現場の本音は!?ASUEのWebコンサルタントが語る2025年Web広告運用&媒体アップデート総決算

2025年12月23日

こんにちは、ASUE株式会社 広報のN村です!

いよいよ12月も後半。師走。年末。ということで、初企画!Webコンサルタントが語る2025年のWeb広告アップデート総決算の会を社内で開催しました。

ASUEでは毎月「ツキイチASUE」と題してWeb広告媒体のアップデート情報をご紹介する記事を公開していますが、今年も細かな仕様変更から大きなアップデートまで、本当にたくさんの動きがありました。

そこで今回は、Web広告運用の現場をよく知るASUEのWebコンサルタントメンバーたちに、2025年のアップデートや現在の運用について、良い面もモヤモヤしている面も含めて本音で語ってもらいました!

左からアイバ・タナカ・コバヤシ(Webコンサルティング課所属)

アイバ

今年のベストバイは無印のアロマストーン。先日開催されたWebコンサルティング課ゲーム大会では人狼ゲームで一度は疑われるも結局みんなを言いくるめて一人勝ちした。子供𝙇𝙊𝙑𝙀のため、一秒でも多く家にいたい。
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もうアイバのことが信じられないとわたしの中で話題に。

タナカ

今年のベストバイはNew Balance M2002RXX。先日開催されたWebコンサルティング課ゲーム大会では人狼ゲームで人狼だと疑われ、ものすごく嘘っぽい「僕じゃないですよ〜!!!」を連呼していた。村人だった。
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「嘘つけないんだな〜」と思って見ていたら、全部本当だったので可哀想だった。

コバヤシ

今年のベストバイはパナソニックのスチームアイロン。
ChatGPT、Gemini、Claudeを個人でも契約し、私生活でもフル活用中。ChatGPTの推論モデルo1登場時の絶望を乗り越え、AIと協力して生きる未来を模索中。

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コバヤシはAIと共に生きています。

2025年のWeb広告運用——現場の本音は?

司会・N村:今年も1年間、各媒体で大量のアップデートがありました。そこで本日は、実際に運用されている皆さんが「何が使えたのか」「どうだったか」という現場の声を、ざっくばらんにお話しできればと思っています。事前に主要なアップデートをいくつかピックアップしてお見せしましたが、それ以外にもあれば遠慮なく話していただければと思います。

アイバ:悪かったところでもOK、だよね?

司会・N村:もちろんです(笑)。「今のところ使い道がよく分かっていない」といった話も、どうすれば使えるのかを考えるきっかけになりますし、本音を自由に語っていきましょう!

Google広告編:透明性が増すP-MAXと、未知数のAI MAX

待望のアップデート!P-MAXで運用者が介入できる範囲が拡大

司会・N村:ではまずGoogle広告から!

コバヤシ:僕はP-MAXが好きなので、P-MAXの除外キーワード設定ですね。今までは、Googleの担当者に「こういうリストを紐づけてください」とお願いしないとできなかったんです。

アイバ:申請フォームを通したりとかね。

コバヤシ:そうそう。それが今は管理画面側で完結できるようになったので、だいぶ楽になりました。P-MAXはブラックボックスで、「どう改善すればいいのか」という仮説立てが難しかったんですが、見える部分が増えてコントロールしやすくなったのは、かなり大きな変更点でした。

アイバ:ブラックボックスな部分が多くて癖の強いプロダクトって印象でしたけど、2025年は運用者に寄り添ってくれるような、情報開示寄りのアップデートが多かったよね。

タナカ:そうですね。「チャネル別」の配信実績が見えるようになったのも大きいです。
今まではクリック単価などから「おそらくディスプレイ面に配信されているだろう」と仮説を立てるしかありませんでしたが、実績が見えるようになったことで、改善の打ち手を考えやすくなりました。

司会・N村:見られる項目が増えた一方で、P-MAXは基本的に「自動化に任せるべき」という意見もよく聞きます。そのあたり、現場の肌感としてはいかがですか?

