
こんにちは!ASUE株式会社 広報のN村です。
先週公開したこちらの記事。主旨としては、生成AIだけで(実用に足る・AIっぽさのない)バナー作成は可能か?みたいな内容を、架空の商材でバナーに必要な全要素をChatGPTで作成しつつバナー生成まで挑戦!という記事なのですが、社内で共有したところいくつか質問をもらいまして……。

クライアントワークにおいてはお客さまからの支給素材や有料素材等のアップロードには問題あるよね、ということでバナーデザインまでやらせようと考えると現状すぐすぐの実用化は難しいかも……という結論だったのですが、すでにあるバナーの訴求変更などのちょっとした変更を制作チームに依頼せずともできればお互いの工数削減も見込めて嬉しいよね!ということだったので、それらの質問に答えるべく早速試してみました。

というわけで、その結果をご共有します!
目次
バナー画像からメインコピーだけを削除できる?
まず最初の疑問は、メインコピーなどの訴求部分だけを綺麗に消してくれるか?というお話です。

上記の画像は、前回自分で作成した正方形バナーです。こちらをChatGPT上にアップしつつ、メインコピーの削除を指示した結果がこちら。この手の指示は複雑なプロンプトを組まなくてもわりとサクッと応えてくれます(プロンプト:この画像からメインコピー「光は、わたしの奥にいた。」を削除してください。)。

- モデルの顔が変わってしまう(ここに生成画像を使うなら多少はあり)
- OpenAIの画像/動画生成ツールであるSoraを利用すると、モデルの顔をほぼ変えずにできそう
- ただし、その場合でもやっぱり自分たちに権利のある画像じゃなきゃ使えない
- サブコピーのテキストが読めなくなった
- 細かいテキスト
- 日本語(特に漢字) は生成AIとの相性が悪そう(今回は両方……)
- 商品画像内のロゴが実はだいぶ変わってる
前回も紹介しましたが、画像をアップロードした上で指示を出せば大体似たようなものは出力してくれます。が、全く同じように出力してくれるわけではなく、解析して分解して再構築!みたいなことを錬金術師よろしくやっているようで、モデルの顔はかなり変わり(※同じくOpenAIのSoraというツールを使用すればもう少し一定の顔でできそうです)、細かいテキストもかなり変になってしまっています。
人の顔は同じにはならないし、画像から読み取らせる細かい部分はほぼ確実に変化が起きてしまいそうです。

完璧に同じものを生成するようになったら、きっとChatGPTが真理の扉を開いたってこと。
バナーのワイヤーフレームを作成したらそれに沿ってデザインしてくれる?
続いての疑問は、「ランディングページのデザイン前のようにバナーにもワイヤーフレームを用意したら生成AIでその通りにデザインしてくれるのではないか?」というもの。
たしかに、ChatGPTにこれでデザインして!と頼むだけよりも構成が決まってて良いかも……。ということで、仮にこんなワイヤー(っぽいもの)を用意しました。

こちらと一緒に、前回作成したイメージ画像・ロゴ・商品画像もアップロードしつつ、以下のプロンプトでプロンプトを生成しました。
天才プロンプトエンジニア目線で、{$テーマ}それぞれ役立つプロンプトを作成して。
初級、中級、上級、天才 レベル別で、それぞれのプロンプトを省略せずに1つずつ丁寧に、構造化して整理して作成して。
それぞれのプロンプトは下に、追加文章を貼り付けるだけで成立するような汎用的で柔軟なプロンプトを考えてください。
###テーマ
・ワイヤー画像.jpgに沿ったスキンケアブランドバナーを作成するためのプロンプト
###条件
・File:ワイヤー画像.jpgの構成に沿って要素を配置する
###要素
・メインイメージにFile:メイン画像.png
・ロゴにFile:ロゴ.png
・商品画像にFile:商品画像.png
・メインコピーに「光は、わたしの奥にいた。」
・サブコピーに「大人のための新ブライトニング・エイジングケアライン」のテキスト
・発売日情報に「2025年7月1日 新発売」のテキスト
生成されたのが以下のプロンプト&画像です。今回は初級レベルと天才レベルを試してみました。

入れたいテキストの内容もしっかり明示したので、今回は期待!
初級レベル

Create a clean promotional banner layout for a skincare brand using the following elements:
- Use the provided wireframe layout (File:ワイヤー.jpg) as a reference for positioning.
- Main image: File:メイン画像.png (top right)
- Product image: File:商品画像.png (bottom right)
- Logo: File:ロゴ.png (bottom left)
- Main copy text: “光は、わたしの奥にいた。” placed on the left
- Subcopy: “大人のための新ブライトニング・エイジングケアライン” below the main copy
- Release date: “2025年7月1日 新発売” under the logo
Use a soft, elegant tone with a light pastel background.
- テキストの出力に難あり
- メインコピーが顔にかかるのはちょっと……
- 文字色は読みやすいけどちょっと浮いてる
それなりのできではありますが、漢字を中心に出力がかなり怪しいですね。
天才レベル


