どっちの広告ショー!?こんなときどっちがいいかを試してみた【A/Bテスト事例付き】

2023年02月07日

2024年07月10日

こんにちは、ASUE株式会社Webマーケティング課のダリオです。ショッピング広告関連のブログを多く執筆してきましたが、今回はいろんな広告のABテストについて書きたいと思います。

今回は実際の運用の中でやった細々した検証の内容と結果を簡単にご紹介するので、実際の運用でのヒントになればうれしいです!

 

注意

本ブログで紹介するテストの内容は、弊社運用のアカウント内で実際に得られた結果です。すべてのアカウントで同じ結果が得られるわけではありませんのでご注意ください。

Google 検索広告の指名KW、どっち? 手動入札 vs. 目標インプレッションシェア

テスト内容 

  • 業態
    • toB 卸売・オリジナル製品の制作
    • toB/toC 材料加工工場(セミオーダーなど)
    • toC 建築
  • キャンペーンタイプ:検索広告
  • キャンペーン:指名キーワード
  • テスト項目:入札戦略
    • 手動入札
    • 自動入札:目標インプレッションシェア
  • テスト期間:2022年10-11月

3つの案件で、元々手動で入札していた既存パターンAと、目標インプレッションシェア(目標設定:過去実績の+2-5%)を利用したテストパターンBでテストを実施しました。

配信結果

toB 卸売・オリジナル製品の制作

クリック数 平均クリック単価(CPC) コンバージョン数 コンバージョン率(CVR) 平均コンバージョン単価(CPA) インプレッションシェア率 最上部インプレッションシェア率
既存パターンA(手動入札) 277 4.2円 17 6.14% 68円 88.87% 86.62%
テストパターンB(目標Imp share) 250 3.5円 20 8.01% 44円 94.27% 92.15%

toB/toC 材料加工工場

クリック数 平均クリック単価(CPC) コンバージョン数 コンバージョン率(CVR) 平均コンバージョン単価(CPA) インプレッションシェア率 最上部インプレッションシェア率
既存パターンA(手動入札) 407 38.6円 46.8 11.51% 336円 81.17% 79.35%
テストパターンB(目標Imp share) 444 23円 40.3 9.08% 254円 83.7% 79.45%

toC 建築

クリック数 平均クリック単価(CPC) コンバージョン数 コンバージョン率(CVR) 平均コンバージョン単価(CPA) インプレッションシェア率 最上部インプレッションシェア率
既存パターンA(手動入札) 102 50.9円 72 70.59% 72円 92.07% 91.5%
テストパターンB(目標Imp share) 133 30.6円 92.1 69.25% 44円 94.34% 92.99%

すべての事例で、目標インプレッションシェアでの自動入札で配信したテストパターンの方が、総合的に見て良い成果となりました。

それぞれ、目標インプレッションシェア・最上部インプレッションシェアはそれぞれ微増(約0.1%〜約5%)しており、クリック数・コンバージョン数は横ばいで有意差はありません。ですが、平均クリック単価が20〜40%低く抑えられており、全体の広告費を節約できています。

指名キーワードのCPCが高い場合、一度目標インプレッションシェアでテストを実施してみるといいかもしれません。

Google検索広告 目標CPAとCV最大化、どっちがいい?

テスト内容

  • 業態
    • toC リサイクルショップ
    • toC 不用品回収
  • キャンペーンタイプ:検索広告
  • キャンペーン:一般キーワード
  • テスト項目:入札戦略
    • 自動入札:目標CPA
    • 自動入札:コンバージョン数の最大化
  • テスト期間:2022年 6月

配信結果

toC リサイクルショップ

クリック率 平均クリック単価(CPC) コンバージョン数 コンバージョン率(CVR) 平均コンバージョン単価(CPA)
既存パターンA(目標CPA) 14.32% 118円 118 19.22% 616円
テストパターンB(CV最大化) 13.08% 148円 53 17.42% 852円

toC 不用品回収

クリック率 平均クリック単価(CPC) コンバージョン数 コンバージョン率(CVR) 平均コンバージョン単価(CPA)
既存パターンA(目標CPA) 13.12% 10円 980 27.12% 36円
テストパターンB(CV最大化) 12.29% 14円 320 28.26% 49円