アイバ:媒体側の理想論としては、それは正しいと思います。
ただ、事業の状況やクライアントの温度感など、現場には様々な変数があります。媒体の仕様どおりに運用することが、必ずしもクライアントのためになるとは限らないんですよね。正直に言うと、教科書に則ってばかりでは難しいケースも多いため、媒体推奨と現場のリアルの落とし所を見出すのがコンサルタントの腕の見せ所ですね。

コバヤシ:「教科書的にはこうなんだけどな〜」という場面は結構ありますよね。

司会・N村:なるほど。媒体が示す理想と、クライアントの事業成果を出すための現実との間には、ギャップもあるということですね。

アイバ:はい。無理やりにでもハンドルを切らなければいけない場面で、以前よりコントロールできるようになったのは本当にありがたいです。ハックが効きやすくなったし、「なぜそのハックで効くのか」という根拠も出しやすくなった感覚があります。例えば、「こうすればなぜか検索面の露出が増えるんだな……」とか。

コバヤシ:とはいえ、P-MAXはいまだに荒れるときは本当に荒れますからね。精神的には良くないです(笑)。拡大に貢献してくれるプロダクトなので好きではあるんですが……。

アイバ:動きがすごくピーキーなんですよ。コンバージョンが続くと急に予算の2倍使ってきたり、ビデオ面での露出が急増したり。それが暴走につながることもあるので、「100%信じきる」のはまだ怖いですね。

司会・N村:それでも、拡大のためにはP-MAXを使わないという選択肢はない、というのが現場の実情なんですね。

アイバ:そうですね。P-MAXを使っているからこそ獲得できているコンバージョンも、確実にあります。なので、現状ではうまく付き合っていくしかないってところですね。

期待の新機能「AI MAX」の実力は?

アイバ:そろそろ検索広告の話もしておきますか。

司会・N村:そうですね。検索広告では、AI MAXキャンペーン(※日本語版正式名称:検索キャンペーン向け AI 最大化設定)の登場が大きな変化でした。実際に使ってみて、いかがでしたか?

アイバ:僕は恐る恐る使っていますが(笑)、勝率5割を切るぐらいで、あまり良くないですね。

コバヤシ:僕は0割です。

タナカ:僕は1勝0敗、悪くはない・事故ってはいないという感じです。

コバヤシ:ちなみに何ベースで上手くいってる・いってないを判断していますか?

アイバ:まだ商談とか、コンバージョンのその後の数字までは見られてない段階なんだけど、この検索クエリは普通のインテントマッチでは見なかったなと思うものが増えてきた感触があります。が、まだ検証段階のものが多くて信じて使えるほどではないって感じかな。

司会・N村:まだ評価が固まっていない感じですね。インテントマッチ、動的検索広告やP-MAXなど、他にも配信が自動で拡張されるようなメニューはありますが、AI MAXはそれらとどう違うのでしょうか?

コバヤシ:AI MAXは、入稿した広告文やサイト表示オプション、LPの内容をAIが読み取り、それに合う検索語句や表示パターンを自動で広げてくれる仕組みです。キーワードから関連語を広げる「インテントマッチ」と、LPの内容をもとに配信を広げる「動的検索広告」を組み合わせたようなイメージです。

アイバ:ただ、正直なところ「MAX」という名前から期待していたほどの大きなインパクトはまだ感じていません。まあ最初のP-MAX導入時もこんな雰囲気でしたけど、P-MAXの検索広告特化版のような形を期待してしまっていました。

タナカ:今後Googleが注力していきそうですし、見られるレポート項目も少しずつ増えているので、これから変わっていくんですかね。

司会・N村:1〜2年後には「AI-Maxは設定していて当然」というのが当たり前になっているかもしれませんね。

その他、Google広告で印象的だったアップデート

アイバ:あとは、RSA(レスポンシブ検索広告)で見出しごとのコンバージョンデータが見られるようになったのは、かなりありがたいですね。以前は複雑な設定をしないと見られなかったので、クリエイティブの改善がしやすくなり、本当にありがたいです。

タナカ:以前はLooker Studioでいろいろやって見てましたよね。

アイバ:うん、公式的に管理画面上で見られるようになったのは本当に助かる!

