Google広告のオークション分析レポートとは? 正しく理解して競合分析に役立てよう!

2023年09月20日

2024年07月10日

こんにちは! ASUE株式会社Web広告コンサルタントのアイバです。

リスティング広告の広告枠は、原則他社とのオークションによって決定します。そのため、広告のパフォーマンスは他社の出稿状況に大きく左右されます。

パフォーマンスの変動に対して適切な打ち手を選ぶために、競合他社の動きをできるかぎり高い解像度で把握することが必要です。その手段として、Google 広告が提供するのが「オークション分析レポート」です。

このオークション分析レポートには、紛らわしい指標も多いため、使い方と考え方をご紹介します!

オークション分析レポートとは

オークション分析レポートとは、Google 検索広告やGoogle ショッピング広告で同じオークションに参加した競合企業との掲載結果の比較ができるレポートです。

同じオークションに参加した各競合企業の広告がどのくらい表示されたか、最上部への表示割合はどうか、自社の広告と比較してどうか、などを確認することが可能です。

表示内容は以下の通り。

表示URLドメインインプレッションシェア重複率上位掲載率ページ上部表示率ページ最上部表示率優位表示シェア
aaa.com18.0%20.8%54.3%87.1%26.3%10.0%
bbb.jp15.2%20.9%56.9%78.9%30.0%9.9%
ccc.co.jp15.1%18.4%62.5%89.3%33.9%10.0%
自社11.3%--78.7%24.6%-
ddd.com10%未満9.0%42.0%75.5%10.8%10.8%
eee.jp10%未満10.1%44.0%76.1%15.2%10.8%
fff.com10%未満14.3%50.3%87.5%21.7%10.4%
※表中のドメインはダミーです
※各ダミードメインは上からA社、B社、C社、D社、E社、F社とする

各指標の意味について詳しくご紹介します。

表示URLドメイン

自社または他社の広告を出稿しているWebサイトのドメインが表示される欄。

インプレッションシェア

インプレッションシェアとは、実際の表示回数を予想される表示回数の推定値で割った値のことです。
配信できる最大値に対して、ざっくりどの程度で配信しているかを把握することができます。
なおオークションレポート上の他の広告主のインプレッションシェアは、自社と同じオークションに参加した際の数値となります。

入札や品質スコア以外にターゲット設定によっても変わるので、たとえば特定の年齢層やデバイス等で配信を停止した場合その分が下がります。

重複率

重複率とは、自社の広告と競合企業が同時にインプレッションを獲得した割合のことです。配信しているキーワードに対して、どれだけ他社とかぶっていたかを表す指標です。

例えば、上記の表1段目A社の重複率「20.8%」は、自社の広告のインプレッションのうち20.8%でA社の広告が同時に表示されたことを示します。

重複率が高ければ、ユーザーが広告を見たときに自社とその競合他社が選択肢として同時に提示される機会が多いということになるため、自社の広告パフォーマンス(CTR、CPC、CVR)へ影響を与えやすい指標です。

上位掲載率

上位掲載率とは、自社の広告以外にもインプレッションを獲得した競合他社がいたオークション内で、自社の広告よりもその競合他社が上位に掲載された割合を表す指標です。要するに重複したインプレッションのうち、どれだけが自社より上位に表示されたかを示しています。

例えば、上記の表2段目のB社の上位掲載率は「56.9%」なので、自社とB社が同時に獲得した全インプレッションのうち56.9%でB社の広告が自社の広告よりも上位に掲載されていたことになります。

自社よりも他社が上位に掲載された割合を示すものですが、間違えて逆の意味で解釈しがちなので注意しましょう!

優位表示シェア

優位表示シェアとは、オークションで自社の広告が競合他社の広告よりも上位に掲載された割合または自社の広告のみが掲載された割合を示します。

数値が高ければ、競合他社と比較したときに自社の広告が優位に表示されていることがわかります。

ページ上部表示率

ページ上部表示率とは、各表示ドメインごとの広告がそれぞれページ上部のオーガニック検索結果の上に表示された割合を表す指標です。自社と重複しているかどうかにかかわらず、それぞれがページ上部に配信されている割合となります。

ページ最上部表示率

ページ最上部表示率とは、各表示ドメインごとの広告がそれぞれ検索結果ページの最上部(オーガニック検索結果の上部の広告枠の一番上)に表示された割合を示す指標です。こちらも、自社との重複等は関係なくそれぞれがページの最上部に配信されている割合を示しています。

こんなときどうする? オークション分析のケーススタディ

例(1) 重複率は低いがインプレッションシェアや最上部掲載率が高い

状況考えられること
重複率が低い自社とは違うターゲット(キーワードやデバイス、時間帯など)で配信をしている可能性が高い
インプレッションシェアや最上部掲載率が高い採算が合うため強気の配信をしている可能性が高い

キャンペーン単位でオークション分析を行なったとき、ある競合の広告が自社広告との重複率は低いものの継続的にインプレッションシェアや最上部掲載率が高かった場合。

重複率が低いということは、自社の広告と同時にその競合の広告が掲載されていないということです。そのため、その競合は自社が配信を抑えているターゲット(キーワードやデバイス、時間帯等)で広告を配信している可能性があると考えられます。

また、インプレッションシェア・最上部掲載率がともに継続的に高いということは、採算が合うため入札単価を高めに設定しているなど強気の配信をしていることが予想されます。

つまり、この競合は自社が十分に配信できていないターゲットでコンバージョンを多く獲得している可能性があり、その競合が出稿しているターゲットが分かれば自社広告のリーチ拡大の大きなヒントになると考えられます。

例(2) 競合の重複率・上位掲載率が徐々に上がっている

状況考えられること
重複率・上位掲載率が徐々に上がっている自社で広告を出しているキーワードに対して段階的に出稿を強めている

出稿しているキーワードで、競合が入札単価を高めるなど出稿を強めてきた場合、基本的にCPCは高くなります。また、競合の商材の商品力や訴求力が強ければCTR・CVRも悪化することになり、総じてCPAが悪化すると予想できます。

短期的にCPAを抑えることを優先するならば入札を抑えることになりますが、そうすると競合へシェアを明け渡すことにつながります。入札を変えず、多少CPAが上がってしまうことを許容してタイトル・説明文やランディングページを改善・最適化して対抗してシェアを守る方が中長期的にはメリットがある場合もあるため、事業状況に応じて戦略的に判断する必要があります。

まとめ

オークション分析レポートを使うことによって競合他社の動きが分かります。
そのため成果が悪化したときに「他社が強めてきたためです!」と原因説明に使う場面が多いですが、
大切なのは他社の動きから何を読み取り、どう自社の広告運用に活かすかです。

競合他社の動きによって運用方針を変えるかどうかは他社と自社のそれぞれのビジネスモデルや状況を踏まえた上での判断になりますが、オークション分析レポートから読み解ける内容は今後の運用の判断要素の一つとして役立つものなのでしっかり活用していきたいですね!

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