Compose a poetic and emotionally resonant banner for a luxury Japanese skincare brand debut. Follow the structural guide from File:ワイヤー.jpg and infuse every element with conceptual depth and minimalist harmony.
- File:メイン画像.png should embody “inner light,” softly emerging from a serene background on the right.
- Beneath it, float File:商品画像.png, glowing subtly to suggest transformative care.
- On the bottom left, place File:ロゴ.png as an anchor to the brand identity, with refined elegance.
- Top left: Overlay the main copy “光は、わたしの奥にいた。” in graceful typography, spaced to breathe, evoking introspection.
- Below it, set the subcopy “大人のための新ブライトニング・エイジングケアライン” in a gentle tone.
- Then, add the release line “2025年7月1日 新発売” in small, dignified text under the logo.
Apply an atmospheric background of pale blush and faint ethereal arcs. Balance negative space and align all elements with a visual rhythm that reflects timeless femininity and quiet radiance.
- 正方形指示を与えなかったところ、横長画像に変更された
- 結局テキストは怪しい
- 結局細かいところは怪しい
天才レベルのプロンプトで出力した1枚目は、雰囲気としてはかなりいい感じ(縦横比は変わった)なのですが、やっぱりテキストの出力は上手くいかなさそうだな〜という結論に。

巷に流れてくるAI生成と思われるバナーのフォントも大体気持ち悪いもんな、文字合ってても……。
イメージ画像と商品画像の配置だけをやらせてみる
ここからはもらった質問ではないのですが、やっぱりどうにもテキストの生成に難があるので、テキストやロゴを余白に入れればOKな状態にできれば良いのでは?ということで、モデルのイメージ画像と商品画像の配置だけやらせてみることにします。
初級レベル

Create a clean and minimal base layout for a skincare brand banner using only two visual elements, leaving sufficient space for later text and logo placement.
- Place a portrait of a serene Japanese woman (File:メイン画像.png) on the upper right area, softly lit and facing slightly forward.
- Arrange a glowing set of five rose-gold accented skincare products (File:商品画像.png) along the lower right side beneath the portrait.
- Leave the entire left side and lower left area with soft, empty space in a light pastel beige or blush background, allowing room for later placement of copy text and logo.
- Keep the overall tone calm, elegant, and balanced, with soft lighting and no overlay text.
- Ensure all image elements blend naturally without crowding or overlapping the empty zones.
- 正方形にはならなかったものの、いい感じ
- トリミング等でどうにかなりそう
まずまずの仕上がりでした。
天才レベル

Design a poetic and compositionally refined base visual for a luxury Japanese skincare brand banner.
— Visual Elements —
• Feature the main image: a soft, radiant portrait of a Japanese woman (File:メイン画像.png) on the **right half** of the canvas, emerging gently from a pale blush or mist-toned background.
• Beneath her, arrange the product lineup (File:商品画像.png) horizontally, subtly glowing with soft ambient light to imply transformation and care. Ensure products feel grounded yet ethereal, echoing the brand's elegant sophistication.
— Spatial Intention —
• Leave the **entire left half and lower left quadrant** as clean, atmospheric negative space — intentionally blank to allow for post-placement of main copy, subcopy, logo, and release date.
• This space should feel breathable, layered with faint gradients or abstract arcs of light to evoke potential and depth, without overpowering the composition.
— Aesthetic Directives —
• No text or logos should be present — only visuals.
• Emphasize visual rhythm and asymmetrical harmony: the right side holds the emotional weight, while the left invites future messaging.
• Lighting should be soft and diffuse, evoking themes of “inner light” and calm luxury.
• Background palette: muted ivory, pale rose-beige, or soft golden undertones, free from clutter or patterns.
— Output Goal —
Produce a timeless, minimalistic visual canvas that invites future narrative overlay while standing alone as an elegant product and model composition.

マジでなんでなん?????????(横転)
※同じチャット内でやってます

①今までのN村さんのチャット履歴から最後に落ちが必要と理解
②GPTくん「ほら、これが好きなんでしょ(イケボ)」
③最後の展開になった可能性ありますね……

理解のあるGPTくん嫌すぎる、こっちは真面目なんだぞ。
まとめと所感
- 画像からのテキスト削除について
- 削除しない部分のテキストは崩れるかも
- モデルの画像や細かい部分はある程度変化する
- ワイヤーフレームについて
- きちんと指示を出せればわりとその通り出力はできる
- ただしテキストは下手
- テキストありの画像について
- 現状、綺麗なテキストを出力する努力よりもテキスト部分を抜いて生成させるのが良さそう
- 個人的な所感としても、AI生成らしきバナーの文字は大体ちょっと気持ち悪い
- 同じチャット内でやっていてもたまにトンマナがバグる
画像をアップロードした上での再生成(テキストの削除等)は、概ね上手くいきますが、前回の記事同様モデルの顔など細かく変化が見られました。また、テキスト部分の生成も(日本語も可能になったとはいえ)だいぶ怪しいものが多い結果に。
現状、やるとしたらメインコピー等を入れる余白を作った画像を生成させて、それにCanva等で文字やロゴなどを配置するのが良さそうかな〜というのが個人的な所感です。コピー自体はある程度のレベルでテキスト生成もできるので、それを何かしら画像編集可能なツールでいじるのが良さそう。

今回は自分でレイアウトを考えて→画像生成を試してますが、レイアウト案を考えさせてそれを元に配置を自分で行うのもよさそう。
運用者が実際に現場でやりたくなるであろう、すでに出来上がったバナーのコピー等だけを編集したいという場合には向かないと思いました。(そもそもクライアントワーク等ではアップロード自体に問題がある場合が多いかと思います。)

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あっ、あと一応作りました。

この記事を書いた人

2016年入社。ASUE株式会社広報を担当。メールマガジン「ほぼ週刊ASUE通信」もお送りしています。ほぼ週刊なので週刊ではない。月初に公開するWebマーケティング情報をまとめたツキイチシリーズはちゃんと月刊です。
趣味はミュージカル観劇。おすすめ作品を知りたい方はN村のTwitterまでお問い合わせください。パーソナルカラーはイエベ春。
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