いずれも既存の目標CPAの方がCPAを低く抑えられており、優位な結果となりました。

どちらも、CVRやCTRは既存とほぼ変わらない結果ですが、テストパターンはいずれもCPCが高くなってしまったことが敗因です。ある程度テストを回せば落ち着くか……?とも考えましたが、予兆も一切ないためテストを停止しました。

Yahoo!ディスプレイ広告のCTA比較「もっとみる」と「ご購入はこちら」

※画像はイメージです

テスト内容

  • 業態
    • toC スポーツウェアのアパレルEC
  • キャンペーンタイプ:ディスプレイ広告(動的広告、商品フィード)
  • キャンペーン:動的リターゲティング
  • テスト項目:CTAボタンのテキスト
    • パターンA:CTAボタン「もっとみる」
    • パターンB:CTAボタン「ご購入はこちら」
  • テスト期間:2022年6月
  • ABテスト機能を使用せず、2つの広告をそのまま配信

toC向けのスポーツウェアのアパレルECサイトのYahoo!ディスプレイ広告でCTAボタンのテキスト(※選択式)を変更してみました。

配信結果

クリック率

平均クリック単価(CPC) コンバージョン数 コンバージョン率(CVR) 平均コンバージョン単価(CPA)
パターンA「もっとみる」 0.74% 18円 11 1.18% 1,552円
パターンB「ご購入はこちら」 0.68% 21円 31 2.95% 696円

既存パターンのCTA「もっと見る」と「ご購入はこちら」で比較を行いました。「ご購入はこちら」の方がCTRが少し低くCPCも微妙に高いですが、CVRが既存パターンの2倍以上となり、CPAも半分以下まで抑えることができました。

今回のキャンペーンオーディエンスはリマーケティングのみだったため、新規向けであればCTRが高いCTAを選択した方がいいかもしれません。

検索広告のキーワードマッチタイプはどっちがいい?

テスト内容

  • 業態
    • toB/toC オリジナルグッズ制作
  • キャンペーンタイプ:検索広告
  • キャンペーン:一般キーワード
  • 入札戦略:コンバージョン値の最大化
  • テスト項目:キーワードのマッチタイプの設定
    • パターンA:フレーズ一致のみ
    • パターンB:部分一致の採用(CVが多い・CVRが良いKWのみ)
  • テスト期間:2022年4〜5月
  • 除外KW設定は調整なし

最近のGoogle 広告では、部分一致で広くキーワードを拾うことが推奨されています。実際、フレーズ一致のみの入稿のものと部分一致のみの入稿の場合でどの程度差が出るかテストを実施しました。

配信結果

コンバージョン数 コンバージョン値 コンバージョン率(CVR) コンバージョン値/費用 平均コンバージョン単価(CPA)
既存パターンA 47.21 772,882 2.91% 2.69 6,097円
テストパターンB 68.85 1,241,193 3.55% 4.25 4,245円

5週間テストを行ってみましたが、統計的に有意差のある結果は得られませんでした。ですが、部分一致を利用したテストパターンの方がCV数も多く、CVRもCPAも向上しています。

その後、このキャンペーンは部分一致のマッチタイプを採用し安定的にいい結果が出ています。

ダリオ

もちろん、部分一致のクエリや結果を分析しながら、必要があれば新たに別のマッチタイプなどでキーワードを追加する必要も出てくるかもしれませんが、今回は自動化で運用していくGoogle 広告のトレンド通り……という結果でした。

キーワードの分析・追加設定については、こちらの記事も参考にご覧ください!
「部分一致で拾えるからOK」は間違い? きちんと分析してキーワードを追加しよう→https://asue.jp/blog/?p=20995

RSAの複数見出しの位置は固定?固定しない?

