こんにちは!ASUE株式会社Webコンサルタントのコバヤシです。
Google広告のP-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンは、AIが最適な配信面や入札を自動で判断してくれる強力なプロダクトです。そのため、媒体側の仕様としては、基本は調整できるレバーが少なくなっています。
しかし、運用の現場では「成果が悪化しているのに、ただ待つことしかできない」というのは得策ではありません。 機械学習は万能ではなく、時には質の悪いコンバージョンデータを学習してしまい、配信傾向がそちらへ偏ってしまうことがあります。一度誤った方向へ学習が進むと、自然に元の「勝ちパターン」へ戻るのは困難です。
アカウント全体の構成や他キャンペーンとの兼ね合いで、「P-MAXを停止することはできないが、なんとかして現状の悪化を食い止めたい」という場面も多いはずです。
本記事では、P-MAXの成果が悪化した際、どこを確認し、どう軌道修正すべきか、現場で使える具体的な4つの調整ポイント(打ち手)を解説します。
目次
P-MAXは「放置」でもいい?
P-MAXは上述の通り、AIによる機械学習でほぼ自動化でGoogle広告のあらゆる配信面に配信してくれるプロダクトです。前提として、P-MAX運用において、うまくいっている時は「余計なことをしない」のが鉄則です。
しかし、成果が明らかに悪化した場合など、意図的な介入が必要になる場合があります。
例えば、運用期間が長い既存案件において、これまで順調だった獲得効率が急に落ち込んだ場合は注意が必要です。これは、AIが一時的なノイズや質の低いユーザー群を「正解」として誤学習し、そこへ配信を寄せ始めているサインかもしれません。
そういった兆候が見られた場合には、これから紹介するポイントを確認し、AIの「誤った思い込み」を正してあげるような調整を行っていきましょう。
要因1:配信面が変化していないか(CPCの急落)
成果悪化時にまず疑うべきは、「意図せずディスプレイ面に配信が漏れ出していないか」という点です。 P-MAXは本来、検索・ディスプレイ・YouTubeなどあらゆる面に配信されますが、検索面での獲得がメインだった案件で、急にディスプレイ面への配信比率が高まるとCPAが高騰することがあります。
その場合は、管理画面でCPC(クリック単価)の推移やチャネル別のパフォーマンスを確認してみましょう。 これまでCPCが300円〜500円で推移していたのに、突然30円〜50円程度まで急落している場合、クリック単価の安いディスプレイ面への配信が急増している可能性が高いです。
この場合、配信を元のバランスに戻すために以下の3つの打ち手が有効です。
打ち手1:学習期間の除外設定
ディスプレイ面に配信が偏り始めた期間を特定し、その期間のデータを機械学習から除外する方法です。

- 設定箇所: [ツール] > [予算と入札単価] > [調整額] > [除外設定]
これで「ディスプレイ面に配信してしまった期間(悪い学習期間)」を学習対象から外します。

経験上、多くのケースはこの対応で改善します。 ただし、除外期間を長く設定しすぎると、本来必要な検索面の学習データまで失い、かえって成果が悪化するリスクがあります。
難しい調整なので、設定期間は慎重に見極めてください。
打ち手2:オーディエンスシグナルの削除

2025年現在、P-MAXの機械学習は「オーディエンスシグナルが設定されていると、ディスプレイ・デマンド広告枠を参照しやすい」という傾向があります。 良かれと思って設定したシグナル(興味関心ターゲットなど)が、かえってディスプレイ面への配信を誘発しているケースがあるのです。
これを逆手にとり、あえてオーディエンスシグナルを削除することで、参照先をなくし、検索面など他の配信面へ戻るよう仕向けることができます。
打ち手3:入札調整(目標コンバージョン単価の再調整)
目標コンバージョン単価(tCPA)の設定も、P-MAXでの配信面を左右する大きな要因です。P-MAXでは、常に裏側でさまざまな調整がされており、目標コンバージョン単価(tCPA)が一定であっても、その時の競合状況や学習状況によってディスプレイや動画などに配信面が寄るケースがあります。
こうした過去のアカウントごとの入札傾向や動きを分析し、「今の状況なら、少し緩めた方が検索に戻りそうだ(あるいは締めた方が良さそうだ)」などの仮説を立てて、適宜最適な金額を探ってみてください。
ここでの目標CPAの調整は、クライアントと合意したKPI(目標CPA)を変更するという意味ではありません。あくまで「入札の強弱をつけてAIの挙動をコントロールするためのチューニング」ですので、運用の意図を履き違えないよう注意してください。
要因2:デバイス比率が崩れていないか
配信面と同様に、デバイス(PC・スマホ)の配信比率が急激に変化していないかも重要なチェックポイントです。

