こんにちは、ASUE株式会社Webマーケティング課で広告運用を担当しているアイバです。
さて、Facebook・Instagram広告はWeb集客チャネルとして強力な広告媒体である一方で、広告出稿に至るまでの手順が多く、内容も複雑です。また広告アカウントの構築(ターゲットの設定、クリエイティブの入稿など)方法は多くのサイトで取り上げられていますが、それまでの事前準備として必要な手順がまとまっている情報は案外少ないと感じています。
そこで、本稿では広告アカウントの構築の前に必要な手順を網羅的に解説することを趣旨とし、(置かれている状況によって実施済みの手順や必要な手順は違いますが)必要な部分だけ掻い摘む形で参考にしていただければ幸いです。
ここから先はざーーーーっと広告の事前準備に関する各ステップの方法を管理画面のスクリーンショットと共に説明していくだけなので、「ここのやり方がわからない……」必要な箇所だけ適宜ご覧ください!
例によってわたしが入稿&手直しを行っていますが、手順の説明は簡潔な文章の方がわかりやすいよね〜!と思って説明文には基本的に手を加えておりません!
決して、「だ・である」調の文章を「です・ます」調に直すのが面倒だったわけではないんで!ないからね!
目次
Facebook広告出稿に向けて必要な手順
広告アカウントの構築の前準備として行う作業として下記が挙げられる。Facebook広告の最適化機能を最大限に発揮するためには、【推奨の設定】も含めて行う必要がある。それぞれの手順について説明していく。
- 必須の設定
- Facebookアカウント、ページ、ビジネスマネージャーの作成
- 広告アカウントの開設
- ピクセルの設置
- コンバージョンの設定
- 最適化するために推奨の設定
- ドメイン認証
- 合算イベント
Facebookアカウント・ページ・ビジネスマネージャーの設定
1.Facebook個人アカウントの作成
まだ持っていない場合は、まずはこちらから個人アカウントからの作成を行う。個人アカウントが無いとそもそもFacebookで何も操作をすることができないので、まず真っ先に作成する必要がある。
※すでに個人アカウントがある場合はスキップ
2.Facebookページの作成
Facebookページとは広告を配信したいビジネス・サービスの情報を記載するFacebook上の公式HPのようなものである。広告クリエイティブにおいてどのビジネス・サービスの広告なのかをユーザーに示すものがページである。
こちらもまだ持ってなければ新規作成する必要がある。こちらからページ名・カテゴリなどを入力し作成する。その後ビジネスの連絡先等のプロフィールを追加することが出来る。
Tips:代理店のビジネスマネージャーにページを紐付ける方法
広告代理店に運用委託する場合は、代理店のビジネスマネージャーに広告主のFacebookページの紐付けをする必要がある。
- 1. 代理店にFacebookページのURLを伝えて、アクセスをリクエストしてもらう
- 2.Facebookページの「設定」>「ページの管理権限」の添付の赤枠あたりに、代理店からの「承認待ちのパートナーリクエスト」が表示される。そこから「リクエストを承認」を選択して紐付けを完了する
3.Facebookビジネスマネージャーの作成
ビジネスマネージャーとは企業がFacebookを通じて行うマーケティング活動を一元管理するためのツールである。具体的にはFacebookページや広告アカウントの管理を行ったり、作業者ごとの権限管理を行ったりなどをすることが出来る。
こちらから「アカウントを作成」を選択し、必要な情報を入力して「送信」を押すことで作成が完了し、その後、ビジネスマネージャーに上記で作成したFacebookページを下記手順で紐付ける。
メニューバーから「ビジネス設定」に移動し、サイドバーの「アカウント」>「ページ」>「追加」>「ページを追加」を選択。
Facebookページのページ名またはURLを入力して「ページを追加」を選択することで、ビジネスマネージャーとページの紐付けが完了する。
広告アカウント開設
続いて広告アカウントの開設を行う。この広告アカウントが、クリエイティブの入稿や配信設定など広告全般を管理するための管理画面となる。
「ビジネス設定」>「アカウント」>「広告アカウント」>「追加」>「新しい広告アカウントを作成」を選択
アカウント名、時間帯等必要な情報を入力し、作成ボタンを選択で開設完了となる。
