「媒体CPAが悪いから停止」はまだ早い? YDAでサーチターゲティングを止めたらリターゲティングの成果も落ちた事例

2023年06月07日

2024年07月10日

こんにちは! ASUE株式会社Webマーケティング課のアイバです。

Yahoo!ディスプレイ広告(以下YDA)には、リターゲティング(RT)やサーチターゲティング(ST)という配信メニューがあります。リターゲティングはサイト訪問者など過去に接触があったユーザーに対して広告を配信する手法で、サーチターゲティングはYahoo! JAPAN内の検索機能で指定したキーワードで検索をしたユーザーに対して広告を配信する手法です。

YDAでこの2つを中心に運用していた際に、サーチターゲティングの成果が悪かったためにリターゲティングに予算を寄せた結果、リターゲティングの成果まで悪くなってしまった事例があったのでご紹介します。

基本:YDAのリターゲティングの前提

  • iOSの場合
    • Yahoo!広告経由のみがリタゲリストへ蓄積
    • 別広告やSEO等の別チャネルの新規ユーザーはYDAのリタゲリストに蓄積されない
    • Yahoo!広告経由の新規ユーザーがいないとリタゲリストが枯渇する

iOSの場合、Yahoo!広告のリターゲティングリストへの蓄積はYahoo!広告経由で流入した場合のみとなり、別媒体の広告やオーガニックから流入したユーザーはYDAのリタゲリストへ蓄積されません。

そのため、Yahoo!広告経由の新規ユーザーがいないと、リターゲティングリストへユーザーが蓄積されないため、リターゲティングリストが枯渇してしまいます。

アイバ

厳密に言うと少し違うのですが、ざっくりこんな感じです。

事例

状況

YDAの月別成果

クリック数 CV CPA CVR
10月 10,346 18 24,226円 0.17%
11月 9,482 21 21,236円 0.22%
12月 4,633 4 59,016円 0.09%

YDAの詳細分析

ターゲット種別 クリック数 CV CPA CVR ST比率(クリック)
10月 RT 6,427 14 22,676円 0.22% -
ST 3,919 4 29,652円 0.10% 37.88%
11月 RT 6,129 18 18,722円 0.29% -
ST 3,353 3 36,318円 0.09% 35.36%
12月 RT 4,026 4 53,310円 0.10% -
ST 607 0 - 0% 13.10%

YDAでリターゲティングとサーチターゲティングを配信していた案件について、YDA上での3ヶ月の運用結果がこちらです。

11月下旬頃から、新規向け(サーチターゲティング)のCPAが低下したため、サーチターゲティングでの配信を抑制しリターゲティングの配信へ寄せました。10月と11月半ばまでのサーチターゲティングの配信比率は35%前後でしたが、12月は約13%まで減少しています。

仮説と対策

サーチターゲティングの配信が減少したことで新規ユーザーが減少し、リターゲティングの配信対象者が減少したために、フリークエンシー上昇などによりリターゲティングのCVRも低下してしまい、結果YDA全体の規模縮小&成果悪化が起きているのではないか?と考えました。

サーチターゲティングのCPAが多少高くても、サーチターゲティングの配信量を戻すことに。

結果

ターゲット種別 クリック数 CV CPA CVR ST比率(クリック)
10月 RT 6,427 14 22,676円 0.22% -
ST 3,919 4 29,652円 0.10% 37.88%
11月 RT 6,129 18 18,722円 0.29% -
ST 3,353 3 36,318円 0.09% 35.36%
12月 RT 4,026 4 53,310円 0.10% -
ST 607 0 - 0% 13.10%
1月 RT 5,024 10 23,283円 0.20% -
ST 3,716 6 34,377円 0.16% 42.81%

サーチターゲティングでの配信量を増やした結果(比率約43%)、リターゲティングのCPAがサーチターゲティングを減らす以前と同程度まで下がり、YDA全体でのCPAも2.6万円程度まで復調しました。リターゲティングのCVRも上がってきました。

また、Google Analyitcsで見たある期間のサーチターゲティングの1st CVとlast CVは以下の通り。

終点 起点
サーチターゲティング 8 27

1st CVがlast CVの3倍ほどあり、CPAが良くなくてもコンバージョンへのきっかけ作りとして大いに寄与していると考えられます。

まとめ

さまざまな媒体で広告を配信していると、つい媒体CPAだけを見て成果の悪い媒体を止めたり予算を下げたりしていまうことがあると思います。

ですが、その成果のよくない媒体が他の媒体でのコンバージョンの拡大に寄与しているかもしれません。媒体上の数値だけで判断してしまうと機会損失やプロモーション全体の縮小につながってしまう可能性もあります。

そのため商材の検討期間やアトリビューションなどを加味して、止めるときは慎重に判断したいですね。

アイバ

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