司会・N村:SNSでは「検索パートナーネットワークの配信面の可視化」についても話題になっていた印象ですが、ASUEの運用現場ではいかがでしたか?

アイバ:業界的に、検索パートナーネットワークで表示される広告は配信先がわからないことでブランド価値を毀損する恐れがあったり、不正クリックなどのアドフラウドの温床になっているのではないかと問題視されていました。なので、Google広告の健全化が主な目的のアップデートなのかなと思います。ASUEが取り扱っている案件で配信してなくはないんですが、検索パートナーに使っている費用も少なくこれまであまり問題が起きていなかったので現場への影響はそこまで大きくなかったですね。

コバヤシ:配信先が可視化されたとはいえ、「制御自体はしにくい」と言われているので、今後の改善にも期待したいところです。
検索広告関連で言うと、アメリカではAIモードでもう広告が出てるんですよね。今までは、ほぼ画像だけで簡単にぺらいちのLPを作っても、人間さえ読めれば配信できていたのが、これからは「いかにAIが正しく読み取れるか」みたいなことも大事になってきそうです。

司会・N村:なるほど……。
他にGoogle広告が注力しているかなと感じる配信メニューとしてはデマンドジェネレーションキャンペーンもありますが、こちらの所感はいかがでしょうか?

コバヤシ:チャネルのコントロールが可能になったのは嬉しいですね。ショート動画の素材しかないから、ショートだけ広告を流したい!というときに重宝しています。でもコンバージョン値の最大化がコンバージョン数がある程度ないと設定できない(初期値で設定できない)仕様になってるので、そこは早く対応してほしいです!

アイバ:ただ、どうしてもP-MAXと役割が被りがちで、「P-MAXをやっているから、デマンドはいいか」となることが多くて……二つの立て付けが曖昧になっているように感じています。

タナカ:P-MAXで全部の面に出せちゃいますからね。P-MAXの方が有効リードも増えますし……。

コバヤシ:デマンドジェネレーションは、普通のディスプレイ広告と同様のさまざまなオーディエンス設定をターゲティングに使用できるので、リマケを確実に出して獲得していきたい場合は有効な一手ですし、個人的にはディスプレイ広告よりは全然扱いやすいですね。

Yahoo!広告編:「Googleの後追い」だけじゃない? 意外な魅力と課題

「今さら感」は否めない? 待望の機能と残された課題

アイバ:一番大きいのは、LINE広告との統合ですね。媒体としての統合は来年ですが、ログイン方法などはすでに統合され始めています。

司会・N村:そうですね。合併してLINEヤフー株式会社が誕生してからちょうど2年ほどですが、LINE広告との連携がその間に進み、いずれは統合されるのかと思っていましたが、ついに来ましたね。
さて、各機能のアップデートについてはいかがでしょうか?以前から、Yahoo!広告のアップデートは全体的に「どこかで見たことがあるな」という印象を受けることもありますが……。

アイバ:どうしてもGoogleの後追いという印象が強いですよね。どうして今までできなかったんだ?っていうのがようやくできたり。検索広告で地域ターゲティングの半径指定がようやく実装されたのとかね。

コバヤシ:あと、検索広告で年齢・性別ターゲティングがまだ使えないので、提案の幅を狭める要因になっていますね。

司会・N村:そちら(検索広告の年齢・性別ターゲティング)は先日来年の実装が発表になったようですね。

タナカ:本当に、やっとか!っていうアップデートが多いですよね。これは未実装なものの話ですが、管理画面上で期間同士の比較機能がないのはずっと困っています。UI上にはあって、グラフでは見られますがGoogleやMetaのように表形式で数値の比較ができないんですよね。分析のときはいちいち2画面で開く必要があって……。ここは心待ちにしている改善点です。

検索連動型ショッピング広告、その後どう?

