こんにちは、ASUE株式会社Webマーケティング課のタカハシです!
「予算を上げたらもっと獲れますか?」—— 広告運用を請け負っている方は一度はクライアントが聞かれたことがあるかもしれません。聞かれたことがある方はこれに対して(状況にもよりますが)、「予算を上げた場合、今よりもCPAは上がると想定されます。」と返したことがあると思います。
今の予算で50件取れているから、倍の予算を使えば100件取れるかもと思われる方がいるのですが、残念ながらそううまくはいきません。各商材やサービスによって問題ないCPAで広告を運用できる適正予算があり、さらに時期などで需要が変化してくるような商材・サービスであれば、それによっても適正予算は変動します。
今回は季節によって需要が変化する商材を例に、この適正予算(とCPA)についてお話しします。
目次
事例:加湿空気清浄機のレンタルサービス
- 商材について
- 最需要期:11〜翌4月(乾燥時期 / 花粉の時期)
- 獲得単価:年間通して3万円前後
- 需要期は予算を上げても同CPAで維持
- 閑散期は予算を下げないとCPAが高騰する
- クライアントの要望
- CPAは上がってもいいので、需要の下がる5月も需要期と同程度の予算を使い切ってほしい
加湿空気清浄機は、乾燥しやすい冬場や花粉の舞いやすい時期などに需要が高まりやすい商材です。CPAは年間を通して30,000円前後で配信可能ですが、需要期は予算を引き上げてもそのまま同CPAを維持できるのに対し、閑散期は予算を抑えないとCPAが高騰する傾向にあります。
さて、ある日クライアントからこんなご依頼が……。

5月の獲得数を増やしたいので400万円を使い切ってください!
前述の通り、加湿空気清浄機の最需要期は寒い時期や花粉の時期です。5月以降は梅雨に向けて需要が落ちていく時期です。

通常その予算は需要期でしか使わない金額です。
閑散期に入り始める時期なので、CPAも高騰してしまうかと思うのですが……大丈夫ですか?

そうなんですね。
どの程度取れるか見たいので、CPAは一旦上がっても配信してもらって大丈夫です!
……ということで、CPAの高騰はあまり気にせず(もちろんできる限り上がらないようにしつつ)配信を実施しました。
配信結果(全体)
広告費 | インプレッション数 | クリック数 | クリック単価 | CV数 | コンバージョン率 | 獲得単価 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
前年5月 | 234万円 | 572,000 | 8,600 | 270円 | 90 | 1.05% | 26,000円 |
5月 | 400万円 | 1,430,000 | 10,000 | 400円 | 100 | 1% | 40,000円 |
6月 | 160万円 | 479,000 | 4,900 | 330円 | 51 | 1.04% | 32,000円 |
5月の利用金額は前年と比較すると1.7倍ですが、CPAもCPCも1.5倍となりました。また、6月は予算を引き下げ、その時期の適正予算で運用を行なったところCPAは平均範囲に収まる32,000円まで戻りました。
6月のニーズが減っていく時期の中で無理して配信を行なったためか、クリック単価が上がり、CPAも上昇しました。
配信結果(媒体別CPA)
Google P-MAX | Googleデマンド | Meta | |
---|---|---|---|
5月 | 38,000円 | 35,000円 | 57,000円 |
6月 | 30,000円 | 33,000円 | 29,000円 |
適正予算よりも予算を引き上げた10月は媒体別CPAが3万円台後半からMetaでは6万円弱とかなり高騰しています。その後、適正予算まで引き下げて運用した11月はCPAも平均的な3万円前後まで下がっています。
まとめ
今回は一つの事例だけなので検証としては不完全ですが、今回の事例では次のような結果となりました。
- そのタイミングの適正予算を大幅に超えるとCPAが悪化
- 翌月適正予算まで戻すとCPAも回復
適正予算を大きく上回る予算で配信した10月はCPAが悪化してしまいました。11月は本来であれば需要が10月よりも落ちるため獲得しにくくなる時期ですが、適正予算内で運用することでCPAは回復しました。
おそらく適正予算を上回る予算で配信すると、ニーズに見合わない量の広告を配信することになり無理矢理ターゲットを広げて配信することになってしまい確度の低いユーザーにまで広告が配信されます。そのため、クリック単価も上がりCPAも上昇します。
適正予算内でニーズに見合った広告配信をすれば、CPAは平均値を保ったまま配信が可能です。
今回はクライアントの希望で配信を実施しましたが、広告配信を行う際は商材やサービス・また季節ごとなどのそれぞれの適正予算を見極めて予算を決定することが重要です。
無理な予算の引き上げは、代理店にとっては目先の利益になる場合もあります。が、長期的な目で見れば代理店にももちろん広告主さまにもよくない場合が多いので、適正予算を意識すると良いでしょう。
予算の引き上げで一概にCPAが悪化するわけではなく、現在の予算が少なくまだ無理せず配信できるポテンシャルがある場合など問題なく予算を上げられる場合も多いのでCPAとのバランスを考えて適正予算を見極めていくと良いかと思います。

この辺りについてもご相談いただければ、現在のビジネスのご状況や商材内容、運用状況などから検討可能ですので、もし広告運用のことでお悩みをお持ちの方はぜひASUEにご相談くださいませ!
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この記事を書いた人

たかはし
2022年7月にASUEへ復活。
春夏はJリーグ・秋冬は釣りという趣味の二毛作を楽しむ広告運用者。