こんにちは!ASUE株式会社でWeb広告の運用を担当しているアイバと申します。
さて、約1年前から運用型で配信することができるようになったスマートフォンのブランドパネル枠、皆さんは上手く活用できていますか?SPブラパネはPCブラパネや他の枠と配信の仕様が異なるため、もしかしたら二の足を踏んでいるケースもあるかもしれません。しかしもしYahoo!ディスプレイ広告に伸び悩みを感じているなら、SPブラパネ枠を試していないのは非常にもったいないと言えます。運用の勘所さえきちんと抑えればインフィードや他の枠以上に成果が期待できるためです。
本記事では実際に弊社の事例を交えてSPブラパネ枠の効果を検証していきます。
目次
スマートフォンブランドパネル枠の概要
スマートフォンブランドパネル枠(SPブラパネ)はスマートフォン版Yahoo! JAPANトップページ上部の掲載枠のことです。
画像参照元:「ディスプレイ広告(運用型)でスマートフォン版ブランドパネルのみに広告配信する方法を教えてください」
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/display/articledetail?lan=ja&aid=72219&o=default
従来は予約型でしか使えず、多額の広告費や手順を通じてようやく出稿できる枠でしたが、1年前から運用型での出稿が可能となり、コスト・工数面でのハードルが一気に下がりました。他と比較して圧倒的なリーチを誇る広告枠ですが、果たしてパフォーマンスにはどういった特徴があるのでしょうか?今回、実際にインフィード枠と比較してSPブラパネ枠の検証を行っていきます。
SPブラパネ枠の検証方法
インフィード枠とSPブラパネ枠で同じターゲティングを設定した上で、Google Analyticsの直帰率・滞在時間・セッションあたりのPV数、CVRの指標を用いてそれぞれの比較を行います。それにより同じターゲティングでも広告枠によってユーザー行動は変わるのか?を検証します。
検証1 | リターゲティング×インフィード枠・SPブラパネ枠 |
---|---|
検証2 | サーチターゲティング×インフィード枠・SPブラパネ枠 |
検証指標 | 直帰率・滞在時間・CVR・PV/セッション |
検証期間 | 約3週間 |
商材 | 不動産関連 |
結果
検証結果1:リターゲティング
まずは1. ターゲット設定:リターゲティングでの結果は下記の通りとなりました。
配信枠 | セッション | 直帰率(%) | PV/セッション | 平均セッション時間 | CVR(%) |
---|---|---|---|---|---|
インフィード枠 | 1,367 | 84.6% | 1.6 | 0:30 | 0.62% |
SPブラパネ枠 | 624 | 58.5% | 2.7 | 1:28 | 2.8% |
見ての通り、SPブラパネ枠の方が直帰率は低く平均セッション時間も長いことから、訪問者がよりちゃんとサイトを読み込んでくれていることが分かります。そしてCVRもインフィードと比べて4倍以上と非常に高い結果となっております。
検証結果2:サーチターゲティング
続いて2. ターゲット設定:サーチターゲティングでの結果は下記の通りとなりました。
配信枠 | セッション | 直帰率(%) | PV/セッション | 平均セッション時間 | CVR(%) |
---|---|---|---|---|---|
インフィード枠 | 1,552 | 74.2% | 1.9 | 0:51 | 0.98% |
SPブラパネ枠 | 1,420 | 58.9% | 2.4 | 1:11 | 1.9% |
こちらも各指標リターゲティング同様の傾向になり、CVRもインフィードの2倍高い結果となりました。
考察
以上の検証①②により、同じターゲティング設定でもSPブランドパネル枠はインフィード枠と比較してより強い関心を持ってサイトに訪問していることが伺えます。そしてその結果、CVRも高い傾向になりました。
恐らくインフィードは他のフィードやコンテンツの間に差し込まれる形で配信されるのに対し、ブラパネ枠はそれ以外が目につかない枠に配信されるため、より強い興味を携えて流入するためだと考えられます。
加えて有名企業が大々的に打つ広告枠ですので、ユーザーの広告枠への信頼・信用が醸成されているのかもしれません。上記の理由から高いCVRが期待できる広告枠だと考えられます。
一方でSPブラパネ枠はクリック課金ではなくインプレッション課金であるなど、他の広告枠とは異なる特性があります。そのため配信設定の仕様やCPAを抑える上での運用上のポイントなどを続いて紹介していきます。
配信設定方法
詳しくは公式ヘルプに記載されているため、簡単に紹介します。
キャンペーン目的 | ブランド認知 |
---|---|
課金形態 | ビューアブルインプレッション(vCPM) |
プレイスメント | 「m.yahoo.co.jp」を指定 |
バナーピクセルサイズ | 640x360 |
フォーマット | 静止画・動画 |
日額予算 | 5万円以上 |
参考:「Yahoo!公式ヘルプ:ディスプレイ広告(運用型)でスマートフォン版ブランドパネルのみに広告配信する方法を教えてください」
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/display/articledetail?lan=ja&aid=72219&o=default
運用上の押さえるべきポイント
インプレッション課金であるため、クリック率が最も大事です。そのためにも下記の3点を行うことを推奨します。
1. フリークエンシーの設定
同じユーザーに際限なく広告が配信されることでCTRが下がることを防ぎます。
設定したターゲットに対し、薄く広くリーチできるようにフリークエンシーの調整を行いましょう。案件によるため一概には言えませんが筆者の場合は、一旦「広告グループ単位で日3回まで表示」から始めて配信結果を見て徐々に上下させていくケースが多いです。
2. ターゲットの設定
SPブラパネ枠も他の枠と同様にデモグラやインタレストなど様々なターゲティングが可能です。ただあまり潜在層に近いターゲティングから始めるとクリック率が低下しCPAが高騰しかねません。あくまで認知ではなく獲得を目的としCPAを他チャネルと同程度で運用するならば、すでに顕在層だと分かっているターゲティング(例えばリターゲティングや獲得に繋がりやすいキーワードでのサーチターゲティングなど)などから始めて、徐々にターゲットを広げていく方法が良いでしょう。
3. クリエイティブのPDCA
1. フリークエンシーの設定と同様に、同じクリエイティブを使い続けることで飽きられてCTRが下がるのを防ぐために、クリエイティブの効果検証は頻繁に行いましょう。何ならクリエイティブの良し悪しで成果がほぼ決まると言っても過言ではないかもしれません。
その他、細かいところで言うと入札vCPMは1,500円程度が推奨されているものの、弊社で試したところ1,100円程度まで下げてもそれなりにインプレッションは発生しました。逆に1,000円を下回ると一気に配信量が減ってしまう印象ですが、クリエイティブや商材などの条件によってこの閾値は上下するので配信結果の初動を見て調整するのが良いでしょう。
またキャンペーン日額予算も5万円以上を設定しなければなりませんが、入札価格やターゲティングを絞ることで実際の消化額は5万未満に抑えることは可能です。そのため少額からテスト的に配信することも出来ます。
まとめ
今回の検証によりSPブラパネ枠はインフィード枠より高い関心を携えてサイトに流入するため、CVRが高い傾向になることが示唆されました。一方でインプレッション課金であるため、入札やフリークエンシー、特にクリエイティブには注意をして継続的に改善する必要があります。そうすることでCTRを高く維持し、結果クリック単価・CPAの抑制に繋げられます。
運用方法にさえ気を配れば他の広告枠以上にポテンシャルを期待できます。ぜひ活用していきましょう!
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この記事を書いた人
アイバ
2021年入社、Webマーケティング課所属。シーズン中はNBA観戦に夢中。