司会・N村:Yahoo!広告のアップデートだと、最近検索連動型ショッピング広告に関するものがわりと多い気がするのですが、こちらいかがでしょうか。提供開始から2年弱経っていますが……。

コバヤシ:あれ、設定が激重すぎて……。ショッピング大好きかつちょっとエンジニアチックなことも噛めますみたいなタイプじゃないと、設定も管理も大変で腰が重く……。

司会・N村:Googleにも検索ショッピング広告はありますけど、なにが違うんですか?

アイバ:なんか違うよね。

タナカ:違いますね。Googleはわりと入稿が簡単で、フィードさえマーチャントセンターにアップロードして最適化かければいいんですけど、なんか……。

アイバ:我々の口が重いのが、そういうことです(笑)。ショッピング系の配信メニューだと、動的ディスプレイ広告もあって、そっちは今年から提供開始なんですが、どうしてもショッピングだと先にGoogle・Metaを優先してしまうので、存在感はあまり高くないです。そんな中であまり使わない機能が……アプデされて……(小声)。

タナカ:検索とディスプレイで商品フィードの仕様も違うみたいですね。検索連動型ショッピング広告の方はJSONで、動的ディスプレイ広告の方はCSVみたい。

司会・N村:運用者が扱いやすい配信メニューになると嬉しいですね。

現場が語るYahoo!広告の「意外な強み」とは

司会・N村:運用の現場から見ると改善してほしい点も多いようですが、それでも皆さんがYahoo!広告を使い続けるからには、何かGoogleやMetaにはない独自の価値があるかと思います。そのあたりはいかがですか?

アイバ:もちろんです。みんながGoogleやMetaを主戦場にしている分、Yahoo!広告はCPC(クリック単価)が圧倒的に安いんです。だから、すごく楽にコンバージョンが獲得できるケースもあります。

コバヤシ:クリック単価が抑えられるのは大きいですよね。

アイバ:それに、不動産投資のような商材や、高年齢層向けの商材だと、Yahoo!広告の方がコンバージョンの質が高いことが多いです。安いクリック単価で質の高いユーザーにアプローチできるのは、Googleにはない魅力ですね。

タナカ:機能がシンプルな分、広告運用の初心者が基礎を学ぶには、運用レバーの多いGoogleよりもYahoo!の方が向いているかもしれないですよね。

アイバ:いろいろ言いましたが、僕は決してYahoo!広告が嫌いじゃないです。むしろ、なんならGoogle広告より最近好きまでありますね
裏側でGoogleと同じアルゴリズムを使っている部分があるから仕方ないところもありますが、あんまりGoogleの後追いをしないでほしいなと思います。Yahoo!広告にはYahoo!広告の良さが絶対にあると思うので!

なくなってほしくない、手動入札 ——。

司会・N村:さて、Yahoo!広告でも拡張クリック単価が廃止されました。これもGoogle広告では一足先に廃止され、あの当時は運用者間でかなり話題になった印象ですが、実際のインパクトはどうでしたか?

アイバ: 拡張クリック単価の終了については、おそらくGoogleがやめたからYahoo!もやめざるを得なかったのだろうと感じています。ただ、過ぎ去ってみると、当時嘆いたほどのインパクトはなかったですね。運用でカバーできる範囲だったため、劇的なゲームチェンジが行われたわけではありませんでした。

コバヤシ: 確かにそうですが、たまに恋しくなる場面もありますよ。特に指名検索の入札の時などですね。

アイバ: そうなんです。拡張クリック単価があれば、例えば300円で設定しておいても、システムがよしなに判断して500円や600円まで入札を強めてくれてました。けれど、今の個別クリック単価だと、300円で設定したら300円以上は出してくれません。その結果、「伸びきらないんだな、こいつは……」と感じることはありますね。

