理が煩雑になり、アカウント全体の運用効率が低下する
特に注意したいのが、「配信するために入稿したキーワードが実は既に除外されていた」というパターン。
このような運用ミスは、アカウント設計が複雑なほど起こりやすく、パフォーマンス改善どころか足を引っ張る要因になりかねません。
本記事では、当社が実際の現場で実践している除外キーワードの活用方法とその運用ルールをご紹介します。ご自身の案件やチームの運用ルール設計の際に、参考にしていただければ幸いです。
目次
除外方法ごとの利用シーン
アカウント単位での除外
- 用途
- アカウント全体で絶対に配信すべきでない語句のブロック
- 主な活用シーン
- 紳士協定や競合他社から除外依頼のあったキーワード
- クライアントからNG指定されたキーワード
アカウント単位での除外は、広告配信全体にかかわる「絶対に出してはいけない」語句を制御するために設定します。特定の企業名や、ブランド保護の観点で避けるべきワードなどがこれに該当します。
こうしたキーワードは、クライアントとの取り決めや他社との紳士協定に基づくケースが多く、言った・言わないのトラブルに発展しがちです。
そのため、除外対応の履歴をドキュメント等で残すようにし、透明性を担保することも有効です。
キャンペーン単位での除外(除外リスト使用)
- 特定のキャンペーンに関連する除外語句を、除外リストでまとめて管理する
- 用途
- 特定キャンペーンにおける除外語句を除外リストで管理
- 主な活用シーン
- 成果の悪いキーワードの配信停止
- キャンペーンごとの役割(目的)を明確に分けたいとき
キャンペーン単位での除外では、成果に基づいてキーワードの出し分けを行う場合や、明確なキャンペーン戦略(たとえば指名検索と一般検索の分離)がある場合に活用します。
このときに便利なのが「除外リスト」の活用です。リストを利用することで、複数のキャンペーンに対して一括で適用・管理ができ、除外漏れや過剰除外のリスクも軽減できます。後述しますが、リストを用いないキャンペーン単位での除外は基本的には利用しません。
除外リスト名は役割が一目でわかるように、"雑に命名しない"のがポイント。例えば「除外リスト1」や「一時的除外」などの曖昧な名前にしてしまうと、時間が経つにつれて内容と目的が不明確になります。「指名除外」「一般KW_成果悪」など、役割がひと目でわかる名前にすることを推奨しています。
広告グループ単位での除外
- 用途
- 同一キャンペーン内で広告グループごとに役割を分けたいときのみ使用
- 主な活用シーン
- 「一般KWグループ」と「地域KWグループ」のように明確な棲み分けを行いたい場合←かける?
広告グループ単位での除外は、キャンペーン内に複数の異なる目的をもったグループを作成する場合にのみ使用しています。
たとえば以下のようなケースです:
検索キャンペーン
├─ 一般KWグループ(地域名KWは除外)
└─ 地域KWグループ(地域名KWのみ取得)
このように意図的に役割を分けたい場合には有効ですが、それ以外の目的では煩雑になるため、基本的には使わないようにしています。無計画な除外設定が広告配信のロジックを破壊することもあるので、原則はキャンペーン単位以上での設計を推奨しています。
P-MAXキャンペーンでの除外キーワード
- 用途
- P-MAXで配信したくない語句を除外(※最近対応可能に)
- 主な活用シーン
- 指名ワードをP-MAXで出したくない場合
- 成果の悪い語句が明確な場合
P-MAXキャンペーンでは、以前は除外キーワードの設定ができませんでしたが、最近になって対応可能になりました。特に、ブランド指名ワードをP-MAXで出したくないケースも多いため、この除外機能は実務上非常に有用です。
また、成果の悪い語句が特定できている場合や他キャンペーンとの役割分担が明確な場合には、P-MAXでも除外を積極的に使うべきです。
補足:よりよい除外キーワードの運用のために
除外リストを使わないキャンペーン単位の除外キーワード追加は非推奨

除外リストを使わずにキャンペーンごとにキーワードを除外していく方法もありますが、運用上のメリットが明確に見出せずむしろ煩雑になるリスクがあるので、当社では原則使用していません。

もし有効な使い方があるなら、ぜひ教えてほしい……!
時期に応じた除外の切り替え
季節性の強い商材では、「時期によって成果が変わるキーワード」をリスト化し、オン・オフを手動で切り替えるという運用も効果的です。
- 閑散期:CPAが合わないキーワードをリストで一括除外
- 繁忙期:同リストを外すことで即時に配信再開が可能
この方法は、単なる除外設定ではなく「戦略的なコントロール」として除外キーワードを活用する例です。
おわりに:引き継ぎを見据えた"ルール化"を
除外キーワードは、単に無駄クリックを防ぐための設定ではありません。アカウント全体の設計・成果・運用効率に直結する要素であり、長期的に見てもルール化しておくことが極めて重要です。
属人化を防ぎ、誰が見てもわかる設計にしておくことで、引き継ぎ時のトラブルやミスを大幅に減らすことができます。
案件やクライアントによって若干の調整は必要ですが、まずは共通のベースルールを設けることが、運用全体の質を底上げする第一歩です。

社内での運用など、課題やお悩みがあればぜひASUEにご相談ください!
ASUEの広告運用についてもっと知りたい方はぜひ事例集をダウンロードいただけますと幸いです。
売り上げを増やすためのWeb広告成功事例集
- CVは付くものの成約に繋がらない
- 今の代理店に不満がある
- 専任担当者がおらず知見・時間が無い
- そもそも広告で成果が出ない
上記のようなお悩みを持った方へ
すぐに役立つASUEの広告改善事例を紹介します!
この記事を書いた人

アイバ
Webコンサルティング課/マーケティング課 ユニットリーダー
2021年入社。もともとは上場企業で複数事業のマーケティングを担当した後、よりWeb広告の専門性を高めるためにASUEへ入社。
趣味はNBA鑑賞。