Tips:代理店に自社の広告アカウントを運用委託する場合
- すでに開設済みのアカウントを使って代理店などに運用委託をする場合、代理店のビジネスマネージャーにパートナー割当を行うことで、代理店側でその広告アカウントを管理・運用可能に
- 「ビジネス設定」>「広告アカウント」>委託したい広告アカウントを選択>「パートナーを割り当て」を選択
- ビジネスIDで割当を選択し、委託先のビジネスIDを入力、必要な権限(広告運用全般なら「全権限」)を選択して「次へ」で完了
ピクセル・コンバージョン設定
広告の配信パフォーマンスを計測するために必要な作業が、ピクセルとコンバージョン設定である。ピクセルとはサイト上に設置するJavaScriptのコードのことで、全ページに設置する必要がある。
また併せて広告のコンバージョンの設定することで、コンバージョン数やCPA、ROAS等の費用対効果を可視化することが出来る。
1.ピクセルの設置
ビジネスマネージャーからメニューバーを選択し、イベントマネージャに移動する。
左のメニューバーから「データソースをリンク」を選択。
ウェブを選択する。
Facebookピクセルを選択する。
ピクセル名、対象サイトのURL等を入力する。
コードを手動でインストールを選択。
ピクセルのベースコードが発行されるので、コピーして保存しておく。他の設定は後でも可能なので次へを押して、オンボーディングを完了させる。
ピクセルの発行後は、上記でコピーしたピクセルコードをサイトの全ページに設置する。
ソースコードに直接実装する形でも問題ないが、Google Tag Manager(GTM)を用いる場合はカスタムHTMLを用いて、All Pagesをトリガーに設定する形で簡単に設置が可能である。
2.コンバージョン設定
コンバージョンを計測する方法は「標準イベント」と「カスタムコンバージョン」の2種類がある。「標準イベント」はFacebookがデフォルトで定義したイベントを利用する形で、イベントコードをサンクスページのピクセルに追記する必要がある。
「カスタムコンバージョン」はイベントコードの実装が不要で、サンクスページのURLを指定するだけで簡単にコンバージョンの計測が可能となる。
標準イベントを利用したコンバージョン計測
CVを計測したいサンクスページのピクセルのベースコードに、コンバージョンの種類に応じたイベントコードを追加をする。必要なイベントコードはFacebookピクセル標準イベントの仕様を参考に確認する。
下記は、コンバージョンの種類が「リード」の場合のピクセルの一例。
参考:「Facebook for Business—ビジネスヘルプセンター—Facebookピクセル標準イベントの仕様」
https://www.facebook.com/business/help/402791146561655?id=1205376682832142
カスタムコンバージョンを利用したコンバージョン計測
イベントマネージャーからカスタムコンバージョンの設定ページに移動する。
カスタムコンバージョンを作成を選択。
カスタムコンバージョンの設定画面で下記のように入力し、作成を押して完了。
- コンバージョン名:任意の名称
- データソース:該当するウェブサイトのピクセルを選択
- コンバージョンイベント:「すべてのURLトラフィック」を選択
- ルール:コンバージョンが計測されるURLの条件を入力
Tips:代理店にピクセルを共有する方法
例えばこれまで自社でFacebook広告を運用していて、これから代理店に運用を委託するような場合、利用していたピクセルを代理店のビジネスマネージャーに共有することで、新しくピクセルの設定をする必要がなくなる。
- 「ビジネス設定」>「データソース」>「ピクセル」から共有したいピクセルを選択し、「パートナー割り当て」を選択
- 共有したい代理店のビジネスマネージャーのIDを入力
- アクセス許可は必要に応じて設定してもらえればよいが、問題がないようであれば「全権限」の方が代理店側で行える作業が増えるため、以降のコミュニケーション工数を削減できる。「次へ」を選択で共有が完了
ドメイン認証
「ドメイン認証」とは広告出稿したいサイトの所有者がだれのものかを明確にすることで、Facebookから提供される情報の正確性およびサイトの安全性を高めることを指す。行わなくても広告配信自体は行えるものの、iOSで一部計測が行えなかったり広告の最適化が十分に機能しなくなるため、ほぼ必須といっていい設定である。