司会・N村:代替の配信メニューとしてはスマート自動入札か個別クリック単価の二択だと思いますが、どうですか? 個別クリック単価に変えると運用の手間が増えて大変なのかなーという印象があるのですが……。

アイバ:肌感では、個別クリック単価に置き換えたパターンの方が多いですね。指名検索のように、拡張クリック単価が自動で700円や800円まで入札を強化してくれていたケースに関して、個別クリック単価では、明示的に上限(例えば800円)を設定し直さないといけない手間は発生しています。

コバヤシ:とはいえ、どっちみち(管理画面を)見てるんでそんなに手間は変わらないです(笑)。

アイバ:拡張クリック単価がなくなったことよりも、スマート自動入札に一本化される方が運用者としては一番きついと思うので、個別クリック単価という選択肢は絶対に残しておいてほしいです。

タナカ:(手動入札を完全になくす前の)リーチをかけてきたのでは、という焦りはありますよね。

コバヤシ:そもそも最初に衝撃を受けたのは、「拡張クリック単価終了 = 手動入札(= 個別クリック単価を含む)もなくなるんだ!」と思ったからかも。

タナカ:手動入札がなくなったら、と思うとめっちゃ寂しいですよね。毎日ちょこちょこいじってったのに……って。

アイバ:元々数年前くらいは手動入札から様子を見て自動入札に切り替えるのがセオリーだったけど、今は最初から自動入札でぶん回す派閥も結構いて。そういう人はそもそも拡張クリック単価も使わなくなっていたから。案件にもよるけど、社内でもここの考え方は分かれるところかも。僕の場合は、(拡張クリック単価との)付き合いも長いのでただ懐古しているのもあります(笑)。

司会・N村:社内でも流派が分かれるくらいって思うと、本当に個別クリック単価もなくなっていきそうですね。

コバヤシ: 残してほしいですね。何かしら自分でできるいじれるところが残ればいいなっていう感じですかね。

Meta広告編:止まらない自動化と「デフォルトON」の罠

運用者を悩ませる「デフォルトON」機能と増える手間

司会・N村:Meta広告は、運用者を悩ませる仕様があるそうですね。

アイバ:はい。新機能が追加されると、それが「デフォルトでON」になっていることが多いんです。例えば、クリエイティブに自動で音楽が追加されたり、AIが広告文のバリエーションを生成したり。既存の広告はOFFになっていても、複製して広告を作成するとONになっていることが……。

コバヤシ:それを入稿のたびに手動でチェックを外す手間が増えましたよね。意図しないクリエイティブが配信されてしまうリスクがあるので、広告主様との合意形成という観点からも、確認項目が増えて困っています。

アイバ:配信する広告内容について事前に広告主様と合意してから配信しているので、勝手に変更されてしまうのは結構厄介ですよね。

タナカ:広告に音楽をつけられる機能があって、Meta広告でデフォルトで使える音楽が50種類くらいあるんですけど、50曲すべてを把握しておくのも難しいですし、「自動の音楽をつけるとしたらどんなのが流れるかわかりませんが、いいですか?」っていう許可の取り方になるんですよね。

アイバ:一応、商材などからMeta広告がよしなに選んではくれるけど、ね。他の機能は一回オフにすればそのままだけど、音楽だけはやたらしつこく勧めてくるよね?

