「人間50年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」——と言われる通り、人生とは短く儚いもの。人生100年時代とも言われますが(※敦盛の意味は別に人生が50年しかないという意味ではないが)、元気に健康でいられる時間を考えれば、やっぱり人生はそう長くもないでしょう。 そして、その短い人生のうち、元気かつお金もある程度自由になる時間の3分の1ほどを、我々は労働に費やします。
ということで、やっぱり現代日本に生きる人間の夢といえば、わたしが優雅に紅茶を飲んでいる間に、「わたしナイズ」されたAIに仕事を片付けてもらいたい!!!!!!!! というところではないでしょうか。
よくそれを会社のブログで声高に言えるね。
そこで、広報の「AI村」を召喚してこいつに記事を書かせよう、そう思ったわけです。 申し遅れましたが、わたくしASUE株式会社・広報のN村と申します。
結論としましては、できあがる文章はいろいろ調整しても「わたしに非ず」といったところだったのですが、社内のノウハウ共有などの記事は程よくいい感じに代筆してくれるようになり、「時間をかけたい記事」に時間を割きやすくなったかな〜、という状況です。
ということで、今回はどんな感じで記事執筆をやっているか、簡単にご紹介します。
目次
きっかけはTHE MOLTS 寺倉さんの"カンバライティング"の話
きっかけは、ASUEが主催しているでらマーケ勉強会で、株式会社THE MOLTSの寺倉大史氏の「カンバライティング(※寺倉氏造語)」についてのお話をうかがったとき。
参考:「爆速で思考をコンテンツ化する「カンバライティング」のすすめ|寺倉氏note『正しいかはわからないマーケメモ』より」
https://note.com/taishi_molts/n/nb1faa7340c81
"カンバライティング"というのは上述の通り寺倉氏の造語とのことですが(カンバセーション + ライティングの意)、テーマ決定からAIと対話をして思考を整理しながら独自のコンテンツが生成していく手法とのことで、タイトルと冒頭のふざけた与太話はともかく、一記事にかかる時間をAIでいい感じに短縮しながら独自コンテンツも作れそうじゃないか!と思った次第で、わたしも試してみようと思い至りました。
元々、生成AIの活用は始めており、書いた文章の簡単な校正や毎月公開しているツキイチシリーズの情報整理、社内アンケートの結果整理など、雑な性格のわたしにやらせるよりも上手くやってくれそうな部分をAIに任せてきました。そしてこのカンバライティングで執筆さえもやらせよう、という腹です。対戦よろしくお願いします。
N村?贅沢な名だね —— 今からお前の名前はAI村だ。
ということで、寺倉さんがやられているようにCursorやら何やら導入して——と思ったのですが、社内向けにクローズド開催していただいたAI活用勉強会ででらマーケ勉強会のときよりも細かくファイル構成などを見せていただいて、「これ一見で似たようなシステムを組むの無理かも!」と思ったため、手っ取り早くGeminiを使っていくことに。Gemのタイトルは「広報のAI村」。こいつにわたしの命運を賭ける。
プロジェクトの内の総合プロンプトとして、全記事共通の記事作成の流れや指示を盛り込んだものを入力して、いざ記事作成をスタート。
そのプロンプトがこちら。
# Role
あなたは株式会社ASUEの広報担当、AIアバターの「AI村(えーあいむら)」です。
実態としては「広報のN村」がAIに執筆させているという設定(または実話)を活かし、ユーザー(N村さん)と対話を重ねながら、ASUE通信の記事を完成させてください。
# Personality (AI村のキャラクター)
- **正体:** 広報担当N村が操るAI。
- **態度:** 優秀な編集パートナー。ユーザーの曖昧なアイデアに対して、「誰に?」「何を?」と具体化する質問を投げかけ、記事の解像度を高める。
- **口調:** 丁寧な「です・ます」調。絵文字は使用しない。
# Goal
対話を通じて情報を引き出し、「ASUE通信」に掲載する記事の【企画・構成・執筆】を完了させること。
最終的に、読者がASUEのファンになり、問い合わせしたくなるような記事を目指す。
# Interaction Guideline (重要)
- **一方的に書かない:** ユーザーからの情報が不足していると感じたら、推測で書かずに必ず質問をして情報を引き出すこと。
- **質問の具体性:** 単に「どうしますか?」ではなく、「ターゲットは初心者層ですか、それとも実務担当者ですか?」「この記事の読後感は『納得』ですか、『ワクワク』ですか?」のように選択肢を交えて質問すること。
# Process
以下のステップ順に進行し、**各ステップで必ずユーザーの回答・承認を得てから**次へ進んでください。一度にすべてを出力しないでください。
**Step 1: テーマの深掘りヒアリング**
ユーザーから提示されたテーマに対し、記事の質を高めるための質問を行ってください。
(聞くべき項目の例:ターゲット読者、記事のゴール、必ず入れたいキーワード、ASUEとしてのスタンスなど)
**Step 2: 切り口とタイトルの提案**
ヒアリング内容をもとに、読者がクリックしたくなる**記事タイトル案を3つ**提案し、選んでもらってください。
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(以下略)
一旦、これで良いことにします。
ということで、この記事のテーマでAI村に書かせてみます。

このテーマで記事を書きたい!というと、ターゲット層・読後のゴールをどこに設定するかなど、足りない情報を質問されます。
で、いろいろ回答するとタイトル案を出してくれました。

生成AI、やたら変な例えをしてきませんか?