テスト内容

  • 業態
    • toB システム関連
  • キャンペーンタイプ:レスポンシブ検索広告
  • 入札戦略:コンバージョン数最大化
  • テスト項目:RSAの見出し固定
    • パターンA:15個の見出しのうち7個を位置1に固定、4個の説明文のうち2個を位置1に固定
    • パターンB:同見出し・同説明文で固定なし
  • テスト期間:2022年3月
  • キーワードは部分一致、マイクロCVも計測

レスポンシブ検索広告は、入稿した見出しや説明文で媒体側が最適と判断したものが自動で表示される広告です。

配信結果

クリック率(CTR) 平均クリック単価 コンバージョン数 コンバージョン率(CVR) 平均コンバージョン単価(CPA)
既存パターンA 2.03% 191円 44 38.16% 501円
テストパターンB 2.67% 172円 69 52.65% 326円

見出しの位置を固定しなかったレスポンシブ検索広告の方が、全体的に成果は良かったです。クリック率が31%上昇し、平均クリック単価は10%減でした。

CV数やCVRも良かったですが、統計的にはデータ不足です。

RSAで拡張テキスト広告(ETA)を再現 指名KWなら見出し固定でもOK?

テスト内容

  • 業態
    • toB 卸売・オリジナル製品の制作
  • キャンペーンタイプ:レスポンシブ検索広告
  • キーワードマッチタイプ:部分一致
  • 入札戦略:eCPC
  • テスト項目:RSAの見出し固定
    • パターンA:RSA1つ、15個の見出しを登録、5個を位置1に固定 広告の有効性は優良
    • パターンB:RSA3つ、既存広告の一番配信されている3つの広告パターンで見出し・説明文を固定 広告の有効性は要改善
  • テスト期間:2022年2月〜3月

2022年6月に拡張テキスト広告が廃止され、検索広告の広告フォーマットがレスポンシブ検索広告だけになりました。上述のテストで、見出しは固定しない方がいい結果が得られそう……という結果が出ましたが、元々拡張テキスト広告で指名KWで獲得できていた見出し・説明文をレスポンシブ検索広告で固定して拡張テキスト広告を再現したらどうなるか?を検証しました。

配信結果

インプレッション クリック数 平均クリック単価 コンバージョン数 平均コンバージョン単価(CPA)
既存パターンA 577 245 6円 23 59.26円
テストパターンB 545 214 6円 18.53 63.84円

今回、微妙に見出しを固定しないパターンの結果が良かったですが、有意差はありませんでした。指名KWのキャンペーンの場合であれば、すべての広告文を固定しても広告の結果はあまり変わらないかもしれません。

検索広告、CV数最大化とeCPCの比較

テスト内容

  • 業態
    • toC 住宅の設備系
  • キャンペーンタイプ:検索広告
  • キーワードマッチタイプ:部分一致
  • テスト項目:入札戦略
    • パターンA:コンバージョン数の最大化(tCPAなし)(配信割合:75%)
    • パターンB:手動入札(拡張クリック単価)(配信割合:25%)
  • テスト期間:2021年11月

自動入札(コンバージョン数の最大化)と手動入札(拡張クリック単価)での配信を比較してみました。

配信結果

インプレッション クリック数 平均クリック単価 コンバージョン数 平均コンバージョン単価(CPA)
既存パターンA 13,288 1,175 72円 14.37 5,857円
テストパターンB 5,750 530 53円 1.5 18,603円

手動入札を使った場合、クリック単価は抑えられましたが自動入札を利用した方が圧倒的にCVRがよく、CPAも抑えられました。

まとめ

今回は実際の運用中に試してみた細々としたテストの内容と結果をご紹介しました。

Web広告の運用では、日々結果を分析し、仮説を立て、検証し、その結果をもとに改善を行うというアクションをしていく必要があります。変化の激しい業界でもあるので、媒体側で新しい機能や配信メニューが出たときも、積極的に使用して検証していく姿勢も必要です。

同じような検証をした場合に様々な要因でABテストの結果は変わりますので必ずしも今回紹介した結果になるわけではありませんが、商品・サービスやビジネスの状況のごとに課題を発見して改善し、最適な運用を選択できるように考えられるようにしていけると良いですね。

ダリオ

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