タナカ:ですね(笑)。デフォルトでONになってるような機能を切ろうと思うと、「本当に切りますか?」的な表示が出て、選択するボタンも「はい」がグレーで「いいえ」が青いんですよね。

司会・N村:ちょっとダーク寄りなUIですね……。

アイバ:「これ広告主の三万人くらいが使って6%も改善してるのにオフにしちゃう理由はなぜ?」みたいに出るんだよね。

タナカ:まあその手の表示があるのはMeta広告に限らず、ですが。なんにせよ突然のアップデートのたびに確認の手間やクリックの手間が増えていくのはどうにかしてほしいですね……。朝来てMeta広告を開いたら、なんか新しいのがいる、みたいなのが結構頻繁にあるので……。

正式提供!Advantage+リードキャンペーン

司会・N村:ポジティブな面では、Advantage+リードキャンペーンが正式に提供開始されました。

コバヤシ:これまではリード獲得案件でAdvantage+キャンペーンを使うために、リード獲得案件であってもキャンペーン目的を「購入」に設定するという裏技的な手法を使っていました。それが正式にリード獲得目的で使えるようになったので、使いやすくなりましたね。

アイバ:ただ、Advantage+シリーズは、GoogleのP-MAX以上にブラックボックス性が高いと感じます。初期設定がうまくいっても、一度パフォーマンスが悪化した時にどうテコ入れすればいいのか、その手段が限られていて難しいですね。

司会・N村:P-MAXとの違いはどこにあるのでしょう?

コバヤシ:GoogleのP-MAXであれば、今は検索クエリが見えるので、それを基に除外設定をするなど、ある程度は立て直しのためのグリップを握れます。けど、Advantage+はそこそこ調子が良かったのにいきなり悪くなってもできることが少なくて……大変だなって。

アイバ:P-MAXよりも手がかりが少なくて結局クリエイティブを入れ替えるくらいしか有効な手がなく、まさに一本勝負になりがちだよね。アップデートというよりはMeta広告という媒体そのものの特性として運用レバーが少ないから、結局クリエイティブと質の高いデータをどれだけ活用できるかが勝負。

Microsoft広告:BtoB領域での存在感向上と運用者からの評価

司会・N村: ここまでGoogle、Yahoo!、Metaを中心に議論を進めてきましたが、これら以外の媒体でも、何か新しく追加されて良かった機能や、運用所感があればぜひお聞かせください。

アイバ日々にMicrosoftの使い勝手がよくなっているな、って感じはしますね。

コバヤシ: Microsoft、成果いいですし。なんか昔って割とオプション的な感じだったんですけど、知る人ぞ知る媒体、みたいなぐらいだったのが、今は割とメイン張れるというか

アイバ: そうなんですよね。案件によっては、Google、Yahoo!、Metaと並行してMicrosoftで運用していて、Microsoftが一番ボリュームを取れる、みたいなこともあったりとかするから。ユーザー数が増えてきたんですかね。

コバヤシ: 増えてるんじゃないですかね。広告とはズレますが、それこそ会話型AIをブラウザに導入するのがGoogleやYahoo!よりもはやかったのがMicrosoftだったんですよ。だからユーザー数も多少増えてそうだし、僕は好きです。起業姿勢が。

アイバ: うん、媒体のアップデートもかなり入ってきてるから、運用者目線では、かなり手堅く、媒体としての存在感を増してきている印象はありますね。

司会・N村: 割と、他媒体でできたことがMicrosoft広告でもできるようになった、ぐらいのアップデートが多いのかなって思って、あんまり今回深く取り上げなかったんですけど。

アイバ: アップデートのおかげで使いやすくなったし、成果も出るし、特にBtoBをやる時は、だいぶ優先度高くMicrosoftはやってます、最近は

司会・N村: ASUEの事例でも、MicrosoftはBtoB系の案件でよく見かけるイメージがあります。媒体整備が功を奏して、主要媒体の一角として準主戦場化しているんですね。

2025年総括:AI・自動化時代の広告運用者に求められるスキルの変化

最後に、2025年全体の動向を総括してもらいました。

司会・N村: Google、Yahoo!、Meta、そしてMicrosoftと、各媒体のアップデートや現場の所感を伺ってきました。それでは、2025年の広告運用を総括して、この一年で最も強く感じた変化や、今後運用者に求められることについて、お話をいただけますでしょうか?