ドメイン認証を行うには下記3つの方法がある。本稿では一般的なHTMLファイルを利用する方法と、メタタグを利用する方法の2つを紹介する。どちらも複雑な手順ではないので、環境に応じてやりやすい方法を選択すればよい。
- HTMLファイルをアップロードする方法
- メタタグに記述を追加する方法
- DNS TXTレコードを更新する方法
HTMLファイルを利用してドメイン認証を行う方法
ビジネス設定>ブランドセーフティ>ドメインから、対象のドメインを追加する。
対象のドメインを選択し、「ルートディレクトリにHTMLファイルをアップロードする」を選択。
画面に記載されてる手順に従って、HTMLファイルをダウンロードし、対象ドメインのルートディレクトリにアップロードする。その後画面の「ドメイン認証」のボタンを押す。
メタタグを利用してドメイン認証を行う方法
対象のドメインを選択し、「HTMLソースコードにメタタグを追加する」を選択。
※事前に上記手順で書かれているドメインの追加を行う必要がある。
「1.Copy this meta-tag」に記述されているコードをコピーし、対象ドメインのHTMLソースのメタタグにペーストする。ソースが反映されていることを確認後、画面の「ドメイン認証」のボタンを押す。
Tips:代理店にドメイン認証のパートナー割り当てする方法
広告主側でドメイン認証が済んでおり、広告代理店などに運用委託する場合は、ドメイン認証のパートナー割り当てを代理店のビジネスマネージャーに対して行う必要がある。本設定をすることで、後述する合算イベント測定の設定を代理店側で行えるようになる。
- 「ビジネス設定」>「ブランドセーフティ」>「ドメイン」から対象のドメインを選択し、パートナー割り当てを選択
- 代理店のビジネスマネージャーのIDを入力、全権限にチェックを入れて「次へ」を選択することで、パートナー割り当てが完了
合算イベント測定
iOS14のアップデートに伴うプライバシーポリシーの新たな制定により、アプリから計測できるイベントが大きく減った。その対応として、イベントに優先度を付けて最低限の計測を行えるようにすることが合算イベント測定である。合算イベント測定を行うことで、設定したイベントに基づく配信の最適化を機能させることが可能となる。またイベントは最大で8個まで設定することができる。
なお合算イベント測定を行うためにはドメイン認証を済ませている必要がある。そのためドメイン認証と併せて設定しておくことを推奨する。以下に合算イベント測定の手順を説明する。
イベントマネージャーの該当のピクセルにおいて、「概要」>「合算イベント測定」>「ウェブイベントを設定」を選択。
設定したいドメインのURLを検索し、イベントを管理を選択。
合算イベントの注意点として、設定後は72時間編集が出来なくなる。この警告を了承した上で「編集」を選択。
「イベントを追加」をクリックし、計測したいイベントのピクセルorカスタムコンバージョン、イベント名を選択する。計測優先度に応じて、各イベントをドラッグアンドドロップで並べ替えをする。すべて設定したら「送信」を押して設定を完了する。
優先度については原則的には、正しく計測したいイベント=最適化の対象としたいイベントを順に割り振っていく。例えばECサイトであれば下記のような順となる。
最高優先度 |
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---|---|
最低優先度 |
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まとめ
以上の手順を完了した後に、広告アカウントを通してクリエイティブの入稿や配信設定を行って、ようやく広告配信をスタートすることができます。
広告アカウントの構築については、多くのサイトで詳細に解説されているので、そちらをご確認くださいね。
Facebook広告は開始までに必要な手順は多いものの、配信精度が非常に優れているため高い効果が期待できます!
Facebook広告に限った話ではありませんが、マニュアル的に覚えるだけでなく、それぞれの手順の目的をセットで把握しておくことで、より媒体特性に寄り添った広告運用が可能になります。
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この記事を書いた人
アイバ
2021年入社、Webマーケティング課所属。シーズン中はNBA観戦に夢中。