管理画面の [分類] > [デバイス] から、PCとスマートフォンの配信割合を確認してください。 「本来PCでのコンバージョンが多い商材なのに、スマホへの配信が9割を超えている」といった極端な偏りがある場合、機会損失が発生している可能性があります。
打ち手:予測コンバージョン率の調整
デバイスごとの配信比率をコントロールするには、「予測コンバージョン率」の調整機能を使います。

- 設定箇所: [ツール] > [予算と入札単価] > [調整額] > [コンバージョン率]
ここでキャンペーンタイプやデバイスを指定し、デバイス別のコンバージョン率の予測値を調整します。 例えば、「PCのコンバージョン率を高く見積もる」ような調整を行うことで、AIに対して「PCへの配信を強化したほうが成果が出る」と認識させ、強制的にデバイスごとの配信割合をコントロールすることができます。
具体的な手順については、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。
要因3:広告クリエイティブの鮮度と質
P-MAXはアセット(画像や広告文)の組み合わせもAIが自動で行いますが、クリエイティブの「飽き」や競合の影響で表示機会が減っていることもあります。
[キャンペーン] > [アセットグループ] から、期間別の広告の表示順位や評価を確認します。 特定の広告文や画像の評価が下がっていたり、長期間同じものが表示され続けて成果が落ちている場合はテコ入れが必要です。
打ち手:アセットの入れ替えと最適化
詳細を確認した上で、成果の悪いアセットの差し替えや削除を行います。 単に数値を見るだけでなく、「季節外れの訴求になっていないか」「競合他社が新しい訴求を始めていないか」といった外部要因も考慮して入れ替えを行ってください。アセットを新鮮な状態に保つことで、機械学習に新たな刺激を与えることができます。
要因4:そもそも機械学習のデータ量は足りているか
最後に確認したいのが、機械学習を回すための「燃料」、つまりコンバージョンデータの絶対量です。
対象のキャンペーンで、コンバージョン数が月間30件〜50件程度確保できているか確認してください。 この基準を下回っている場合、AIが学習するためのデータが不足しており、最適化の精度自体が不安定になっている可能性があります。
打ち手:データの補強(顧客リスト活用など)
データ不足が原因であれば、設定での微調整よりもデータを増やす対策が優先です。 マイクロコンバージョン(MCV)の設定を見直すほか、手元にある顧客リストをGoogle広告にアップロードするのも有効です。オフラインのデータを媒体に返すことでデータ量を補い、学習の精度を高めることができます。
まとめ
P-MAXは強力な自動化ツールですが、一度「悪いデータ」を学習して迷走し始めると、自然には戻らないことがあります。 「成果が悪化したけれど、キャンペーンは止められない」という状況では、今回ご紹介した4つの視点で意図的に介入し、軌道修正を図ってみてください。
- CPC急落時は配信面(ディスプレイ面への漏れ)を疑う
- 学習期間の除外やオーディエンスシグナルの削除で検索面に寄せる
- デバイス別の予測CVR調整で比率を適正化する
- データ量不足には顧客リスト活用などで対応する
こうした調整は、媒体の仕様変更によって有効な手段が変わることも多いため、常に最新の情報をキャッチアップし、検証を続けることが大切です。
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この記事を書いた人
コバヤシ
2022年新卒入社で、現在Webコンサルティング課所属。
小学生の頃に親がホットケーキにハマって週5でホットケーキを食べ続けたのが少しトラウマ。