コバヤシ: はい。まず、「いかに質のいいデータを作るか、その基盤を作るか」で、だいぶ成果が変わるな、というところを痛感した一年だったと思います。

司会・N村: 質のいいデータ基盤、ですか。

コバヤシ: 今までの「サンクスページにコンバージョンタグ(CV)を置くだけ」じゃ、なかなか通用しない未来が来るんじゃないかと。AIや自動化が進んだ今、ファーストパーティCookieの情報をいかに媒体側に渡すか、つまりAIをいかに気持ちよく動かすかが肝になっていきそうですよね。

アイバ: 小林が言ったように、AIや自動化の「光」の面、つまりスケールする可能性や質をコントロールできる側面がある一方で、さっき話題に出たP-MAXの暴走や、自分で御せる部分がなくなってくるという「闇」の部分も、両極端に現れたのがこの一年の印象ですね。

コバヤシ: そういう、じゃじゃ馬をどう乗りこなしていくか、というのに苦心する一年だったなという感じです。頭を抱えるポイントが変わってきた感じです(笑)

アイバ: それによって、広告運用者に求められるスキルセットも急激に変わってきてますね。小林の言う通り、データを食わす(いじる)といったエンジニアリング的な部分 や、入札は媒体側がやるからこそ、クリエイティブをいかに考えられるかCVより先の事業のP/L観点まで見据えて戦略設計できるか、といった管理画面外のスキルセットを掛け合わせられるかが、広告の数字に色濃く反映されるようになりました。

タナカ: シンプルに設定項目が増えましたし、どの機能を使う・使わないかを考えなきゃいけないシーンが多くなりました。Metaのところでも話題になりましたけど、「この機能を使う・使わない」といった、チェックする・しないの選択肢がめちゃくちゃ増えましたからね。新しい機能がデフォルトでオンになっていて、それをいちいちオフにする手数 が増えたのも厄介です。

アイバ: よく、設定だけして入稿する運用者を「設定屋さん」と揶揄したり、「この先業界では生きていけない」とも言われていたと思うけど、これだけ設定項目が増えると逆に、「ちゃんと70点の設定ができる、初期設定ができる」だけでも、結構価値があるなとすら感じています。

コバヤシ:運用者や代理店によって、情報のキャッチアップ量にもかなり差があるので、情報格差も生まれてそうだなって思いますね。

司会・N村: 自動化が進んで初心者でも運用が簡単にできる、というイメージとは裏腹に、初期設定の難易度が逆に高くなっている、と。

アイバ: そう。Google広告のテレビCMでは「初心者でも簡単に」と言っていますが、何食わぬ顔で推奨された設定の中に扱いが難しいものもいっぱいあるわけです。そこを見誤らずに設定すること自体にも、今や価値があるんじゃないかと思いました。

司会・N村:お三方とも、長時間ありがとうございました!

 

2025年を振り返ってみると、どの媒体もAIの活用が一気に進んだ一年でした。そのなかで、わたしたち代理店が大切にしていくべきは「媒体任せにしないこと」と「クライアントやユーザーにきちんと向き合うこと」なのかな、と思います。

設定項目は増え、ブラックボックスな部分も少なくありませんが、

  • 各機能を理解して、どの機能を使うのか/使わないのかを自分の頭で考えること
  • AIに“良い仕事”をしてもらうための土台をつくること

が大切なのではないかと感じました。

さて、2025年も一年間、たくさんのアップデートに振り回されつつ(笑)、一緒に走ってくださったクライアント・パートナーの皆さま、本当にありがとうございました。

ASUEでは2026年も、Web広告・SNSのアップデート情報をお届けする「ツキイチASUE」や、日々の運用現場での気づき・学びをASUE通信でお届けしていきますので、引き続きお付き合いいただけるとうれしいです。

来年もどうぞよろしくお願いいたします!

司会者のNモリ「これ貼っといて」

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