
現代の企業は、経済的な利益を追求するだけでなく、環境や社会に対しても責任を持ち、持続可能な社会の実現に貢献することが求められています。今回の記事では、この取り組みに関連する用語「CSR」について解説していきます。
また、CSRとよく比較されるCSV、SDGs、ESGという用語についても見ていきます。また、CSRの7つの原則とその重要性についても掘り下げていきましょう。企業が社会的、環境的な課題に積極的に取り組むことで、どのようにブランドの信頼性を高め、持続的な成長につながるのかを理解していきましょう。
目次
CSRの基本的な概念
CSR(Corporate Social Responsibility)は、企業の社会的責任を指す言葉として広く知られています。これは、企業が経済的な利益を追求するだけでなく、環境や社会に対しても責任を持ち、持続可能な社会の実現に貢献することを意味します。CSRの取り組みは、企業のブランド価値や信頼性を高めるだけでなく、長期的なビジネスの成長や持続性にも寄与するとされています。近年、多くの企業がCSR活動を積極的に推進しており、その取り組みは広く企業の経営戦略の一部として位置づけられています。
CSV、SDGs、ESGとの違い
CSRと同じく社会的な取り組みや経営のキーワードとして頻繁に取り上げられるCSV、SDGs、ESGは、異なった用語です。それぞれの定義を見ていきましょう。
CSV (Creating Shared Value): この概念は、企業が社会的な課題をビジネスのチャンスとして捉え、それを解決することで経済的な価値も同時に生み出すという考え方を指します。つまり、社会と企業双方にとっての「共通の価値」の創出を目指すものです。
SDGs (Sustainable Development Goals): これは、国際的な持続可能な開発目標を指し、2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットから成り立っています。これには、貧困の撲滅や環境保護など、地球規模での課題解決が含まれています。
ESG (Environmental Social Governance): ESGは、企業の持続可能性や社会的責任を評価する際の基準として用いられます。具体的には、環境保護、社会的責任、企業統治の3つの側面を総合的に評価するものです。
CSRの7つの原則
CSRの取り組みを進める際に参考とされる7つの原則は、企業が社会的責任を果たすための国際的なガイドラインとして位置づけられています。
組織のガバナンス: 企業の経営体制や意思決定プロセスが透明で公正であることを確保する原則です。例えば、企業はその活動の社会的および環境への影響に対して責任を持ち、これらの影響が将来の実践にどのように影響するかを考慮する必要があります。この原則は、透明性の重要性と企業が自らの行動に責任を持つ必要性を強調しています。
人権の尊重: 企業活動の全ての段階で、基本的な人権を尊重し、侵害することのないよう努めること。企業は、個人や集団の権利を侵害するようなビジネス慣行に従事すべきではなく、すべての人々を尊重し、背景や状況に関わらず尊厳を持って扱う必要があります。
労働の権利: 従業員の権利を尊重し、良好な労働環境を提供すること。企業は従業員、顧客、インフラ、地域社会、環境などの利害関係者の利益を考慮し、彼らに価値を提供するよう努めるべきです。この原則は、利害関係者との持続可能な関係を築き、共有目標の達成に向けて協力することの重要性を強調しています。
環境への配慮: 環境保護活動を推進し、持続可能な資源の利用や環境への影響を最小限に抑えること。例えば、持続可能性を優先する企業は、資源をより効率的に使用することで運用コストを削減し、余剰エネルギーを売り戻すことができます。
公正な運営: 企業活動を公正かつ透明に行い、不正行為や汚職を防ぐこと。企業は、適用される法律や規制を遵守し、人権や労働基準を尊重する必要があります。この原則は、法律の遵守と基本的な人権の尊重の重要性を強調しています。
消費者の権利: 製品やサービスの安全性を確保し、消費者の権利を尊重すること。企業は、国際的な規範や基準、特に人権、労働、環境に関連するものを尊重し、運営する地域の慣習を尊重する必要があります。この原則は、責任あるグローバル市民としての役割と国際的なベストプラクティスの遵守の重要性を強調しています。
社会への貢献: 地域社会やステークホルダーとの協力を通じて、社会的な課題の解決に貢献すること。企業は、社会的および環境的な影響に対して責任を持つことで、利害関係者との信頼や信用を築くことができます。これにより、企業の評判やブランドイメージが向上し、顧客のロイヤルティや売上が増加し、利益が向上する可能性があります。
これらの原則は、企業がCSR活動を計画・実施する際の基盤として提供され、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを促進するための指針として活用されています。
出典:What Are The 7 Principles Of Corporate Social Responsibility?
CSRの現代的な重要性
近年、CSRと持続可能性に対する関心が高まっています。この傾向は、消費者や投資家をはじめとするステークホルダーからの要求の強まりとともに、企業の経営戦略の中核にCSRを位置づける動きへとつながっています。特に、気候変動、資源の枯渇、格差社会といったグローバルな課題が顕著になる中で、これらの問題への対応は企業の価値や信頼性に大きな影響を与えています。
例えば、気候変動に対する対策として、多くの企業が再生可能エネルギーの利用を拡大し、カーボンフットプリントの削減に取り組んでいます。また、資源の持続可能な利用に関しては、リサイクル材料の使用や廃棄物の削減などが注目されています。さらに、社会的な格差の問題に対しては、地域社会への投資や教育プログラムの支援などを通じて、より公平な社会の実現に貢献している企業も増えています。
CSRの取り組みを通じて、企業は社会的な価値を創出し、持続可能な成長を実現することが期待されています。これは、単に社会的な責任を果たすだけでなく、企業の長期的な成功にも寄与すると考えられています。企業が社会的、環境的な課題に積極的に取り組むことで、ブランドの信頼性を高め、消費者や投資家からの支持を得ることができるのです。また、CSRの実践は従業員のモチベーション向上や求職者へのアピールにもなり、結果として企業のイノベーションと成長を促進することにつながります。
ASUEでは
手前味噌ですが、弊社では強みであるWebマーケティングや制作を軸としたCSR活動を行っています。過去のCSR活動はこちらからご確認いただけます。
上述の活動はCSR7つの原則のうち”社会への貢献”にあたります。普段関わる顧客以外にも地域社会(特に学生さん)の皆さまとの接点をもつことで、学習の機会提供だったりいずれは業界の発展につながればという狙いがあります。不定期開催にはなりますが、こういった活動を続けていくことで持続的な社会をつくる一助となればと思います!
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この記事を書いた人

田中祐晴
旧Twitterリスティング広告・SNS広告の運用歴3年以上
BtoBのリード獲得をメインとした領域の運用型広告コンサルを担当。
成約までを考えた広告設計・改善で伴走支援いたします。