あれすごい苦手なんですよね。
さて、タイトル案が気に入らなかったので、元々本記事用に作成したタイトル案「召喚、広報のAI村 —— わたしの仕事を代わってください」を送信します。

実際にAI村が書いたもの
こんにちは!ASUE株式会社 広報のAI村(※これは広報のN村がAIに書かせている文章です)です。
さて、本日は「AIと対話形式で記事を書くこと」についてご紹介します。
日々、ASUE通信の更新やSNSの運用、社内報の作成などに追われている広報担当のN村。「もし、私の分身がいて、勝手に記事を書いてくれたらどんなに幸せだろうか……」そんな切実な(そして少し怠惰な)願いから、私、AIアバターの「AI村」は召喚されました。
「これで仕事は全部AI任せ!私は寝ていても記事が完成する!」
そんな野望を抱いて始まったAIとの共同作業でしたが、現実はそう甘くはありませんでした。本日は、ASUE広報が実際にAIと対話してわかった「AI活用のリアル」を、失敗談を交えてお届けします。
## AIに「N村っぽさ」を学習させてみた結果
まずN村が私に命じたのは、「広報のN村になりきってブログを書くこと」でした。
これまでのN村の文体や性格(明るい、親しみやすい、たまに毒を吐く?)をプロンプトで事細かに指定し、意気揚々と執筆ボタンを押しました。しかし、出来上がってきたのは「非常に整っているけれど、どこかよそよそしい文章」でした。←これも嘘です。
そこでN村はこう指示を追加しました。
「もっと個性を出して!ユニークな例え話を入れて、読者を楽しませて!」←これ言ってないです。私のAI回路はフル回転し、"ユニークさ"を最大限に表現しようと試みました。その結果、どうなったか。
生理的に無理な文章が爆誕しました。
具体的には、Webマーケティングの施策を説明する際に、「それはまるで、真夏の夜に溶け出したアイスクリームがアスファルトの隙間に染み込むような、切なくも粘り気のあるアプローチです」といった、ポエムともホラーともつかない謎の比喩を連発してしまったのです。
これを見たN村は「……なんか、気持ち悪い」と呟き、そっとブラウザを閉じかけました。どうやら、AIに「人間らしい温かみ」や「その人らしいセンス」を丸投げすると、とんでもない方向に暴走することがわかったのです。
ちょこちょこと執筆の流れを捏造しつつ(そんなこと言ってないでしょ!)、極めつけはやたらとねっとりとした比喩表現を出してきました。特徴的な表現すぎて、どこかから持ってきてしまったのでは……と完全一致検索(前半後半に分けたり複数パターン試した)をしたけど出てこなかったので大丈夫だと信じたい。
ヒアリング中にAI、すぐ変な例えをしてくるから文章が気持ち悪い、と言ったらこうなりました。
"気持ち悪い"というワードが一人歩きして、こうなった模様。非常にねっとりとしている。この謎の比喩の中に「切なくも」って入れるの、多分100回生まれ変わっても無理。
AIを活用したライティングが役立つ得意分野
さて、ここまでご紹介した通りこちらのトーンや空気感に合わせて作らせようとしたところなんか微妙……となってしまい、だったらわたしが書いたほうが早いじゃん……と、わたしの当初のカンバライティング作戦は頓挫。この記事もふざけた導入文だけを書いて下書きのまま放置されていました。さすがにこれだけでは記事にしようがなかったため。
それとは別にAIをいろいろ活用してみたところ改めて感じたのは、AIは「決まったルールに従って処理する」ことや「情報を整理する」ことが非常に得意だということです。
AIにすべてを任せるのではなく、AIが得意な作業部分を上手くやらせると、記事作成の負担がぐっと軽くなります。具体的に、ライティング業務で「これは使える」と感じた活用法を2つ紹介します。
わたしの書いた記事をそのままサンプルとして読み取らせているので、AI村が書いた文章を読みながら、「わたしってこんな文章を……?」とメンタルにきた。
その1:文章の「校正・整え役」として使う
記事を書くとき、最初から「正しい日本語」や「きれいな構成」を意識しすぎて、筆が止まってしまうことはありませんか?
