未開拓領域にリーチしたい!2つのP-MAXキャンペーンを棲み分けさせた事例

2026年07月23日

こんにちは、ASUE株式会社Webコンサルティング課のアイバです。

P-MAXキャンペーンはGoogle広告のキャンペーンタイプの一つで、Google広告が配信されうるすべての配信面に一つのキャンペーンで配信してくれるメニューです。

機械学習によって、獲得が見込めるさまざまな面やユーザーに広告が配信されるため、獲得拡大への寄与が期待できる配信メニューなのですが、人間目線で見て「もっとここに配信したらいいな」と感じたり、中長期的なスケールにつながっていないと感じることも。

今回は、担当している事例で今まで配信していたのとは別の新しいP-MAXキャンペーンを配信して、今までリーチできていないところへ広告をリーチさせたい!ということで施策を実施したので、まだ効果検証中の内容ではありますが、その経過などをご紹介したいと思います。

 

なぜ「もう1本P-MAXを足す」のか

このクライアントの既存P-MAXは、検索面を主体に配信されていて、CPA・CVともに安定しています。一見すると順調ですが、安定しているがゆえに「ここからどう伸ばすか」が課題になっていました。

クエリレポートを見てみると、配信のボリュームは「顕在クエリ」と「比較検討クエリ」がメインなことがわかります。

クエリ分類表示回数クリック数CVCPA
顕在層約20,000約1,60097約¥15,000
比較検討層約72,000約1,50065約¥16,000
潜在層・その他約34,000約60023約¥11,000
※約3ヶ月分の結果

顕在・比較検討クエリで網羅的に獲得できている一方、どちらでもない「潜在層・その他」に分類されるクエリでも安定したCPAでCVが発生しており、まだ伸ばす余地があることがうかがえます。加えて、検索面以外(YouTube面・ディスプレイ面)への露出はほとんど出ておらず、また何度か目標CPAの調整を試みたもののこの内訳は大きく変わらない状況でした。

つまり、既存P-MAXの現状認識・課題は、

  • 取れる範囲のクエリは取れている
  • それ以外(潜在層・その他)のテールワードや配信面に積極的に広がっていかない

という状況でした。ここに人為的にアプローチできないかというのが、今回の施策のきっかけです。

施策の中身:棲み分け前提でもう1本P-MAXを新設する

ポイントは「既存P-MAXの安定稼働を邪魔しないこと」。

既存P-MAXが取れているクエリは新設側で除外し、新設は「未開拓のクエリ・配信面」を担当する設計にしました。

棲み分けのイメージ

  • 既存P-MAX:引き続き顕在層・比較検討層を中心に安定稼働
  • 新設P-MAX:潜在層・その他のクエリや非検索面を中心に開拓。キーワード除外で既存と棲み分け

具体的にやったこと

項目設定内容
キーワード既存P-MAXで獲得できている主要クエリ(「勤怠管理 システム」「勤怠 アプリ」「勤怠管理 ツール」など)をフレーズ一致で徹底的に除外
リンク先SEOでCV実績のあるページのみでページフィードを作成し、URLリスト内で拡張
ターゲティング既存P-MAXを踏襲

リンク先については、「既存P-MAXは拡張なしでLPのみ/新設P-MAXはSEOで実績のある記事ページ・サービスページを利用」と差をつけ、テールワードでの獲得拡大を狙いました。

進捗:現在の様子

紆余曲折ありつつ、配信開始から1ヶ月ほど経った時点の動きをまとめます。週次のCV・CPAは以下のとおり(数値は簡略化)。

既存P-MAX

期間表示回数CVCPA
1週目約120万19¥24,000
2週目約35,00020¥18,000
3週目約34,00023¥14,000
4週目約33万25¥19,000

新設P-MAX

期間表示回数CVCPA
1週目約58万7¥28,000
2週目約14,0002¥18,000
3週目約13,0003¥16,000
4週目約20万13¥21,000

各キャンペーンの動向

初動(1週目):両方とも荒れる

新設・既存どちらも大きく荒れ、CVは出るもののCPAは悪化。両方ともYouTube面に大きく拡張しました。

2〜3週目:検索主体で落ち着くが、ボリュームは減少

YouTube面の拡張が落ち着き、検索主体の配信に戻ってCPAは安定。一方で表示回数は大きく減ってしまいました。

ただこの期間、新設P-MAXがこれまで拾えていなかったテールワード系(例:「勤怠 打刻 忘れ 対策」「勤怠管理 エクセル 卒業」など)で配信を広げ、CVが発生しはじめました。

※管理画面上のグラフを元に作成したイメージ画像です

こちらは狙いどおりの動きです。

4週目〜:再びYouTube面へ拡張

両方とも再びYouTube面への配信が拡大。今回は新設P-MAXのYouTube面からのCPAが大幅に改善しました。表示回数も大きく戻ってきています。

現時点での評価

施策前後のP-MAXキャンペーンの結果は以下の通りです。

1ヶ月あたりのCV数CPA
施策前(3ヶ月平均)6915,400円
施策後(2つのP-MAX)10519,200円

  • 良かった点
    • YouTube面・テールワードへの露出が広がり、既存P-MAXでは届かなかった潜在層にアプローチできた
    • 新設P-MAXで未獲得だったクエリからCVが発生しはじめた
  • 悪かった点
    • 安定していた既存P-MAXが荒れてしまい、CPAも揺れている

これまで届いていなかったテールクエリやYouTube面からの獲得も発生しはじめたので、狙い通り新設P-MAXの配信によって、「未開拓の領域に届く」という目論見はある程度成功し、CV数拡大にも寄与したと考えられます。

一方、既存のP-MAXの配信が荒れてしまい、既存P-MAXで安定的に獲得しつつ新設P-MAXで裾野を広げたいというそもそもの前提部分が崩れてしまっている、というのが今のところの実感です。

まとめ:P-MAXの「広げる・狭める」を人為的に再現することはできるのか?

P-MAX自体にも、CPAが安定していれば配信面を広げ、悪化していれば狭める、という自動調整の機能はあります。これはこれでちゃんと働いている機能ですが、冒頭でもお話しした通り、

  • 中長期的なスケールには繋がらないことがある
  • 人の目で見ると「ここにもっと配信すればいいのに」と思える場面がある

ということがしばしばあります。

今回の施策は、その「もっと配信すればいいのに」と思った領域に配信できるように、配信を広げる・狭めるような調整をもう1本のP-MAXを使って人為的に再現してみた、というところになります。

現在の経過としては、予想外に既存のP-MAXが不安定になったものの、狙い通り未開拓領域にリーチできCVを上積みできており概ねポジティブに評価しております。

「P-MAXから安定して獲得ができているけれど、ここからもう一段伸ばしたい」とお考えの方の参考になれば幸いです。

アイバ

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