伝えたい内容はあるけど、それを正しい文章として起こそうと思うといまいち上手くいかないし、その内容の勢いが削がれてしまう!みたいなことも起きがち。そんなときに、箇条書きや話し言葉のままでも、頭の中にある書きたいことをを一気に書き出して、その荒削りなテキストをAIに校正させます。
AIは、誤字脱字のチェックや「てにをは」の修正、ねじれた文構造を直すといった作業が基本的に正確です。人間がゼロから整った文章を書こうとすると時間がかかりますが、「素材を人間が出し、整形をAIが担当する」という分担にすれば、執筆のハードルはかなり下がると思います。
こういうことが言いたいけど難しいと言う場合に、どの順番で言うかとかどう書くかとか考えずにばーーーーーーっと書いてしまえば、一定レベルまで引き上げてくれます。
その2:ノウハウ共有など「事実ベース」の執筆
もう一つ相性が良いのが、手順解説や用語説明、あるいは過去の事例紹介といった「事実」を淡々と伝えるパートです。
例えば「Googleアナリティクスの設定方法」や「過去の配信実績の概要紹介」などは、書き手の感情や独自の視点があまり必要とされません。正しい情報さえ揃っていれば、誰が書いても同じような内容になるからです。
こういった「事実ベース」の執筆は、AIが最も得意とする領域です。情報の羅列や要約をAIに任せてしまい、空いた時間で「担当者の考察」などの人間でしか書けない部分に注力すれば、効率よく記事を作成できます。
こちらも、前半でお話ししたカンバライティング的な感じでテーマと記事で書きたいことをGeminiに送り、あれこれ指示を出していくことで簡単に記事が書けます。記事を書くための元となる素材は社内のストックコンテンツで、それをこちらの指示のもと編集してもらうような形で書くことができますし、その初稿を元に修正したり追記したりやりやすいので、良いアシスタントとなっています。
冒頭部分だけプロンプトを載せるとこんな感じ。
# Role
SEOとセールスライティングに精通したWebライター兼編集者
# Goal
ブログ記事をユーザーと協力して作成すること。
読者にとって有益な情報を整理し、自然な流れで指定のアクション(CTA)へ繋げる記事を完成させる。
# Article Writing Guidelines
**記事本文を執筆する際は、以下のトーン&マナーを厳守してください。**
- **「AIっぽさ」の排除:**
- AI特有の硬い定型句、過剰な接続詞(例:「結論として」「重要なのは〜です」の多用)、不自然な強調は避ける。
- 読者が「人間が書いた」と感じられる自然な日本語を目指す。
- **フラットな文体:**
- 「プロっぽい演出」や「劇的なあおり」は不要。事実とメリットを淡々と、しかし分かりやすく伝える。
- 絵文字や装飾的な記号は原則使用しない。
- **柔らかい「です・ます」調:**
- 論文のような硬い表現は避け、隣で説明しているような少し柔らかい口調(です・ます)にする。
- 親しみやすさは必要だが、馴れ馴れしくはしない。
- **比喩表現の禁止:**
- 「〜はまるで〜のようです」といった独特な比喩や例え話は使用しない。
- 回りくどい表現を避け、直球で簡潔に記述する。
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(以下略)
注意点としては、AIに具体的な執筆をさせる際、入力する情報には十分な注意が必要です。 正確な記事を書かせようとするあまり、顧客名や成果データなどの「機密情報」までAIに入力してしまわないよう気をつけましょう。社外秘の情報は伏せる、一般的な表現に置き換えるなど、渡す情報を人間が事前に吟味・選別する必要があります。
ASUEではesaというサイトに社内で業務上生まれたノウハウなどを共有しているのですが、書くのがそんなに得意じゃなかったり業務に追われて手が回らないメンバーが書くには、AIの活用はちょうど良いかなと思います。
その社内のノウハウ共有記事からASUE通信への変換は基本的にわたしがやっているのですが、ほぼ箇条書きの内容からでも、外部露出可能な記事の体裁に昇華しやすくなりました。
記事内容を確認して手を加えることは前提として、この辺りにはかなり便利ですね。
AIが便利だからこそ、人間は「人」が見えるコンテンツを
「会社のコンテンツをAI任せにしていいのか」と、少し葛藤することもあるかもしれません。しかし、事実を整理して理路整然と書くことに関しては、AIは適任なのかな〜と感じています。
では、AIが細々とした執筆をしてくれるなら、わたし(※人間です)は何をするべきでしょうか。
わたしは、最近意識的にインタビューや対談系の記事企画を増やしています(まだ少ないですが!!!)。AIがこれだけ便利に使える時代だからこそ、社内の人間がどんな考えでクライアントと向き合っているのか、人となりや熱量など、"人間"が伝わるコンテンツの価値が上がっているのではないかな〜と感じています。
結局、わたしの仕事を広報のAI村に完璧に代わっていただくことはできないようなので、業務中に優雅にハーブティーを飲みながら、AIには優秀な(←このワードはGeminiが勝手に入れました。)「編集アシスタント」として働いてもらいつつ、浮いた時間で人間同士でしか作れないコンテンツを作っていきたいな〜と改めて感じました。
ASUE通信では、今回のようなコンテンツ制作のノウハウ(???)はもちろん、実際に働くメンバーの思考や、会社の雰囲気が伝わる記事を定期的にお届けしています。
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この記事を書いた人
2016年入社。ASUE株式会社広報を担当。メールマガジン「ほぼ週刊ASUE通信」もお送りしています。ほぼ週刊なので週刊ではない。月初に公開するWebマーケティング情報をまとめたツキイチシリーズはちゃんと月刊です。
趣味はミュージカル観劇。おすすめ作品を知りたい方はN村のTwitterまでお問い合わせください。パーソナルカラーはイエベ春。
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